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検索対象: 化学熱力学中心の基礎物理化学
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1. 化学熱力学中心の基礎物理化学

も く じ 序章基礎事項 い物質と物性 原子量 , 分子量・・・ 単位と記号 い常用対数と自然対数・・ 新有効数字・・ 1 一 1 ワ一 4 第 1 章気 体 い . 1 気体・・・ い . 2 理想気体・・ い . 3 気体分子運動論 い . 4 分子の速度 , Graham の法則 い . 5 分子速度の分布・・ い . 6 実在気体 , van der Waals の状態式・ い . 7 分子間のカ (van der WaaIs カ ) ・ い . 8 気体の液化 , 臨界現象・ い . 9 相応状態・・・ 第 1 章演習問題・ -8 1 ワ 3 っ 0 -8 -0- 1 11 1 1 1 1 ワ〕ワ」 第 2 章液体と固体 2 . 1 液体の蒸気圧・・ 2 . 2 Clapeyron-Clausius の式・・ 2 . 3 固体・・ 固体の昇華と融解 2 . 4 2 . 5 純物質の状態図・・ 液体のいろいろな性質・ 2 . 6 第 2 章演習問題・ ワ 3 っ 4 ー -8 0- 4 ワ 3 ワ 3 ワワ 3 ワ〕っっ 0 混 3 第 物 . 1 濃度・ 3.2 混合気体 , Dalton の分圧の法則・・ ・・・ 35 ・・・ 37 く も

2. 化学熱力学中心の基礎物理化学

ⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅡⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢ 例題 8.3 ある一塩基酸 HA の 25 ℃ , 1 atm における酸解離指数 pKa が 4.754 である . この解 Ka = 10 で表され , HA の平衡濃度 CHA が 0.010m01dm 3 のとき , H + の濃度 CH+ と pH はいくらか . 平 HA = = H + 十 A- Ka 離平衡が 衡定数 Ka と△ G9 も求めよ . 解 注意 PKa = ー 10g Ka = 4.754 ー 4.754 CH+ ・ CA = 1.762 x 10 ー 5 ( m01 dm-3) HA = 1 . 762 x 10 ー CH 、 = CA-) 0.010 ( m01 dm-3) xl. 762X10 ー 5 ( m01 dm-3) = 4.2X10 ー 4 ( m01 dm-3) pH = ー 10g CH+ = 3.38 次に , △ GO = ー RT ln K より △ G 〇 = ー 8.314 (JK-I mo に 1 ) X298 (K) xln 1.762X10-5 = 27.12 kJmoI-1 こで見られるように —lnKa ー 2.303 10g Ka = 2.303 pKa であるから , 一般に解離 指数と Gibbs エネルギーとの間には , △ G9 = 2.303 TpKa の関係がある . のように表される . たとえば硫化銅 CuS の溶解度積は Ksp = [Cu + ]2[S2ー] である . 硫化銅 CuS ( ただし , 砒 = ) Ksp = CAX + 鵞[B切わ ば , 濃度の項に指数として掛かってくる . たとえば , AaBb(s) = せ〃 A ズ + 十わ B ツーのように解離すれ る . これは , それぞれ解離したイオン種の濃度の積である . また , 塩化合物中の化学量論係数は 例題 8.4 溶液中でイオンに解離する物質の溶解度は , 溶解度積 (solubility product) で表され ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ日Ⅲ日ⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢいⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡ CuS と純固体には濃度項がないのは , [CuS] = 1 とおいていることになる . 解 CuS(s) = ゴ 2 Cu + (aq) + S2 + (aq) に対して Ksp = CCu + ]2[S2ー] である . この平衡では , の溶解平衡定数はどのように表されるか . [ Cu + ] 2 ・ CS2-] [CuS(s)] = [ Cu + ] 2 ・ [S2-] = Ksp したがって , 溶解度積は式 ( 8.9 ) で定義される溶解という溶液中の反応の平衡定数である . NO(g) + CO(g) ー一分 C02(g) + ー N2(g) きの反応における△ G のことである . たとえば , 次の反応 標準 Gibbs エネルギー変化とは , 反応物と生成物のすべてがそれぞれ標準状態にあると い . 2 K と標準変化量△ G9, △〃 e , △ se などとの関係 てやるまでの自由エネルギー変化であるから , 第 6 章で学んだ反応の標準ェンタルピー変 に取り出して , C021mol と N21 / 2m01 を生成させ , できたこれらを標準状態に移行させ の△ G 〇は次の過程の△ G である . すなわち , 標準状態にある NO と CO を 1m01 ずつ個別 158 第 8 章熱力学の化学への応用

3. 化学熱力学中心の基礎物理化学

表 9 ー 4 気相 2 次反応の速度定数の例 反応 H2 十 12 ーー→ 2 HI 2 HI—→ H2 十 12 2 N02 2NO 十 02 2 NOCI 2 NO 十 C12 NO 十 C12 ー→ NOCI 十 CI NO 十 03 ーー→ N02 十 02 CH31 十 HI ーー今 CH4 十 12 2 C2F4 ーーの℃ん一 C4F8 速度定数 / m 。 1 ー 1 dm3 s-l ー 25 , 600 / T 3.8X106V 尖 e ー 33 , 1 / T 5.2X1010 / e 6.3 x 107V ・ e ー 2 , 300 / -19 , 600 / RT 1 x 108V " e ー 25 , 800 / RT 3.3 x 109V - 尖 e ー 26 , 600 / ん T 2 . 6 x 108V - 宏 e ー 38 , 900 / RT 3.3 x 109 / e -42 , 500 / T 2 . 0 x 109V 。 e 活性化エネルギーの単位は cal m 。 1 ー 1 表を見ると , の測定値はおおよそ上の計算値に近い値をとっている . しかし , 中には計 算値より 10 の数乗も小さいものもある . この違いにはいくつか原因が考えられるが , 1 つ は次のようなものだろう . 衝突の結果反応が起こるためには , 十分なエネルギーが必要な ばかりでなく , 衝突時に分子が相対的に適当な配向をもっていなければならない . 言い換 えると , 生成物を生じるためには , 衝突したとき分子中の反応性に富んだ部分どうしが接 し合うことが必要である . 大きな分子では , この立体因子は 1 より小さくなり , それは有 効衝突の割合を減らす効果をもたらす . その結果 , 分子どうしの配向が関係する反応速度 は , 立体因子が 1 の場合に予測されるものよりも小さくなってくるだろう . 一般的には A 分子と B 分子では , それらの分子量も分子直径も異なるだろう . その場 合 , 上に示した式 ( 9.51 ) ~ ( 9.54 ) 等の関係は多少修正されたものとなる . 9.7.2 遷移状態理論 衝突理論は , 反応物分子間の衝突に注目し , 気体分子運動論を基礎とするものであった . 反応速度に関するもう 1 つの理論の遷移状態理論では , 図 9 ー 5 に示したような反応のエネ ルギー曲線の極大点に対応する分子種 ( すなわち活性複合体または遷移状態 ) にもつばら 注意を向ける . 活性複合体は , 反応の途中に過渡的に現れるもので , その実体ははっきり しない . それにもかかわらず , Eyring により展開されたこの理論は , 活性複合体を形式的 に分子として取り扱い , 反応物と複合体の間に熱力学的な平衡を仮定する . その意味で , 遷移状態理論は熱力学的な考えに基礎をおいたものといえる . いま , 反応物 A , B が生成物 P に変わる際 , 途中に活性複合体 AB まを経るものとすれ ば , この反応は次のように表される . A 十 Ba=±ABt この反応の速度は , 活性複合体の濃度と , 活性複合体から生成物に変わる速度の 2 つの因 子によって決まるだろう . 第 1 の因子である複合体の濃度は , 反応物と複合体の間の平衡を仮定すれば , 次の平衡 式で与えられる . . 7 反応速度の理論 衝突理論と遷移状態理論 213

4. 化学熱力学中心の基礎物理化学

ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅡⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢ ェ exp ( ズ 2 ) を計算せよ . ェ 2 三えとおけば 例題 A. 11 解 一工 dz = 2 ェ dx = 2 ズ 1 1 ズ e dx 2 2 —[eZ]19 ー—(e9—e) 4050 ( 2 ) 2 変数関数の積分 関数ェ , のが次の関係を満足するものとする . ( ェ , の / ( ェ , のの不定積分は次式のとおりである . Sf(), の dx = y(), の ( A. 35 ) たとえば , / ( ェ , の = 3 であればェ , の = ー 2 名 3 + g ( のであり , 0 はの任意の関数 である . もし ) , が式 ( A. 34 ) を満足するものであれば , その定積分は次式で表される . ( A. 36 ) ( A. 34 ) 1 2 一例をあげてみよう . 1 メ dx ー ( 5 ) ツー 0 ( の ( 2 ) ツー 0 ( の 2 注意すべき点は , / ( ェ , ののェに関する定積分は , 上で見るように , 名の関数である ( ェ の関数ではない ). すなわち , 次の式が成り立つ . わ 6 / ( ェ , の / ( 鵡の dx dz 。 az 上の例 / ( 工 , の = 4 を用いて , このことを確かめてみよう . ( 左辺 ) 4 dx dz 2 6 / ( ェ , の ( 右辺 ) 2 ( A. 37 ) dx であるから 4 4 d ェ = ーはツ蒻 = 223 ( 25 -4 ) 2 以上見てきたように , 2 変数関数の積分では , 第 2 の変数 ( この場合はのを積分過程で 定数としてみなせば , ふつうの / ( ェ ) の関数をェについて積分するのと同じであった . のときえは変数としてでなく , パラメター (parameter) として関与しているという . 熱力学では , 2 っ ( またはそれ以上 ) の変数をもっ関数を積分することがしばしばある . A. 4 対数・指数および積分一 279 = 42

5. 化学熱力学中心の基礎物理化学

( ー ) 3 = 0 , 嬬 3 ー 3 垢 2 十 3 2 垢ー 3 = 0 である . 一方 , 臨界点 ( , , 飃 ) では式 ( 1.29 ) は次のように書かれる . 曲線Ⅲは , 1 つの実根と 2 つの虚根をもっている . 臨界点で垢の 3 つの実根は等しくか = 3 わ , 2 十 -- ・ー っ臨界体積であるから , 垢 3 わ十 式 ( 1.30 ) と式 ( 1.31 ) は一致するはずであるから , 各項の係数は等しい . 3 = わ十飃 / , 3 2 = 〃 / , よって が得られる . 4 = 3 長 2 , 27 わ ' 飃 = わ = 3 = わ / 27 わ 2 8 3 飃 ( 1.3 の ( 1.31 ) ( 1.32 ) 例題 1 . 8 数学的には , ある関数が変曲点をもっとき , その関数の 2 次微分の値が変曲点でゼ 口になる . また臨界点では van der WaaIs の 1 次微分はゼロである . これらのことを利用して ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ日ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅡⅢⅢ日ⅢⅢⅢ 解臨界点で = を考慮して , 式 ( 1.31 ) は 式 ( 1 . 32 ) と同じ結果を求めよ . また式 ( 1.31 ) のに関する 2 次微分は 3 2 ー 2 わ十 式 ( 1.31 ) の垢に関する 1 次微分は 3 ーわ十 6 ー 2 ろ十 い . 9 相応状態 以上 3 つの式による連立方程式を解くと式 ( 1.32 ) が得られる . けると , 各種気体の相互関係を見るのに便利であろう . すなわち , 式 ( 1.23 ) に式 ( 1 . 32 ) ことは , 実在気体間の差異は臨界点の違いで表される . そこで匕塚 T を臨界点と関係づ 1 . 8 で導かれたように , van der Waals 式のパラメターが臨界定数で表されるという を代入すると = T/ 飃とおくと , 式 ( 1.33 ) は次のように ( 1.33 ) となる . 書ける . 20 第 1 章 いま , = P/Pc, = / , 体 気

6. 化学熱力学中心の基礎物理化学

Source : Data from D. R. Stull, E. F. Westrum, Jr. , and G. C. Sinke, The C 襯 / / T んげ - 襯 0 めの 0 ァ g の 2 CO 襯カ 02 例 , Jonn Wiley, New York, 1969. ( 2 ) 82 . 93 49.04 31.76 52 . 26 68.15 7 . 99 16 . 40 20 . 42 62 .72 熱力学第一法則の応用 代表的炭化水素 Acetylene, C2H2( g) Benzene, C6H6(g) Benzene, C6H6( / ) n-Butane, C4H10(g) Cyclohexane, C6H12(g) Ethane, C2H6(g) Ethylene, C2H4(g) n-Heptane, C7H16(g) n-Hexane, C6H14(g) lsobutane, C4H10(g) Methane, CH4(g) Naphthalene, C10H8(g) n-Octane, C8H18(g) n-Pentane, C5H12(g) Propane, C3H8(g) Propylene, C3H6(g) △ flfé ()J m01 ー 1 ) 226.73 ー 126.15 ー 123.14 ー 84 . 68 ー 187.78 ー 167.19 ー 134.52 ー 74 . 81 150.96 ー 208.45 ー 146.44 ー 103.85 (J K-I m 。 1-1 ) 186.264 294 .64 388 . 40 427.90 219 . 56 229.60 298.24 310.12 173.26 269.20 200.94 266.94 269.91 348.95 466 . 73 335.64 △ Gf9 ()J m 。に 1 ) ー 23.47 ー 8 .37 223 .59 ー 50 . 72 ー 20 .88 ー 0 . 25 -32.82 ー 17.15 124.35 129.66 209.20 新 . 6 熱化学 107

7. 化学熱力学中心の基礎物理化学

著者略歴 秋貞英雄 Hideo AKISADA 理学博士 1948 ( 昭 23 ) 年 3 月 6 日山形市に生まる . 1970 ( 昭 45 ) 年九州大学理学部化学科卒業 . 1978 ( 昭 53 ) 年九州大学大学院理学研究科博士課程修了 . 1979 ( 昭 54 ) 年より九州共立大学工学部環境化学科勤務 . 1988 ( 昭 63 ) 年 10 月より教授 , 現在に至る . 井上亨 Tohru INOUE 理学博士 1947 ( 昭 22 ) 年 9 月 6 日長崎県島原市に生まる . 1970 ( 昭 45 ) 年 3 月九州大学理学部化学科卒業 . 1974 ( 昭 49 ) 年 3 月九州大学理学研究科修士課程修了 . 1974 年 4 月より , 福岡大学理学部化学科勤務 . 1992 ( 平 4 ) 年 4 月より教授 , 現在に至る . 杉原剛介 Gohsuke SUGIHARA 理学博士 1936 ( 昭 11 ) 年 11 月 18 日広島市に生まる . 1960 ( 昭 35 ) 年 3 月防衛大学校応用物理学科卒業 ( 第 4 期生 ). 1960 年 4 月より陸上自衛隊勤務の後 , 1970 ( 昭 45 ) 年 3 月九州大学理学研究科修士課程修了 . 1970 年 4 月より福岡大学理学部化学科勤務 . 1982 ( 昭 57 ) 年 4 月より教授 , 現在に至る . 1

8. 化学熱力学中心の基礎物理化学

1.0 0 0 6 10 8 2.0 0.5 2 0 1.0 4 1.5 0 t/min (a) 図 9 ー 3 逐次 1 次反応における反応物 ( A ) , 中間体 ( B ) , 生成物 ( C ) の濃度が時間と ともに変化する様子 . CAO=I, た 1 = lmin ー 1 であるとき , ( a ) た 2 = 0.1 た 1 の場合 , ( b ) 々 2 = 10 ん 1 の場合 . 度定数た 2 に依存する . そこで , た 1 とた 2 の大小関係に対して , 次のような 2 つの極限の場合 を考えてみよう . ( i ) た 1 》た 2 の場合 この場合 , 式 ( 9.33 ) は近似的に dCc t/min (b) ( 9.34 ) ん 2CA0 exp ( ーた (t) = k2CB dt 微分方程式 前ペ。ージ * 1 d CB 十ん 2CB = klCA0exp(—klt) は次のような手順で解くことができる . 式 ( a) の右辺をゼロとした方程式 dCB 十ん 2CB = 0 は変数分離形で , その解は次式て与えられる . CB = Aexp(—k2t) ここて , は積分定数として導入されたものであるが , これを / の関数と考えて , もとの方程式 ( a) を満足するようにその関数形を決めれば式 ( a) の解が得られる . 式 ( b ) を式 ( a ) に代入して整理すると , dA exp(—k2t) = klCA0exp(—klt) これは , 次のように変数が分離される . dA = klCA0exp [ は 2 ーた D / ] 市 上式を積分すれば , ( a ) dt ( b ) 々 1 CAO exp [ ( ん 2 ーン ] + 召 したがって , 式 ( a ) の一般解は CAO exp(—klt) 十 Bexp(—k2t) となり , ここて初期条件朝 = 0 のとき CB = のを用いて積分定数を決めれば , 々 1 CAO となるから , 最終的に式 ( a ) の解として式 ( 9.31) が得られる . 203 反応機構と速度式 当 9.5

9. 化学熱力学中心の基礎物理化学

これに T = 1273K を代入して計算すると ln K = 21.22 K = 1 . 637 x 109 また , このときの Gibbs 自由エネルギー変化△ GO は△ Cre = —RTlnK より △ G 〇 = ー 224.6 kJmol-1 8.3.2 平衡定数の圧力変化 温度を一定に保って圧力を変化させたとき , Gibbs エネルギーはどのように変わるか , また , 平衡定数の圧力依存性を調べると何がわかるかを , ここで簡単に示そう . Gibbs エネ ルギーを T , 尸 , 川の関数として全微分をとると , GG/öP)TdP の項は VdP と対応して いることから , ( 8.17 ) すなわち , Gibbs エネルギー変化の圧力微分は状態変化に伴う体積変化に相当することが わかる . とくに化学ポテンシャルについては , 上式と同様に , 部分モル体積の変化に相当 する . ( 8.18 ) このことから , 平衡定数の圧力変化を調べれば , 体積変化を知ることができる . △ G9 = ー RT ln K より 6 △ G 〇 = △孱 6 ln K = △レ e ( 8.19 ) したがって △レ e RT 6 ln K K の圧力変化を実験的に決めて図 8 ー 3 のよう な曲線が得られたとすると , ー Tx ( 接線勾配 ) が△レ e に等しい . 勾配は正であるから△レ e < 0 であり , 変化に伴って体積が減少することを意味 している . 圧力 P の上昇に伴って K が大きくな っていることは , 体積の減少の方向が生成物の収 率の増加する方向と一致していることを意味して いる . こでは圧力変化に関する LeChateIier の 原理の熱力学的根拠が示されている . ( 8.20 ) T = C onst △レ 接線勾配 = 図 8 ー 3 平衡定数 ( 対数値 ) の圧力変化 . 接線勾配から△レ〇が求まる . 164 第 8 章 熱力学の化学への応用

10. 化学熱力学中心の基礎物理化学

これが Euler の条件である . 微分 d がこの式に従えば , その式は完全微分である . 従わな ければ不完全微分であり , えに相当する数学的関数は存在しない . mol の理想気体の温度と圧力が微小な変化をしたときに生じる , 体積の微小変化 例題 A. 8 ⅢⅢ日ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ日ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢーⅢⅢⅡⅡⅢⅢⅡⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢ が , 次式で表されることを示せ . 関係式に従わねばならない . 2 d' ル = ー沢 d T 十 6 ェ 6 2 ( A. 16 ) ル ( ェ , の nR nR T dV = d T ー 解 理想気体では P2 dP nR T レの全微分をとると , 以下のように , 式 ( A. 17 ) が導かれる . dP ( A. 17 ) ( A. 18 ) 6 nRT 6 d 7 、十 72 T dP öT p 〃 T d T ー dP P2 ⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢ 理想気体の場合 , が完全微分である ( または , 別の言い方をすれば , 体積は理想 例題 A. 9 気体の“性質”あるいは“状態変数 ' である ) ことを証明せよ . 解 Euler の条件 , 式 ( A. 16 ) を用いれば , nR T P2 ap P T P2 nR P2 EuIer の条件を満足しているので , dV は完全微分である . で表されることを学んだ ( 第 6 章 , 式 ( 6.5 ) と図 6 ー 2 参照 ). この式と式 ( A. 17 ) とを結びつけ d' ル = ー P dV 例題 A. 10 気体が可逆的に膨張するとき , 系が外界に対してなす仕事が ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ ると , 理想気体の可逆膨張の仕事は次式となる . d'W が完全微分ではないこと ( 別の言い方をすれば , 仕事は理想気体の、、性質 " ではないこと ) dP nR T を証明せよ . A. 3 完全微分と不完全微分 状態量の微小変化と熱や仕事の微小変化 ( A. 19 ) 275