坂田藤十郎 - みる会図書館


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1. 演劇界 2016年10月号

じ、五十六年の十五周年には『菅原』を再演し、十三代 目仁左衛門の菅丞相が絶賛された。六十一年の一一十周年 には二か月にわたって『仮名手本忠臣蔵』を通し上演し、 十三代目仁左衛門、歌右衛門、十七代目勘三郎、七代目 梅幸、十七代目羽左衛門らが出演、これが戦後歌舞伎を 支えてきた俳優たちの最後の大顔合わせになった。 復活から新作まて 多彩な作品を上演 昭和から平成に元号が変わり、歌舞伎界も一挙に世代 交替が進んだ。一一年から歌舞伎座は、年間を通して歌舞 伎を上演するようになる。歌舞伎人気を牽引したのは 十八代目勘三郎らの世代であった。以後の国立劇場の歌 舞伎も次世代の俳優たちが中心になっていく。平成元年 れいげんかめやまほこ には吉右衛門が『霊験亀山鉾』を復活した。一一年には五 だいがんじようじ物てんがちややむら 代目富十郎の『殿下茶屋 ( 大願成就殿下茶屋聚 ) 』、菊五 こくせんやかっせん 郎の『再岩藤』、十一一代目團十郎、富十郎の『国性爺合戦』、 三年の『千本桜』では團十郎が知盛、菊五郎が権太・忠 「彦山権現誓助剱」中村児太郎 ( 現福助 ) のお菊伜弥三松、 うきょづかひょくのいなづま 信を演じた。五年の『浮世柄比翼稲妻』は團十郎の不破・ 三代目實川延若の毛谷村六助 ( 昭和犯年川月 ) ⑩ 長兵衛に十八代目勘三郎が権八を演じている。六年の『け はまのまさ ) 」 てんいちばうおうぎびようしおおおかせいたん は菊之助 ( 現菊五郎 ) が「天一坊 ( 扇音々大岡政談 ) 』 いせい浜真砂』は歌右衛門から受け継いで鴈治郎 ( 現坂 けさかけまつなりたのりけん あさがおにつきしよううっしあさがおばなし 田藤十郎 ) が主演し、七年の『かさね ( 法懸松成田利剣 ) 』 「朝顔日記 ( 生写朝顔話ご、染五郎 ( 現幸四郎 ) が ほりかわなみつづみ の通しは團十郎の与右衛門、菊五郎のかさねであった。 「堀川波の鼓』、辰之助 ( 三代目松緑 ) 、孝夫 ( 現仁左 むらいちょうあん かみかけてさんごたいせつ 八年の十一月に国立劇場は三十周年を迎え、十月から 衛門 ) 、玉三郎が『盟三五大切』、吉右衛門が『村井長庵 かんせんちょうあくのぞきがらくり 翌年の正月まで四か月にわたり記念公演を上演した。十 ( 勧善懲悪覗機関 ) 』を演じている。『三五大切』『村井 月は猿之助 ( 現猿翁 ) が出演し鶴屋南北の顔見世狂言 長庵」は小劇場での上演で、以降、断続的であるが小劇 してんのうもみじのえどぐま 『四天王楓江戸粧』を復活した。古例に倣って脇狂言、 場での本公演が行われていく。 五十一年の開場十周年記念には一一か月にわたり「千本序開きから上演する企画で猿之助歌舞伎の集大成の舞 台になった。十一・十二月は『妹背山』の通しで「吉野 桜』を通し上演して一一代目松緑が知盛・権太・忠信を演 ゞ第一豆 ・第 「桜姫東文章」八代目坂東三津五郎の釣鐘の権助、 四代目中村雀右衛門の桜姫 ( 昭和 42 年 3 月 ) ⑩ 房長 女井 童、 岡持 代の 話 5 昔守年 の 京四和 練 + 昭 川」は坂田藤十郎が定高、幸四郎が大判事、「芝六住家」 は菊五郎が芝六、「御殿」は四代目雀右衛門がお三輪、 だんのうらかぶとぐんき 吉右衛門が鱶七を演じた。正月は『壇浦兜軍記』で團十 郎が景清、玉三郎が阿古屋を演じた。十三年の三十五周 年記念も四か月行われ、十月は富十郎、吉右衛門、梅玉 の『殿下茶屋』、十一月は團十郎が三役を演じた『千本 桜』、十二月は幸四郎の和尚、梅玉のお坊に染五郎がお さんにんきちさくるわのはつがい 嬢を演じた『三人吉三廓初買』、正月公演は菊五郎の出 演で黙阿弥の『小狐礼三 ( 小春穏沖津白浪 ) 」を復活し た。菊五郎は十八年から現在までの正月公演で、この 『小狐礼三』と二十三年十月に四十五周年記念として上 演した曲亭馬琴原作『開幕驚奇復讐譚』を含めると、九 こぎつねれいざ かいまくきようきあだうちものがたり 「恋女房染分手綱」二代目中村鴈治郎の 竹村定之進、六代目中村歌右衛門の重の井 ( 昭和絽年 3 月 ) ⑩ 39 E 、 GEK ー KAk2016.10

2. 演劇界 2016年10月号

ー国立劇場開場周年 9 巻頭大特集 2 小道具ものがたり , ーー湯川弘明 『双蝶々曲輪日記』「角カ場」 濡髪長五郎の下駄 記念公演特別インタビュー 報告 尾上松也歌舞伎自主公演 丿む第八回外伝文。清水まり これぞ国立劇場の通し狂言ー 文Ⅱ国立劇場制作部歌舞伎課 坂田藤十郎 開場式と開場公演斈中村哲郎 それぞれの時代を反映する記念公演 中村吉右衛門 文ⅱ織田紘一一 国立劇場の思い出 中村梅玉 水落潔横溝幸子上村以和於葛西聖司 国立劇場なるほど事典 お祝いの言葉 聞き書きⅡ亀岡典子 聞き手・文Ⅱ小玉祥子 6 ENGEKIKAI 目欠 2016 年川月号 表紙 / 新作歌舞伎『廓噺山名屋浦里』 中村勘九郎の酒井宗十郎、 中村七之助の花魁浦里太夫 撮影 / 篠山紀信 題字 / 伏木壽亭

3. 演劇界 2016年10月号

歌舞伎を深く広く 伝えていく劇場 坂川藤十郎 お祝いの言葉 国立劇場で数々の舞台を勤め、日本俳優協会会長でもある 坂田藤十郎丈に、五十周年に向けての言葉をいただきました。 国立劇場開場五十周年、まことにおめでとうご もお伝えすることかできたのではと思っており さいます。 ます。 昭和四十一年の開場以来、日本の芸術の創造と、 私が初めて国立劇場の舞台に立ちましたのは、 なるかみふどうきたやまざくら 文化の振興や普及に大きな役割を果たしてこられ開場の翌年の『雷神不動北山桜でした。以来、 ました。その国立劇場か開場五十周年を迎えたと毎年のように出演してきましたが、忘れられない もせやまおんなて いう , ) とは、歌舞伎か今後、ますます隆盛になっ のは、平成八年、三十周年記念の『妹背山婦女庭 ていく証のように思われ、たいへんうれしく感じ 訓』です。私が定高、松本幸四郎さんが大判事の ております。 舞台でした。この時、幸四郎さんに、「原作の丸 国立ならではの公演も多く、私もこの五十年間本にのっとったやり方でやりましよう」とご相談 ですいぶん携わってまいりました。長らく上演が しましたところ、「やりましよう」と言ってくだ 途絶えていた場を復活しての「通し上演」をはじ さった。僭越ながらたいへん緊迫感のある舞台に め、私自身も上方の演出でさまざまなお芝居を上 なったと自負しています。 演させていただき、歌舞伎の多様な魅力を少しで 十年の伽羅先代萩』では政岡と頼兼、十一年 めいぼくせんたいはぎ 妺背山婦交庭訓』太宰後室定高、中村 芝雀 ( 現雀石衛門 ) の太宰息攵鄒鳥、 中村時蔵の久我之助清、松本を四郎の 大判清澄 ( 平成 8 年Ⅱ月 ) 、 を -

4. 演劇界 2016年10月号

2 ロ 絶品の阿古屋は、古い言い方だが「満 での稽古から深夜の打ち合わせに、慣 れない国立劇場のスタッフがよく対応 都の歌舞伎ファン」の注目を一身に集 めた。その舞台は玉三郎という稀有な してくれたと思う。実に他の公演とは 才能の真の開花に大きな貢献をしたも 異なる制作の連続だった。 いもせやまおんなていきん の、と思っている 十一・・十二月は『妹背山婦女庭訓』 三十周年記念公演は、国立劇場開 の通し上演。十一月は三代目鴈治郎 ( 現坂田藤十郎 ) の太宰後室定高、幸場の折のプログラムに「国立劇場にお ける歌舞伎公演はどんな方針で行な 四郎の大判事清澄、時蔵の久我之助、 われるか」として記された七つの方針 芝雀 ( 現雀右衛門 ) の雛鳥で、「花渡 の六か条までを実現しようとしたもの し」から「吉野川」を中心に。十二月 だった。「原典尊重」と「通し上演」「復 は、四代目雀右衛門のお三輪、吉右衛 門の鱶七、菊五郎の猟師芝六、羽左衛 活上演」は『妹背山』と『四天王』で 門の蘇我入鹿、田之助の求女、芝雀 ( 現 行えた。「適材適所の配役」は『妹背山 が好例で、「上演演目の親しみ易さと、 雀右衛門 ) の橘姫、辰之助 ( 現松緑 ) の淡海といった配役で、「芝六住家」 丁寧な脚本」は『壇浦』で実現した。「演 ねがいのいとえにしのおだまき 「願絲縁苧環」「一一一笠山御殿から奥殿・ 出の統一」は『妹背山』で狙ったもので、 奥庭」という、一一か月での完全通し上 最後の七番目に挙げられた「新作 ( 創 だんのうらかぶとぐんき 演。正月公演は『壇浦兜軍記』で、戦 作 ) 歌舞伎」ができなかったのが残念 だったが、 後東京では歌右衛門以外での上演のな それでも開場以来の国立劇 い「阿古屋琴責」に、前後に山田庄一 場の理念をなんとか通せたのではない だろ、つか、と自負している 補綴台本をつけての上演で、團十郎の 三十五周年の平成十三年は芸能部 悪七兵衛景清、玉三郎の阿古屋、梅玉 に籍を置いていないので詳しく述べ の秩父庄司重忠、片岡我當の岩永左衛 られないが、十月には『大願成就殿 一年前の正月、休演中の歌右衛門 さんを岡本町のご自宅に訪ね、玉三郎 下茶屋聚が吉右衛門の安達元右衛 、富十郎の東間三郎右衛門・片岡造 での上演を許していただいた経緯が 酒頭、梅玉の早瀬伊織・人形屋幸右衛 あった。歌右衛門の阿古屋に長く憧れ ・鵤幸右衛門で、富十郎の監修によ ていたというだけあって、若い玉三郎 がちややむら いかる たいがんじようじゅてん 肪周年記念「大願成就殿下茶屋聚」 中村吉右衛門の安達元右衛門 中村梅玉の早瀬伊織 ( 平成年川月 ) 2 り上演。十一月には團十郎の忠信・知 盛・権太で『義経千本桜』の通し上演、 十二月には幸四郎の和尚、梅玉のお坊、 染五郎のお嬢による『三人吉三廓初 買』、翌一月には菊五郎の小狐礼三で こはるなぎおきっしらなみ 『小春穏沖津白浪』が上演された。 四十周年の真山青果の『元禄忠臣 蔵』は八代目幸四郎で全篇通し上演を 目論んでいたが、高麗屋の病気のため に頓挫していた企画だった。一一十周年 の『仮名手本』が成功裏に終わった直 後から企画として温めていたもので、 ともかく『元禄忠臣蔵』の全幕上演と いう史上初めての企画に挑んだ。昭 さんにんきちさくるわのはっ 和九年の『大石最後の一日』から十六 せんがくし 年の『泉岳寺の一日』 ( 二代目左團 次が前年亡くなって、この場の内蔵助 は初代猿翁が勤めた ) まで、左團次一 座が連続上演してきた全幕をともかく 時間軸を並べて上演したいと考えた。 十部作、一一十四幕四十三場に及ぶ大長 編戯曲をすべて上演するのは無理では あるが、場面やセリフのカットはとも かくとして、できうるかぎり全幕の上 演を試みようとした。十八年十月は 「刃傷」から「第一一の使者」が中心で、 内蔵助は吉右衛門十一月は「伏見撞 木町」と「御浜御殿」「南部坂雪の別れ」 肪周年記念「義経千本桜」 十二代目市川團十郎の新中納言知盛 ( 平成年Ⅱ月 ) 2 おおいしさいご E 、 GEKIKAI.2016.10 36

5. 演劇界 2016年10月号

宵闇妖鉤』→乱噂鉤鴈一 ) として上演したことも記 作品の江戸の古狂言を復活上演してきた。 十八年の四十周年記念では十月から三か月にわたって 憶に残る。 げんろくちゅうしんぐら こうして半世紀を回顧すると、国立劇場の開場によっ 真山青果の「元禄忠臣蔵』を全編上演し、十月は吉右衛門、 て歌舞伎の演目が実に多彩になったことがわかる。また、 十一月は坂田藤十郎、十一一月は幸四郎が内蔵助を演じ た。そのほかに目立った公演としては坂田藤十郎、富十 この劇場の方針であった通し上演が次々世代に受け継が おぐりはんがんものがたり れていることもわかる。大きな功績であろう。 郎らの上方式演出「小栗判官譚』、仁左衛門が吉右衛門 とは違う台本で演じた「霊験亀山鉾』、猿翁一門による とみがおかこいのやまびらき はでくらぺいせものがたり 『競伊勢物語』、菊五郎一門による「富岡恋山開』 伝承者ど観客の - かいがさやぎゅうしつき かねてきくやなぎさわそうどう とおやまざくらてんはうにつき 三蓋笠柳生実記』『噂音菊柳澤騒動」「遠山桜天保日記』、 養成も大きな功績 しおばらたすけいちたいき 十代目三津五郎の「塩原多助一代記』、染五郎の『乳貰 はなふぶきこいのてかがみ づかむかしがたりうぐいすづか 歌舞伎以外の公演にも触れたい。新派公演は昭和 ( 花雪恋手鑑 ) 』「うぐいす塚 ( 昔語黄鳥墳 ) 』の復活 四十七年の『滝の白糸』から始まった。初代水谷八重子 がある。絶えていた場面の復活としては吉右衛門が「神 れいやぐちのわたし を中心にした一座でゲストに歌舞伎の花形が加わるこ 霊矢ロ渡』の「由良兵庫之助新邸」、翫雀 ( 現鴈治郎 ) せおんどこいのねたば とも多く、『婦系図『日本橋』『白鷺』『不如帰』など、 が「伊勢音頭恋寝刃」の「太々講」を復活している。坂 五十四年の初代八重子没後も六十一一年まで十四回の公演 田藤十郎の「忠臣蔵』七役早替りや、染五郎が一一年にわ をもった。以後中断して、良重の一一代目八重子襲名の翌 たって江戸川乱歩の「人間豹』を新作歌舞伎 ( 『江戸 「浮世柄比翼稲妻」中村勘九郎 ( 十八代目勘三郎 ) の名古屋山三元春、 中村時蔵の茶屋女房お時、十二代目市川團十郎の不破伴左衛門 ( 平成 5 年 4 月 ) ⑩ えどの ちちもら しん 「小春穏沖津白測澤村田之助の三浦屋傾城深雪、 尾上菊五郎の八重垣礼三郎実は小狐礼三 ( 平成 14 年 1 月 ) 「霊験亀山鉾」中村芝雀 ( 現雀右衛門 ) の芸者おつま、 片岡仁左衛門の隠亡の八郎兵衛 ( 平成年月 ) 2 年、平成八年から十三年までに五回、その後また中断し ていたが今年久々に復活した。 文楽は歌舞伎と並ぶ中心の公演で、開場以来小劇場で 年四回の公演を続けてきた。原作尊重・通し上演が方 針で、開場公演に続く翌年三月には「伊賀越』を通し 上演したが、東京の観客には文楽自体の馴染みが薄かっ たため不入りで、六、九月は見取りの狂言立てに切り替 えた。ところが四十三年の文楽初のパリ公演で上演し そねざきしんじゅう た『曽根崎心中』が現地で絶賛されたことで状況が一変 した。若い観客が急に増え始めたのである。そのため再 び通し上演が復活し『妹背山」「廿四孝」「千本桜」「菅 原』などの大作を上演した。一方で五十六年に一一月公演 を「近松名作集」と題して三部制にするなど ( この企画 は六十三年まで続き、以降も断続的に行われている ) 、観 客動員を図る企画を模索した。しかしそんななか、名手 が次々に逝ってしまった。開場翌年に十代目若太夫が逝っ たのをはじめ十年間に八代目綱太夫、三代目春子太夫、 一一代目紋十郎、六代目寛治、一一代目栄三、松之輔が次々 に亡くなった。今思、つと、名手が立て続けに世を去った この時期を境に、文楽の鑑賞法が大きく変わったと思う。 E 、 GEK ー KAL2016.10 40

6. 演劇界 2016年10月号

8 月号定価 : 本体 1 , 343 円 + 税 2015 年 ツ 。歌舞伎の戦後七十年 ク 戦時下の歌舞伎と復興への道のり 「阿弖流為」特別鼎談 ナ 市川染五郎 x いのうえひでのり x 中島かすき 若手花形インタピュースペシャル ン 中村歌昇 x 尾上右近 x 中村種之助 を ロングインタピュー中村橋之助 9 月・号特別定価 : 本体 1 , 667 円 + 税 2015 年 ぎ 歌舞伎の今一前篇ー スペシャルインタビュー坂東玉二郎 未来を支える俳優の育成 中村時蔵・市川團蔵 / 中村梅玉・片岡秀太郎ほか 市川染五郎『阿弖流為』制作日記 [ 叫最新歌舞伎俳優名鑑 10 月号定価 : 本体 1 , 343 円 + 税 2015 年 F 巻 お 歌舞伎の今一後篇ー A 末 し スペシャルインタビュー市川猿之助 では のが込 歌舞伎舞踊の今藤間勘十郎 x 尾上菊之丞ほか おきみ 市川染五郎「ラスベガス公演報告記」 申色方 話題の舞台「あらしのよるに』 / 「ワンピース』 ”ロングインタピュー中村東蔵 込利 を村 み用 新装刊八周年記念特別インタビュー中村吉右衛門 可だ Ⅱ 月号定価 : 本体 1 , 343 円 + 税 2015 年 でい す 名脇役の花と実 ン スペシャルインタビュー澤村田之助 タ 中村梅花丈を語る中村歌女之丞 x 中村芝喜松 ネ 私が愛した脇役たち / 師匠番の存在ほか ツ ト 中村歌昇・中村種之助「双蝶会」 電 ロングインタビュー中村扇雀 話 12 月号定価 : 本体 1 , 343 円 + 税 2015 年 送 。歌舞伎謎解戯場 料 かぶきなぞときげきじよう 俳優篇、登場人物篇、舞台・小道具篇の ホ電 お クイズを解きつつ歌舞伎の知識が身につぐ 話問 特別インタピュー尾上松緑 0 若手花形インタビュー中村種之助 ジ せ ロングインタビュー市川團蔵 先 2 1 月 - 号特別定価 : 本体 1 , 574 円 + 税 2016 年 101 1 當る申年◆年男 , 福をよぶ年男の俳優二十六人が登場 ! 1 吉右衛門 / 仁左衛門 x 孝太郎 / 田之助 x 竹三郎 / 又五郎 x 彌十郎 尾上右近 x 菊十郎 / 廣太郎 / 團子 / 橘三郎 / 歌江ほか A 代 ぜ特別付叫 2016 年小道具ものがたりカレンダー 区 神 2 月号定価 = 本体 1 , 343 円、税 2016 年 神 二〇一五年歌舞伎総ざらい ! 東京・関西・中京から九州の各地の一年 / 1 13 極私的歌舞伎大賞 / 二〇一六年の襲名ほか 0 演 新春浅草歌舞伎インタピュー 松也・巳之助・新悟・米吉・隼人・国生 / 錦之助 出 ロングインタピュー市川右近 9 社 3 月号定価 = 本体 1 , 343 円、税 2016 年 初芝居ーー壽申歳戯場国賑 ことほぐさるどしかぶきのにぎわい 歌舞伎座、国立劇場、新橋演舞場、 浅草公会堂、大阪松竹座ーーー東西五座の 二〇一六年初春公演を誌上で楽しむ ! ロングインタビュー中村歌六 4 月号定価 = 本体 1 , 343 円、税 2016 年 襲名五代目中村雀右衛門 ロングインタピュー五代目中村雀右衛門 / 友右衛門・廣太郎・廣松 / 雀右衛門の代々ほか 生誕二百年河竹黙阿弥の魅力 話題の舞台スペシャル『ワンピース』 インタピュー猿之助 / 横内謙介 / 巳之助 x 隼人 ロングインタビュー坂田藤十郎 5 月号定価 : 本体 1 , 343 円 + 税 2016 年 五代目中村雀右衛門 襲名披露開幕 ! 話題の舞台スペシャル「明治座四月花形歌舞伎」 インタピュー菊之助 / 勘九郎 / 七之助 報告スペシャル「システィーナ歌舞伎」 愛之助 x 水口一夫 [ 嘔画 ] 「演劇界』温故知新 6 月号定価 : 本体 1 , 343 円 + 税 2016 年 長谷川伸の世界 「股旅」の意味するもの / 長谷川伸先生のこと 名作七撰紹介 / 六代目菊五郎との交流 新国劇の長谷川伸 / 記憶に残る名舞台 スペシャルインタピュー尾上松也 歌舞伎来た道・行く道中村寿治郎 追悼初代中村歌江 ・ 7 月号定価 = 本体 1 , 343 円、税 2016 年 ' 渋谷・コクーン歌舞伎 インタビュー串田和美 / 中村扇雀 座談会中村獅童 x 中村勘九郎 x 中村七之助 対談笹野高史 x 片岡亀蔵 勘三郎の種子コクーン歌舞伎の足跡と意義 染五郎の歌舞伎摩訶不思議「日替り戯隈二十六顔リ 今月の話題中村雀右衛門 8 月号定価 : 本体 1 , 343 円 + 税 2016 年 忘れ得ぬ名優たち 二代目松緑 / 三代目延若 / 十三代目我童 三代目権十郎 / 九代目宗十郎 十七代目羽左衛門 / 五代目富十郎 染五郎の歌舞伎摩訶不思議ラスベガス公演報告記 対談市川染五郎 x 尾上菊之丞 勉強会に挑む三人中村歌昇 x 中村種之助 x 尾上右近 話題の舞台片岡仁左衛門 9 月号特別定価 : 本体 1 , 667 円 + 税 2016 年 東西花形対談 市川猿之助 x 坂東巳之助 片岡愛之助 x 中村壱太郎 「やごの会」欧州歌舞伎公演インタピュー坂東彌十郎・新悟 話題の舞台市川九團次 小村雪岱の美人画入り 特別付録 観劇手帳 & チケットホルダー 初芝居 壽中歳戯場国 剿坂川藤ー郎 河黙 . 魅力 石代いすれロ 人いまに ーのお知らせ 襲中れ 4 名村代 披雀Ⅱ 露行 開衛 坂東・ : 郎 之助 2 1 歌舞伎謎角 寿年男ス尽ン ) し、 はれ得ぬ名優たち 市川桑な駕 79 E 、 GEKIKAI.2016.10

7. 演劇界 2016年10月号

周年記念「元禄忠臣蔵」坂東巳之助の大石主税、 松本幸四郎の大石内蔵助、坂東秀調の武林唯七、 澤村宗之助の矢頭右衛門七、中村歌六の堀部安兵衛 ( 平成年肥月 ) ⑩ が中心で、内蔵助は坂田藤十郎十二 月は「泉岳寺」「仙石屋敷」「大石最後の 一日」で、内蔵助は幸四郎この公演 は真山美保さんに演出をお願いしてい たのだが、春まだ浅い頃に亡くなられ た。全幕上演を楽しみにされ、お目に かかる約東は桜狩の頃だったのに、果 たせなかった。三か月の全幕上演は、 たくさんの男性観客の共感もあって盛 4 ごじゅうさんつぎ り上がり、客席に涙の洪水が溢れた。 十九年一月公演の菊五郎と菊五郎 劇団による復活通し上演は『梅初春 五十三驛』で、京都から江戸日本橋ま での五十三驛に化け猫のエピソードを 盛り込んで楽しく賑やかな初春らしい 公演だった。三月も引き続いての記念 はちすのいとこいのまんだら 公演で『蓮絲恋慕曼荼羅』。森山治男 の国立劇場歌舞伎脚本募集の入選作で、 当麻寺に残る当麻曼荼羅の伝説を中心 に中将姫伝説を描いた古代絵巻を、玉 三郎が演じ演出した作品。市川段治郎 ( 現喜多村緑郎 ) や門之助、市川右近、 市川笑一一一郎、市川猿弥、市川春猿ら三 代目猿之助一門の出演で小劇場での公 演が成立した。国立劇場の歌舞伎公演 菊周年記念「開幕驚奇復讐譚』 尾上菊五郎の仙女九六媛 ( 平成年川月 ) 2 たいま うめのはる で傾斜舞台を初めて取り入れた 四十五周年記念は、一一十三年十月か ら翌四月まで行われ、十月は菊五郎劇 力いまくきようきのあだうちものがたり 団による『開幕驚奇復讐譚』、十一月は にほんふりそではじめ 梅玉と魁春の『日本振袖始』、坂田藤十 そねざきしんじゅう 郎の『曽根崎心中』、十一一月は吉右衛門 の綱豊卿・大石内蔵助で『元禄忠臣蔵』、 翌一月は幸四郎の和尚、染五郎のお坊、 さんにんきちさともえのしらなみ 福助のお嬢で『三人吉三巴白浪と舞 やっこだこさとのはるかせ 踊『奴凧廓春風』、三月は團十郎の熊 谷・忠度、三津五郎の義経・六弥太で いちのたにふたばぐんき 『一谷嫩軍記』の通し上演、四月は仁 左衛門の左枝大学之助・立場の太平次 えはんがつばうがっし で『絵本合法衢』が上演された。 菊周年記念「曽根崎心中」 坂田藤十郎の天満屋お初、 中村翫雀 ( 現鴈治郎 ) の平野屋徳兵衛 ( 平成年Ⅱ月 ) 2 早足に国立劇場の記念公演の足跡を 辿ってみた。開場以来一人の専属演技 者も演奏家ももたない国立劇場だが、 周年記念公演はことさら大事にされて きたように思う。それが実現するには 当然ながら劇場側に明確なコンセプト があり、それに賛同してくれる人がい てくれなくてはならない。それは時に 作者・演出家だったり役者や興行会社 だったりする 「混沌の時代」などと書いたが、国 立劇場ばかりではない。今やどこもが 明確な価値観をもてない時代になった のだと思う。それは歌舞伎だけのこと でもないようで、時代はますます混沌 の様相を強くしているようである。そ んな難しい時代に五十周年を迎えよ、つ としている国立劇場と歌舞伎に、やは り夢を託したいと思う。 菊周年記念「絵本合法衢」 片岡仁左衛門の左枝大学之助 ( 平成幻年 4 月 ) 2 37 ENGEKIKAI.2016.10

8. 演劇界 2016年10月号

開場周 国立劇場 ~ 昭和四十一年十一月一日、東京・千代田区隼町に国立劇場が開場し、多彩な 作品を世に送り出し続けてきました。一今秋で五十周年を迎える同劇場への 坂田藤十郎丈からの「お祝いの言葉」、→開場に記念。公演に出演する 中村吉蔀門丈、中村梅玉丈のインタビューと各公演の見どころを紹介 また開場公演、周年記念公演についてや識者の「国立劇場の思い出」、開場 当時の新聞記事や著名人の記述など、盛りだくさんに五十周年を寿ぎます。 9 下、 GEK ー KAL2016.10

9. 演劇界 2016年10月号

ENGE IKAI 2 16 歌舞伐エ . ッタ 1 ティンメン 2016 年 9 月 5 日発行・売 ( 毎月 5 日発行・発 ) 第 74 巻第 10 号昭和 18 年 12 月 20 日第三種郵便物承 ・記念公煎見どころ 開場式と開場公演 周年事業の軌跡 国立劇場開場周年 一・国 ~ 、劇場の思い出ほ 坂田藤十郎 中村吉右衛門 尾上松也 歌舞伎自主公演 挑む第八回。外伝 目中村、衛門 歌ヰ伎訂、思議 お祝い一一口 又ー 9 」・ 立 告

10. 演劇界 2016年10月号

川新之助 ( 十一一代目團十郎 ) の「荒磯会」 会」、市川染五郎 ( 現幸四郎 ) ・中村吉右衛 社 - ふなペんけい が二代目尾上松緑の補導で『船弁慶』『鳴 門兄弟の「木の芽会」、坂東玉三郎の「若会 若手歌舞伎と小劇場公演 神』と『新版歌祭文』、片岡秀公 ( 現我當 ) ・ 草座」、中村勘九郎 ( 十八代目勘三郎 ) 、中 秀太郎・孝夫 ( 現仁左衛門 ) 兄弟の「若松村米吉 ( 現歌六 ) 、中村光輝 ( 現又五郎 ) 、 武 会」が十三代目仁左衛門の補導・出演で 中村梅枝 ( 現時蔵 ) 、中村信一一郎 ( 現錦之助 ) すがわらでんじゅてならいかがみくるまびき 0 青年歌舞伎祭 『菅原伝授手習鑑車引・賀の祝・寺子 の「杉の子会」などが、自分たちで選考し なつまつりなにわかがみ 国立劇場の特色のひとつに、さまざまな 屋』『夏祭浪花鑑』『お夏狂乱』、澤村訥升 た番組で参加若手がその時に学びたい役 雄 文 辺 形で若手俳優の研鑽の場をつくってきたこ ( 九代目宗十郎 ) ・精四郎 ( 現藤十郎 ) 兄弟 や演目を取り上げる貴重な場だった。 とが挙げられる。ます、昭和四十三年八月 の「竹生会」が市村竹之丞 ( 五代目中村富 国立劇場の歌舞伎俳優研修の修了生から に第一回が開催された「青年歌舞伎祭」。 十郎 ) と十七代目中村勘郎の賛助出演で なる「稚魚の会」の第一回公演も、第五回曲 ごたいへいきしらいしばなし いろもようちょっとかりまめそのうわささくらの 満四十歳以下の歌舞伎俳優が主宰する歌舞 『碁太平記白石噺』『色彩間苅豆』『其噂桜青年歌舞伎祭 ( 四十七年八月 ) で行われて いろどき 伎研究劇団 ( 会 ) という参加 ( 申し込み ) 色時』を上演。ほかに「東宝劇団若手歌 いる。また、それぞれの一門の会で弟子た獗 こつばみ 資格を設け、出演費や宣伝費などは劇団側、 舞伎研究会」、尾上菊十郎、坂東三津一一郎 ちが大きな役を勤めたり、「小莟会」 ( 六代 劇場費と大道具、衣裳などの舞台費は国立 らの「隼会」、五代目中村もしほの「青芳会」 目中村歌右衛門指導の成駒屋一門の勉強 劇場側が負担、入場料収入は折半という条 が参加した。 会 ) など弟子たちの会が参加したりと、脇 中 件で、一一、五日以内の公演を国立小劇場で 第二回以降も、尾上菊之助 ( 現菊五郎 ) 、 を支える俳優たちの勉強の場でもあった。 行えるという企画だ。その第一回には、市尾上辰之助 ( 三代目松緑 ) の「あすなろ、つ歌舞伎の未来を担う俳優たちが真夏に切磋 梅 琢磨の汗を流した青年歌舞伎祭は、五十七 、年 美 日 4 00 佐 年の第十回まで開催された。 真 右昭 の会 0 緊密な空間での本公演 郎竹 健 宗 小劇場での初めての歌舞伎本公演は、五階 ね さ 代 十一年八月、鶴屋南北の作品を郡司正勝の 2 の も 補綴・演出で百三十六年ぶりに復活した 訥良 『盟三五大切』である。小劇場で歌舞伎を 場 劇 立 上演することは、開場当時、国立劇場芸能 - 豆 国 四 間 ⑩ 調査室に在籍していた歌舞伎研究家・服部 彡ノ 色月 幸雄氏の悲願でもあったという。大劇場よ写 「船弁慶』市川新之助 ( 十二代目團十郎 ) の平知盛の霊、 六代目片岡芦燕の武蔵坊弁慶、七代目市川門之助の源義経 ( 「荒磯会」昭和 43 年 8 月 ) ⑩ 、◆し 『菅原伝授手習鑑車引』片岡秀太郎の舎人桜丸、片岡 孝夫 ( 現仁左衛門 ) の舎人松王丸、片岡秀公 ( 現我當 ) の舎人梅王丸 ( 「若松会」昭和 43 年 8 月 ) ⑩ しんばんうたざいもん なっきようらん いわいてらこ かみかけてさんごたいせつ ①