研究者の目 2016 新制度時代の動き 国の動きを読む ! 新制度施行から 2 年目の今年。本コーナーでは今後の国の保育関連の動きを研究者の目か ら捉え、隔月で文部科学省編は無藤隆先生 ( 白梅学園大学 ) 、厚生労働省編は矢藤誠慈郎 先生 ( 岡崎女子大学 ) に解説をお願いします。今回は文部科学省編です。 Q 文部科学省編 幼稚園教育要領の改善イメージ 執筆 / 無藤隆 ( 白梅学園大学教授 ) 小学校との接続を明示し、 新幼稚園教育要領は 幼児期の終わりまでに育っ子どもの 3 章構成は変わらす 姿を通して、幼児教育のあり方を小 中身は大幅変更 学校側に把握しやすくすることです。 第 1 章総則は構造化幼稚園教 幼稚園教育要領の改訂のだいたい 育の基本を明確に のイメージが文部科学省中央教育審議 第 1 章の総則は大幅に変更されま 会教育課程部会幼児教育部会から提す。小学校以降の「総則」と合わせ 案されています ( 原稿執筆時 2016 年 6 月末 ) 。 つつ、構造化して、幼稚園教育の基 3 章構成であることは変わりませ本となるあり方を明確にします。第 んし、保育内容、。 5 領域も変わりま 1 の「何ができるようになるか」と せん。ただしその構成の中身は大幅 いうところで、法令に示された幼稚 に変更・追加されており、その規模園教育の目的・目標の達成に向けた からすれば、平成元年度改訂に匹敵教育課程の意義を示し、従来同様、 するものであろうと思われます。 幼稚園としての基本原則を 3 点に整 基本的な方針は、 3 つほどあろう理しています。そのうえで、育みた かと思います。第 1 には、幼稚園教 い資質・能力と各領域や幼児期の終 育要領、保育所保育指針、幼保連携わりまでに育ってほしい姿との関係 型認定こども園教育・保育要領の間を記します。資質・能力を育むため で、同じ幼児教育の専門施設のガイの主体的・対話的で深い学びの幼児 ドラインとして一層の整合性を図る教育での様相を記します。また、資質・ こと。第 2 には、資質・能力の考え能力を育成するためのカリキュラム・ で教育の根幹を明確にすること。第マネジメントの重要性を述べます。
このタイプでは、「前月の子どもの考えていきます。そして、「内容 ( 活 合と間接的な場合があります。環境 を通してと言われる時の「環境構成」姿」を基本とし、前月 1 か月で育っ動 ) 」に合わせて「ねらい」を考えま は間接的な働きかけと言えます。園てきたことを踏まえて「ねらい」をす。保育の系統性が確保されやすい と言えます。「環境構成」は、子ども によっては、「保育者の配慮・援助」考えていきます。保育者の意図を明 が経験する「内容 ( 活動 ) 」によって 確にしやすいタイプといえます。 と言われる場合も多く見られます。 まず、継続して取り組むこと、こ変化します。「保育者の援助・配慮」 ⑤は、基本的には指導の評価とし は「内容 ( 活動 ) 」により、直接働き て記載されます。計画はあくまでもれから経験したほうがよいと考えら かける場合や見守る場合など、園の れることは何かを考えます。「内容 「案」であることから、実践における ( 活動 ) 」は、あくまでも「ねらい」方針、指導の方向性でも変わります。 修正・具体化が重要なのです。 これら 2 つのタイプ以外にも様々な を具体化したものを記載します。そ 例えば「川月」の場合、どのよう なイメージが湧くでしようか。同僚とれには、クラスとしての内容、一人月案の様式が考えられますが、「ねらい から活動への転換」、また、「指導内容 一緒に考えを出し合うとイメージが広ひとりの内容 ( 好きな遊びをする ) の整理」が月間指導計画では大切です。 があります。「環境構成」は、「ねら がり、共通理解も進みます。その際、 い」によって変化します。「保育者の しど具体的な項目を付箋などに記して対 す ま A 」 スる 援助・配慮」は「ねらい」によって、 ラて話してもよいでしよう ( 図 1 参照 ) 。 あ 画 ク育 が 計 合 ・ま 直接働きかける場合や見守る場合な 場 る る 2 月案のタイプを考える 通 な ど、園の方針、指導の方向性によっ 共 て - る - は と ええ更 月案の様式にはいくつかのタイプても変わります。 解 - 盟運 一口 を行 があり、作成手順が異なります。こ②子ども理解↓内容 ( 活動 ) ↓ねら ・ど - 遊え連 い↓環境構成↓保育者の援助・ こでは 2 つのタイプをご紹介します。 メ ィま 配慮↓評価・反省 の觚の ? ①前月の子どもの姿↓ねらい↓内容 月季者はもは 子育一こ ~ なでけ 0 言一な - 間 - り 育慮ど動 こちらのタイプは、子どもの実態 ( 活動 ) ↓環境構成↓保育者の援 保配子活 の一計に す 必一ち育 を踏まえ、今月の「内容 ( 活動 ) 」を 図 助・配慮↓評価・反省 虫・花・ 食べ物などは ? 教材は ? 1 0 月 安全面・ 健康面は ? 全 12 回のステップ 第 7 回 ! 月間指導計画で大切なことは ? プロフィール・大方美香 ( おおがたみか ) / 大阪総合保育大学児童保育学部教授、同大学院児童保育研究科教授。文部科学省中央教育審議会初等中 等教育分科会教育課程部会幼児教育部会委員、厚生労働省社会保障審議会児童部会保育専門委員会委員。専門は、保育学、幼児教育学。 65 保育ナビ監修・執筆に「総合保育双書 2 乳児保育計画論 ~ 2 つのタイプの事例を比較して ~ 」 ( ふくろう出版 ) など。
第 1 特集 平成年夫施 うな主たる教材を用いず環境を通し 三法令同時改訂 ( 定 ) 解説 て行う教育を基本としていること や、家庭との緊密度が他校種と比べ 平成年 ( 「幼稚園教育要領』『保育所保育指針』『幼保連携型認定こども園教育・保育要領』の三法令が同時 て高いこと、預かり保育や子育ての 改訂 ( 定 ~ されます。今号では 4 月号に続き、現時点でわかっている改訂 ( 定 ) の概要について解説します 支援などの教育課程以外の活動が多 くの幼稚園等で実施されていること 長 領 会員 などから、①と③を加えて 3 つの側 旨て委 認育 型保い幸 面から「カリキュラム・マネジメン = 月し幸学障会 っ稔学会委 保こ見大社 ト」を考える必要があることを確認 所 , 汐園省専イ 定学第育 育話梅労保 園訂 しています。 幼も改 保改お伯生会 童 〇各領域のねらいを相互に関連させ、 児 「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」 や小学校の学ひを念頭に置きながら、幼 幼稚園教育要領 幼稚園等におけるカリキュラム・ 児の調和のとれた発達を目指し、幼稚園 マネジメントの確立 改訂について 等の教育目標等を踏まえた総合的な視 中央教育審議会 ( 以下、中教審 ) の 学校教育では、どのような教育課・点で、その目標の達成のために必要な 具体的なねらいや内容を組織すること 幼児教育部会は、平成年 6 月に審】程を編成し、それをどのように実施、 議のまとめ ( 以下、「幼児教育部会と・反省、評価、改善していくのかとい 教育内容の質の向上に向けて、幼児 う、「カリキュラム・マネジメント」 りまとめ」 ) を作成し、教育課程企画 の姿や就学後の状況、家庭や地域の現 特別部会に提出しました。今後、幼小 の確立が重要であり、これまで、以・状等に基づき、教育課程を編成し、実 中高の一貫した流れの中で審議され、 下の②の側面から教育課程の不断の 施し、評価して改善を図る一連の 教育課程部会答申としてまとめられ・見直しが重視されてきました。特に O< サイクルを確立すること。 ます。今回は、その概要を紹介します。 今回は、幼稚園等では、教科書のよ・〇 3 教育内容と、教育活動に必要な人的・ 0 幼稚園教育要領 改訂について 執筆 : 神長美津子先生 ( 國學院大學教授 / 文部科学省 中央教育審議会初等中等教育 分科会教育課程部会幼児 教育部会主査代理 ) 0 ② 8 0
科、心の満足は、 科学的知識を学ぶことにも , 得られるの「あるが、 一それより 4 斗的に ~ 、、、いを働かせてゆく処に、 一層の興味があるといえる。 「児童の教育』より 倉橋惣三 ( 1882 ~ 1955 年 ) 「日本のフレーベル」あるいは「日本の幼児教育 「え、これどうなってるの ? 」「なん の父」と呼ばれる幼児教育学者。倉橋が展開した で ? 」「すげえ」。子どもは自然物や 子どもの心に徹底的に寄り添い、子どもの遊びや モノなどに出合うことで、心を大き 自発性を重視した幼児教育論は、まさしく現代に く動かし、問い、対話が生まれ、探求 も通じるもの。誘導保育論が特に有名である。 し、発見があるのです。まさに ※タイトルの「小さな太陽」とは「天の太陽は雲に包まれ この小さな太陽たちは、いつだって好 る日があっても、 学する心です。科学する心が溢れか 天気だ」 ( 倉橋惣三「育ての心』く六月 > ) より引用してい える園生活を保障したいものです。 ます。 解説
遊ひ中心の保育を大切にしている。 子どもたちは雪の中でも ・ 3 たくさん遊ふ に養成教育では実習期間が長く、 別支援学校について紹介した時に、ノ障すること、また保育にあたっては 子どもの視点 ( 子どものパースペク 5 5 週にわたり実習園での実習指導ルウェーではそういった施設はなく、 て a テイプ ) を大切に、子どもの視点に 者と大学の実習指導教員、さらには発想がない、すべての地域の幼児は地 対 保育領域別の専門大学教員とが連携元の子どもたちと一緒に地元の幼稚園基づき保育を展開することが明示さ じⅣ し、手厚い指導がなされます。子ど に行くと言われ驚きました。 れています。子どもの教育の権利意 どØ ノルウェーの幼稚園でも遊びがたい 識が高く待機児問題はすぐに解決さ もの権利保障の観点から保育者にた へん重要視されており、子どもの文化れるようになっており、幼児教育の いへん高度な実践力を要求している 大ネ ことかうかがえます。加えて、園に として位置づけられ、遊びの中での自ュニバーサル化が進んでいます。 就園率はたいへん高く、 2015 は主担当の幼稚園教諭 1 人につき 2 己表現の権利の保障が大事にされてい 師 人の幼稚園教諭の資格を有しない補ます。小学校以降の教育と全く異な年のの『 Starting Strong そ』のデータによると歳〕 2 ・ 9 % 、 助者がっきます。結果的に、 3 歳未るものとして位置づけられており、日 満では、先生 1 人あたりの子ども数本のように幼稚園と小学校の教員免 1 歳【・ 6 % 、 2 歳〕 % 、 3 歳【ん は 3 人、 3 歳以上では先生 1 人あた許が大学に在籍中の 4 年間に両方取 9 ・ 3 % 、 4 ~ 戚〕 % ・ 2 % 、 5 ~ 戚〕 % ・ 9 しる % 、 6 歳〕・ 6 % となっています。 りの子ども数は 6 人となっていて、保得できるといったことはありません。 がの 士師 2 育が手厚く実施されています。 日本では、 2 つも 3 つも教員資格が取 スと ウ校 学 れることを話したらとても驚かれまし 特別な支援を必要とする子どもの ナ入れにはさらに補助者が追加でつ た。遊びによる教育と教科書を使って d グ ムプ き、体制が充実しています。日本の特行う教育は全く違うのに、と。幼稚 園教諭の高度化が近年進められてお し多 防る 対も り、アクション・リサーチによる 1 年 響人育 間の修士課程もあります。 エーオ 育男 わ具献 ノルウェーでは子どもの権利条約 注考 との関係で、幼稚園に通う権利を保 で 3 未も 歳ど 3 子 2016 年度年間テーマ伃定 ) 4 月号 ! 保育領域のグローバル・ガバナンス ( 1 ) 5 月号 ! 保育領域のグローバル・ガバナンス ( 2 ) 6 月号ー保育領域のグローバル・ガバナンス ( 3 ) 7 月号ー韓国国立保育研究所のチャレンジ 8 月号ーアメリカの保育専門組織の歴史と現在 9 月号 : 遊び中心の保育へ ( シンガポール ) 10 月号ー子どもの権利に敏感に ( ノルウェーの保育 ) ーニュージーランドの保育と 11 月号ー ーラーニング・ストーリー 12 月号ースウェーデンの保育ドキュメンテーション 1 月号ープレア政権以降のイギリスで : ベルギー ~ 多元文化主義と 2 月号 : ー利用者主体の保育の模索 3 月号ー科学的根拠に基づく保育の ーエビデンス研究 47 保育ナビ
( 新 ) : 新たに加える事項 ( 新※ ) . 新たに加える事項で、現行小学校学習指導要領には既にある事項 ■幼稚園教育要領の改善イメーシ ( たたき台案 ) ( 第 3 章 ) : 現行幼稚園教育要領の第 3 章から第 1 章に変更する事項 ( p ) : 部会とりまとめで検討となってし、るもの め育 に確 行育 第記章成 目第 へ児 、れ の等 、す あ配 で重 に基 っ慮 づ何 す視 ど切 。す 、さ し導 育カ 小ま に課 、か たす 、発 た帰障達 。計 す満 の何 た総 を教 明第連学 意間 児的 携級 第に 項了 章動 新わ状少 等は 述預 ー教 ま べ実園す 加領 家 活オ 移計活に 動画動係 っ内 て第 て要 。わ留時 前文 . 「社会に開かれた教育課程」の実現など今回改 訂が目指す理念や、教育課程を中核に地域・家庭と 連携・協働しながら、学校教育の改善・充実の好循環 を生み出すことの意義について示す 第 1 章総則 第 1 幼稚園教育の基本 [ 何きるようなるが 教育基本法、学校教育法等の法令に示された幼稚園教育 の目的、目標の達成に向けた教育課程の意義 ・人格形成の基礎を培うこと、環境を通して行う教育 1 幼児期にふさわしい生活の展開 2 遊びを通しての総合的な指導 3 一人一人の発達の特性に応じた指導 ・育みたい資質・能力と各領域、幼児期の終わりまでに 育ってほしい姿 ( 仮称 ) との関係 ( 新 ) ・教師の役割 ( 第 3 章 ) ・教材研究 ( 新 ) ・幼稚園教育を通じて育成すべき資質・能力と初等中等教育 ( 幼・小・中・高 ) を通じて育成すべき資質・能力との関係 ( 新 ) ・資質・能力を育むための主体的・対話的て深し、学びの必要性 ( 新 ) ・資質・能力を育成するためのカリキュラム・マネジメン トの実現 ( 新 ) ・各学校において、「何ができるようになるか」「何を学ぶ か」「どのように学ぶか」「何が身に付いたか」「個々の生 徒の発達をどのように支援するか」「実施するために何 が必要か」という視点に基づき、教育課程を軸に学校教 育を改善・充実していくことの必要性 ( 新 ) ・各領域のねらいを相互に関連させ、「幼児期の終わりま でに育ってほしい姿」や小学校での学びを念頭に置き ながら、幼稚園等の教育目標等を踏まえた総合的な視 点でねらいや内容を組織すること ( 新 ) ・教育内容と、教育活動に必要な人的・物的資源等を効果 的に組み合わせて実施することの必要性 ( 新 ) ・幼児の姿や就学後の状況、家庭や地域の現状等に基づき、 教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る PDCA サ イクルを確立すること。 ( 新 ) 第 2 教育課程等の編成 何を学ぶか 1 学校教育目標に基づいた教育課程の編成 ( 新 ) ・各学校において、育成すべき資質・能力を含めて示す学 校教育目標に基づき、教育課程を編成する。 ( 新 ) 2 教育課程の編成の基本 ・ねらいと内容を組織すること、幼児期の発達の特性を 踏まえること、入園から修了に至るまでの長期的な視 野をもっこと ・全体的な計画の作成の配慮事項 ( 新 ) など ・教育週数 ・教育時間 3 幼稚園と小学校との接続 ( 第 3 章 ) 第 3 指導計画の作成・実施と評価 ( 新 ) どのように学ぶか、何が身に付いたか 1 指導計画の作成・実施 ( 1 ) 指導計画の考え方 ( 第 3 章 ) ・指導計画の考え方 ( 第 3 章 ) ( 2 ) 指導計画の作成上の留意事項 ( 第 3 章 ) ・指導計画の作成 ( 第 3 章 ) ・入園から修了までの生活 ( 第 3 章 ) ・長期の指導計画と短期の指導計画 ( 第 3 章 ) ( 3 ) 指導計画の実施上の留意事項 ( 第 3 章 ) ・育成すべき資質・能力をイメージし、主体的・対話的で深い 学びを通じて計画的に育成していくことの重要性 ( 新 ) ・言語活動の充実 ( 新※ ) ・体験の多様性と関連性 ( 第 3 章 ) ・幼児が見通しを立てたり振り返ったりする活動 ( 新※ ) ・指導上の工夫 ( 第 3 章 ) ・個から集団へ ( 新 ) ・安全に関する事項 ( 第 3 章 ) ・行事の指導 ( 第 3 章 ) ・視聴覚教材等の活用 ( 新※ ) (P) 2 評価の充実 ( 新 ) ・ねらい及び内容、 5 歳児の評価における幼児期の終わり までに育ってほしい姿 ( 仮称 ) を踏まえた評価を行う ( 新 ) ・評価による指導の改善 ( 新※ ) 第 4 幼児の発達を踏まえた指導 ( 新 ) [ : 個々の幼卑の発達をとのよ援する 1 障害のある幼児への指導 ( 3 章 ) ・個々の幼児の障害の状態や学習上の困難に応じた指導 内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行うこと ( 3 章 ) ・「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」の作成について ( 3 章 ) 2 海外から帰国した幼児等の園生活への適応や日本語 指導 ( 新 ) ・個々の幼児の園生活への適応と外国における経験をい かした指導 ( 新 ) ・日本語の習得に困難のある幼児への指導内容や指導方 法の工夫を計画的、組織的に行うこと ( 新 ) 3 満 3 歳児への指導 ( 新 ) 第 5 幼稚園生活の充実のための学校運営上の留意事項 実施するために何が必要か 1 幼稚園における指導体制の充実 ( 新 ) ・指導を改善・充実していく体制 ( 校内研修体制 ) ( 新 ) ・学校間の連携、交流 ( 第 3 章 ) 2 家庭・地域との連携・協働 ( 新 ) ・家庭や地域との連携・協働 ( 第 3 章 ) ・障害のある幼児との交流及び共同学習 ( 第 3 章 ) ・高齢者などとの交流の機会 ( 新 ) 第 6 教育課程に係る教育時間の終了後等に 行う教育活動など ・教育課程に係る教育時間終了後等に行う教育活動、子育て支援 第 2 章ねらい及び内容並びに幼児期の 終わりまでに育ってほしい姿 ( 仮称 ) 第 1 ねらい及び内容 資質・能力による見直しや現代的な諸課題を踏まえた「健 康」、「人間関係」、「環境」、「言葉」、「表現」の内容等を示す 第 2 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿 ( 仮称 ) ( 新 ) 3 章教育課程に係る教育時間の終了後等に 行う教育活動などの留意事項 1 教育課程に係る教育時間終了後等に行う教育活動 2 子育ての支援 ( 平成 28 年 7 月 1 1 日教育課程部会教育課程企画特別部会資料 3 より作成 ) 幼 の な 小指海 ま 3 歳 で は ゕ り 育 ゃ 子 育 て 支 児 キ旨 導 を て い ま 援 つ い て べ る と に な り ま る 児 へ の な適指す個 導 や 外 ら し た る ろ は 総 則 に せ よ っ に 支 援 る か は 圭 の あ と事終 と し て に か 第 4 の 々 の 幼 で児の の を ど の 後 行 っ ら れ る 意 義 深 い も で す 3 ー・ 1 育 価 に お ゖ る 幼 児 期 の 終 わ り ま で に 則第い 3 指 導 計 画 っ て 総 つ て ほ し い 姿 を 踏 ま た 価 が 求 て は ね ら い 及 び 内 容 , 5 歳 児 の 言平 で あ ろ 10 の 姿 明 小 ま 移 の な お 評 価 に あ 称 で は 児 で 育 に し て る と に よ り っ則明 期 の り ま で に っ ほ し て姿幼 成 実付 施 と 評 価 を 記 し ま指 れ は び は内仮期 終現多容称の章 で 5 なる ど教 が 幼 稚 園 教 育 の 基 本 と し て よ り に は の も の で 2 の ま で 第 3 章 あ も で す れ の 付 は る も 本 身 に い た か で 導 作 及姿幼 3 の ど の よ っ に 学 ぶ か が 児 終 わ り 育 て い 3 に た 幼 稚 移園含 と 校 の 接 続 小 の 載 を ち ら に し ま 2 の ね ら 及 び 容 作 の 事 項 を め す学す的教 第 2 育 て し ぃ の を っ よ っ め ら 育 兀計課編学 は画程成校 の 経 営 つ述充稚施 庭 ー域 と の 編 / の 基 本 と し て 全 体 な の 協 ・働等 を 鷺 域第 1 しク ) い 標 に い 、た学 教 程 の か で は の幼実 の 基 地盤何 と し 2 の を ぶ で は 第 5 の め に が 必 プロフィール・無藤隆 / 白梅学園大学教授。東京大学大学院教育学研究科博士課程中退。文部科学省中央教育審議会教育課程部会委員。幼児の保育・ 23 保育ナビ 「よくわかる ! 教育・保育ハンドブック保育の質を上ける 10 のポイント」 ( ともにフレーベル館 ) など多数。 教育にかかわる政府の審議会などで会長も務める。著書に「幼児教育のデサイン」 ( 東京大学出版会 ) 、「これからの保育に ! 毎日コッコツ役立つ保育のコツ」
0 0 第 2 特集 30J 「食育」で . ・ 魅力あふれる園に 監修 / 堤ちはる先生 ( 相模女子大学教授 ) 2005 年 ( 平成 17 年 ) に食育基本法が施行されて以来、「食育」という言葉が一般的に認知さ れるようになり、園でも保育活動の一環として定着しつつありますが、その実情は園によって様々 です。今年 3 月に内閣府から発表された「第 3 次食育推進基本計画」では、就学前の子どもに対 する食育の推進についての方針も示されています。 ここでは、創意工夫をしながら食育活動で保護者や地域の評価を得ている事例を見ながら、 園の食育について考えてみましよう。 もくじ ■第 3 次食育推進基本計画・就学前の子どもに対する食育の推進・ ■事例 1 地域とつながる食育活動学校法人さゆり学園さゆり幼稚園・・ 事例 2 活動の情報発信にひと工夫日野市立保育園・ 事例 3 子育て支援に食育を取り入れる 山口市立堀保育園子育て支援センター「すくすくハウス」・ ■まとめ食育で園の魅力を伝える堤ちはる先生・・ ・・ P13 ・・ P 1 4 ~ 1 5 ・・ P 1 6 ~ 1 7 ・・ P 1 8 ~ 1 9 ・ P20 ~ 21 1 2
協働し、地域と連携しながら子ども 保育所保育指針の改定を前に 連携の継続性について の食のみならず保護者の食への興 子どもの身近にいる保護者や子育味・関心を高め、その実践力をつけ 食育活動は継続していくことが重 るための支援が必要不可欠となって 要です。一時的なイベントとして終てにかかわる人々が、食への興味・ いくことでしよう。 わらせないための工夫として、事例関心をもち、各自の食事を見直し、 プロフィール・堤ちはる ( つつみちはる ) / 相模 1 のさゆり幼稚園では、地域とつな楽しむことが、子どもの食への関心 女子大学栄養科学部健康栄養学科教授・保健学博 士・管理栄養士。専門は、保健栄養学・母子栄養学 がるなかで、それぞれの職業に対すを引き出していることが、今回の 3 全国各地で園の栄養士や調理師 ( 員 ) 、保育者、保 つの事例からもよくわかります。こ 護者などに、乳幼児の食をテーマとした研修や講 る理解と礼儀に気をつけています。 演を行っており、保育者の心に添うわかりやすい 園を知ってもらう前に、相手を尊重うしたことが、心身共に健康な生活食生活支援を常に心がけている。著書も多数。 を展開する「食育の原点」になるの し、知るように努めて、気持ちのよ 所質ル家 る い交流を心がけることで、連携の継でしよう。 育にレ門。 え 集保繁ア専す 使 続と次の食育活動への広がりも生ま 平成年ロ月から葆育所保育指 、頻物各球 で 治診ら食 れます。 針』の改定に向けた保育専門委員会 が開催され、私もその一員として参 また事例 2 の日野市立保育園で 加しています。食育の分野では、「限 は、数年かけて決定した「食育年間 来養 / ・ g 衵体外いる疑形 科栄鸛 9 本科おれの 計画表」を微調整はあるものの毎年定的なイベントに終わらせないため 児と岩矢時価児にさ一 a 小食平大 < 定小等問ギが に食育の目標の明確化」「多職種協 ほぼ同じものを利用することによ 介 り、各園で円滑な食育活動を可能に働による調理員の食育への参画の推 紹 の しています。食育の基本路線は変え進」「園の食育活動と家庭の食との連 書 著 ずに毎年活動を実践していくこと動性」などが論点として挙げられて います。 で、職員の意識統一も容易になるこ 先外と養 栄 " 食栄 とでしよう。 今後も食育の推進には、多職種が 0 21 保育ナビ
人材育成 子どもの権利に敏感に ( ノルウェーの保育 ) 海外の保育事情を知り、日本の保育の 発展を共に考えていくコーナーです。 国内外の研究者の友人にもご協力いた だきながら、各国の保育を紹介してい きます。 今月のテーマ 養成教育については、例えば、 洋乳幼児教育学会 のシンポジウムでは、同大学のゲイ過去年間の犯罪歴の有無を問わ ル・ハオス先生にノルウェーの保育れ、犯罪歴のある人が保育に従事 学る 者養成教育や実習教育について話しすることはできません。「幼稚園教育 児研 ていただきました。また 2013 年法 (Kinde 「 ga 「 tenAct) 」 (NOOOO) においては、人の尊厳、一一一口論の自由、 には、の日本支部会で、 当時同大学に勤務しておられたモル他者を慈しみ、平等と連携を尊ぶ心 の を形成することが幼稚園に課せられ テン・ソルハイム先生にノルウェー 攻す のアクション・リサーチについて話 た責務であると人権保障の観点から をしていただきました。いずれの先明示されています。 7 つからなる保発を 人幼 科乳 生も、ノルウェーの保育をご紹介く育領域の 1 つに「倫理・宗教・哲学」 究 研や 学容 ださるにあたり大前提として、同国 (Ethics. religion and philosophy) 境内 達び が位置づけられています。 における子どもの人権への意識の高 発学 人活、 さについて言及されたことがたいへ 院生組 子どもの視点に基づいた 大び ん印象深く記憶に残っています。 保育を展開 子どもの人権への意識が 大の ノルウェーは、 19 81 年に、世 高い国 / らに 子どもの権利を大切にする観点か ) く上 界で最初に子どもオンブズバーソン ち 8 の ノルウェーのオスロ・エイカー ( オンブッド ) 制度をつくった国です。ら、保育者の重要性とその専門性、 の 9 の た育 社会的地位は確立されており、すべ き児保 子どもの虐待ゃいじめの防止対策が シュス大学の保育学の先生方から、 「ナ乳← ~ ての主担当保育者 ( 幼稚園教諭 ) は 本学および附属幼稚園への訪問依頼世界で最も発展していて、例えば、 ※注 ・も仲 があったのは 7 年近く前になります。 「オルヴェウスいじめ防止プログラム」学士号 ( ヨーロッパではポローニヤ・ ルど育 イ。の は世界中で広く活用されており、日プロセスにより学士号は 3 年で取得 その後ご縁ができて、 2011 年に フ学外 します ) が必要とされています。特プ保国 神戸で主催させていただいた環太平本でも有名です。 執筆北野幸子 ( 神戸大学大学院准教授 ) ( 0 4
0 ( 弋。 ※写真は本文の内容と関係ありません。 ・思い切り走る ・またぐ ・くぐる ・両手を付き身体を支える ・上る ・下る ・寝転がる : ・ さりげない単語群だが、今の 2 歳児に とってはあまり縁のないものが実は多い。 「しつかり歩く」。外に出ればベビー カー、車に乗るとチャイルドシート、 パーに一行くとカートと、歩一くこと はうんと減っていないか。しつかり歩 くには、足腰の上手な使い方が必要な のだが、それを訓練するところがうん と減っている。「思い切って走る」も、 もちろんそうだ。 2 歳児が今、どこで 思い切って走れるのだろうか。 「上る」「下る」だってそうだろう。 坂道を毎日、脚を踏みしめ上ったり 下ったりしている 2 歳児はどれほどい るのか。木の根っこがあちこちに膨ら んで出ているデコボコした山道を元気 よく上る、下るということを毎日すれ ば、子どもの身体は確実にしなやかで 丈夫になる。「くぐる」などということ は、森の中を歩いてじゃまな枝の下を くぐっていくというようなことをしな い限り、現代の生活では体験すること がまずないのではないか。 現代の子どもの身体の育ちが懸念さ れているが、「身体力一般」とは、「体力 一般」の問題ではない。身体をいろいろ なスタイルでつかうということをしなく なっているということなのである。これ 以外にも、生活の中で、「絞る」「水を やる」「結ぶ」「揃える」「削る」「曲げ る」「切る」「むく」「転がる」「むしる」 「つまむ」 : : : 等々、細やかな神経と筋 肉をつかう行為は無数にある。それら は人類の発展史とともに人が身に付け た身体のつかい方の文化である。 こうした動詞になっている行為を 2 歳児から丁寧にさせていく、これが子 どもを救うはずだ。豊かな動詞をゲッ トする、これをスローガンに。 プロフィール・汐見稔幸 ( しおみとしゆき ) / 白梅学園大学学長。東京大学名誉教授。専門は、教育学、教育人間学、育児学。 臨床育児・保育研究会等、現場の保育者を中心とした研究会を複数主宰。著書に、「本当は怖い小学一年生」 ( ポプラ社 ) など。 67 保育ナビ