遺伝子組み換え技術 - みる会図書館


検索対象: 食品の裏側 2
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1. 食品の裏側 2

私たちがス 1 より、油や、本文で述べた「大豆タンパク」の ーで手に取る豆腐や納豆、コ 1 ン缶のほとんどに「遺伝子組み換えでない」 ~ 原料として使われることの方が多いのです。 サラダ油の原料となるなたね、大豆は「不分 という表示があります。 別ーとなっています。これらは米国からの輸入 これで「遺伝子組み換え食品は自分の食生活 が圧倒的に多いのですが、原料段階で混ざって にはあまり関係ない」と思い込んだら大間違い です。実は遺伝子組み換え食品は意外なところ ~ 分別できないという理由からです。 うまみ調味料の項目で述べたように、添加物 で私たちの食生活に深く入り込んでいます。 も遺伝子組み換え技術でつくられるものがあり、 今、生産されている遺伝子組み換え農産物に 2 グループあります。一つは遺伝子組み換え技 は大豆、なたね、とうもろこし、綿など 288 術に該当する添加物と、該当しないとされる添 品種があります ( 2014 年 2 月現在 ) たと、ん、はと - フもろこしはその土 6 ま食す・るより・ . 、 加物です。主なものですが〔図表マ 9 〕をご覧 ′、たさい 油、デンプン ( コ 1 ンスターチ ) として使われる 新しい遺伝子組み換え技術による農産物、添 方がはるかに多いのです。特にデンプンは加工 加物も、審議中のものも多く、 ea-æに加盟す され、シロップ加工食品、添加物の原料として 利用されています。そこで使われているのは多れば今後はさらに品目が増えるものと考えられ ます。 くが遺伝子組み換えのとうもろこしです。 同じように大豆も大豆そのもの、あるいは豆 腐・納豆を含む大豆加工食品として食べられる ・特別付録 255

2. 食品の裏側 2

[ 図表 a 可遣伝子組み換えによる添加物リスト住なもの ) 厚生労働省医薬食品局食品安全部資料より。平成 26 年 2 月 1 2 日現在 ①遺伝子組み換え技術に該当せず、「安全性審査」のみで「健康影 響の評価」を受けないもの ( 57 品目 ) 調味料・アミノ酸 : L - グルタミン酸、 L - グルタミン酸 Na 、 5 ' - イノシ ン酸二 Na 、 5 ' - グアニル酸二 Na 、 5 ' - リボヌクレオチド二 Na 、 L - アル ギニン、 L - イソシロシン、 L - グルタミン、 L- トリプトファン、 L - セリン、 L- トレオニン、 L - バリン、 L - ヒスチジン、 L - フェニルアラニン、 L - ロイ シンほか 甘味料 : アスパルテーム ビタミン : ビタミン B2 ( LU11439 株 ) 酵素 . アミラーゼ ( T396 株 ) 、プロテアーゼ、リバーゼほか 増粘多糖類 . キサンタンガム、ジェランガム ※組み換え DNA 技術を応用した添加物に該当しないとみなされるのは、自 然界でも起こりえる組み換えであることや、アミノ酸等の最終産物が高 度に精製され、組み換え技術に由来するタンバク質が含まれていない理 由からです。したがって遺伝子組み換えとは表示されません。 ②遺伝子組み換え食品添加物と扱われ、「安全性審査」と「健康影 響評価」を受けたのち告示されたもの ( 17 品目 ) - アミラーゼ ( 6 種 ) 、キモシン ( 2 種 ) 、プルナーゼ ( 2 種 ) 、リバーゼ ( 2 種 ) 、リボフラビン ( VB2 ) 、グルコアミラーゼ、 - グルコシルトラ ンスフェラーゼ ( 2 種 ) 、シクロデキストリングルカノトランスフェ ラーゼ ③審査継続中 キシラナーゼ ( コウゾ ) 、 0 - アミラーゼ ( MDT121 株 ) 、他 2 品目 ※同じ添加物であっても遺伝子組み換え技術の製法の違いがあります。 254

3. 食品の裏側 2

出す物質です。しかも塩分が一緒にあると、よ ~ 換え技術によって生産されても、最終物質がア り強いうまみを感じます ミノ酸の純品であるから「健康影響の評価」は この作り方をメ 1 カ 1 では「サトウキビから 受けなくてよく、「遺伝子組み換え」の表一小は うまみ調味料」と、 し ( 、特定の遺伝子組み換え ~ 不要となっています。 菌による製法を「みそやしようゆと同じ発酵製 ( 参考厚生労働省医薬食品局食品安全部資料 ) 法」といっているのです。 このうまみ調味料で問題となったことがあり ます。遺伝子組み換えによる添加物はいろいろ 調整剤 輸入されているのですが、その 1 つ、かつお、 食品は酸性の方が日持ちします。酢の物がそ うです。私たちが酸味を感じるのは酢の物で しいたけのうまみといわれる核酸系うまみ調味 Ⅱ 3 程度ですから、酸味を感じないぎりぎ 料 ( リポヌクレオチドナトリウム ) が、食品衛生法 りのに調整します。 で定める「安全性基準」の審査を受けずに輸入、 販売されていました ( 2011 年肥月 ) 。 例えば、リンゴ酸とリンゴ酸をほば同量添 加すると、食品のは約 4 になります 遺伝子組み換えによる食品添加物の輸入は自 この二者の配合比率を変えることにより、目 己申告制であることから、申告がないと安全審 査の対象にならず、無審査で大量輸入の恐れが 的のに調整出来るのです。 あります。 調整剤は一括表示ですから内容を知る ことは出来ません。 2 51 ページにその一例を グルタミン酸については遺伝子組み ・特別付録 233

4. 食品の裏側 2

[ 図表ア物 ] 生協、スーバーの食品ラベル焼ちくわ S 生協ブランド 子組み換えでない ) 、砂糖、米発酵調味料、食塩、なた油、 魚肉、でん粉 ( 馬鈴薯 ( 遺伝子組み換えでない ) ) 、コーン ( 遺伝 N 生協ブランド 米油 伝子組み換えでないものを分別 ) ) 、砂糖、食塩、魚肉エキス、 魚肉 ( たら ) 、でん粉 ( 馬鈴薯 ( 国産 ) ) 、みりん ( とうもろこし ( 遺 スーバー K ブランド ス 調味料 ( アミノ酸、有機酸、核酸 ) 、ソルビトール、キシロー 機酸等 : 大豆を含む ) 、トレハロース、ソルビトール、 RCa 油、ぶどう糖、魚肉エキス、水あめ、加工でん粉、調味料 ( 有 魚肉、大豆たん白、発酵調味料、食塩、砂糖、卵白、なた ※保存料は不使用 ( 著者注 ) 176

5. 食品の裏側 2

実例を見てみましよう。表は安価なアミノ酸水分解物、みかんの内袋の除去に使われる塩酸 液混合しようゆの原材料です。 いくつかの添加 とカセイソーダは中和されることにより表一小は 物か使われていますが、この混合しようゆで食されません。 品をつくった場合、食品の材料表示は「しよう また、添加物を複数混合して添加する場合、 ゅ」のみとなります。 使用の目的により主成分以外は加工助剤の扱い しようゆの添加物は使った食品には効果がな になります。例えば 251 ページの冖図表 、。日土寸ち ) いという解釈です。ポテトサラダに使われたド 6 の調整剤の表一小例をみて下さし レッシングの場合も同様です。 向上目的の場合、主成分の酢酸、グリシンが 表一小されます。 加工助剤 食品の製造の過程において使われた添加物が 遺伝子組み換え技術 最終製品に残らないもの、残っていても影響を 農作物に限らない 与えないか、食品にもともと含まれる同じ成分 であるものを加工助剤といい表示されません。 は遺伝子組み換え農作物に慎重です。そ 例えば、大豆から汕を抽出する場合の =- へ の理由は、①未知の部分が多い、②食料の独占 キサン、汕の脱色、脱臭のための酸性白土 ( 鉱物 ) 化が起こる、③生態系の崩壊 ( 似た植物が組み換 や活性炭がそうです。アミノ酸液、たんばく加 え技術による殺虫性を持っ可能性がある ) などです。 ・特別付録 253

6. 食品の裏側 2

止表、想像もつかない添加物の原料 原料 カイガラムシ科 工ンジムシ 蚕のフン 紅麹カビ ラックカイガラムシ メスの分泌物 おがくず・バルプ コールタール、石油 バクテリアの排出物 リン鉱石、黄リン 添加物名 ( 表示名 ) コチニール色素 ( 着色料 ) カルミン酸 銅クロロフィル 紅麹色素 光沢剤 ガムペース CMC カルボキシメチル セルロース Na 各種ボリリン酸 Na 合成着色料 赤 3 号、黄 4 号など キサンタンガム 廃糖蜜 + 遺伝子組み換え [ * 19 ] グルタミン酸 Na 、 バクテリア 石油 ( アクリルニトリル ) 金属チタン 鉄くず 砂糖十塩素ガス 動物の毛、羽毛 調味料 ( アミノ酸等 ) グルタミン酸 Na 酸化チタン 塩化第二鉄 スクラロース L - システィン 使用例・目的 ハムのピンク色 飲料のオレンジ色 山菜、カム ( 緑色 ) 、抹 茶菓子 カニカマ、紅色の食品 チョコレートのつや カムの原料 たれのとろみ アイスクリームの粘り ハムの結着、漬物の 変色防止、冷凍変性 防止 ( 冷食 ) 漬物ほか ドレッシングのとろみ、 スープのとろみ うま味調味料 うま味 * 現在は行っていない 着色料 ( 白 ) 変色防止剤 合成甘味料 アミノ酸 その他遺伝子組み換え技術 ( [ * 19 ] 253 ページ ) でつくられるもの 120

7. 食品の裏側 2

日本食独自の技法、色彩、栄養のバランスなどのほか、伝統的な発酵食品である調味料 のみそ、しようゆも誇るべき食文化の一つです。奥が深く、職人が自然と融合して作り上 げるものです。カビを利用する「本枯れかつお節」、数年以上熟成させる「蔵がこい昆布」 も日本人の知恵です。 経済効率だけを考えて作られる遺伝子組み換え技術の化学調味料、塩酸分解によるたん ばく加水分解物、特定の酵母を培養し抽出する酵母エキス、これらは日本食文化を否定す る調味料と考えざるをえません。 米国のセレブもこぞって和食を取り入れています。有名なマドンナさんをはじめ、トム・ クル 1 ズさん、ヒラリー・クリントンさんも和食の信奉者です。 欧米の食生活に和食を取り入れるのは難しい面もあるようです。米国に講演に行 った時聞いた話ですが、米国人も根菜は体にいいから食べたいというのです。どうやって 食べるかというと、レンコンもごほうもすべてをベースト状にしてバジル、オレガノで香 りをつけ、トマトソ 1 スに混ぜるというのです。玄米はス 1 プ状でバニラ風味でした。え らい食べ方をするものだとあきれるやら感心するやら。 私のことを「食の国粋主義者」という人がいます。こうやって伝統食を推進することで、 2 1 0

8. 食品の裏側 2

本文で述べた添加物、用語をさらにくわしく説明しています。以下の項目は、加工食品によく使われる 食材と添加物です。〔 * 〕があるものは、この特別付録で述べていますが、ないものは本文を参考にし てください。加工食品の現物ラベルと対比させると使用されている添加物がわかりやすいと思います。 5 て 〔 * 巴合成保存料 っ「 / 付録本文 物索引 〔 * 凸合成着色料 添加物ではありませんが、同様の働きがあるもの 冖 * 肥〕天然着色料 〔 * 1 〕たんはく加水分解物 〔 * 邑合成甘味料 アミノ酸液 っ (. 0 〔 * 邑天然甘味料 . 1 、 0 、 4 ー 酵母エキス 〔 * 〕合成香料 っ 4 51 よく使われる添加物 特 添加物用語 〔 * 〕一括表示 〔 * 2 〕調味料 ( アミノ酸等 ) 知 〔 * 片〕キャリーオー と〔 * 3 〕調整剤 っ 〔 * 4 〕グリシン 冖 * 慴〕加工助剤 8 、 4- も〔 * 5 〕加工デンプン 冖 * 6 〕リン酸塩 ( ) 〔 * 巴遺伝子組み換え技術 〔 * 7 〕酸味料 〔 * 巴トランス脂肪酸 ・ 1- 、つ、つム、 4 一 〔 * 8 〕増粘多糖類 っ 4 5- 冖 * 幻〕」 < マーク 冖 * 9 〕べーキングハウダー 257 256 253 50 50 120 53 133 253 252 250 36 32 29 33 35 38 229

9. 食品の裏側 2

化 ) してつくられます。このため「アミノ酸か らできた甘味料」とアビールされていますが、 合成甘味料 遺伝子組み換え技術によってつくられています いま、番気になる添加物 「アス。ハルテーム ( フェニルアラニン化合物 ) 」と ノンカロリ 1 、カロリーオフに多用される合 ~ 表示に ( フェニルアラニン化合物 ) を併記するのは、 成甘味料。いろいろな種類がありますが、中で フェニルケトン尿症の方に注意を促すためです。 も業界で「御三家」といわれる、非常によく使 安全性についてはさまざまな論議があり、米 われるものがあります。それはアスパルテーム、 国でも過去一一転三転しています。現在でも安全 スクラロース、アセスルフアム ( カリウム ) で性を疑問視する学者もいますが、多くの食品に す。 使われています。 合成甘味料といえば、サッカリン、サッカリ 使用基準はなく、どんな食品にも使えます。 ンナトリウムが有名ですが、かって発がん性が ~ 低カロリ 1 甘味料と呼ばれますが、砂糖の いわれて一時禁止になったことから、消費者の 200 分の 1 の使用量で同じ甘さが出せますか ら、カロリーはほとんどないといえるのです イメ 1 ジか悪く、消費量の伸びはありません しかし、審議を終えたサッカリンカルシウムが 「スクラロ 1 ス」は砂糖に一番近い甘味で、 2012 年肥月に認可されました。 砂糖の 600 倍の甘さがあります。清涼飲料水 アスパルテームはフェニルアラニンとアスハ のほか菓子類にも使われていますが、各食品別 ラキン酸というアミノ酸を合成 ( メチルエステル に使用量の規制があります ・特別付録 149 245

10. 食品の裏側 2

や肥料などの情報が公表されている農産物等 規格 ( 一般規格 ) を満たす食品や につけられる 林産物などにつけられる。品目によっては等 級が表示される。 有機補足 ②有機 h<(-o 有機マ 1 クが完全無欠の農産物という 有機 *-a< 規格を満たす農産物 ( 化学合成さ れた農薬や肥料を使用しないことを基本として生産意味ではありません。農水省のパンフの言葉を 借りれば「人にも地球環境にもやさしい有機食 された農産物 ) に対してつけられる 品」ということになります。法律では「化学的 ③特定 に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並 特別な生産や製造方法についての規 びに遺伝子組み換え技術を利用しないこと、農 格 ( 特定規格 ) を満たす食品や、同種の 標準的な製品に比べ、品質等に特色があるこ ~ 業生産に由来する環境への負荷を出来る限り低 とを内容とした規格を満たす食品につ ~ 減した農業生産の方法を用いて行う農業 , ( 第 二条 ) と規定しています。 けられる。熟成ハム、ソーセージ、べーコン 確かに自然農法の生産者よりは甘い部 類など 分があると指摘されます ④生産情報公表—< 以前、和食チェーン店から、無農薬、無化学 生産情報公表規格を満たす方法によ 肥料のにんじんを 5 トン世話してほしいと頼ま り、給餌や動物用医薬品などの情報が公表さ れている牛肉や豚肉、生産者が使用した農薬れたことがありました。当然一カ所で調達でき ・特別付録 259