に危険を冒さずーー経済学的には危の大きな理由が、現在の収莪況が 継続性への信任を得られるか 険中立的な姿勢で投資活動を行なう いつまで続くものなのかわからない 不況下で経営状態が厳しい企業が のは、財務に余裕があるときであ という不安だ。 ふところ 行なう投資は、比較的不確実性が低る。懐に余裕があるからこそ、ある たしかに、海外経済の動向を日本 いコストカット型投資に傾きがち程度のリスクを負うことができる。 の経済政策が変えることはできな だ。そして原や労働力を節約す懐に余裕があるからこそ、一発逆転い。しかし、せめて国内の経済政策 る投資は他社の売り上げを減少させ の発想に陥ることなく自社の将来を が緊縮に転換することはないという るため、マクロの経済環境は改善さ見据えた行動ができるようになる。 点だけは民間に明確に示す必要があ れない。 このように考えると、短期の経済る。つまりは、現在の政策が安倍首 相の義任期である一一〇一八年をも さらに経営状態が悪い企業ーーーな対策による企業収益の改善こそが かでも過剰債務を抱える企業は、逆「未来への投資を実現する」ための って転換することはないとの点を与 に、危険愛好的になる。つまりは、 近道であることがわかる。アベノミ 党内で明らかにし、国民に、市場に ばち 一か八かの危険な投資を好むように クスは企業収益を改善しただけだと伝えていく必要があるだろう。継続 なる。なかには、このような「賭いう指摘があるが、短期的改善こそ性への信任こそが政策効果の源泉で け」に成功する企業もあるだろう。 が長期的な経済成長のための第一歩あるということは金融政策に限った 大しかし、危険愛好的な投資行動は平なのだということを忘れてはいけな話ではない。 い。 均的には収益性が低いことが知られ 中長期的な日本経済の構造を変え ている。日本国内で多くの企業が一 一方で、企業収益の改善は目標達ていくためには、絶え間ない短期の か八かの品開発に走ると・ = 日成の第一歩であ 0 てゴールではない経済政策が必要だ。そして、絶え間な 本全体の平均生産性はむしろ低下すこともまた確かである。収益の改善 い短期経済政策が継続的に行なわれわ にもかかわらず、企業の投資意欲、 ることへの信任を得ることこそが、 企業が過度に墮にならず、過度研発支出は伸び悩んでいる。そ いま必要な経済政策なのである。 る。
特集これでいいのか、アベノミクス 雅 ロ 転山 構 手 高齢者のマインドを変えれば、日本経済は飛躍的に伸びる おおまえけんいち ( 経営コンサルタント / ビジネス・ブレークスルー代表取締役 ) 大前研一 大前大臣の顔ぶれをみると、安倍首相の悲願である アベノミクスはなせうまくいかないのか 憲法九条を変えるのに都合のいい「お友だち」だけを集 めた感は否めない。この内閣でデフレ脱却 ? それなら 八月三日、第三次安倍再改造内閣が発足しまし アベノミクス失敗の反省から始めるべきなのに、誰もそ た。安倍首相は新内閣を自ら「未来チャレンジ内閣」とれを言い出せないようでは、まず無理だ。まあ、首相を 命名、「最優先課題は経済」「デフレからの脱出速度を最筆頭に、閣僚内に現在の日本経済のことをわかっている 大限まで引き上げる」と意気込みを語っています。国民人間が一人もいないのだから仕方がない。 アベノミクスは失敗ですか。 は期待していいのでしようか。 老後不安不況を 吹き飛ばせ
優しい社会を、 小さな政府で ~ 00 第 0 やまざき 山崎元 ( 経済評論家 ) 1958 年、北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。現 在、楽天証券経済研究所客員研究員。株式会社マイ べンチマーク代表取締役。東京大学を卒業後、三菱 商事に入社。野村投信、住友生命、メリルリンチ証 券など、計 12 回の転職を経て現職に至る。現在は、 コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛 けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア 出演、執筆、講演会、各種委員会委員等を務める。 日本構想フォーラム べ 1 シック・インカムによる「適切な再分配」の可能性 にしかわしんいち もぎけんいちろう 磯田道史歴史学者 ) 島田雅彦 ( 生家 ) 西川伸一 ( 谷。袋当 茂木健一郎 ( 脳 はじめ いそだみちふみ うえすきたかし 上杉隆 しまだまさひこ 0 ャーナリスト ) 中島岳志政治学者 ) 波頭亮 なかじまたけし ※日本構想フォ 1 ラムは、各分野の第一人者が€ 集まり、成熟化社会においてめざすべき社会 ピジョンとそれを実現するための新しい方法 論について、多角的な視点から真摯にかつ自 由に議論し、実現的かっ骨太な提言をするこ とを目的とした研究会です。 はとうりよう ( 評論家・幹事 ) 写真 : Shu Tokonami
原発再稼働に関する 世論調査は信用できるのか との声が聞こえる。国民の大多数が現在の生活に満足し 国民の六割が「生活が苦しいと感じている国」 ている状況であれば、経済成長は不要かもしれない。 しかし、いま国民の三割弱が「生活が大変苦しい」、 国のエネルギー・電力供給のあり方を決める政策の重 三割強が「生活がやや苦しい」と感じているのが、日本の 要度は、次の二つの理由から増してきている。第一に、 現状だ。失われた一一十年のあいだ続く平均給与の下落に エネルギー供給は国の経済成長に密接に関係しているか ともない、生活苦を訴える国民の比率は上昇している。国 らだ。『朝日新聞』の記者あるいは「報道ステーション」の コメンテーターからは、日本にはもはや経済成長は不要民の六割が「生活が苦しいと感じている国」で、所得の上 年代によって再稼働を容認する比率には大きな差がある 一九五一年、香川県生まれ。京都大学卒業後、住友商事に入社。 石炭部副部長、地球環境部長などを経て、ニ 00 八年、プール学 院大学国際文化学部教授に。ニ 0 一 0 年四月から現職。著書に、 山本隆三 「脱原発は可能か」 ( エネルギーフォーラム ) などがある。 やまもとりゅうぞう ( 常葉大学教授 ) Voice October , 2016 144
ある。 行なわれている。ハイテク産業とは程遠いようなイメー 「日本には優れた技術はあるが、なかなか事業として成 ジがある農業でも、—。が活用されていることから、 これからの石垣島と台湾との交流、とくに経済交流にっ立させられない」 これは、あるアメリカ人の技術者が漏らした一言であ いて参考となるものが少なくないと考えている。 現在、日本一の米生産地とされる新潟県ですら、農業る。台湾と日本がいかにして経済交流を深化させていく 就業者が減ってきているという問題があるという。今後かを考えたとき、じつに示唆に富んだ言葉である。 —。 e の分野において、日本の技術はたしかに世界の も収益性を維持、あるいは高めるためには農地の集約化 なかでも先行している。ところが、その技術の多くが自 を進めていくしかない。 社内に閉じこもったサービスのため、事業化や世界展開 稲作において、もっとも手間がかかる作業といえば、 水位の管理である。田植えの直後など、農民は広大な水に困難があるのだ。 その点、台湾はグローバル市場のニーズに応じて、半 田をかなりの時間をかけて朝夕、見て回っている。水田 管理労務費は、経営コストの約三割を占めるともいわれ導体などの部品を大量に生産する技術に優れている。私 る。そこで新潟市は通信業者と協力し、将来の農業を改が総統だったとき、巨額の出資によって半導体の生産体 革するプロジェクトに取り組んでいるという。田んぼの制を構築した。現在、台湾ではこれを基礎にした半導体 水位をミリ単位で計測するセンサーを設置し、取得され製造会社が一〇社ほどあり、—。用半導体の開発を行 なっている。 たデータは農家の携帯電話や。ハソコンに伝えられる。 このように、日本企業の研究開発力と台湾の生産技術 農民は、わざわざ水田まで出向かなくても、家にいな が力を合わせれば、世界市場を制覇することも夢ではな がら水位を把握できるわけで、大きな省力化に繋がるだ ろう。 い。日本経済は再び成長路線に乗ることができるだろ う。台湾が— oe の一大生産拠点になれば、雇用も増え 研究は日本、製造は台湾 る。の伸び率も三、四 % は維持できるだろう。 こうした日台間の協力関係は、石垣島における戦前や ただ、この夢のような技術である—。 e にも問題点が
では、なぜ彼らは積極的に消費をしようとしないのだ気回復にはつながらない。そういう認識が安倍首相の頭 の中にはないのだ。経済学者はなぜ給料を上げても ろうか。理由ははっきりしている。老後が不安なのだ。 が上がらないのか、せめて謙虚に分析すべきだ。同一 言葉を換えれば、政府を信用していない。この政府なら 老後も安心して暮らせると思っていたら、毎日の生活を労働同一賃金、というまともに定義もされていない意味 もっと充実させよう、そのためにお金も使おうという心不明の言葉が独り歩きして政策の中心になっているが、 中国で日本と同じ労働をしている人が物価を通じて ( 同 理になるはずだ。 いい例がスウェーデンである。国民は歳を取ったら国一賃金になるまで ) 日本人の賃金上昇を阻害しているの だ。ポーダレス経済の時代に国内だけ賃上げしようとし が全部面倒を見てくれることに疑いをもっていない。だ から、貯金もせず生命保険にも人らないで、稼いだお金ているが、それは政治的なレトリックにすぎない。少な くとも一九八〇年代の自被な円高局面では、日本企業は は自分の生活をエンジョイさせるために心置きなく使 う。イタリア人は死ぬ時の貯金がゼロになるようにひた生産性の向上、イノベーション、海外移転、といった本 質的な対応をした。いまの政治家や経済学者は日本企業 すらバケーションに明け暮れる。 一方、日本人はというと、三十歳くらいから貯蓄性向の辿ってきた道すら知らない。 さらに、お金をもっているはずの高齢者も、ひたすら が異常に高くなっている。家や車を買うお金があったら 少しでも貯蓄に回して老後に備えようというのだ。日本そのお金を抱え込んで使おうとしない。日本が不況にな は国民が三十歳から老後の心配をするという、世界に類ってすでに一一十年が経つ。普通なら生活レベルを維持す 飛 るために貯金を切り崩すから、個人金融資産は減るはず を見ない変わった国なのである。 安倍首相は連合の集会に行って、労働者の賃金を上げである。しかし日本の場合はなぜか、一〇〇〇兆円が一 安 ろとやっていたけど、いかにも的外れである。いまの日七〇〇兆円へと、二十年でおよそ七〇〇兆円 ( 一年間で 不 本では企業が無理して賃金を上げたところで、労働者は三五兆円 ) も個人金融資産が増えている。これは高齢者老 その分を消費ではなく貯蓄に回すだけだから、一向に景が貯め込んでいるからにほかならない。
いる老人の集合体だからだ。 レーンにも責任があるということですね。 安倍首相が経済対策の柱にしている国土強靭化計画、 大前そのとおり。彼らはアメリカ経済学の輸人学者 震災復興、リニア中央新幹線にしても、工事を請け負っ だから、自分たちがアメリカで学んだ金融政策や財政出 た土木・建設業が多少潤うだけで、日本経済には何の効動といった一一十世紀のマクロ経済学の景気対策が、その 果もない。リニアに関しては東海が自分のカネでやまま通用すると思い込んでいるのだ。 る、といったので国民的議論にならなかったが、税金を しかし、現在の日本は、一一十世紀のアメリカとは明ら 出すなら区間の約九〇 % がトンネルで、東京 ( 品川駅 ) かに異なる。簡単にいうと、彼らの信じる経済学は、人 から名古屋まで約四十分で行けるならぜひ利用したいと びとが強い欲望をもって暮らしている社会を前提にして いう人がいったいどれくらいいるのか、など基本的な評いるのである。たとえば、アメリカはいまでもそういう 価をし直すべきだ。国土強靭化計画も、古い高速道路を ところがあるが、少し金利が下がれば人びとは、車や家 直したところで通る車の数は同じなのだから、経済対策を買おうとする。部課長クラスになるとすでに持ち家が にはならない。震災の復興もやらねばならぬが、乗数効あっても、リタイア後のことを考えて南の暖かい地域に 果のある金の使い方ではない。 もう一軒買っておこうかと当たり前のように考える。こ このように、アベノミクスというのは、日本経済の現 ういう欲望をギラギラさせているような人たちによって 実を何もわかっていない人たちが旗を振って金利を下げ社会が構成されているから、アメリカではマネーサプラ て、カネをじゃぶじゃぶにしている非常に浅はかな経済イを増やし、金利を引き下げれば景気がよくなるという 政策なのだ。 公式が成り立つのだ。 ところが、日本だと、フラット 5 3 ( 長期固定金利住宅 次世代に借金を残すヘリコプター・マネー ローン ) の金利が一 % を切っているというのに、お金を 借りて家を建てようという人は少ない。つまり、現在の ー浜田宏一内閣官房参与ら、安倍首相の経済政策プ 日本は、所有や消費をしたいという欲望がきわめて低い
小出しの財政政策が政府債務を未曾いる。リーマン・ショック後の世界の完全脱却や名目六〇〇兆円 有の水準にまで拡大させた。そして経済の回復を支えた新興国の経済成蔑という目標と . ロ的なかたちで 総需要の停滞が非正規雇用の拡大や長は陰りが見られ、世界中で生産性の金融緩和策の爆が必要である。 そして日銀が行なう金融緩和策を の低迷が生じている。需要低迷・低金 労働参加率の低下といった労働の サポートする上でも、さらに財政政 「質」の低下や、維持更新主体の設利・生産性向上の核となるイノベー ションのは世暠な現象である。 策を通じて安定的な経済成長を蔑 備投資の常態化といった投資の 「質」の低下につながることで生産 こうした現象を踏まえた上で、経する上でも政府の役割は欠かせな 済政策はどうあるべきだろうか。ま い。政府は規模一一八・一兆円の 性の低迷をもたらしている。つまり 総需要の亜花が総供給の亜花をもたず金融政策は「量」「質」「金利」の「未来への投資を実現する経欝策」 三つの緩和手段を通じて予想インフ を閣議決定したが、日本経済に影響 らすという「履歴効果ーを伴いなが を及ぼす真水額は一五年度と一六年 ら長期が持続したのが、一九九レ率の上昇に働きかけ、そのことを 通じて物価安定目標の早期蔑・維度の一一年間の△昇で七・五兆円に留 〇年代以降の日本経済の姿である。 日本は「課題先進国」といわれて持を図るという本来の目的に立ち返まり、実質成長の押し上げ効果は一一 るべきだ。筆者の見るところ、新た年間の累計で一・三 % 程度と見込ま 久しい。金融危機に見舞われたあと の世界経済の動きを見ていくと、米に導人されたマイナス金利政策はれる。力不足の経欝策としか言い 「量」「質」両面の緩和策の限界を露ようがない。 国は大胆な金融緩和策からの転換を 妻費は巨額であるのに真水額が 呈させ、予想インフレ率の低下を食 図ることが可能な程度には回復した 過小という経済対策が疋されてし ものの、金融危機前の成長経路への い止めることができていない。また 復帰を果たしてはいない。欧州経済七月に行なわれた買い取り増まうのは、政府が財政支出拡大に伴 は「質」に働きかける金融政策だが、 う短期的な財政亜花を懸念するあま も英国の離脱や鬮が棚上げさ りに大胆な政策を行なえない「臆病 れたままのギリシャ債務鬮をはじ「量」「質」両面の緩和策の限界を払 めとしてさまざまなリスクを抱えて拭するに至っていない。デフレから者の罠」 ( クルーグマン ) に陥って 120
このような批判は空虚であるだけ でなく、経済政策に関する大きな誤 飯田泰之 解の元にもなる。 「日本経済の真の実力」を決定する ような技術水準や生産設備を向上さ 6 短期経済政策が せる「長期的視野に基づく構造政 策」などない ( 少なくとも現在の経 采来への投資を実現す苞 済理論ではわからない ) 。現実の技術 うてい十分なものとは言い難い。 水準や生産設備は、各企業が日々の 万能ゆえに意味がない批判 筆者自身も手放しで褒めるわけに営業活動のなかで自己に基づい 去る八月一一日、新たな経済対策と はいかない今次の経欝策ではある て実行していくものだ。長期とは短 して「未来への投資を実現する経済が、多くのメディアの批判はあまり 期の積み重ねにほかならない。 対策」が閣議決定された。 にも的外れにすぎる。 では、企業が自発的により多く 二八・一兆円という事業規模に注 「短期的な経欝策ではなく、中長の、そして実効性ある研尢発や設 目が集まりがちだが、財政支出の規期的な成長戦略が必要だ」という批備投資に資金を振り向けるのはどう 模は複数年で七・五兆円程度と現政判はもはや定型句である。経済政策いうときだろう。 権発足当初の経欝策に比べるとそ に限らず、長期的課題に対する直接 危機にこそチャンスはある : : : 不 れほど大胆な対策とはいえない。 的な答えが明らかなことはない。 況時こそ新たな挑戦が生まれるのだ 歴史的な低金利を活かした政府の 「より長期的な視野で〇〇すべきだ」 という議論を支持する者は多い。ス 積極的な借り人れ、金融政策と財政という批判はあらゆる政策・朿に トーリ 1 としては美しい話だが、理 政策の協調的な運営方針は評価でき対して適用可能だ。万能であり、そ論的にも実証的にもこのような創造 る。しかし、規模・支出先ともにとれがゆえに亠嶸・がない。 的破壊論は妥当な仮説ではない。 いいだやすゆき ( 明治大学准教授 )
特集これでいいのか「アベノミクス リフレ政策を再起動させよ 「臆病者の罠」から抜け出す大胆な経済政策こそ王道 一九セ一一年、愛知県生まれ。慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程 ( 計量経済学専攻 ) 修了。現在、三菱リサーチ & コンサルティン グ経済・社会政策部上席主任研究員。近著に、「日本経済はなぜ浮上し 片岡則士菱リサーチ & 0 ンサルテ→グ上席主任研究員 ) ないのか」 ( 幻冬舎 ) 、「アベノミクスのゆくえ」 ( 光文社新書 ) など。 率を記すと、一・七 % 減、一一・〇 % 〇・五 % しか上回っておらず、低迷 さえない日本経済 増、一・七 % 減、二・〇 % 増、〇・二 が続いている。民間住宅投資の寄与 % 増と一進一退を繰り返している。 は〇・六 % とやや拡大しており、こ 図 1 は、実質成長率と実質 一一〇一六年八月十五日に一六年四 れには日銀が進めているマイナス金 —六月期一次速報値が公表さ を構成する各項目がどの程度成長に 利政策が作用しているが、実質 れた。結果を見ると、四—六月期の影響しているのかを寄のかたち 全体を押し上げるには力不足であ る。 でまとめている。実質の六割 実質成長率 ( 季節調整済前期比年率 ) は〇・一一 % 増である。実質の程度を占める民間最終消費支出 ( 民 そして日本経済の成長を左右する 水準は五三〇・八兆円だが、一五年 間消費 ) が実質成長率と同様にアッ民間企業設備 ( 民間投資 ) は 2 四半 四—六月期の五一一七・七兆円からわ プダウンを繰り返しつつ寄与してい期連続で減少しており、実質 ずか三兆円ほどしか増加していな るが、一六年四—六月期の値は三〇成長率に対してマイナスの寄与を与 い。参考までに一五年四—六月期か七・六兆円と消費税直後の一四えている。さらに輸出人の動きに目 ら一六年四—六月期までの実質成長年四—六月期における一一一〇六兆円を を転じると、輸出の寄与度はマイナ かたおかごうし Voice October , 2016 114