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検索対象: 正論 2016年9月号
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1. 正論 2016年9月号

界購か国の憲法 西修著 わかる′ 世界の憲法を知ろうー憲法改正への道しるべ ? 」 の知、西工 界を 海竜社・本体一七 00 円 護憲派憲法学者のウソがわかる 勉強すればするほど、ものを書たとえば、憲法改正手続規定を自民党改憲案の内容についての護 き、発言するのが怖くなる。それ改正した例など「聞いたことがな憲論者の誤認識が指摘されてい が研究者の忸というものだが、鼻 い , と言って、自民党改憲案を批る。西氏の信念が護憲派を論破し 息の荒い護憲派憲法学者たちの、判した著名な憲法学者がいる。ているのではない。資料・デ 1 タ ' るような、しかし根拠のないが、西氏によれば、フランス、オラに裏付けられた客観的な事実が、 自信は、どこからくるのだろうかンダ、オ 1 ストラリア、スイス、ト西氏に軍配を上げているのであ 比較憲法学の泰斗にして五十年ルコ、ルクセンプルク、デンマ 1 る。 来の改憲論者である西修氏の新著ク、インドネシア、台湾、リヒテンすべての国を対象とする徹底的 は、般読者向けでありながら、 シュタイン、コスタリカ、ラトビアな実証研究は、現役時代から西氏 世界諸国の憲法事情をくまなく調など、改憲手続規定の改正例は世が貫いてきた手法であり、本書に 査して得られたデ 1 タを満載し界中に「ごろごろ」しているとし 、はその膨大な成果が惜しげもなく た、学術的にも価値の高い快作でう。要するに単なる勉強不足で、投入されている。これを読めば、 ある。あくまでも客観的な事実を学生の答案なら「不可」を食らつ前文、平和主義、個人と家族、人号 月 ふまえて展開される西氏の憲法論て終わりだが、当の教授が無知ゅ権など憲法改正の主要テ 1 マごと は、独善的言説を権威主義的に流えのウソを触れ回っているようでに、世界のなかでの日本国憲法の 布してきた護憲派憲法学者たちのは、学生も浮かばれない。 立ち位置や、その普遍性と特異性平 心胆を寒からしめるに十分であ本書では、このほかにも、アメを理解することができる。 論 正 る。 リカのような主要国の改憲手続や憲法論議とは、本来、そうした

2. 正論 2016年9月号

憲法審査会が開店休業状態に陥っに民進党の支持者になったのかとがわしさを感じとったからにほか ているのは政治の無責任です。憲いえば、そうではないでしよう。自ならないと思います。 法審査会での議論を確実に積み重公共闘でもみられるように各々の共産党は、自衛隊は明確に違憲 ね、国民の理解を深め、憲法改正政党支持者は、支持政党を容易にだという立場です。民進党はそう を実現することが政治に課せられ変えないものです。共産党はあくではありません。国を守るための 基本である軍隊に関して、これを までも共産党支持のままです。 た歴史的使命です。 そこで問うべきは共闘した場憲法違反だとする党と、政権交代 野党へ支持が広がらなかった理由 合、どの政党が一番得をするかとを再び実現して、日本を担いたい それにしても参院選で野党への いうことです。今回の野党共闘でと切望する民進党が一致できるは 支持はなせ、それほど広がらなか実質的に一番得をしたのは共産党ずがないのです。 ったのでしようか。今回、安倍自だった。失うものが一番多かった根本的な違いは皇室についても な 民党に対抗するために野党 4 党はのが民進党ではないでしようか。みられます。共産党は依然として 予 全国各地の 1 人区に統一候補を相 3 年前の参院選で惨敗した民進党天皇制に「民主主義及び人間の平硺 次いで擁立しました。その実態はは、前回の獲得議席片を上積みす等の原則と両立しない , と反対し 背 4 党というより民進党と共産党のることはできましたが、改選議席ています。最近になって「君主制 連携だったと言えます。 の菊を大幅に下回る議席にとどを廃止」というそれまでの表現を 正 結果、 1 人区は自民党の幻勝Ⅱまりました。 削除しましたが、綱領には「天皇 敗で、野党はⅡ勝しました。例え惨敗は避けられた。けれども、持の制度は憲法上の制度であり、そ憲 ば桜井充氏を擁立した宮城選挙区っていた議席の維持はできなかつの存廃は、将来、情勢が熟したと の の民進党は、はじめから共産党とた。理由はこの上なく明らかです。きに、国民の総意によって解決さ 国 中 る の連携に積極的で共闘によって勝当初から、また選挙戦が進むにれるべきものである」と明記して 利しました。けれども、この民共つれて、政策が根本的に異なる共います。将来、皇室を廃止する予 共闘のなかで共産党支持者が本当産党と民進党の共闘に国民がいか定だが、その機会が来るまで待っ

3. 正論 2016年9月号

下は次のように仰せになった。 のお優しさも汲み取ることができを国民は知っているからである。 「負担の軽減は、公的行事の場よう。「しばらくはこのままでい 「生前退位」ではなく「譲位」 合、公平の原則を踏まえてしなけきたい、と仰せになったのは、 ればならないので、十分に考えてつ一つの祭祀とご公務に真摯に取さて、本論に入る前に言葉使い しなくてはいけません。今のとこり組んでいらっしやった陛下のおについて言及しておきたい。 ろしばらくはこのままでいきたい気持ちが滲み出るような御言葉でが「生前退位」との語を使用 と考えています」 はなかろ、つか し、報道各社が揃って「生前退 陛下の公的行事へのご出席を削しかしその後、加齢について、位」の語を用いたが、私は間違い 減する場合は、継続するものと継例えば耳が遠くおなり遊ばしたこではないが坏適切であると考え 続しないものに振り分ける必要がと、御公務などでお間違えをなさる。陛下の御事につき「生前退 あり、そこで不公平があってはい ったことなどを、陛下御自ら言及位」という言葉を使うことに漠然 けないとのお考えと拝察される。 なさるようになった。そんななかとした違和感を覚えた人は大勢い 一視同仁を大切になさる陛下のご今年の五月にも宮内庁が陛下の御るはずである。 く自然な御言葉と思える。また、公務を大規模に縮小する計画を立「生前退位 . とは、天皇が「生前」 2 陛下にお出まし頂くことは、行事てたところ、陛下の御意向により ( 生きている内 ) に「退位 , なさ の主催者にとっては格別のことで小規模な縮小に留められたと漏れることであり、意味的に間違いは あり、それが叶わなくなることを伝わる。 ない。しかし、「生前」は「死」 位 落胆する者をお気遣いになる陛下 z Ⅱ報道の真偽は不明だが、 を意識した言葉である。たとえば 天皇陛下の譲位の御意向は、とて「生前の姿 , 「生前はお世話になり 竹田恒泰氏昭和 ( 1975 ) 年、旧 降 皇族・竹田家に生まれる。明治天皇の玄も自然なことと共感し理解した者ました」などは故人を偲んで使わ 治 明 孫。慶應義塾大学法学部卒業。『語られなが多かったのではないかと思う。れる例である。また、「生前に好 な かった皇族たちの真実』で第回山本七平これまで陛下が一つ一つの祭祀やきなことをやっておくべきだ」「生 賞受賞。同大法学研究科講師など歴任。 御公務を大切になさったそのお姿前に子を授かってよかった , な

4. 正論 2016年9月号

の執務室で昭和天皇の玉音放送をラ時、祖母は周囲から日本軍の被害者ナ人に「日本人用売春婦」と書いた ジオで聴いた。放送が半分ほど過ぎを装うよう説得された。実際、日本プラカ 1 ドを首から下げさせ、腐っ たところで、祖母の右横に立ってい のために自発的に働いたという真実た食べ物を投げつけた。当時のイギ た男性が拳銃自殺をした。その後祖を述べるよりも、「日本軍に強制さリスはシナ人の怒りが直接、旧宗主 母は終生、銃声音を聞くたびに吐きれて働いていた」、もしくは「騙さ国に向けられることをおそれ、シナ 気に悩まされることになる。たとえれていた」と説明したほうが信びよ人たちのそうした振る舞いを黙認し ていた。 それがテレビや映画の効果音であつう性は高かった。しかし祖母には、 たとしてもだ。 偽りの自己弁護という恥ずべき行為祖母を辱めた「人民裁判」の模様 その後の混乱の中でほとんどの日をする気は毛頭なく、自身の行動にを収めた写真などの証拠はない。た 本人はバタバタと内地に逃げ帰っついての責任をとることが筋であるだ、祖母いわく、ある時ついにうん た。祖母も彼らと共に日本へ来るよと考え、説得を受け入れることを拒ざりし、頭を垂れることを拒んだ。 う誘われたが、米軍による広島へのんだ。 祖母と同時に糾弾されていた周りの 原爆投下に、あれほど残虐な行為を身内に祖国の「裏切り者」がいる男たちが泣き、取り囲んだ民衆に許 働く米国なら、日本で何をするかわというレッテル貼りを恐れた、イギしを乞う中、祖母だけは頭を上げ、 からないと恐れ、英国籍であることリ スの祖母の親戚は祖母を勘当し、民衆を扇動する者に向かって冷笑し を利用して香港に逃れた。しかし香彼女にイギリスに戻って「売国奴」た。怒鳴る男に向かい祖母は「好き 港も混乱していたので、祖母は一かとして絞首刑となるか、そのままシなだけわめくがよい。けれどこれ以 八かでシンガポ 1 ルに戻った。「もンガポ 1 ルでシナ人の情けに頼って上無駄になにかを言わされるのは、 し死ぬのならせめて故郷で死にたか生きるか、と迫った。 私のような出自の女性にとって、不 った」と語っていた。 祖母は後者を選んだ。 届き者に略奪されるよりも不名誉な 日本が戦争に敗れ、イギリスがシ祖母は幾度も公の辱めの対象となことです」といった。 ンガポ 1 ルの植民地支配を再開した り、現地のシナ人は祖母と親日派シ祖母は顔を殴られ、片目の視界が

5. 正論 2016年9月号

をもって抵抗する、あるいは領空侵でございますけれども、これは、例装置のスイッチを入れるのである。有 犯機が国民の生命及び財産に大きなえば相手が射撃した後というわけで過去、改正の動きがあったことも 侵害を加える危険が間近に緊迫してはなくて、相手がこちらに向かいま公正に記しておきたい。なるほど過 いるような場合、こういう場合にはして照準を合わせて射撃しようとし去一度、改正の動きがあった。昭和 武器を使用して適切に対応することている場合のように、侵害が間近に年川月、自民党防衛法制小委員会 になりますが、撃墜といったことも迫っている場合にも、相手の攻撃をで改正案を検討し、国会上程寸前ま 排除はされないということでござい待っことなく危害射撃を行うことがでいった。だが、何故か上程には至 ます」 法的に認められているということでらなかった。その時の改正案は次の 「領空侵犯機が実力をもって抵抗すございまして、そのときの状況に応とおりである。 る」まで武器を使用しないというこじて、適切に対処できるものと考え条の「退去させるための必要な とは、上空では既に空自に犠牲者がております」 措置」を「退去させその他これを排 出ていることを意味する。また「領これは法律論の世界であり、現場除するため必要な措置」とし、第 7 空侵犯機が国民の生命及び財産に大の実情とのかい離は大きい。現場の章に次のような権限規定を追加す きな侵害を加える危険が間近に緊戦闘機操縦者で誰一人この答弁に首る。「第条の規定により必要な措 迫」といっても尖閣諸島は無人島で肯する者はいないだろう。上空は寸置を命ぜられた自衛隊の部隊は、わ あり、尖閣諸島の領空侵犯を「国民秒の世界であり、「相手がこちらにが国の領域を保全するため、必要な の生命及び財産に大きな侵害」とみ向かいまして照準を合わせて射撃し武器を使用することができる、「前 なすのは難しいだろう。まさにこれようとしている場合のように、侵害項の規定により武器を使用するに際 は「一般論」であり現実の危機には が間近に迫っている場合」など判断しては、第条 2 項の規定を準用す 適用できない。 する時間的余裕はない。その一瞬にる」 ( 参考】第条 2 項 ( 防衛出動 また次のようにも答弁している。 は、既にミサイルを撃たれているの時の武力行使 ) 「前項の武力行使に 「正当防衛、緊急避難の要件を満たが実相である。だからこそ身の危険際しては、国際の法規及び慣例に拠 す場合で急迫不正の侵害ということを感じた時点で、予防的に自己防御るべき場合にあってはこれを遵守

6. 正論 2016年9月号

ページからの特筆記事も合わせてご覧下さい く星種豚場直営の ハムエ房「レストラ ン巴夢」を視察さ 陛下 = 6 月 21 日、 栃木県那珂川町 生前退位ご意向の報道にも : 天皇陛下が生前退位のご意向を周囲に 示されたという報道は、国民を驚かせまし か、天皇、皇后陛下は変わらずお忙しい毎 日を送られていました。 6 月幻 5 日には、 久しぶりに栃木県高根沢町の御料牧場に 滞在されました。 ) 」宿泊施設などは東日本 大震災で被害を受けたのですが、修繕が完 了しており、おふたりはゆっくりとした時を 過ごされたようです。県内のハムエ房も ) 」訪 問。ここは以前、優れた農家などに贈られる 農林水産祭天皇杯に選ばれ、関係者が両陛 下に拝謁していたそうで、両陛下から「ぜひ 寄らせてください」とお声を頂いていたとい 、つことです。お言葉を大切にされる両陛下 は、社交辞令ではなく、しつかり覚えていら したのかもしれません 皇太子殿下ご夫妻は幻 51 、 2 日東日本大 震災被災地の岩手県宮古市などをご訪問 津波防波堤で黙疇を捧げられ、被災者との 懇談後、見送る人にも歩み寄られました。 皇室 - 時こ K 0 U S ー T S tJ S A 一月 K ー

7. 正論 2016年9月号

う覚悟で、日本政府の隠蔽体質と事七月十三日、 Z Ⅱの報道を皮切ディアも、情報源を「宮内庁関係 なかれ主義に異議申し立てが行なわりに、大手マスメディアが「天皇生者」「政府関係者」とするだけで、 れた。その勇気と愛国心は高く評価前退位」「退位の意向ーなる報道をあいまいなままだった。 各メディアは、陛下が「公務を全 されるべきだ。ただ一点、気になる一斉に始めた のは、一色正春氏は現役海上保安官もしこれが本当なら大変な国家的うできなければ天皇としてふさわし だったが、 元空将織田邦男氏は退役大事である。だが、報道直後、宮内くない」とお考えになられていると した人物だということだ。なぜ現場庁長官、宮内庁次長の完全否定の言共通して伝えている。それが本当な の機密情報が退役将軍に伝わったの葉が伝えられた。菅官房長官も否定ら、なぜという一メディアの か。そこに問題はなかったのか。今した。奇妙なことに、それでも真偽スク 1 プでその「御意向が報道さ 回は東シナ海上空の危機が隠蔽され不明の「生前退位」報道は続けられれたのか。もし宮内庁の役人の誰か が独断で天皇陛下の「御意向」とい ようとしているのを憂いた誰かが機た。 密情報を織田元空将に伝えたと信じ宮内庁長官らの否定の裏には、陛う内部情報を匿名でメディアにリ 1 るが、現場の人間が直接告発するの下の「御意向」で、皇室典範改正なク = 漏洩したとすれば、無責任極ま どの政治的な動きが起きてはいけなるし、不遜、不敬である。 とは、違いもある。 このようなことを書くのも、「内いという配慮があったのかもしれな錯綜した情報で典型的なのは、共 後述するが、皇室典範には「譲同通信の報道だ。まず七月十五日に 部情報の漏洩」という事柄を深く考 えざるを得ない出来事があったから位」の規定がなく、その改正が必要は、『陛下の気持ち近く公表へ典 だ。自らの身をさらしての内部告発とされるようになるかもしれないか範改正、陛下にも報告』の見出し らだ。 で、「天皇陛下が皇太子さまに皇位 とは異なり、匿名者による「リ 1 ク」「内部情報漏洩」では、漏洩しかし、これでは国民は混乱するを譲る生前退位の意向を周囲に示さ した者の意図をうかがうことはできばかりである。いったい、だれに向れたことから、宮内庁の風岡典之長 けて発信された情報なのか。どのメ官ら幹部数人は今春以降、水面下で

8. 正論 2016年9月号

実際、柄谷氏に限らず戦後イデオロ 1 グらの「壊れ 方ーは尋常ではありません。 彼らに本当に必要なのは、に「新しい市 蒸し返しで申訳ないが、去年の十月、安保反対の学者民の姿」をみてうっとりする事ではなく、今こそ「外 の会が、学生運動団体と共催で開かれた時 部」の人間とイデオロギー的な決着を付ける事なのでは の発言など、全く目を覆ふばかりのものでした。参加者 ないでせうか。味方相手にアジ演説をする事ではなく、 の中には、樋口陽一氏い小林節氏、佐藤学氏、長谷部恭実際に「平和・民主主義・憲法の価値と秩序を守らない 男氏、小熊英一一氏、池内了氏らの名前があり、派」とやらを探し出して、公開で論争し、自らの正しさ には、他にも、高橋源一郎氏、上野千鶴子氏、山口一一郎 を証明する事ではないのか。戦後イデオロギ 1 派の諸氏 氏、茂木健一郎氏らが応援団として名を連ねてゐます。 に直言したい。「他者ーとの論争から逃げるな。あなた たちには当座それ以上言ふべき言葉はありません。 「学者がぐずぐず悩むよりも学生が自ら実践的に動いて 実際、この学者らが、現実政治に力を与へる知的な努 新しい市民の姿を示し、新しい政治文化を開いてくれ 力と能力を全く欠いてゐた為に、民進党は内部から瓦解 た。政治学の研究者・教師として何より学生諸君に有難 したのです。も間もなく解散するといふ。 うと言いたい」山口一一郎北海道大学教授 「新しい政治文化」があっといふ間に消えるのは残念で 「戦争法の成立は国のかたちを変える暴挙だが、その運 すが、学生諸君にとっては幸ひでした。先鋭的な思想運 動の中で主催者として声をあげ、新しい民主主義が生れ 動でも何でもない単なる「安保反対ーごっこを「新しい た」佐藤学東京大学名誉教授 政治文化ーなどと称揚したり、国連、、憲法九条を 「戦後の人類史的な遺産として挙げられるのは、国連、 人類史的な遺産と言ってしまへるやうなおめでたい先生 、そして日本国憲法 ( 特に九条 ) ー栗原彬立教大学 に付いて行ったら、人生が台無しになるのは間違ひない 名誉教授 だらうからです。 「日本では、平和・民主主義・憲法の価値と秩序を守る 「日本を失ふ」総裁が現れないか 派と、そうでない派に分かれている」小熊英一一慶應義塾 大学教授 一方、保守派側の問題は自民党に集約されます。 ノノ 8

9. 正論 2016年9月号

、引揚者の医療支援に当たった京秀明が執筆した「ある戦後史の序「朝鮮に引揚げる朝鮮人に紛れて、 城帝大グル 1 プの中心人物だ。 章」 ( 昭和五十五年刊 ) は、田中ら博多からの帰還船に乗り込んだ。東 彼が京城女子師範で教えた学生の活動を記録した貴重な史料であ京から来た『学生同盟』の連中の道 は、敗戦後、ソ連兵に数度も暴行さる。いまや古書店でも入手困難だ案内だったよ」。学生同盟とは、外 れて妊娠した。その中絶手術の失敗が、この本に登場する山下通雄 ( 当地在住者の子弟たちによって結成さ が、「二日市保養所」を中絶専用病時・京城帝大法文学部一一年 ) も健在れた「在外父兄救出学生同盟」のこ とだ。東京を中心に活動していた。 院として設立する契機になった。 であると知り、いささか驚いた 回 ) 1 ダ 1 格の学生は二十一年六月、第 京城帝大法文学部学生だった木村九十一歳。福岡県久留米市の自宅 に電話を入れると、妻の芳子 ( 八平壌に行き金日成と面談している。 の 四 ) が「夫は碁会所に出かけてい当時の東北アジアは混乱を極めてい 女 る」と言った。元気であるらしい 二日後、久留米市の中心部・高良京城に着いた山下は「京城日本人 れ 大社のふもとにある自宅で、山下に世話会」から思わぬ仕事を頼まれ さ 会った。京城生まれ。敗戦時は、学た。「三八度線の開城まで行き、南封 徒動員で朝鮮南部・三千浦の警備隊下して来る避難民を出迎えて、京城 にいた。敗戦後、小学校長だった父に送り出してほしい」という依頼の 親を残して、故郷の熊本市に母親らだ。全羅北道の病院で小児科医長を と引揚げた。ところが間もなく玄界していた山本良健 ( 京城帝大医学部 灘を越えて、再び京城に引き返した卒 ) が現場責任者。山本は、のちに のだという。彼の回顧談は予想外の福岡で引揚げ孤児ための医療保育施市 設「聖福 ( しようふく ) 寮 , の寮長二 方向に展開した。 になる。開城では、山本の大学同期 京城時代の思い出を語る山下通雄さんと妻の芳子 ・三八度線で避難民を救援 さん だった朝鮮人・李興培が衛生部長を

10. 正論 2016年9月号

「は虐毅は第中共の。国共合作。中 評 9 子価 ーウソと実像を見極める ク ッ ム 日社 / 聞業 新エ 纏行売 産発発 印 u 6 0 別も 「南京」朝り ノ ト そ蒋蒋中日遺城東悲南 79 っ介介本書門京劇京年 カ石石こ軍陥裁の攻目 のの洗の百落判司略の 吏掣人後の令戦鬲 住視残斬の欺官と一 民点虐りシ瞞・は た国し処士石 なウ南京事件」と戦時国際法・・・ ・・・・佐藤和男 なの自 ィー日本は蒋介石中国に莫大な賠償を行った・・・・・・・・岸本昌也 い冫ー米中プロバカンダとしての「南京事件」・ ・・・・有馬哲夫 南京」遺産登録に見える中国の病理 ・・・・・北村稔 つ自民歴史議連が明確にした南京の捏造・・・ ・つ還 ・・・・西川京子 ー大虐殺は「中華のファンタジー上・ の ・・・・山田順 訳る義 ー左傾マスコミはなせ「虐殺」を創るのか ・・・・柿谷勲夫 性者冨か憤 ー習近平、鄧小平も信じない「大虐殺」 ・・・・阿羅健一 は ー興亜観音と昭和殉難者たち ・・・・黒岩徹 す 中文 家田 ー殉国七士廟と三ケ根山 ・・・・・殉国七士奉賛会 ロ 野字卓 と黄近辺 し文亮敏石修正坂昌ー父三文字正平の遺志を継いて ・福留佳子 雄子雄平明道平隆剛シー国民一丸だった軍事裁判受刑者名誉回復呻静敬一郎 【お申し込み方法】 [ 電子メール ] [TEL] [ ハガキ ] seironhanbai@sankei. CO. jp 03-3243-8469 〒 100-8077 東京都千代田区大手町 1 -7-2 ( 年末年始をのぞく平日 1 0 時 ~ 1 8 時 ) 産経新聞社雑誌「正論」販売部別冊係へ [FAX] 日・ 03-3241-4281 【お支払い方法】 別冊をお手元にお送りする際、専用振込用紙を同封します。 それでこ入金くたさい。 ・△ 全国の書店でお求めになれますが、直販をご希望の方は、本誌販売部にお申し込みくたさい ( 送料サーヒ、ス ) 。 0 【パソコン】 もしくは http://fuj isan. CO. jp/pc/extraseiron にアクセス