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検索対象: 保育ナビ 2016年10月号
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1. 保育ナビ 2016年10月号

、幼・保ではなく一つの認定こど 「接続型」から、② 355 歳に幼・保と話されます。 どテ 同様に職員にも、「自分は完全じゃ も園としての歩みを進められました。 両方の機能がある「並列型」に移行 閣コど 内園な ないからこそ、支えられたり支えた 一つになる背景に、秋田県の支援が して一体的運営を明確にする時期へ。 ありました。指導主事の方に毎月来そして現在は、③現場保育者の同僚りという相互の関係が豊かになり、 タらべ セのレ ていただき、勉強会を 1 年間続けま 性が発揮される中でさらにステップ集団のつながりの中で育ち合う」と 伝えながら、多様な個性をもった保 アップする展開のただ中にあるそう した。年間計画や月案、週案の中で、 セ「た 学にも 策書ど です。 育者が一つになって力を発揮する保 保育者たちが何を見ているのかを言 政著子 実育場 育を目指してこられました。 開園当時、新卒者が多いため、 葉にし、学び合いました。「今日の保 育教の 保師育 管理職側も、「期待して委ねる勇達教保 トップダウンで園運営をする必要が 育のねらいは何 ? そのためにどん 属学顔 附理素 ありましたが、現場に委ねて同僚性気」が求められます。気づかせるか な環境をつくり、子どもたちの何が 同心の 授教ら かわりではなく、悩み、考え、やっ 育ったか」を話し合ったそうです。 を発揮する時期へと変化する中で、 てみてわかる営みに共感をもって寄究 , 一人ひとりが自立した保育者とし保育者が成長する姿が見えました。 て成長し、新しい今日を意図性を 自分で考え判断しつつ、仲間と協働り添うことを大切にします。「保育者育発 院学か もって過ごすこと、子どもの育ちを できる保育者が育っ環境づくりを目 は、主体的な営みの中で成長し、子学ひ 大門も どもの育ちが見えてくる中で自分の 支える質がここに表れてくる。その指しました。 京専に 東 員 やったことの意味や価値に気づく」 思いで、保育者の専門性の土壌を 委 ③集団の中で成長する と語られます。 培ってこられました。 きの 「ひとり」 職員間の関係性を柔らかくし、お ②いつも新たなステップへ 省 認定こども園は、多様な状況に生互いの配慮が通い合う場を生み出す 年に転任された場所は福きる子どもたちが、意図をもって構こと。これが園の一体化に求められ喜 。保 員 るリーダーシップだと感じました。 島県。幼稚園に 052 歳の保育園を成された環境の中で主体的に遊び、 イ会る 新設した認定こども園でした。ここ 共に生きる場所。新制度が求めるこ フてめ ロ育高 プ子を れらの思いを共有することは大事だ では、①保育園から幼稚園へという 39 保育ナビ

2. 保育ナビ 2016年10月号

「保育所保育指針』改定について 3 つのポイント を念頭において書き換えていきます。 て取り上げているものではないで 討中の『保育所保育指針』 ( 以下、 しょ一つか その際に留意しているのは、 3 歳 保育指針 ) は、ある部分は『幼稚園 「幼児期の終わりまでに育ってほし・教育要領』 ( 以下、教育要領 ) の改・未満児の保育は 3 歳以上児の保育よ り低レベルで行えばよいわけではな い姿」は、、 月学校教育のスタートで】訂を反映しながら、保育指針ならで いということです。乳児保育で大事 もあるので、小学校教育の各教科部】はの視点で内容調整を進めていると ころです ( 取材時平成年 7 月 ) 。 にしている、親や保育者との安定し 会では、これを踏まえて教育内容の をく - た心理基盤の築き方や応答的保育の 検討が進められています。幼小で共 平成年実施に向けて あり方、静かな保育環境づくり、少 有することで、結果として、幼小の円 書 ー一し 改定のポイント 人数グループやクラス担当制の工夫 説滑な接続を図ることができるのです。 述 の望ましさ等々、可能な限り盛り込 保育指針改定の大きなポイントは なお、今後、『幼稚園教育要領』に まれます。 3 つあります。 寧達一どのように示していくかは課題です。 1 つ目のポイントとして、 O ・ 1 ・ その際、幼児一人ひとりの良さや可 丿るの 2 つ目のポイントとして、「保育 性を評価するこれまでの幼児教育 2 歳児といった「乳児及び未満児の よすも能 は調ど における教育的な役割を強調」して における評価の考え方は維持し、評【保育内容をより丁寧に述べていく」 いきます。 ことが挙げられます。 し章、価の視点として、『幼稚園教育要領』 2 教育要領でも使われている「 3 っ 等に示す各領域のねらいのほか、 5 歳 o 歳児から 5 歳児まで各年齢の保 の柱」「 5 つの領域」「幼児期の終わ 容役針児については、川項目を踏まえた視点 . 育のあり方については前回平成囲年度 内的旨 育育 りまでに育ってほしい姿」という 改定時の大綱化により割愛したため、 育。を新たに加えることとしています。 キーワードは保育指針にも書き込ま 現行の保育指針には記述がありませ のる所 保育所保育指針 れるのですが、特に 3 ・ 4 ・ 5 歳児 ん。 3 ・ 4 ・ 5 歳児では教育要領の 児け育 改定について 歳お保 においてそれらを入れることで、保 内容をそのまま参考にしますが、・ 1 育行 1 ・ 2 歳児では保育指針独自に、各・育所も幼稚園と変わらない幼児教育 今回の改訂 ( 定 ) は基本的に三法 6 保現 ! ! ′ . 同趣旨の方向で行われます。現在検・年齢ならではの発達や課題があること・機能をもっことを鮮明にします。

3. 保育ナビ 2016年10月号

3 は「 3 人が 3 人らしく、それぞれの人材育成との関連で次のようなお話意である、というわけです。 究「位 研ダ単 をしてくださいました。 一方で、そのような懸念がなく、 存在価値、使命をもって動くという お互いにとって良い関係性づくり」 先輩が後輩を育ててくれるように 一時的に関係がギクシャクしている院 を常に意識していると言います。同と、敢えてそれまでにない組み合わだけで、「きっと先輩から学んでくれ默学 じような力量や特長をもった職員を せをした結果、この関係性が必ずし るに違いない」と思える場合には、 女連大ど 揃え、仲良くやっていくということ もうまくいくわけではないことも往々 そのネガテイプな関係に敢えて対応。 ではなく、むしろそれぞれが異なる にしてあり得ます。その際に、先輩しないことも必要となると言います。科お長 役割や特長をもち合わせ、その異な から後輩への矢印に「指導できない」 つまり、悪い関係の原因と理由を者 る力が合わさって強いチームとなる 「育たな〔」と〔う言葉が登場する場し「かりと確認し、その上で対策を「… 施すというわけです。 ことを目指す中で、それが実現して 合は要注意だと坂本先生は言います。 いるかどうかをマップを使って ( 描 坂本先生は人材育成の基本的な考 0 まとめ いて ) 確認するというわけです。 え方の 1 つに「いろいろな保育者と出 らを任育 坂本先生の発言全体に通底してい そこにネガテイプな要素 ( 関係 ) 会い、その実践を目の当たりにしなが 2 を大 が多くなってしまっているとするな ら、刺激され学んでいく」ことを挙げ ることは、十分な情報をもとに、確一← らば、それぞれの保育者の特長が発ています。先輩保育者に果たしてほし かな信念や方針をもちながら人材研 揮されていないということにほかな マップを作成し、評価できているか い役割は「指導すること」ではなく、 ろ大 どうかという点であると言えます。 らないわけであり、これは、特長を 「先輩保育者として自分自身のク生き とえ育 そして、評価は表面的なものではな 引き出せていないというマネジメン様クを後輩に見せること」だと言いま も学う材 か大 9 人 トとしての課題に直結するわけです。 す。後輩が、先輩の生き様がすばらし く、その信念や考えに沿って行われ ( 引 ( 会 郎。子学 いと思えば、指導しなくとも自分のも るべきだということです。そして、喜修眞保 本攻上本 「ネガテイプな関係」を 坂専井日 マップが常に実際の状況と連動し、 のにしようと学んでいくことでしよう。 ル科ル学 めぐって アップデートされていることも、重イ生イ そういう考え方から、「指導できない」 フ間フ満 ロ人口得 坂本先生は、最後に人材マップと 「育たない」が出てきた場合には要注要な要素であると言えるでしよう。 プ科プ取 ナ 育 保

4. 保育ナビ 2016年10月号

「幼稚園教育要領』改訂について 3 つのポイント 物的資源等を、家庭や地域の外部の資・活動である遊びや生活の中で、美し 「幼児教育において育みたい資質・ 目 源も含めて活用しながら効果的に組み 項 さを感じたり、不思議さに気付いた・能力」に沿って、「幼児期の終わり 0 合わせること。 り、できるようになったことなどを までに育ってほしい姿」として、① る 使いながら、試したり、いろいろな】健康な心と体、②自立心、③協同性、 一幼児教育において育みたい 方法を工夫したりすることを通じて】④道徳性・規範意識の芽生え、⑤社 のカ 資質・能力を整理 育むことが重要である」と、幼児教【会生活との関わり、⑥思考力の芽生 中教審教育課程部会の論点整理で . 育の特質を踏まえることの必要を述 え、⑦自然との関わり・生命尊重、⑧ たて 立れしは、学校教育で育成すべき資質・能べ、以下の整理をしました。 数量・図形、文字等への関心・感覚、 確さと 1 知識や技能の基礎 ( 遊びや生活の中 ⑨言葉による伝え合い、⑩豊かな感 の示点力の要素として、「知識・技能」「思】〇 で、豊かな体験を通じて、何を感じたり、 性と表現の川項目を挙げています。 トしの一考カ・判断力・表現力等」「学びに 何に気付いたり、何が分かったり、何 ンと価向かう力、人間性等」の「 3 つの柱」 この川項目は、 5 領域の内容を踏 メ素評 ができるようになるのか ) まえ、特に 5 歳児の後半に「育ちっ ジ要のを示し、「慴歳の段階で身に付けて 2 思考カ・判断力・表現力等の基礎 ( 遊 ネのおくべきことは何か」「義務教育を・〇 つあるもの」を捉えたものです。幼 ・カい びや生活の中で、気付いたこと、でき 終える段階で身に付けておくべきカ 児教育は、幼児の主体的な活動とし ム月ま は何か」という観点を共有し、各学・るようになったことなども使いながら、 ての遊びを通して、これらの姿が どう考えたり、試したり、工夫したり、 校段階の教科等において系統的に示 育っていくことに留意する必要があ 表現したりするか ) されることと述べています。 るので、それぞれの項目を個別に取 かべ このことについて、「幼児教育部・③学びに向かう力、人間性等 ( 心情、 り出し指導するのではないこと、他 の成 意欲、態度が育つ中で、いかによりよ 会とりまとめ」では、「幼児教育に の幼児との比較や一定の基準に対す い生活を営むか ) る達成度についての評定によって捉 力で終一おいては、幼児期の特性から、この / 価育の / 学 えるものでないこととしています。 / の校児 校以降のような、いわゆる教科指導 おそらく、川項目は、各園の 5 歳 3 「「 で育むのではなく、幼児の自発的な 児後半の指導計画では、ねらいとし 「幼児期の終わりまでに 育ってほしい姿」を具体的に示す 09 保育ナビ

5. 保育ナビ 2016年10月号

ファイルです。これはこの園で〇 れば、逆に子どもが主語の文体もあ ・この学びの構えを〇〇さんがどの ります。 〇さんの学びや発達を記録するも ように経験しているかを写真とエ 書き方はどうであれ、共通に盛り のです。私たちはこの記録をご家 ピソードで綴ります。 保 込まれているのは、テ・ファリキと 族が楽しみ、参加してくれること め いう国のカリキュラムに照らし合わ の を期待しています。 このような意味づけの後に園の目 実 ・私たちは〇〇さんが生涯にわたっ標やスタッフの紹介コーナー、ご家せて、子どもの育ちを表 1 の視点で て必要な態度や人格を築くことを庭の紹介コーナーが設けられ、次に 評価していることです。つまり、 ラーニングストーリ ーが綴られてい ラーニングストーリーは単なる出来はま 助け、学びの機会をもつようにし ていきます。カリキュラムは知識きます。保護者は最初のイントロダ事の連絡帳ではなく、記録と評価が クションによって、このファイルが、 技能を獲得させるためだけでなく、 一体となった学びの履歴なのです。 ただ子どもが楽しんでいる出来事が 日本でも全国的に取り人れようと 〇〇さんが社会に貢献できる有能 な学び手として育つように計画さ綴られるものではなく、ラーニングする動きがあります。保育ナビブッ スト 1 リー れています。 ク注では、その一例を紹介しています。 、つまり子どもの「学びの ・このファイルを時々持ち帰っていた物語」であることを認識するのです。 だきますので、ページの下の欄に 家庭にファイルを持ち帰る頻度や 子 サインをしたり、コメントを書い 新たなラーニングストーリーが書か 記 たりしてください れる頻度は園によって異なるようで すが、私の知る限りでは頻度は 15 べ支 わを かれ 2 か月に 1 回のようです。 〇プロファイルブックの目的 子 ・本園の教育はナショナルカリキュラ 書き方も保育者に任されていて多 河る ムであるテ・ファリキに基づき、 様です。決まった様式に書いている イ何 学びの構えが生涯にわたって永続もの、エピソード風に書いているも フは ロ者 的に培われるようにします。 の、主語が保育者の文体のものもあ 表 1 子どもの育ちを見る視点 ・関心をもつ ・熱中する ・困難なことややったこと がないことに立ち向かう ・他者とコミュニケーション を図る ・自ら責任を担う 61 保育ナビ

6. 保育ナビ 2016年10月号

第 3 次食育推進基本計画 ( 2016 年 3 月 ) 就学前の子どもに対する食育の推進 食育を教育・保育の一環として位置付ける 認定こども園 保育所 幼稚園 ・子どもの発達段階に応じた食育のねらいや留意事項 を整理する ・「保育所における食育に関する指針」の普及を図り、 その活用を促進する ・食を通じて、健康な心と体を育て、人とかかわる力を 養い、伝承されてきた文化の理解や郷土料理への関 心、自然の恵みとしての食材や、調理する人への感 謝の気持ちを育む く資料〉 『保育所保育指針 『児童福祉施設における食事の提供ガイド』 『保育所における食事の提供ガイドライン』 ・保育所と幼稚園双方の取り組みをふまえて推進する く資料〉 幼保連携型認定こども園教育・保育要領』 ・先生や友たちと食べることを楽しめるよう指導する ・進んで食べようとする気持ちが育つよう配慮する ・人的・物的資源を 活かし、在園児た けでなく、地域の子 育て家庭からの乳 幼児の食に関する 相談への対応や情 報提供等に努める ・地域の関係機関等 と連携し、積極的 に食育を推進する ・幼児の食生活の実情に配慮し、和やかな雰囲気の中で教師や他の幼児と食 べる喜びや楽しさを味わう ・様々な食べ物への興味や関心をもつようにする く資料〉 『幼稚園教育要領』 当を当缸 13 保育ナビ 写真 / ①②③さゆリ幼稚園④あさひがおか保育園⑤すくすくハウス撮影 / 竹中博信 ( ①③⑤ ) 編集協力 / こんべいとぶらねっと

7. 保育ナビ 2016年10月号

長 任ど は、ちゃんの気持ちを代弁しつつ 2 歳児クラスのお兄ちゃん 2 人の co 気の出るみかんクを届けてくれたく ちゃんへの働きかけに、離れた所で co んが困った声を出していると、心配そ事の成り行きを見ながら、「困った ちゃんを見ていたくんもさすがに感 うに様子を見にいき : : : と、自分がフ ね」「どうしたら元気が出るかな」な じたことがあったのか、ちゃんに近 リーズしている時に、自分を心配して ど、周囲の子どもたちに共感を求め期に づいていき、奪ったおもちやを co ちゃ くれた友だちに優しさをお返しするか ていました。保育者のこの言葉の中 物 政 んの手に差し出すようにして返す意思 のような行為が見られたのです。 で、くんと >- くんのちゃんを励 育 東 の ます方法が生まれてきたのです。 を示しました。それでもちゃんは顔 トラブルを育ちの み も上げず、くんから差し出されたお ム 子ども同士のトラブルは、できる レわ チャンスに もちゃに手を伸ばすこともなくフリー だけないほうがよいと考え、早めに リが ズしたままで、結局受け取りませんで 思いがけないことが起こった時に 解決しようとする保育者が一般には 大ど した。くんは、仕方ないと思ったの身動きせずにその場に固まるという多いと思うのですが、ナースリー 家 ルームの保育者は解決を急いでいま 京育 ←か、ちゃんの足の上におもちやを置ちゃんの表現。しかし、優しくし 東保 / 児 いて離れていきました。すると、なん てくれた 2 歳児のお兄ちゃんへの感 せん。自分にとって大切なものがある 乳 ことで、だれかに取られれば心は大 み 写とちゃんは、静かに自分の足の上の謝の気持ちを、しつかりと感じ取っ おもちやを拾い上げてくんのほうに ていたのです。そして保育者に きく揺れ動き、そのような自分の心 しざ 向かい、くんに優しく差し出したの ちゃんの気持ちを代弁された時には を見つめるチャンスになります。そし ね です。くんは、はじめはきよとんと て、自分の悲しみに周囲の人がどの 無反応だったにもかかわらず、 したものの、ちゃんの雰囲気から自 ちゃんがほかの子どもたちに慰めて ような対応をしてくれたかが、さら ロ書 分に「使っていいよ」と差し出してい もらっている様子から、自分のした に子どもの心を育てます。当事者だ ると察したようで、歓声をあげて大こと、どうすればよかったのかを感けでなく周辺の子どもたちの心をも 喜びしながら受け取りました。その後じとったくん。この 2 人の 1 歳児揺らし、豊かに育てるのです。トラ co ちゃんは、別のことで泣いている とは思えないような心の動きに本当プルを子どもの心の育ちに活かすこ ちゃんの頭を撫でにいき、さっきク元 に驚かされました。この間、保育者とのできる保育でありたいものです。 57 保育ナビ

8. 保育ナビ 2016年10月号

研究者の目 2016 新制度時代の動き 国の動きを読む ! 新制度施行から 2 年目の今年。本コーナーでは今後の国の保育関連の動きを研究者の目か ら捉え、隔月で文部科学省編は無藤隆先生 ( 白梅学園大学 ) 、厚生労働省編は矢藤誠慈郎 先生 ( 岡崎女子大学 ) に解説をお願いします。今回は文部科学省編です。 Q 文部科学省編 幼稚園教育要領の改善イメージ 執筆 / 無藤隆 ( 白梅学園大学教授 ) 小学校との接続を明示し、 新幼稚園教育要領は 幼児期の終わりまでに育っ子どもの 3 章構成は変わらす 姿を通して、幼児教育のあり方を小 中身は大幅変更 学校側に把握しやすくすることです。 第 1 章総則は構造化幼稚園教 幼稚園教育要領の改訂のだいたい 育の基本を明確に のイメージが文部科学省中央教育審議 第 1 章の総則は大幅に変更されま 会教育課程部会幼児教育部会から提す。小学校以降の「総則」と合わせ 案されています ( 原稿執筆時 2016 年 6 月末 ) 。 つつ、構造化して、幼稚園教育の基 3 章構成であることは変わりませ本となるあり方を明確にします。第 んし、保育内容、。 5 領域も変わりま 1 の「何ができるようになるか」と せん。ただしその構成の中身は大幅 いうところで、法令に示された幼稚 に変更・追加されており、その規模園教育の目的・目標の達成に向けた からすれば、平成元年度改訂に匹敵教育課程の意義を示し、従来同様、 するものであろうと思われます。 幼稚園としての基本原則を 3 点に整 基本的な方針は、 3 つほどあろう理しています。そのうえで、育みた かと思います。第 1 には、幼稚園教 い資質・能力と各領域や幼児期の終 育要領、保育所保育指針、幼保連携わりまでに育ってほしい姿との関係 型認定こども園教育・保育要領の間を記します。資質・能力を育むため で、同じ幼児教育の専門施設のガイの主体的・対話的で深い学びの幼児 ドラインとして一層の整合性を図る教育での様相を記します。また、資質・ こと。第 2 には、資質・能力の考え能力を育成するためのカリキュラム・ で教育の根幹を明確にすること。第マネジメントの重要性を述べます。

9. 保育ナビ 2016年10月号

( 新 ) : 新たに加える事項 ( 新※ ) . 新たに加える事項で、現行小学校学習指導要領には既にある事項 ■幼稚園教育要領の改善イメーシ ( たたき台案 ) ( 第 3 章 ) : 現行幼稚園教育要領の第 3 章から第 1 章に変更する事項 ( p ) : 部会とりまとめで検討となってし、るもの め育 に確 行育 第記章成 目第 へ児 、れ の等 、す あ配 で重 に基 っ慮 づ何 す視 ど切 。す 、さ し導 育カ 小ま に課 、か たす 、発 た帰障達 。計 す満 の何 た総 を教 明第連学 意間 児的 携級 第に 項了 章動 新わ状少 等は 述預 ー教 ま べ実園す 加領 家 活オ 移計活に 動画動係 っ内 て第 て要 。わ留時 前文 . 「社会に開かれた教育課程」の実現など今回改 訂が目指す理念や、教育課程を中核に地域・家庭と 連携・協働しながら、学校教育の改善・充実の好循環 を生み出すことの意義について示す 第 1 章総則 第 1 幼稚園教育の基本 [ 何きるようなるが 教育基本法、学校教育法等の法令に示された幼稚園教育 の目的、目標の達成に向けた教育課程の意義 ・人格形成の基礎を培うこと、環境を通して行う教育 1 幼児期にふさわしい生活の展開 2 遊びを通しての総合的な指導 3 一人一人の発達の特性に応じた指導 ・育みたい資質・能力と各領域、幼児期の終わりまでに 育ってほしい姿 ( 仮称 ) との関係 ( 新 ) ・教師の役割 ( 第 3 章 ) ・教材研究 ( 新 ) ・幼稚園教育を通じて育成すべき資質・能力と初等中等教育 ( 幼・小・中・高 ) を通じて育成すべき資質・能力との関係 ( 新 ) ・資質・能力を育むための主体的・対話的て深し、学びの必要性 ( 新 ) ・資質・能力を育成するためのカリキュラム・マネジメン トの実現 ( 新 ) ・各学校において、「何ができるようになるか」「何を学ぶ か」「どのように学ぶか」「何が身に付いたか」「個々の生 徒の発達をどのように支援するか」「実施するために何 が必要か」という視点に基づき、教育課程を軸に学校教 育を改善・充実していくことの必要性 ( 新 ) ・各領域のねらいを相互に関連させ、「幼児期の終わりま でに育ってほしい姿」や小学校での学びを念頭に置き ながら、幼稚園等の教育目標等を踏まえた総合的な視 点でねらいや内容を組織すること ( 新 ) ・教育内容と、教育活動に必要な人的・物的資源等を効果 的に組み合わせて実施することの必要性 ( 新 ) ・幼児の姿や就学後の状況、家庭や地域の現状等に基づき、 教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る PDCA サ イクルを確立すること。 ( 新 ) 第 2 教育課程等の編成 何を学ぶか 1 学校教育目標に基づいた教育課程の編成 ( 新 ) ・各学校において、育成すべき資質・能力を含めて示す学 校教育目標に基づき、教育課程を編成する。 ( 新 ) 2 教育課程の編成の基本 ・ねらいと内容を組織すること、幼児期の発達の特性を 踏まえること、入園から修了に至るまでの長期的な視 野をもっこと ・全体的な計画の作成の配慮事項 ( 新 ) など ・教育週数 ・教育時間 3 幼稚園と小学校との接続 ( 第 3 章 ) 第 3 指導計画の作成・実施と評価 ( 新 ) どのように学ぶか、何が身に付いたか 1 指導計画の作成・実施 ( 1 ) 指導計画の考え方 ( 第 3 章 ) ・指導計画の考え方 ( 第 3 章 ) ( 2 ) 指導計画の作成上の留意事項 ( 第 3 章 ) ・指導計画の作成 ( 第 3 章 ) ・入園から修了までの生活 ( 第 3 章 ) ・長期の指導計画と短期の指導計画 ( 第 3 章 ) ( 3 ) 指導計画の実施上の留意事項 ( 第 3 章 ) ・育成すべき資質・能力をイメージし、主体的・対話的で深い 学びを通じて計画的に育成していくことの重要性 ( 新 ) ・言語活動の充実 ( 新※ ) ・体験の多様性と関連性 ( 第 3 章 ) ・幼児が見通しを立てたり振り返ったりする活動 ( 新※ ) ・指導上の工夫 ( 第 3 章 ) ・個から集団へ ( 新 ) ・安全に関する事項 ( 第 3 章 ) ・行事の指導 ( 第 3 章 ) ・視聴覚教材等の活用 ( 新※ ) (P) 2 評価の充実 ( 新 ) ・ねらい及び内容、 5 歳児の評価における幼児期の終わり までに育ってほしい姿 ( 仮称 ) を踏まえた評価を行う ( 新 ) ・評価による指導の改善 ( 新※ ) 第 4 幼児の発達を踏まえた指導 ( 新 ) [ : 個々の幼卑の発達をとのよ援する 1 障害のある幼児への指導 ( 3 章 ) ・個々の幼児の障害の状態や学習上の困難に応じた指導 内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行うこと ( 3 章 ) ・「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」の作成について ( 3 章 ) 2 海外から帰国した幼児等の園生活への適応や日本語 指導 ( 新 ) ・個々の幼児の園生活への適応と外国における経験をい かした指導 ( 新 ) ・日本語の習得に困難のある幼児への指導内容や指導方 法の工夫を計画的、組織的に行うこと ( 新 ) 3 満 3 歳児への指導 ( 新 ) 第 5 幼稚園生活の充実のための学校運営上の留意事項 実施するために何が必要か 1 幼稚園における指導体制の充実 ( 新 ) ・指導を改善・充実していく体制 ( 校内研修体制 ) ( 新 ) ・学校間の連携、交流 ( 第 3 章 ) 2 家庭・地域との連携・協働 ( 新 ) ・家庭や地域との連携・協働 ( 第 3 章 ) ・障害のある幼児との交流及び共同学習 ( 第 3 章 ) ・高齢者などとの交流の機会 ( 新 ) 第 6 教育課程に係る教育時間の終了後等に 行う教育活動など ・教育課程に係る教育時間終了後等に行う教育活動、子育て支援 第 2 章ねらい及び内容並びに幼児期の 終わりまでに育ってほしい姿 ( 仮称 ) 第 1 ねらい及び内容 資質・能力による見直しや現代的な諸課題を踏まえた「健 康」、「人間関係」、「環境」、「言葉」、「表現」の内容等を示す 第 2 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿 ( 仮称 ) ( 新 ) 3 章教育課程に係る教育時間の終了後等に 行う教育活動などの留意事項 1 教育課程に係る教育時間終了後等に行う教育活動 2 子育ての支援 ( 平成 28 年 7 月 1 1 日教育課程部会教育課程企画特別部会資料 3 より作成 ) 幼 の な 小指海 ま 3 歳 で は ゕ り 育 ゃ 子 育 て 支 児 キ旨 導 を て い ま 援 つ い て べ る と に な り ま る 児 へ の な適指す個 導 や 外 ら し た る ろ は 総 則 に せ よ っ に 支 援 る か は 圭 の あ と事終 と し て に か 第 4 の 々 の 幼 で児の の を ど の 後 行 っ ら れ る 意 義 深 い も で す 3 ー・ 1 育 価 に お ゖ る 幼 児 期 の 終 わ り ま で に 則第い 3 指 導 計 画 っ て 総 つ て ほ し い 姿 を 踏 ま た 価 が 求 て は ね ら い 及 び 内 容 , 5 歳 児 の 言平 で あ ろ 10 の 姿 明 小 ま 移 の な お 評 価 に あ 称 で は 児 で 育 に し て る と に よ り っ則明 期 の り ま で に っ ほ し て姿幼 成 実付 施 と 評 価 を 記 し ま指 れ は び は内仮期 終現多容称の章 で 5 なる ど教 が 幼 稚 園 教 育 の 基 本 と し て よ り に は の も の で 2 の ま で 第 3 章 あ も で す れ の 付 は る も 本 身 に い た か で 導 作 及姿幼 3 の ど の よ っ に 学 ぶ か が 児 終 わ り 育 て い 3 に た 幼 稚 移園含 と 校 の 接 続 小 の 載 を ち ら に し ま 2 の ね ら 及 び 容 作 の 事 項 を め す学す的教 第 2 育 て し ぃ の を っ よ っ め ら 育 兀計課編学 は画程成校 の 経 営 つ述充稚施 庭 ー域 と の 編 / の 基 本 と し て 全 体 な の 協 ・働等 を 鷺 域第 1 しク ) い 標 に い 、た学 教 程 の か で は の幼実 の 基 地盤何 と し 2 の を ぶ で は 第 5 の め に が 必 プロフィール・無藤隆 / 白梅学園大学教授。東京大学大学院教育学研究科博士課程中退。文部科学省中央教育審議会教育課程部会委員。幼児の保育・ 23 保育ナビ 「よくわかる ! 教育・保育ハンドブック保育の質を上ける 10 のポイント」 ( ともにフレーベル館 ) など多数。 教育にかかわる政府の審議会などで会長も務める。著書に「幼児教育のデサイン」 ( 東京大学出版会 ) 、「これからの保育に ! 毎日コッコツ役立つ保育のコツ」

10. 保育ナビ 2016年10月号

カ連樹 らない提案をいただきました。 のエサと、育て方がまとめられた冊おかげさまで大盛況となりました。 、稚 それが「鮭の放流」でした。 子を添えて、幼稚園・小学校・高 もちろん、山田町の海産物も売り切漲竝 校・自治会・商店街・行政関係など れです。そして、この。復興・絆バ稚腺 ザール。の締めとなるのが、鮭の稚駈 子どもたちに夢を か所に配布しました。こうして、 各所で一斉に鮭の飼育が始ま「たの魚の放流です。 5 ' 匹の稚魚が一 科益福 究公 ( 山田町の漁業協同組合から鮭の卵 です。 帷子川へと放たれました。 学気理 を分けてもらい、それを孵化させ、 ロ月下旬から翌 1 月にかけて孵化 参加者は 1 ' 人あまり。地元童会原 児会育 院談保 稚魚に育ったところでわが地一兀を流 がはじまります。 3 学期開始早々、 の私鉄である相模鉄道のスタンプラ懇 かたびら れる帷子川に放流するという内容で その育ち行く姿に子どもたちから驚 ーや、地元企業社からの資金援著 す。育てた稚魚がいずれ鮭になり、 きの歓声があがります。「大きく育っ助などもあります。この成功で、。復竝 帷子川に戻ってくる。子どもたちに て ! 」。放流への期待がい「きに膨ら興・絆バザール。が地域の新たな行事 1 夢を与えることを願っての提案だっ みます。 に加わ「たことを確信することができ省 たのです。 ました。 育冂文 復興・絆バザールの 早速、地域の皆さんにも相談した 大勢の人が集まるとにぎやかにな 締めくくりに ところ、すぐに了承されました。こ り、町に活気が出ます。そうなるとお一砒 うして、子どもたちに夢を与える大 今年、当園からは、子どもたちに 金が回りだし、商店街も活性化しま体会」 引団盟フ 事業がスタートしたのです。 人気の横浜・野毛大道芸人を会場に す。この循環をもっと大きくできれば その年のロ月中旬、鮭の卵が幼稚園派遣しました ( 費用は、以前本誌で よいのにと思います。この鮭の放流べ人教一 な法園リ に届きました。 1 年目、 2 年目は 3 ' もふれた、横浜市の補助金から捻出は、川年は続けたいと考えています。の社幼、ハ 般立フ 個だったのですが、 3 年目には しました ) 。その他にも、キックボク 歳を迎えた私ですが、子どもた眞。県族 邊長川家 4 ' ooo 個となり、 4 年目の今年は、 シングをはじめとした各種団体の出ちを介して、もっと地域に貢献がで園神た 5 ' 000 個もの卵が届きました。 し物などがあり、商店街の大通りは きないか、まちに恩返しができないかィッ会 フィ前 この卵に、孵化した際に与える鮭人でいつばい。 好天にも助けられ、 と思いをめぐらしているところです。プ有合村 49 保育ナビ