組成 - みる会図書館


検索対象: 化学熱力学中心の基礎物理化学
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1. 化学熱力学中心の基礎物理化学

組成となるので , 蒸留していくと , 液相の組成は液相線を上昇していく . つまり沸点は上昇し液 相の組成は , 極大型の場合 , 共沸混合物に近づき , 極小型は純組成に近づく . ( 3 ) 共沸混合物より高い組成 : 同様の理由で , 蒸留に伴い , 沸点は上昇し , 液相の組成は , 極 大型は共沸混合物の組成に近づき , 極小型は純組成に近づく . . 4 液相 - 液相平衡 互いに完全に溶け合う物質でないとき , それらを混ぜ合わすと , ある組成で 2 相に分離 する . たとえば水にエチルエーテルを加えていくと , はじめは溶けて 1 相だが , 工チルエ ーテルがある量以上になると , 2 つの液相に分離する . 上層はエチルエーテルに水が少し 溶けたもの , 下層は水にエチルエーテルが少 し溶けたものである . 相律によれば , このよ うな系は 2 成分 2 相だから自由度は 2 であ 0 る . そこで系の温度と圧力を決めると , 必然 40 的に 2 液相の組成は決まってしまう . これら 2 液相の溶解度を , その系のその温度 , 圧力 における相互溶解度 (mutual solubility) と いう . 2 つの液相の組成をその温度とともに プロットすると , 図 4 ー 7 のような曲線を描く . この曲線を相互溶解度曲線という . ある温度 で引いた水平線が相互溶解度曲線と交わる 2 点の横座標が分離した各液相の組成である . 1 相領域 60 2 相領域 20 0 100 C6H50H H 20 図 4 ー 7 フェノールー水系の温度 - 組成図 20 60 40 0 wt% H20 ( 上部 ) 225 1 相領域 200 80 175 60 2 相 領域 40 2 相領域 125 20 100 1 相領域 0 ー 10 40 (C3H7)2NH 50 wt% H20 40 60 100 H20 ニコチン wt% ニコチン 図 4 ー 8 ジプロピルアミン一水系の 図 4 ー 9 水ーニコチン系の温度 - 組成図 ( 上下 ) 温度 - 組成図 ( 下部 ) 図 4 ー 7 の場合 , 温度の上昇とともに 2 液相相互の溶解度は増加し , 2 つの液相の組成は 近づき , ある温度以上で完全に溶け合うようになる . この温度を臨界共溶温度 ( critical solution temperature) という . 図 4 ー 8 の場合は , 図 4 ー 7 と逆に , 温度が低下すると臨界共 い . 4 液相 - 液相平衡ー 55 75 100 80 60 20 0 H 20 20 80 0

2. 化学熱力学中心の基礎物理化学

ーベンゼン系の組成ー沸点図である . 下の曲線 は液相の組成と沸点の関係を示し , 上の曲線 は気相の組成と沸点の関係を示し , それぞれ 液相線 ( 沸騰線 ) , 気相線 ( 凝縮線 ) と呼ばれ る . ある沸点のもとで共存する液相および気 相の組成はその温度で引いた水平線が液相線 および気相線と交わる点の横座標 ( ズ 2 , ズ ) により与えられる . 沸点図の見方を図 4 ー 4 を 70 もとにさらに進めてみる . いま , ェ 2 なる組成 0.6 C6H5CH3 べンゼンのモル分率 C6H6 の溶液を一定圧力下で熱すると , 点 a の温度 図 4 ー 4 トルエン一べンゼン沸点図 で沸騰し始める ( 蒸留する ). そのときの蒸気 の組成は b の組成ェである . 蒸気の組成は第 1 成分に富むので , 沸騰に伴い , 残液の組 成は第 2 成分が富むようになり , 沸点は漸次上昇する . 一方 , 蒸気を冷却して液化させた 後 , 組成 a' の溶液を再び蒸留すると , はじめに留出する蒸気の組成は b' のそれとなり , さらに第 1 成分が富むようになる . このように蒸留を繰り返していくと , 2 つの成分を分 離することができる . これか分別蒸留 (fraction distillation) または分留の原理である . の原理に基づいて , 物質の精製に用いられるのが分留管や分留塔である . いま分留した初 留の組成と , 仕込んだ原液の組成を比較することで , 理論上の蒸留の繰り返し回数を計算 できる . この回数を使われた分留管や分留塔の理論段数と呼ぶ . 図 4 ー 5 と図 4 ー 6 は理想溶液から著しくはずれた場合に相当する . 極大点または極小点で 液相線と気相線は接する . これらの極点では液相線と気相線が接していて , 共存する気相 と液相の組成が等しい . つまり , この極点の組成をもつ溶液は組成の変化なしに蒸留され る . このような混合物を共沸混合物 (azeotr 叩 ic mixture) という . 共沸混合物は , あたか 120 110 線 100 b' 線 : 80 0 1.0 66 60 64 55 62 50 58 40 56 35 0 0.4 1.0 (CH3)2CO CS2 CS2 のモル分率 図 4 一 6 アセトン一二硫化炭素系の 沸点図 53 い . 3 気相ー液相平衡 a b 0.2 54 0.6 0 CHC13 (CH3)2CO クロロホルムのモル分率 図 4 ー 5 アセトン - クロロホルム系の沸点図 0.8 0.4

3. 化学熱力学中心の基礎物理化学

も純物質のように沸点は一定である . しかし , 外圧を変えると共沸混合物の組成が変わる ので , 純物質ではないし , また共沸混合物の組成をもっ化合物でもない . 共沸混合物をつ くる溶液は分留を行っても両成分を完全に分離することができない . たとえば極大をもっ 溶液を蒸留するとやがて液相の組成は共沸混合物となり , それ以上の精製はできなくなる 56.2 56.2 78.3 からである . いくつかの共沸混合物の例を表 4 ー 1 にあげる . 表 4 ー 1 共沸混合物 ( 圧力 1 atm 下 ) 沸点 / ℃ B 成分共沸混合物 大 沸 小 沸 A 成分 H 20 H 20 (CH3)2CO CH3COOH (CH3)2CO C2H50H H20 CH3COOH B 成分 HCI HN03 CH3Cl C5H5N CS2 C6H6 C2H50H C6H16 A 成分 118 . 5 100 118.5 100 100 ー 84.9 83 61.1 125.7 78.3 80.15 46.3 105 108.6 120 . 7 64 . 4 138 . 1 39 . 3 67.9 78 . 17 105 . 7 ( 組成 ) B 成分の 重量百分率 20.22 68 75.5 48.9 67 68 . 6 96 . 0 53.7 組成ー圧力図 ( 図 4 ー 2 と 4 ー 3 ) と組成ー沸点図 ( 図 4 ー 5 と 4 ー 6 ) を見比べると , 前者に極大 のあるものが後者に極小を示し ( アセトン一二硫化炭素系がその例 ) , 前者が極小を示すと 後者に極大が現れる ( アセトン一クロロホルム系がその例 ) ことがわかる . それぞれ極大と 極小を与える組成 ( モル分率の値 ) は一致している . 例題 4.1 べンゼンとトルエンのある混合物の沸点は 90 ℃である . この混合物の組成はいくら か ( 混合物は理想溶液として取り扱える ). なお , 90 OC でのべンゼンの蒸気圧は 1021 mmHg, トルエンの蒸気圧は 407mmHg てある . ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡ 1 ー XA = 0 .425 1021 ー 407 = 0 . 575 760 ー 407 ー 1021 mmHg, PB* = 407 mmHg だから P = カ A * ェ A 十加 * ( 1 ーエ A ) = ( カ A * ーカ B * ) 工 A 十カ B * 解 RaouIt の法則により , 全圧月と溶液の組成の関係は 沸点 ( 90 ℃ ) において , P= 760mmHg, PA したがって , 溶液中のべンゼンのモル分率は 0.575 , トルエンのモル分率は 0.425 である . ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ川ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢ 例題 4.2 図 4 ー 5 および図 4 ー 6 を見て共沸混合物 , 共沸混合物より成分が低い組成 , 高い組成を 蒸留したとき組成がどのように変わるか説明せよ . 解図を見て以下の説明を読むこと . ( 1 ) 共沸混合物の場合 : 気相の組成と液相の組成が等しいので液相の組成は不変 . ( 2 ) 共沸混合物より低い組成のもの : 蒸発物の組成は液相線と水平位置にある気相線の示す 54 第 4 章相 平 衡

4. 化学熱力学中心の基礎物理化学

= 2 のとき / = 2 , つまり 2 変系となる . この前の章で記述されたある温度での組成による 蒸気圧の変化の関係がこれに相当する . カ = 3 のとき / = 1 となり , この場合の例は前章 の水蒸気蒸留である . つまり , 全圧を指定すると温度 ( 沸点 ) は決まってしまう . カ = 4 の とき / = 0 となる . . 2 相図 この章では 2 成分系 2 相系について以下述べる . 前の章で気相 - 液相 , 液相ー固相 , 気相 - 固相の平衡での溶液の性質を述べてきた . は , さらに各相での組成と温度や圧力の関係を相図をつくりながら考察してみよう . こで 前節で述べたように , 系の状態を指定する変数の数は相律により決まり , その独立変数 には一般に温度 , 圧力 , 濃度が使われる . 各相の濃度と圧力または温度の関係は , 理想溶 液については Raoult の法則で表現できる . また , 希薄溶液の溶媒に関しては Raoult の法 則が成立し , 溶質に関しては Henry の法則が成立する . しかし , 実在溶液については , そ の全般をこれらの法則で表すことは多くの場合困難である . 実測された組成や圧力のデー タを読みこなすことが大事である . その際データの整理には相図が使われる . 相図は状態 図とも呼ばれ , 気相 , 液相 , 固相などの状態間の関係を温度 , 圧力 , 組成などの変数を座 標として示した図形である . この図を見ることで , 温度や圧力あるいは組成の変化による 状態変化を予想することができる . これ以後の節で , 各相の組成と温度や圧力 , 相の状態 の関係を相図を見るなかで考察する . 簡単化のために系としては 2 成分系に限定してみよ う . 2 相共存系を考えるので , 相律の式 / = c ーカ + 2 より , 自由度 / は 2 である . 変数と して組成と温度または圧力が選ばれる . 相図の見方 , つくり方をここでしつかり学び , 相 図になれることが望まれる . 熱力学的な解釈は第 8 章で学ぶことにしよう . . 3 気相 - 液相平衡 に述べられている . ここに式 ( 3.17 ) と式 ( 3.18 ) を再録すると , 全蒸気圧と溶液の組成の まず理想溶液について考察してみよう . 理想溶液の組成と蒸気圧の関係は先の章ですで 関係は P = カ 1 十カ 2 = カ 1 * 十 ( カ 2 * ーカ 1 * ) ズ 2 工 1 液相と気相の組成関係は ( 4.2 ) ( 4.3 ) ここで召は全蒸気圧 ; カ 1 , カ 2 は気相中の各分圧 ; カ 1 * , カ 2 * は各成分の純液体の同じ温度に おける蒸気圧 ; ェ 1 , ズ 2 は溶液中の各成分のモル分率 ; ェはは気相中の各成分のモル分率 である . これらの式を利用すると , 相図を描くことができる . 2 個の独立変数に溶液の組成と温 度を使い , 気相の圧力 , 組成を従属変数にする . すると , ある温度での溶液の組成と全蒸 気圧および気相の組成の関係が得られる . その結果を図にしたものが図 4 ー 1 である . い . 3 気相ー液相平衡 この 51

5. 化学熱力学中心の基礎物理化学

図は , ほば理想溶液であるとみなされるト ルエン一べンゼン混合系の組成 - 圧力図であ る . この図で , 上の曲線 ( 理想溶液のとき は , これが直線となる ) は液相の組成と圧 力の関係を , 下の曲線は気相の組成と圧力 の関係を示し , それぞれ液相線 , 気相線と 呼ばれる . 液相線より高圧の領域では液相 (L) のみ , 気相線より低圧の領域では気相 (G) のみが存在し , 2 つの曲線で囲まれた 領域では気相と液相が共存する . ある圧力 のもとで共存する液相および気相の組成 は , その圧力で引いた水平線が液相線およ び気相線と交わる点の横座標 ( ェ 2 , ェ ) に より与えられる . この図を見れば , 揮発性の高い ( 純液体の蒸気圧が高い ) 成分が気相に濃 縮されることが一目瞭然である . 図 4-2 と図 4 ー 3 は理想溶液から著しくはずれた , 非理想 混合系の場合に相当する . 極大点または極小点で , 液相線と気相線は接する . この極大点 および極小点の意味はすぐ後の沸点図のところで述べる . 0.125 トノレエン / ヾンセ、ン 0.100 0.075 0.05 0.025 0 C6H5CH3 0 0.2 0.4 0.6 1.0 C6H6 べンゼンのモル分率 図 4-1 トルエン一べンゼン系の組成ー圧力図 ( 20 OC) 600 0.50 0.45 0.35 0 0.30 0.6 0 0.2 0.6 (CH3)2CO (CH3)2CO CS2 のモル分率 クロロホルムのモル分率 図 4 ー 2 アセトン一クロロホルム系の 図 4 ー 3 アセトン一二硫化炭素系の 組成ー圧力図 ( 35 ℃ ) 組成ー圧力図 ( 35 ℃ ) 先ほどは , ある温度における組成と蒸気圧の関係を見てきた . 今度はある圧力 ( 蒸気圧 ) 下での温度と組成の関係を見よう . 外圧 ( 一般に latm) と同じ蒸気圧をもつ溶液の温度 は沸点 ( 標準沸点 ) である ( 第 2 章 ). そこで全蒸気圧が latm になる温度と組成の関係を 見てみよう . すなわち , 与えられた組成で式 ( 4.2 ) の P が 1 atm である条件を満足する カ 1 * とカ 2 * を示す温度を求める . そして , 組成と温度の関係を図にしたとき , その図を沸点 図という . その例の 1 つが図 4 ー 4 である . この図はほば理想溶液としてふるまうトルエン 52 ー第 4 章相平衡 0.2 0 0.8 CS2 1.0 CHC13

6. 化学熱力学中心の基礎物理化学

則を適用したとき , 溶液の組成と溶液と平衡にある気相の全蒸気圧 ( のとは , 分圧の法則 , カ 1 , カ 2 * は各成分 カ 2 = カ 2 2 により次の関係がある . カ 1 = カ 1 * 工 1 = カ 1 * ( 1 ーエ 2 ) , 召 = カ 1 十カ 2 = カ 1 * 十 ( カ 2 * ーカ 1 * ) 工 2 ここで , 新 , ェ 2 は溶液中の各成分のモル分率 ; カ 1 , カ 2 は気相中の各分圧・ の純液体の同じ温度における蒸気圧である . 式 ( 3.17 ) は , 溶液の全蒸気圧が , 組成と直線関係 ( 1 次関数 ) にあることを意味している . 図 3 ー 1 は理 想溶液の各成分の蒸気圧および全蒸気圧と組成の関 係を示している . なお , 左端が純粋な成分 1 , 右端が 純粋な成分 2 に対応している . さらに気相中の組成を考察してみると , 分圧の法 則により気相中の各成分の組成は カ 1 0 ( 3.17 ) カ 2 1 同様に 工 1 カ 2 尸 カ 1 P カ 2 工 2 カ 1 * 十 ( カ 2 * ーカ 1 * ) ズ 2 カ 1 * 工 1 カ 2 * 十 ( カ 1 * ーカ 2 * ) 工 1 ここでェ lg , ェは気相中の各成分のモル分率である . 上式の比をとると , 気相の組成と溶液 の組成の関係が得られる . ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ PA = 0.75 >< 45 mmHg = 33.8 mmHg, カ B = ( 1 ー 0.75 ) X89mmHg = 22.3mmHg メタノールのそれぞれの分圧を広 , とすると , 解蒸気相中のエタノール , メタノールの分圧は RaouIt の法則により求められる . エタノール , の示す蒸気圧はいくらか . また , 蒸気相中のエタノールの組成はいくらか . タノールが 45 mmHg, メタノールが 89mmHg である . エタノールのモル分率が 0.75 の溶液 例題 3.4 エタノールとメタノールの混合溶液は , ほぼ理想溶液をつくる . 20 。 C の蒸気圧は工 大きさが似たものどうしのとき , 理想溶液に近いものをつくる . 現実の溶液で理想溶液の条件を完全に満足する溶液はないが , 化学的性質および分子の べて大きく , 気相中に濃縮されやすい . すなわち , 揮発しやすい ( 純液体の蒸気圧の高い ) 成分の気相中の組成は , 溶液の組成に比 蒸気相中の成分のモル分率は , 分圧と全圧の比に等しいから , エタノール組成は したがって全圧は分圧の和 , すなわち 56.1mmHg である . 図 3 ー 1 理想溶液の蒸気圧 ( 分圧と全圧 ) ( 3.18 ) したがってメタノールの組成は XB = 33.8 / 56.1 = 0.60 = 1 ー 0 . 60 = 0 .40 . 4 RaouIt の法則 41

7. 化学熱力学中心の基礎物理化学

液相の組成は溶質が濃くなり , さらに凝固点が降下する . しかし , やがて凝固点は図の点 E に到達すると , この温度で残りのすべてが凝固する . 点 E の組成をもつ溶液は一定の凝固点をもち , その凝固点は 2 成分の組み合わせで到達 しうる最低の凝固点 ( 融点 ) をもつ . このような組成の混合物を共融混合物 ( eutectic mixture) または共晶 (eutectic crystal) といい , その凝固点を共融点 (eutectic point) と いう . いま , 点 P の組成の液相を冷却すると , 点 a まで液体のまま冷却し , 点 a で純固体が析 出し始める . このとき凝固熱が放出されるので冷却の勾配は小さくなる . 冷却を続けると 溶液の組成は徐々に変化し , 点 E に到達すると全部が凝固するまで温度が一定となる . 全 部が固化した後は , 固体の冷却になるので , 冷却の勾配はまた急になる . この冷却過程は , 時間とともに温度を記録した冷却曲線で書くと , 図 4 ー 12 ( b ) のようになる . 実際の固体の相図は上で述べたように簡単ではなく , 固溶体の部分 , 共融混合物を形成 する部分 , あるいは化合物を形成する部分が共存して複雑である . いくっかの実例を示す . 図 4 ー 13 は金属間化合物 (MgZnD を形成する場合である . この相図では , Mg と化合物の 共融混合物 , Zn と化合物の共融混合物ができることを示している . 図 4 ー 14 の S なと町の 領域ではそれぞれ少量成分を溶質とする固溶体が形成されている . 1100 1084 700 651 600 MgZn 2 595 ℃ 1000 962 900 0 419 800 778 368 Sa 十 L E 十 L 72 % 400 346 300 EI S 住十 S ガ 700 84.3 % 600 40 60 wt% Zn Mg-Zn の融点図 図 4 ー 13 0 100 Zn 20 100 Ag 80 60 wt% Ag Cu-Ag 系の融点図 図 4-14 40 20 0 Cu Mg 59 固相ー液相平衡 い . 5

8. 化学熱力学中心の基礎物理化学

1800 1760 1600 S 十 L 1400 1200 1065 1000 Au 60 wt% Pt (a) Au-Pt の融点図 図 4 ー 11 固相線と交わる点 a ' の横座標ェにより与えられる . さらに冷却を続けると , 液相の組成は 液相線に沿って a → b の方向に , 析出する固溶体の組成は固相線に沿って a ' → b ・の方向 に変化する . 先の節で述べたてこの関係式 ( 4.4 ) を使うと , 液体量と固溶体量の比は ms と / m の比で表される . 融液から析出する固溶体の組成は , 高融点成分に富んでいるので , 最初に析出した部分 をさらに融解しまた冷却するという操作を繰り返すと , 析出する固体の純度は高くなる . この原理で固体の精製を行う方法を帯域融解法 (zone melting method) という . 図 4 ー 12 ( a) は , 固相で溶け合わない場合の融点図である . 2 成分が固相で全く溶け合 わない場合 , すでに前の章で述べた凝固点降下の場合に相当する . すなわち , 液相の凝固 点は , 両成分の純組成に近いところではその純成分より凝固点が低下する . その 2 つの成 分の凝固点降下の曲線 ( 凝固点曲線 ) は図 4 ー 12 ( a ) の点 E で一致する . 液相を冷却し ていくと , 析出する固体は液相の溶媒成分 ( 第 1 成分に近い領域では第 1 成分 ) なので , 0 100 Pt 80 20 40 時間 (b) 冷却曲線 700 630 600 ? P 500 Sb 十 L 十 327 Pb 十 L 300 246 200 100 Sb 87 % 100 Pb 80 60 wt% Pb (a) Sb-Pb の融点図 20 40 0 時間 (b) 冷却曲線 図 4 ー 12 58 ー第 4 章相 平衡

9. 化学熱力学中心の基礎物理化学

(m) 2 ( の十肥 2 ( の ル ( の十ル ( の 次にこの混合系の圧力 - 組成 ( P ゴ ) 相図を図 4 ー 10 ( b ) に示すと , 圧力とェ 2 ( ) の交点 C から水平に引いた破線と相平衡を表す 2 つの曲線が交わる点 , A と C を与えるズ 2 の値 がそれぞれェ 2 ( の , ェ 2 ( のである . この水平線 AB を連結線 (tie line) と呼ぶ . 均 ( のと % 2 ( のが それぞれェ 2 ( の 2 ( の / 癶の工 2 ( の 助 ( の / Ⅳ ( ので表されることはいうまでもない . 同様に温度一組成 ( T-x) 相図についてみると , 温度のとき示される連結線上の各交 点 A, B および C はそれぞれェ 2 ( の , % 2 およびズ 2 ( ) を与える . 以上の 2 つの図のいずれにも見られる線分 AB と CB の比は何を意味するか考えよう . 2 相全体を通しての成分 2 の重量分率 ) に着目すると次式が成り立つ . ェ 2 ( ) ( ル ( の十ル ( の ) これを整理すると なの ( ェ 2 ( m ) ーエ 2 ( の ) ェ 2 ( のなの十ェ 2 ( の癶 なの ( 2 ( の一 2 ( m ) ) ゆえに 癶の ( の (m) (m) ( の CB ( 4.4 ) AC すなわち , 住相と相の質量比が図 4 ー 10 の ( b ) や ( c ) で示される連結線から求めら れることを示している . 以上は重量分率で示された相図について考えてきたが , モル分率 で示された相図でも同様な関係が得られる . ただし , CB/AC はモル比となる ( 質量ルの かわりに物質量を使って考えればよい ). この関係を梃子の関係 (lever relation) と呼ぶ . この関係は , 気 - 液平衡や固ー液平衡の相 . 5 固相 - 液相平衡 図にも利用できる . い . 5 固相ー液相平衡ー 57 して点 a に達すると固溶体が析出し始める . 固溶体の組成は , その温度で引いた水平線が このような相図を示す混合物の冷却を考えてみよう . 図 4 ー 11 ( a ) の点 P の液体を冷却 まれた領域では固相と液相が共存する . 曲線 ) と呼ばれている . 領域 L では液相 , 領域 S では固相が存在し , この 2 つの曲線に囲 線 ) と呼ばれている . 上の曲線は液相の組成と凝固点の関係を表しており , 液相線 ( 凝固 いる . 図 4 ー 11 ( a ) で , 下の曲線は固相の組成と融点の関係を表しており , 固相線 ( 融解曲 2 成分が固相で固溶体を形成するときの融点図は , 気体ー液体平衡の沸点図とよく似て ず , 別々の固相を析出する場合である . つまり固相が固溶体のときである . もう 1 つは , 液相では溶け合うが固相では溶け合わ ぶ . 2 成分系の融点図の典型的な例は 2 つある . 1 つは液相でも固相でも完全に溶け合う , でよく研究されている . 相の平衡を温度と組成の関係で表した相図のことを融点図と呼 固体と液体の平衡について考えよう . 2 成分系の固相ー液相平衡は , 合金や塩類の水溶液

10. 化学熱力学中心の基礎物理化学

もまた , 温度が決まれば , 決まった値となる . このを圧平衡定数と呼ぶ . これに対し て , 濃度で表した平衡定数を濃度平衡定数と呼び , Kc で表す ( ただし , 濃度平衡定数を 表すのに , 添字なしの K を用いる場合も多い ). と Kc の関係は , 式 ( 5.6 ) から明らか なように , 次式で与えられる . = Kc(RT)AY ( 5.8 ) = 0 ならば , すなわち , 反応物から生成物に変化する際 , 気体の分子数に増減がなけれ ば , と Kc は等しくなる . 平衡定数の有用性は , 平衡状態に達したときの反応混合物の組成を知ることができる点 にある . アンモニアは次の反応式に従って窒素と水素から合成される . N2(g) + 3 H2(g) 2 NH3(g) 平衡定数を用いれば , 反応混合物の平衡組成を予測することができ , したがって , 目的と するアンモニアをどれくらい手に入れることができるかがわかる . 以下の例題で , 平衡定 数の使い方を示そう . 例題 5.1 酢酸とエタノールから酢酸工チルと水ができる反応の平衡定数は , 100 ℃において Kc= 4.0 である . ( i ) 酢酸 1 モルとエタノール 1 モルを混せて 100 ℃に保ったとき , 酢酸工チ ルは何モル生成しているか . ( ⅱ ) 1dm3 の水に酢酸とエタノールをそれぞれ 1 モルすっ溶かし て 100 OC に保った場合 , 生成する酢酸工チ丿レは何モルか . 解 ( i ) この反応の反応式および各物質の物質量 ( モル数 ) の関係は次のように表せる . ただ し , 平衡時における酢酸ェチルの物質量を〃モルとした . CH3COOH 十 C2H50H 00 , 0000 , 。、、一 0 はじめ 1 0 平衡時 溶液の体積をレとすれば , [CH3COOC2H5] CH20] レ レ [CH3COOH] [C2H50H] 1 ー〃 ( 1 ーの 2 1 ー〃 レ レ この 2 次方程式を解いて適する解を選べば , 〃 = 2 / 3 が得られる . すなわち , 平衡時に酢酸ェチル は 2 / 3 モル生成している . なお , この例のように , 化学量論係数の和が反応式の両辺で等しい場合 平衡定数を表す濃度比はモル比と同じになる . ( ⅱ ) 水 1 dm3 戔 1 kg 戔 55.6 m01 であるから , CH3COOH 十 C2H50H CH3COOC2H5 十 H20 0 55.6 55.6 十〃 1 ー〃 ( 5.7 ) ⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅢⅢⅢ 1 1 ー〃 1 ー〃 はじめ 平衡時 1 1 1 ー〃 したがって , 〃 ( 55.6 十〃 ) ( 1 ーの 2 これを解けば = 0.063 が得られ , この場合 , 平衡時に生成している酢酸工チルは 0.063 モルと 64 ー第 5 章 化学平衡 = 4 . 0