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検索対象: 本の雑誌 2016年11月号
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1. 本の雑誌 2016年11月号

いますから ったですよね。 よ、珍しいから。でも最終候補の住人全員が若返ってく話 そうです。二〇一三年から大一一千は多いですね。まあ、 まで残したら、この子は一生を蜂須賀敬明「待ってよ」とか、 かな。半年間つけています。半短編の賞は長編より応募数が多 ずいぶん幅が広がった。 棒に振るからやめたほうがいい 「オール讀物」は新人賞の年のうち一回でも、どういう雑くなるけど。長編だと、乱歩賞 とか ( 笑 ) 。ただ松本清張賞の 阿部智里さんは二回目の応募の応募券がついてるんですね。九誌か見てくださいと。だからとでせいぜい五百くらい 際、前回から各段の上達がみら百八十円の雑誌を買わないと応いって応募が減ったわけじゃな杉小説すばるが今年は千三百 このシステムはい いんですよ。ただ、必ず貼ってくらいじゃないですか 募できない。 れ、例外もあるわけです。 こないのは六十代以上。そうい大反対にライトノベルは多 大「烏に単は似合わない」はいですよね 電撃大賞になると五千通以 ファンタジーの賞に応募してた杉三号連続三枚で応募可とかう要項も読めない人が送ってくい ら、受賞したかどうかわからな ( 笑 ) 。前は応募券はつけてなかる小説に大したものはない。そ上。 杉あそこは難関ですよね。そ れははっきり一言えますね あの時期の清張賞にファン 【 , 、、平は以んロな - 介 タジーを応募するのはけっこう 信杉人の話を聞いていない人だの点、新興勢力のクリスティー 賞は狙い目だと思いますよ。一一 ギャンプルだったと思うけど、 加 ( 笑 ) 。 一一千通近く応募があります桁らしいから。 ン 清張賞もあれからだいぶ印象が から、そういう人が百人ほどは大鮎川賞も百いかない。大沢 変わって、未須本有生の航空サ いるんですよ。五 % から十 % は在昌さんが『売れる作家の全技 スペンス「推定脅威」とか、村、 / 圧倒的な取材と着想で描かれた全世代必読ー・本年度最高の長編小説 塩田武士 0 0 第第でをれを 本年第・第の羲物ぃ臨 ミー ら人冱逃 生蹊げ 定価】本体 1650 円 ( 税別 ) 978 ー 466 ー 219983 ー 4 時効はない を生きる 仔供なち」に 解決事件 影を第とす 今を生きる「子供たち」に 音 昭和最大の未解決事件 「グリ森」は影を落とす皺 講京 家族に 時効はない。 〒

2. 本の雑誌 2016年11月号

で 1 ロ ま 尸 0 勿 3 よ ー 3 0 0 0 み の 新 ) 5 区凵四方切 5 宿タ貸 都内 0 日 0 0 円 と」 ング〉に異動。同誌の巻頭グラビア担当と語参考書の編集を半年ほどして、鶴書房にこの本にまとめる時に一部を書きなおし、 さすく して、〈週刊少年マガジン〉の専属となる再々就職する。どちらも、きちんと人社試なるべくその差を少なくするようには努め 前の大伴昌司氏や、怪奇小説同人結〈 一リト験を。ハスしての正式採用であった。 ましたが、程度のふぞろいが残っているか ル・ウィアード〉の荒俣宏氏に依頼したり さて、もう一冊は、秋田書店から出版さもしれません〉とあるように、星さん初の して趣味的にも満足していたが、組合問題れた星新一氏初のジュニア集『黒い ジュヴナイル作品で、〈科学の教室〉 ( 学習 で社内がごたっく折りから、編集方針がグ光』 ( 装幀Ⅱ加藤たかし / 表紙・ロ絵・挿研究社 ) 五八年四月号から八月号まで五回 ラビア企画廃止の方向にむかったことで、絵Ⅱ斎藤寿夫 ) である。「ジュニア版連載の表題作 ( えⅡ山中冬児 ) ーー同誌に 七一年十二月に退社する 名作シリーズ」と叢書名があるが、他に出は、同時期、亀山竜樹・文、古賀亜十夫・ 福島さんとは、〈少年画報〉にジュヴナたようすはなく、編集担当の秋田君夫氏が画の " 科学れんさい絵物語。「宇宙少年隊」 イルを書いてもらっていたことから顔むりやり通した企画かもしれない。 もスタートしている 、〈こども家の光〉 ほん わたくし 見知りで、ジュニア版『人門』の企画「あとがき」に、〈この本は、私がいまま六一年十月号から一年間連載された「謎の ひと ざっし をもちこむと、快諾してくれたという でに十代の人たちむけのいろいろな雑誌に星座」を含め八篇を収録 エスエフあっ はなし 少年画報時代には、雑誌以外に、手塚治書いたを集めたものです。未来の話や前記と同号の「でてくたあ」欄の評、 うちゅう はなし くうそ - ってき 虫『スー ー太平記』 ( 抄録版 ) や望月三宇宙での話、もっと空想的なおとぎ話のよ〈「光を自由に暗くできる姿なき怪物」の謎 さくひん 起也『秘密探偵』などの新書版漫画もうな作品などがまざっています。 / しかしを追うミステリー『黒い光』をはじめ、 たい ねんれい 編集。その後、教科書出版の文英堂で、英十代といっても年齢にははばがあります。子どもたちが夏休みに宇宙船で不思議な冒 ばなし 0 ほん 、んにく ていど ン十コ のこ っと 108

3. 本の雑誌 2016年11月号

まずは、船長の出身地、沖縄県宮古島太平洋戦争を挟んだ佐良浜の漁師の歴は、全体の一部でしかないのだろう。漂 市伊良部島佐良浜の環境と歴史である。史は圧巻である。明日の命を約束されて流、行方不明、爆死、と穏やかとはいえ ウミンチュ 佐良浜の住民は独自の海洋文化をもっ池いない絵に描いたような海人で、カツオない死に方が、海と漁でしか生きること ふだらくとかい 間民族であり、その始まりは補陀落渡海やマグロを釣りまくり、海に沈んだ不発のできない人々の性と業をじりじりとあ で海に出た僧侶にあるという。閉鎖され弾を拾って売り、儲けた金は女と酒に全ぶり出す。 た舟で漂流しながら、観音菩薩の住処へ部つぎ込んで、文無しになってまた、命「我々が食べているのは魚ではなく、漁 にゆうじよう 向かう捨身行が補陀落渡海。「人定」 ( 即懸けのヤパい仕事に帰っていく。潜りと師の命である」と誰かえらい人がどこか 身仏になるための究極修行 ) を土中では操船と漁労に絡む儲け話があれば、地球に書いていた。おそらく、稼いだ金をす なく、海の漂流で行なうというすさまじの裏側だろうと違法だろうと関係ない つからかんになるまで散財し、自分を追 いつめなくては、とてもではないがマグ い宗教行為がかって存在した。その修行売るために沈没船の弾薬を回収していて の結果、めでたく浄土世界に着いたか、爆死。回収した弾薬から違法漁のためのロ船には乗れなかったのではないだろう やつばり死にたくないと頑張って沖縄に爆弾を作ろうとしてまた爆死。体の吹っかかといって、別の生き方はもっとで 流れついたかは、ともかく、補陀落僧が飛び具合と爆破時の作業分担を比較しきない。自分の能力を発揮できない世界 興した村は沖縄に実際に存在し、その一て、遺体の主を予測する。当たり前のよで細々と生きていくことなど、少なくと うにそんな生涯を受け人れる漁師たち つが船長の出身地佐良浜であったのだ。 も佐良浜の漁師は耐えられない。 漂流者の故郷を訪ねたら、その一兀祖も命と存在に関する考え方が根本的に違う その悲哀は、どこか登山者と似てなく また漂流者だったという象徴的符合。大らしい もない。ただその分析に関しては、その 海に浮かぶ伊良部島は補陀落僧だけでは角幡は実際にマグロ漁船に乗って航海ことを考え続けた次男坊が本書に書いて なく、四方から漂流者が集まってできたの実態を取材し、船長とともに漂流した いるので、そちらに譲る ような村で、漁で生きていくことしかでフィリピン人乗組員を見つけ出して話を ⅱ月号冖特集〕予告 きず、戦争と高度経済成長に翻弄されな聞く漂流中の詳細に迫りながら、船長 歴史小説に学べ ! がら、漁 ( だけ ) に秀でた人間を日本のの足跡を追っていく。 遠洋漁業に数多く輩出していく 紹介される豪快な漁師のエピソード

4. 本の雑誌 2016年11月号

翁自伝』 ( 齋藤孝編訳 / ちくま新書 ) の一実際、溺れたものが酒だけでなかったたのコカイン中毒説を示唆する。梅毒で脳が 節である。山内と並ぶ幕末の酒豪と云えばめ、身を持ち崩した偉人は少なくない。大やられたとの指摘もある。辻は、最愛の女 意外かもしれないが、福沢諭吉だ。 正期に活躍し、ダダイストで知られる辻潤性の伊藤野枝がアナキスト大杉栄に走り、 幼少の頃から親公認で酒に親しみ、友人の酒漬けの生活が垣間見えるのが『放浪の自暴自棄になったのは同情の余地があるも の家に行けば飲み、来客があれば朝でも昼ダダイスト辻潤』 ( 玉川信明 / 社会評論社 ) のの、酒とドラッグと買春のちゃんぼんに でも夜でもかまわず、客よりも自分が嬉々などの評伝だ。辻と一言えば、その思想は研より、晩年に乞食同然の暮らしが訪れたこ として飲む。「今の大酒家と言っても私よ究の余地があると思うが、奇行ばかりが注とは否めないだろう。 り以上の者はまず少ない、高の知れた酒飲目される。 辻と同時期に海外で活躍した言語学者の エウゲニー・ポリワーノフもアル中とアへ みの雑兵だ」と酒量には絶大な自信を持「辻潤天狗事件」はその最たる例だろう。 つ。自伝なのだが、「また酒の話になりま ン中毒の「ちゃんぼん派」だ。『ニコラス すが」と、学問について論じていても、常 ・ポッペ回想録』 ( 三一書房 ) では悲しい に話が酒に戻る。どんだけ好きなんだ。慶 かな、大学時代に接した「よくない部類」 応大学の学生が三田でコン。ハの後、泥酔し の先生として挙げられる。大学では酒を飲 ているのは、開学以来の精神なのである。 んで口論したり、どなりたてたり、寄宿舎 失敗談も少なくない。緒方洪庵の塾生時 の女子学生の部屋に侵人したり。泥酔して 代に酔っ払って緒方家の二階で寝ていた知人の家に瓢簟を持って行き、「天狗さん倒れたときに電車にひかれて、片腕も失っ ら、階下から下女に呼ばれたと思い 「うのお酒だよ」と単なる水を勧めまくり、相た。スターリンの粛清にあい、逮捕され、 るさい」と真っ裸で梯子段を下りたら、洪手を困惑させる。その後、帰宅した後に、最期は「麻薬を突然奪われたことに耐えら 庵の妻で進退を窮したという。 同棲相手の首を絞めた後、「天狗になったれず、拘置所で死んだ」という。せめて酒 これだけ飲めば身を滅ばしそうだが、福ぞ」と叫び 2 階から飛び降りる だけにしてれば、片腕だけで、命は落とす 沢は酒を飲むことを除くと生活は極めて堅とはいえ、辻の場合、厄介なのが奇行がことはなかったのではないか。 かった。囲碁のルールも覚束ず、茶屋遊び酒の弊害と断定が難しい。アル中説が濃厚酒といえば役者も関係が深い。日本を代 もしない。単に大酒飲みで酒癖が悪いだけこ ; 、 だカ料理研究家の平野レミの父親で自ら表する俳優である三船敏郎は私生活では女 なら、お札に描かれる偉人にもなれたのだ。もヤク中だった仏文学者の平野威馬雄は辻性問題に焦点が当たりがちだが、酒乱でも

5. 本の雑誌 2016年11月号

から、読みはじめるとやめられ徳川慶喜の孫、海外では異色の 空飛ぶ侯爵・蜂須賀正氏の なくなる。 鳥類学者として知られる」とあ ドードー研九 空飛ぶ侯爵、蜂須賀正氏 19 るが、これまではその破天荒な Ⅱ北上次郎 03 ー 53 、という副題のつい生き方が先にあり、奇人扱いさ た本である。徳島・阿波藩の第れていた ( 戦後すぐにはスキャ 一八代当主であり、フィリピンンダルに巻き込まれたこともあ 斤リ やアフリカ・コンゴを探検したる ) 蜂須賀正氏の仕事を丁寧に めったくた 冒険家であり、日本初のプライ振り返る書なのである。なにし ガイド ペート飛行機の所有者兼。ハイロろ初めてゴリラと会った日本人 村上紀史郎『絶滅鳥ドードースに向かうことになる。さらにツトであり一そして世界的に著であるのに ( 蜂須賀正氏は一九 を追い求めた男』 ( 藤原書店三爆撃機のコックピットに積み込名な絶滅鳥の研究家であった蜂三一年、ベルギー政府のコンゴ 六〇〇円 ) の終わり間近に、こまれアメリカ大陸を横断し、大須賀正氏の波瀾に富んだ生涯を探検隊に加わり、「ゴリラの巣 西洋を渡っていく。この初校は描いた書だ。ちなみに、書名にを持ち帰る」という大英博物館 んな挿話が紹介されている。 一九三九年、蜂須賀正氏はロなんとか出版社に着いたが、出なっているドードーとは、マダの要望に応えた。なお、蜂須賀 ンドンの出版社から「ドードー 版社から送られた再校紙は正氏ガスカル島の東方にある三つの正氏は大英博物館の研究員でも 島々、モーリシャス諸島にだけあるので、フィリピン探検の成 研究」の本を出版することを考の手に届かなかったという。 一九三九年といえば、ポーラ棲息する鳥であり、『不思議の果もその研究室でまとめてい えたが、問題は日本からヨーロ ッパへの船便は途絶え、イギリンドに侵人したドイツに英仏が国のアリス』の三章に「的外れる ) 、一九五八年、同じルート スへの船便はアメリカ経由とな宣戦布告して第二次大戦が始まのことを言う太ったグズな鳥」でコンゴに人ってゴリラを観察 として登場するので、世界でいした今西錦司の『ゴリラ』に蜂 ったこと。そこで、熱海の別邸った年である。そんな時代に、 で校正を終えた「ドード ー研爆撃機に乗って校正紙が日本↓ちばん有名な絶滅鳥になってい須賀正氏の調査がまったく触れ アメリカ↓イギリスに渡ったとるという られていないという。一般人は 究」の原稿は、英国大使ロバ いうのだから、すごい話だこ帯にも「戦国武将・蜂須賀小おろか専門家にも知られていな ト・クレイギーの厚意で防水紙 いとは驚く。歴史読み物がお好 に厳重に包装されてロサンゼルういう話が次々に飛び出てくる六の末裔にして、最後の将軍・ きみお まさうじ 村紀史郎 追い求めた男

6. 本の雑誌 2016年11月号

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7. 本の雑誌 2016年11月号

講師のお二人と受講者たちも人心の師だと思っているので、とるように」という言葉が印象ににしみ人る蝉の声」と詠んだ観 残ったという ってきたので、池上さんの乾杯ても贅沢です」と嬉しそう。 光名所でもある。せつかくだか の音頭のあと、生徒のみなさん ミステリー志望の佐藤裕さんちなみに池上さんによると山ら、この名刹で新人賞をめざす に話を聞いてみることに。 は講座に通い始めて三年。二カ形小説講座の出席者は「三分の人の幸運を祈願してこよう。こ 東京から来た湊ナオさんは東月前に大沢在昌が講師で来た際一が書きたい人、三分の一がこれぞ読むのが楽しいおじさん三 京でも同じような講座を受講しに七十枚の作品が講評され、小 れから書く人、三分の一が読む人組の使命ではないか ! と強い ているそうだが、山形のほうが説を書くのは難しいことなんだのが楽しい人」とのこと。書き決意で、翌朝、山寺に向かった レベルが高いと感じたという。 と実感したという。いろんなアたい人ばかりではなく、読みたのだが、参道を前に宮里潤は早 時代小説が好きな後藤瑞穂さんドバイスをいただいたので、そい人もいなきやダメなのだ。なくも及び腰。実は山寺は千十五 は二回めの出席だが、白泉社のれをいかして直したいと前向きるほど。たったらおじさん三人段の石段を登らないとお祈りで 招き猫文庫時代小説新人賞をひだ。小説推理新人賞の最終候補組は「読むのが楽しい人」でいきないのである し力なあ そかに狙っているとのこと に残ったという石垣綾子さんは、、 米沢から十回以上受講に来て元々ファンタジーっぽいものをしかし、それでは山形まで来宮往復で一時間かかるみたい いるサクさんは作品を三回提出書いていたが、池上さんに「ハた甲斐がない。おお、そうだ、ですよ し、畠中恵と三浦しをんに講評 ードボイルドだ」と言われ、 山形といえば宝珠山「立石寺」。杉時間はあるから。 されたそうで、憧れの先生に直ステリーに寄り始めたという。そう、山寺の通称で知られる天浜新人賞が獲れますように。 接見てもらって緊張したと喜び「何次を通ったとか最終まで残台宗の名刹にして、あの松尾芭宮タオル出しておこう。 を隠せない様子。ェッセイストったとかいう話が聞こえてくる蕉が奥の細道の道中「閑さや岩 というわけで、おじさん三人 としてデピューしたいと語る新と、自分もという気になる」と 堂麻弥さんは三年間、休まず出いうのも講座の効用のようだ。 組は小雨の中、汗をかきかきふ 席しているが、三浦しをん、あそして、山形大学生協の書店 うふう言いながら千十五段を登 さのあっこ、井上荒野、角田光員である小島憂也さんは本日が り降りしてきたのである。日本 代、酒井順子に講評されたとい初の出席で、読むのが専門だが 全国の作家志望者にご利益があ りますよ - つにー う。「三浦しをん先生を勝手に池上さんの「読者に余白を与え 山寺の石段をよろめき歩く宮里潤

8. 本の雑誌 2016年11月号

思議な世界で、意味が正反対なれる状態が坑内の崩落を連想さ場所に蓋をした暗渠の上を歩きが、部位はそれぞれ別人のもの 二種類の「不思議殺し」が向きせるからである。そのように禁回る「渋谷区の女」や、大量のだった。死んだと思われた女か 合う構図が面白い。この皮肉さ忌や迷信の多い場所で変事が続ゴミが捨てられ形成された夢のら電話があったり、犯人らしき は、『挑戦者たち』が内包するテく。 怪奇小説としての雰囲気は島が舞台となる「江東区の女」男から連絡があったり、事件は ーマとも通じるところがある。濃厚だ。また、戦争の記憶がまに、本書の特徴がよくあらわれ混沌とした様相を呈していく。 アリスが穴に落ちた先には冒だ新しい時代の過酷な労働現場ている。どの話にも、歴史の古一九九五年から翌年に「週刊 険が待っていたのに対し、穴をが舞台である。作中では、戦時層が露出することで今の風景が小説」に連載された小説であ 下ったらつらい労働しかないの中の日本政府・軍部と兵士・国歪む怖さがある。各区を通してる。その期間には、米兵による が炭鉱だ。三津田信三『黒面の民の関係と、炭鉱会社と炭鉱夫の仕掛けも用意されている。 少女暴行事件が起きた沖縄で反 狐』 ( 文藝春秋一八〇〇円 ) では、の関係の類似が指摘され、朝鮮故・連城三紀彦の『わずか一米感情が高まった事実がある。 戦後間もない北九州の炭鉱で起人差別が描かれる。物語では、しずくの血』 ( 文藝春秋一六〇そのことは、沖縄と日本の関係 きた連続怪死事件が扱われる。崩落場所から被害者が掘り起こ〇円 ) は、過去に埋もれていたを一つのモチーフにした『わず 坑内での崩落事故直後から、炭されるとともに、関係者が埋め作品を今になって単行本化したか一しずくの血』の内容にも影 鉱住宅において密室での縊死がておきたかった過去も掘り返さもの。薬指に結婚指輪をはめた響を与えただろう。同作におい 連続する。自殺とみられたが、れる。読み応えのある作品だ。 まま白骨化した左脚が山中で発ても過去は重い意味を持つ。終 黒い顔の狐が出人りするところ長江俊和『東京ニ十三区女』見される。続いて日本各地で女盤の展開が早足で物語をまとめ を目撃した子どもたちがおり、 ( 幻冬舎一五〇〇円 ) も、今の性のパラバラ死体が見つかるきれておらず、これまで単行本 不審な点は残る。地域には狐へ街の陰に重なっている過去の層 化されなかったのも理解できる の信仰があり、白狐は豊穣の神、をめくっていく怪奇譚連作。女 面はある。とはいえ、次々に人 黒狐は凶作の神とされていた。性フリーライターと民俗学講師 をたらしこむ犯人の普通ではな そして、炭鉱における凶作とは、 が、自殺の名所とされる高島平 い魅力、パラ。ハラ事件の動機に 坑内の事故を指すのだ。 団地に行く「板橋区の女」をは 関する大胆な発想などにはひき 炭鉱夫は御飯に味噌汁をかけじめ、五区の「女」をめぐる話 つけられる。文体の力だ。本に なってよかった て食うことを嫌う。汁で飯が崩が展開される。かって川だった めったくたガイド - 装丁・関口聖司

9. 本の雑誌 2016年11月号

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10. 本の雑誌 2016年11月号

めざせ新人賞 ! おじさん三人組、山形に行く ! 今月の特集は「めざせ新人賞だ応募すればいいわけではなは、どうしたら、そんな小説がには山形小説家 ( ライター ) 講 ! 」。しかし「めざせ」と言わ い。様々なノウハウがあって、書けるのかそうだ、小説講座座という一一十年近い歴史を誇る れたところで、どうやってめざそれについては本特集の中でい に行ってみればいいのではない作家養成講座があり、講師兼世 せというのか他人事みたいにろいろな人が詳しく解説していかー 話役を本誌でもおなじみ評論家 言っているんじゃないよ ! とるのだが、しかし。なにはさてというわけで、八月二十八日の池上冬樹氏が務めているので お怒りモードの作家志望者もいおき、新人賞をめざすのに欠か日曜日、宮里潤、杉江由次、浜ある。しかも出身者がすごい るかもしれない。そうなのであせないのは受賞に値する作品を本茂 ( 若い順 ) の本誌おじさん吉村龍一 ( 小説現代長編新人 る。新人賞を受賞するには、た書くことに尽きるだろう。で三人組は山形に向かった。山形賞 ) 、深町秋生、柚月裕子 ( と ・山形弾丸ツアー 特集 ☆作家デビューへの早道は昔も今もやつばり新人賞受賞 ! というわ けで、これから新人賞を狙う人へのアド・ハイス座談会から、作家が 伝授する新人サ・ハイ・ハル術に編集者が教える受賞後の要注意事項、 そしておじさん三人組が山形の作家講座に潜人する独占ルポまで、 新人賞を獲るまでそして獲ってからがわかる特集なのだー 0 0 0 0 0