多様性 - みる会図書館


検索対象: UP 2016年10月号
74件見つかりました。

1. UP 2016年10月号

性から「ウチの女房の住所と名前を探し出してこまごまとした様々なパターンに分けますので実質六日間 ( 一人の対象者につ 生活の様子に探りをいれようとしているようだが、いったいど て いては平日二日間 ) にわたりますか、これまで幸いに、調査日 こから調べた」と、ものすごい勢いで怒鳴り込まれた経験もあに大きな事件や災害が発生することはありませんでした。しか追 を ります。 し、二〇〇〇年調査の際は、一部の地域で予期せぬ休刊日と重 変 の そうした勘違いは別にしても、二〇〇五年に施行された個人なったため、その年の新聞閲読時間は参考データに留めざるを 情報保護法で、市民一人一人のプライバシー意識が高まり、調得ませんでした。 年 〇 査対象にあたっても回答を拒否する人の割合が増えてきまし筆者らの調査の中心は、二日間にわたって全日、詳細な行動 の た。一九九五年の回収率は七三・二 % でしたが、二〇一五年に記録を記録票に記入してもらうことによって成り立っていま は五四・五 % に低下しています。一般に、抽出された標本数にす。非常に煩雑な調査ですが、幸いにして日本人は誠実かっ几 行 対し、回答数が少なくなるにつれ、「無回答バイアス」がかか帳面な人が多く、おおむね正確にメディア利用行動を記録して報 情 ります。回答した人が在宅率の高い人であり、テレビ接触時間 の いただいております。テレビに関しては、の研究所もほ が長い人が多くなるとか、そもそもメディアに興味がある人がほ同じ方法で国民生活時間調査をしていますが、対象年齢層を本 日 回答するとかです。回収率が五〇 % を切るようですと、訪問留同じにして分析すれば、平均視聴時間の相違はごくわすかでし 置法としては深刻な事態です。 た。一方でネット利用に関しては「利用時間」の認識が難し メディア利用、とくにその中でも大きな比重を占めるテレビく、さらに筆者らの調査では、並行行動もそのまま記録するよ 視聴時間は、現実世界での事件やイベントによって大きな影響う要求していますので、その分さらに記録が煩雑になるという を受けます。たとえば、この八月に実施されたリオデジャネイ難点があります。今後、媒体も含め、さらに利用形態が多様化 ロのオリンピック中に調査を実施したとするなら、平均的にふしていく中で、どこまで現行の調査法が通用するか、先が見通 だんよりかなり長い時間、テレビが視聴されたことになるでしせない部分があります。パソコンその他の機器にアプリを入れ よう。また、大事故や大災害が発生した日に調査をしたとしててログ記録をとれば、という意見もありますが、筆者らの調査 も同様です。筆者らは、当然、調査日の選定にあたってはできの特徴は、ネットをほとんど利用しない人も含め、全国からラ る限り、祝祭日はもちろん、スポーツをはじめとする各種イベ ンダムに調査対象を抽出する点にあります。現実には実施不可 ントの開催予定日や新聞休刊日などを避けます。調査日は、 能な方法です。

2. UP 2016年10月号

今月の新刊 東京大学生産技術研究所教授 ト松伸むらまっしん 総合地球環境学研究所客員教授 皿休見本小緒「卞ふかみなおこ ( 杲学術振興会カイ〕研究連絡当タ ! 当 7 長 ) 山田協太やまだきようた ( 京都大学地域研究統合情報センター特任助教 ) 内山愉太うちゃまゆた ( 金沢大学人間社会研究域博士研究員 ) メガシティ メガシティの進化と多様性 ↓も」か、わ土小内」はつ ひとくちにメガシティといってもその実態は多様である。本巻では、都市地域生態圏と いう括りを提案し、地球上ののメガシティを比較分析する。なかでも都市範囲、人口 居住環境、都市計画に着目し、その共通性と多様性を明らかにし、全球全史上にメガシ ティを位置づける。 〈主要目次〉 シリーズ刊行にあたって ( 村松伸 ) / 第 1 章総説〕全球都市全史からの示 唆 / 第 2 章メガシティの多様性と共通性〕都市地域生態圏、人口圏 / 第 3 章 都市地域生態圏にみたメガシティの動態 / 第 4 章居住環境の地球史【メガ シティの地域性と連動性〈座談会〉全球メガシティを比較する【付録】絽メ ガシティ総覧〕その発展経路と居住環境 0 メガシティ全 6 巻村松伸編各巻定価 ( 本体三四〇〇、・四八〇〇円 + 税 ) 【既刊 3 冊】エメガシティとサスティナビリティ 3 歴史に刻印されたメガシティ 新興国の経済発展とメガシティ <l-o 判・四四〇頁 / 定価 ( 本体四八〇〇円十税 ) 一 SBN978 ー 4 ー一 3 ー 065 一 52 ー 3 【続刊】スプロール化するメガシティ / 高密度化するメガシティ ネスミ類研究の最前線ーー多様性や進化研究のモデル動物として注目されるアカネズミ をはじめ、琉球列島のケナガネズミやトゲネスミ、人間とのかかわりが深いハッカネス 本ー雅冶 ( 京都大学総合博物館教授 ) 編 ミ、ネズミ類が媒介する人獣共通感染症など、気鋭の研究者たちが多様で興味深い研究 内容を紹介する。 〈主要目次〉 進化第 1 章日本の はじめに ( 本川雅治 ) 序章日本のネズミ ( 本川 ) ネズミの起源 ( 佐藤淳 ) / 第 2 章日本のネズミ化石 ( 西岡佑一郎 ) / 第 3 日本のネズ、く 章アカネズミの形態変異 ( 新宅勇太 ) / 第 4 章アカネズミの集団史と進化 ( 友澤森彦 ) Ⅱ生態・生活史第 5 章アカネズミの採餌行動 ( 島田卓哉 ) / 多様性と進化 第 6 章アカネズミの社会行動 ( 坂本信介 ) / 第 7 章実験動物としてのアカ ネズミ ( 越本知大 ) / 第 8 章琉球列島のネズミ類 ( 城ヶ原貴通 ) Ⅲヒトとネ ズミ第 9 章ハッカネズミの歴史 ( 鈴木仁 ) / 第川章ネズミ類が媒介する 感染症 ( 新井智 ) 終章これからのネズミ研究 ( 本川 ) おわりに ( 本川 ) <LO 判・ニ五六頁 / 定価 ( 本体四ニ〇〇円十税 ) 一 SBN978 ー 4 ー一 3 ー 06023 一ー 0 0 ネズミの分類学金子之史定価 ( 本体五〇〇〇円 + 税 ) 編

3. UP 2016年10月号

があったり、直近 8 月期の雑誌・書籍全体の売上術出版会 ) と橘宗吾『学術書の編集者』 ( 慶應義 が対前年同月比二ケタのマイナスとなるなど、オ塾大学出版会 ) がそれである。京都大学学術出版 新年度開始の様相 会と名古屋大学出版会の編集長によるこの 2 つの 丿ンピックの影響を考慮に入れたとしても非常に 厳しい状況が続いている。また、ある老舗学術出著作は、われわれ大学出版部が出版活動において 昨年川月号の本欄にも似たようなことを書いた版社の事業整理の方針が打ち出されるなど、不安重要視している核の部分を伝えてくれるカ作だ のだが、 が、その核の部分とか何か。それは、中心となる この川月は東大出版会の新会計年度の開な要素には事欠かない 始である。新年度予算を策定していくなかで、昨電子書籍を中心にした事業展開や権利ビジネス読者層から一回り、二回り、三回り外の読者へと 今の売上状況や市場の傾向を分析・把握して、そなど、出版業界を広くみれば伸びを確認できるも作品 ( 著作 ) そのものを「開く」ための熱意とエ のうえで自分たちが為すべきことを確認し、そしのもあるが、産業全体を強く押し上げるところま夫であろう。 特にその工夫には一つの方策だけではない多様 て新たに挑戦すべき方策をいくつか見定めていではまだ距離があるのが現実だろう。 く。その作業を繰り返すなかで、さまざまな期待ここ最近、大学出版部の仲間が書いた 2 冊の著性があると考えると、さまざまな希望が見えてく 書が非常に好評を持って受け入れられている。鈴るのではないか。新年度は多くの希望をつかみ、 と不安が交差する。 前年度もその前の年度と同様に取次会社の倒産木哲也・高瀬桃子『学術書を書く』 ( 京都大学学それをかたちにする一年にしていきたい。 変わらないのだが、この工場には、丸太をそのまナンスにより、長く使われてきているそうだ。 工場内には煉瓦造りの建物も目立つ。送木水路 ま削りパルプを作る設備があり ( 国内の工場でこ 北の製紙工場にて の設備があるところは数カ所しかない ) 、素材をなど、いくつもの設備が「近代産業遺産群」に指 定されているが、一部、耐震の関係から使われて 生かした特長ある紙が作られている。 なにより原料である丸太を工場まで運び、削るいない建物をのぞき、多くが現役である。説明を 九月初め、王子製紙苫小牧工場を見学してき た。小さな漁村だった苫小牧に製紙工場ができて施設が実にクアナログみなのである。丸太は貯木してくださった工場の方の言葉の端々に、工場や 一〇〇年以上が経つ。 場 ( 土場 ) から工場まで水路を通って運ばれる。機械への愛着が感じられる。 Ⅱ . 、刀ら「り 私たちが一冊一冊の本への思い入れをもつよう 工場が稼働しはじめたのは一九一〇年。が、同これは工場操業開始以来の方法であり、 に、工場の方々も日々送りだす製品や、長く使い き込まれた水を利用している。運ばれて積まれた 時に支笏湖の水を用いた発電所も動きはじめてい る。工場を作るにあたって、その前に発電所を作丸太は、マガジングライダーというおろし金の親つづけている機械に深い愛情をもたれている。 ったのである。この発電所はいまも送電を続ける分のような機械で削られるが、そこに丸太を投入本は、想像以上に多くの人々の思いを背負って するのは人手である。機械には削られる木からた生まれてくるのだと、あらためて感じた一日だっ 現役である。 パルプから紙を作るという工程はほかの工場とちのばった松脂がついてはいるが、丹念なメンテた。 学術出版 57 学術出版

4. UP 2016年10月号

ビなのである。そして二人の背後にソクラテスがいる。 言葉の饗宴 この度プラトンの「饗宴』を翻訳したが、酒も入った宴会で 「万学の祖ーアリストテレスを読むと、山や野原や海岸でフ大の大人が恋の神ェロスに対して、各自各様の趣向を凝らした ィールドワークをさせられているような気がするが、プラトン賛美を順番に捧げるという、構成の巧みさとプラトンの展開す を読むときは、まるでディズニーランドにいるよ、つに田 5 える るギリシア語の豊穣さを堪能した。他の対話篇は、ソクラテス ソクラテスを中心に、多種多様な性質と能力と仕事のキャラクが市民相手に具体的な徳の一つ一つを「何であるか ? , と問 ターが色々登場し、多彩なシーンの物語が展開し、謎とアドヴい、 その答をソクラテスが「小理屈 (smikrologos) 」と揶揄さ エンチャーと仕掛けに溢れているワンダーランドである。そしれるような細かい分析で吟味論駁する議論のドラマであるが、 てプラトンは総合プロデューサーに見える。ヘラクレイトスが『饗宴』は、まるでデザイナーが作品を披露するファッション 「デルポイの主は露わに語りもせず隠しもせず、ただ徴を与えショーのように、出席者がそれぞれ美しく仕上げたご自慢のエ る」 ( 断片九一一 I) と言ったように、プラトンはどこにも姿を見ロス神賛美の言葉を披露するショーのドラマである。芸術家二 せず、しかし気づく人が気づくように、上品にさり気なくあち人か参加しているように、新しい表現を創出することもテーマ らこちらに一言葉の徴を刻んでいる。因みにいえば、アリストテの一つなのである。プラトンのギリシア語を読んで、改めてプ レスにとっては、自然が一木一草にいたるまで驚きにみちたワラトンが、笑いと真面目、皮肉とユーモアの姿の下、他の対話 ンダーランドであった。プラトンとアリストテレスはいいコン篇以上にギリシア語の表現の可能性を色々試していることに気 フラトンとキリシア五 0 山本巍 プラトンとギリシア語 2()

5. UP 2016年10月号

房〕現代社会の中の 圭自己・アイデンティティ 梶田叡一・中間玲子・佐藤德編著 多元性、流動性、状況依存性が指摘されてい 子・ る、これからの時代の自己・アイデンティテ 金 イの在り方を、さまざまな視点から考察 し、「生きること」への視座を示す。 <LO 判・ 208 頁本体 2 、 700 円十税 づかされ、できる限り翻訳・訳註・解説で細かく紹介した。 関を披くか、を読み解くこともまた『饗宴』の醍醐味なのであ 一つは、日本語と同じようにギリシア語は母音の頻度が高いる。 ので音の共鳴を使った語呂合わせが容易である。「美」というそして肝心のエロス (erös) という語も、一方では恋は人を 名詞の to kalon は「呼ぶ、誘う、召喚する」を意味する動詞死をも恐れぬ英雄 (hérös) にするとともに、他方では、美し ka n と似て響く。美しいと評判の青年作家アガトンの祝宴にい人に恋心を掻き立てられ、日常生活の事実処理と社会習慣と 招かれてソクラテスが出席したのがことの始まりであった。い 自分なりの人生計画を忘れて、うずうずするような美の不思議 つもは粗衣裸足のソクラテスが珍しく湯浴みをして小綺麗になを「問い尋ねる (erötän) 」探究に駆り立てられることを示唆す っていた。その「美しくなったソクラテス」が弟子の一人にる仕組みになっている。関係ないほど遠く離れたことの間にも 「一緒に行こう」と誘うのである。全篇のあちらこちらの文脈類似性を発見することは知性の徴 ( 『弁論術』 1412a12 ー 13 ) 、と で、美が人のこころを誘って「外」へ呼び招く超越カ動性に満アリストテレスは指摘している。プラトン・ワンダーランドは ちていることを示唆している。また「アガトン (Agathön)_ と仕掛けに満ちている いう固有名詞が「善いもの (agathon) 」と響くのである。美と 単数・複数のしかけ 善が全体のテーマと窺い知れよう。語呂合わせというただ音声 の偶然の共鳴ということを通して、文脈文脈でいかなる意味連 今一つはギリシア語文法である。ギリシア語は細部に至るま 0 家族心理学年報 個と家族を支える心理臨床実践Ⅱ 五ロ きロ 性をめぐる家族の諸問題と支援 ア シ 区鴨 日本家族心理学会編 京 性の問題は、個人から人と人との関係性、 A 」 ン カップル、夫婦・家族へと発展する問題で 0 ・ 4 ある。多様な性のあり方、犯罪との関連 0 も視野に入れ心理臨床での扱いを考える。 3 <LD 判・ 208 頁本体 3 、 200 円十税〒谷

6. UP 2016年10月号

一一〇〇〇年調査で、全年齢層平均で言えば、テレビ視聴時間一一 〇一・一分の次に時間量の多いメディア利用は「パソコンで作 業 ( 自宅外の仕事利用も含む ) 」の二九・八分、「ラジオ」の二 九・四分で、圧倒的にテレビ視聴時間が長いことがわかりま す。それが近年、時間量的に若年層からネットに凌駕され始め たのです。 テレビは我々の主観的世界を均質化しました。国民平均で三 時間強、テレビを視聴することにより、国内外でどのような出 来事が生じているのか、同じようなニュース情報に接し、人気 の高いもので言えば二割から三割の人が同じドラマに接し、 くつかの限られた楽曲を耳にしてきました。紅白歌合戦などは 昭和三〇年代から四〇年代にかけ、実に視聴率七〇 % 以上をキ ープしていたのです。 その結果、我々の話題はテレビが中心でした。男子は野球、 女子はドラマの話を持ち出せば、学校や職場で話題に困ること はありませんでした。話題についていくためにわざわざテレビ を見るという人も多かったと思われます。 ところがネットは主観的世界を再び個別化させます。「再び と記したのは、書籍や新聞、雑誌などの「文字の文化、が、主たとしても、時間によってトップニュースの内容は異なりま 観的世界を個別化する方向に作用していたからです。ネットのす。一方、テレビの夜のニュースは、どのチャンネルに合わせ 世界は文字通り情報の大海ですので、人々はそれぞれの好みにても、取り上げられるのはほとんど同じ項目です。何が世の中 応じて、多様な媒体で好きな場所、好きな時間に個別の情報にで起こっているのか、世の中の人にとって重要なニュースは何 接触します。たとえば同じ YAHOO!JAPAN のニュースを見か、という認識も一致しなくなりました。音楽も、昔はレコー 松田美佐・上橋臣吾・辻泉編 ケータイの 2000 年代 成熟するモバイル社会 橋元良明編 日本人の情報行動 2 5 丹羽美之・藤田真文編 メディアが震えた テレビ・ラジオと東日本大震災 東京大学出版会 ( 表示は本体価格 ) < 5 判・二八四頁・一二〇〇〇円 < 5 判・二九六頁・五四〇〇円 四六判・四一四頁・三四〇〇円 日本人の情報行動、この二〇年間の変化を追って 18

7. UP 2016年10月号

東京大学出版会新刊案内 2016 年 10 月 一般財団法人東京大学出版会 〒 1 53-0041 東京都目黒区駒場 4-5-29 電話 : 03-6407-1069 / FAX : 03-6407-1991 H P : http://www.utp.0「.jp/ 久保川達也・国友直人 統計学 A5 判 / 中旬刊 / 定価 ( 本体 2800 円十税 ) 川添愛 精霊の箱上・下 チューリングマシンをめぐる冒険 A5 判 / 中旬刊 / 各巻定価 ( 本体 2600 円十税 ) 工藤庸子 評伝スタール夫人と近代ヨーロッパ フランス革命とナポレオン独裁を生きぬいた自由主義の母 A5 判 / 中旬刊 / 定価 ( 本体 6500 円十税 ) 塩出浩之編 公論と交際の東アジア近代 A5 判 / 上旬刊 / 定価 ( 本体 5800 円十税 ) 月刊「 UP 」誌の定期購読をお薦めします 「 U 円 ( ゆう・びい Urmversity P 「 es の略 ) 誌は、 1972 年 11 月創刊され、学問の最前線やその周辺のトピックス、 読書論や書物をめぐる小論・エッセイ、歳時記風のコラム を掲載しています。巻末には小会発行の新刊図書につい ての案内や、重版、復刊図書をお知らせしています。 ー A5 判・本文 48 頁 / 毎月 5 日発行 お求めの小会の出版物が書店にない場合でも、その書店にご注 文くだされば 1 0 日位でお手に入ります。この新刊案内をご覧の 上、あらかじめ書店へご注文くだされば幸いです。 [ 1 0 月の新聞広告 ] 朝日新聞 北海道新聞 京都新聞 3 段 8 割 1 日 3 段 8 割 1 日 3 段 8 割 1 日 西日本新聞 3 段 8 割 1 日 中日・東京新聞 3 段 8 割 17 日 日本経済新聞 3 段 8 割下旬 東郷和彦 / A ・ N ・パノフ編 ロシアと日本 自己意識の歴史を比較する A5 判 / 中旬刊 / 定価 ( 本体 4400 円十税 ) 斉藤綾子・竹沢泰子編 [ 人種神話を解体する 1 ] 読者コード ( 7 桁 ) をお書き添えください ) 分まで承ります。 ( 住所変更等お知らせいただく場合は 号からご希望かを明記してください。ご購読期間は 5 年 お申し込みください。ご住所、お名前、郵便番号、何月 ハガキもしくは FAX にて「新規申込」とご記入のうえ、 一定期購読のお申し込み方法 ・年間購読料 1 円 ( 税・送料込。海外は 2 円。 ) A5 判 / 上旬刊 / 定価 ( 本体 4200 円十税 ) 多様性と進イヒ 日本のネズど 本川雅治編 A5 判 / 上旬刊 / 定価 ( 本体 4800 円十税 ) メガシティの進化と多様性 [ メガシティ 2 ] 村松伸・深見奈緒子・山田協太・内山愉太編 A5 判 / 下旬刊 / 定価 ( 本体 4800 円十税 ) 可視性と不可視性のはざまで

8. UP 2016年10月号

三谷太一郎 戦後民主主義をどう生きるか 四六判 / 定価 ( 本体ニ八〇〇円十税 ) 西野嘉章 前衛誌未来派・ダダ・構成主義〔外国編〕 << 判 / 定価 ( 本体三九〇〇〇円十税 ) 竹蜂義和 〈救済〉のメーデイウム べンヤどン、アドルノ、クルーゲ 四六判 / 定価 ( 本体五九〇〇円十税 ) 内野儀 演劇」の場所 モビリティ トランスナショナルな移動性へ <LO 判 / 定価 ( 本体六八〇〇円十税 ) 久保亨・加島潤・木越義則 統計でみる中国近現代経済史 <LO 判 / 定価 ( 本体ニ九〇〇円十税 ) 開一夫・金山範明編 脳波解析入門 とを使いこなす <LO 判 / 定価 ( 本体三八〇〇円十税 ) 大西品子 キャンパスの国際化と留学生相談 多様性に対応した学生支援サービスの構築 <LO 判 / 定価 ( 本体五ニ〇〇円十税 ) 太郎丸博編 後期近代と価値意識の変容 日本人の意識 1973 ー 2008 <LO 判 / 定価 ( 本体三六〇〇円十税 ) 9 月の新刊 川島浩平・竹沢泰子編 人種神話を解体する 3 「血」の政治学を越えて <LO 判 / 定価 ( 本体五〇〇〇円 + 税 ) 田中亘 会社法 <LO 判 / 定価 ( 本体三八〇〇円十税 ) 宮川努・淺羽茂・細野薫編 インタンジプルズ・エコノどー 無形資産投資と日本の生産性向上 <LO 判 / 定価 ( 本体五一一〇〇円十税 ) 木村福成・椋寛編 国際経済学のフロンティア グローパリゼーションの拡大と対外経済政策 <LO 判 / 定価 ( 本体八五〇〇円十税 ) 清水克俊 金融経済学 <LO 判 / 定価 ( 本体六三〇〇円十税 ) 村松伸・山下裕子編 メガシティ 4 新興国の経済発展とメガシティ <LO 判 / 定価 ( 本体三四〇〇円十税 ) 小泉秀樹編 コどュニテイデサイン学 その仕組みづくりから考える <LO 判 / 定価 ( 本体三ニ〇〇円十税 ) 青木人志 日本の動物法第 2 版 四六判 / 定価 ( 本体三四〇〇円十税 ) 鈴木晃仁・北中淳子編 精神医学の哲学 2 精神医学の歴史と人類学 <LO 判 / 定価 ( 本体四八〇〇円十税 ) 坂野徹・竹沢泰子編 人種神話を解体する 2 科学と社会の知 岡田徹太郎 アメリカの住宅・コどュニティ開発政策 高瀬正仁 リーマンと代数関数論 岩本康志・鈴木亘・両角良子・湯田道生 健康政策の経済分析 石原孝一一・河野哲也・向谷地生良編 精神医学の哲学 3 精神医学と当事者 月の新刊

9. UP 2016年10月号

学問の図像とかたち 円ーー・ーイラストから読む教科書 スマイルスイ、くング 寺田寅彦 CAN YOLJ SVVlt•v1? c たんの ー Can you swim ? 出典 : 萩原恭平、稲村松雄、竹澤啓一郎「 NewJack andBetty: English Step by Step. lst ま叩」 ( 開隆堂出版、 1952 年 ) ーズを (Jack and Be 容 ) 「」シリ はできないでしよう高梨健吉 ( ば「日本英語教育史に燦然と光を ーズは、一九四八年に最初の一 重ねて実に二十余年にわたって出 しいます。多くの人がこのシ メリカの文化や生活か当時の人々の心に刻み込まれたということはさまざ まな研究書やエッセーで述べられるところです教科書に登場する食事の 場血や、まだ日本には普及していなかった電気洗濯機に代表される家心製 品が、アメリカの豊かさとして文字通り当時の学生の目を奪いました。 ただ、この教科書がアメリカの生の姿を伝えるルポルタージュであった 力というと、そういうわけではありませんその例を一九五二年の 「 NewJack andBettyJ に見てみましよう。この教科書を開いてます目に 飛び込むのは扉絵に描かれた校庭に集うアメリカの学生たちの楽し気な笑 顔です。立って笑い、走って笑い、縄跳びをして笑い、馬跳びをしてう と〔う具合で、一様に大きく口を開けた笑顔です。第一課に登場する ~ 、 ックとべテイも当然満面の笑みです口を開けて笑いながら泳ぐ場面まで あり、水を飲んでむせてしまうのではないかと心配になるほどです ここで描かれているものは現実のアメリカ社会ではなく、豊かな国アメ リカという幸福なイノージですいわゆる高度成長第一期とこの教科書か 使った時期はほほ重なりますか、日本の目標でもあったアメリカの豊か さを笑顔で象徴的に表現していたのです ( てらた・とらひこ比較支化 )

10. UP 2016年10月号

グリムの影響を受けたものであるということだが、調べてみるの方法を援用した法制史家。日本でも多数の翻訳がある ) との関係 詩 と確かに、日本のグリム研究者の論文でこの本に言及するものでミシュレに関心を持ったらしい A 」 があることもわかった。さきの伝記に戻ると、著者は「グリム さて、ミシュレの本であるが、二冊で六〇〇頁に及ぶ大著法 の が言い、ミシュレもそれを引きついで使っている『法』という は、「序論」のほか、「家族」「財産」「国家」「戦争・手続・刑 ス ン のは、社会の中にほとんど無意識のうちに定着している様々な罰」「老化・埋葬ーの五章に分けられている。「序論」を見る フ 決まりごとの意味なのである。多くは慣習と言われるものに近と、確かにグリムの『法の詩学』への賛辞があり、ヴィーコに 紀 世 いだろうが、さらにそれを越えて、人間社会における『象徴やも言及しつつ新しい学問としての「法の意味論」が可能になっ 様式』までも時には含むことになろう」 ( 前掲書一八八頁 ) 。「いたとしている。その上で、本書の課題として「フランス法もま すれにせよ、グリムに学ぶことによって、ミシュレは今日で言た詩の時代 gepoé ( 一 que を持ったか否か」という問いを掲げ う、民族学ないし民俗学にも近い方法を取り入れることになっている。そして、そのための探求は、法律書を対象とするだけ た」 ( 同一九二頁 ) と述べている。 では足らず、 ( しばしば法律書では消去されている ) 法の原初形 そこで、この本を見てみたいと思 い、ネット上で所蔵先を調態を想起させる他の種類の書物 ( 書名が示すように、フランスの べようとしていたところ、たまたま復刻版が出ていることに気ものには限られない ) を対象としなければならないとしている づいたので、早速注文することにした。原著初版は一八三七年 ( 以上、 ( 。 me →も p. 6 ー 9 ) 。 に出ているようだが、 二〇一一年から一三年にかけて刊行され ミシュレか挙げる具体例をいくつか見てみよ、つ。たとえば、 たらしい復刻版は一八四〇年版を底本としていた。裏表紙には家族につき、ギリシャやローマにおいては、「父の足下に置か 次のような説明が記されている。「自身のやり方によってであれた新生児は、、。、 父カその子を抱き上げない限り、生きる権利を るが、ピエール・ルジョンドルを先取りして、ジュール・ミシ与、んられなかった」 (tome 尸 p. II. p 」 20 にも同旨 ) ことが指摘 、り 、刀 ュレは『世界法の象徴と様式に見出される、フランス法の起されている。また、財産に関しては、 ( ルソーではなく ) パスカ の 源』において、実定法を支える古い象徴の層を探求する。このレゞーゝ 丿カ弓カれて、次のように言われている。「人が占める場所と 法 『法の意味論』は、いったんは忘れられて今日再発見されたもは、その身体が覆う場所であり、これが原始的な所有の基準で のだが、 ミシュレの思想の鍵となる著作として現れることになあった」 ( ( ome 】も . 24 ) と ろう」と。なるほど復刻版の編者は、ルジョンドル ( 精神分析 こうした指摘は原初的なものではある。しかし、同様の発想