ベストセレクション - みる会図書館


検索対象: 兎の眼
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1. 兎の眼

「あなたが罪にならないために、わたしはなにが 天の瞳あすなろ編 - 灰谷健次郎できますか」。学校での暴力事件に対して一人の 女生徒がこんな言葉を発した。シリーズ第七巻。 おふみおばあさんが亡くなった。支えを失ったシ ュウちゃんを、倫太郎たちは優しく励まし続けて 灰谷健次 天の瞳あすなろ編Ⅱ いく。シリーズ第八巻にして著者の最後の作品。 星泉、歳の高校一一年生。父の死をきっかけに、 一フ赤川次郎ベストセレクション① 赤 冫良弱小ヤクザ・目高組の組長を襲名することになっ セセーラー服と機関銃 てしまった ! 永遠のベストセラー作品ー 赤川次郎ベストセレクション② 歳、高校三年生になった星泉。卒業を目前にし ス ~ ーラー服と機関銃・後赤 冫て平穏な生活を送りたいと願っているのに周囲が それを許してくれない。泉は再び立ち上がる ー卒業ー ひとつのべンネームで小説を共同執筆する四人の 文赤川次郎ストセレクシ , ン③ 赤 冫良男たち。彼らが選んだ新作のテーマは「妻を殺す 悪妻に捧げるレクイエム 方法ーだったーー。新感覚ミステリーの傑作。 角 私は嘘の証言をして無実の人を死に追いやった 赤川次郎ベストセレクション④ 冫良北里財閥の当主浪子は四歳の一人娘加奈子に衝撃 晴れ、ときどき殺人赤 的な手紙を残し急死。恐怖の殺人劇の幕開き ! 急速に軍国主義化する日本。そこには少女だけで 赤川次郎ベストセレクション⑤ 冫良構成される武装組織「プロメテウスの処女」があ プロメテウスの乙女 った。赤川次郎の傑作近未来サスペンス ! 赤

2. 兎の眼

探偵事務所に勤める辻山、昭歳。女子大生直美の 赤川次郎ベストセレクション⑥ 赤 次郎監視と「おもり」が命じられた。密かに後をつけ 探偵物語 るが、あっという間に尾行はばれて : ハバが死んだ。昨日かもしれないけど、私 今日、 赤川次郎ベストセレクション⑦ 赤 大郎には分らない。でも私は知っている。本当は、マ 殺人よ、こんにちは マがパパを殺したんだっていうことを : あれから三年、ユキがあの海辺に帰ってきた。と 一フ赤川次郎ベストセレクション⑧ ころが新たな殺人事件がーー目の前で少女が殺さ 赤 次郎 セ殺人よ、さようなら れ、奇怪なメッセージが次々と届き始めた ! 楽しい大学生活を過ごしていた純江。ある出来事 ス赤川次郎ベストセレクシ , ン⑨ 若い女性に訪れ 赤 次郎から彼女の運命は暗転していく。 べ哀愁時代 た、悲しい恋の顛末を描くラブ・サスペンス。 紳二は心配でならなかった。婚約者の素子の様子 文赤川次郎ストセレクシ , 、一⑩ 赤 冫良かヨーロッパから帰って以来どうもおかしい 血と【ラ懐しの名画ミステリー 趣向に満ちた傑作ミステリー五編収録ー 角 夜空に消える一閃の花火に人生の空しさを象徴さ 芥川龍之介せた「舞踏会」、憂鬱の中で、見知らぬ姉弟の情 舞踏会・蜜柑 に一時の安らぎを見いだす「蜜柑」ほか十四編。 人間らしさをうたった童話「杜子春」、切支丹も 杜子春・南京の基督芥川龍之介のの傑作「南京の基督」、姉妹と従兄の三角関係 を抒情とともに描く「秋ーなど計十七編を収録。

3. 兎の眼

カ月もたっとたいていのハエは死んでいる。 ニクバエは卵をうまない、体内でふ化してうじになって出てくる。これは小谷先生は知 らなかった。鉄三の研究から知ったことである。 ハエの産卵場所はハエの種類によってだいたいきまっている。しかし、このことを知る までに、鉄三はたいへん苦労をした。ビンの中の実験とちがって歩きまわらなくてはなら なかったからだ。小谷先生もだいぶ手伝いをした。ゴミ溜めの中、くさったワラや草の中、 鉄三はどんなきたないところも平気でほりかえした。ネズミの死体をしらべているときは、 さすがに小谷先生は近づくことができず、遠くからはらはらしながら鉄三を見ていた。小 谷先生は鉄三を、つくだに屋やかまぼこ屋、魚屋やパン屋など、ハエのいそうな店につれ ていった。鉄三はまるで名たんていのように、 ハエの産卵場所をみつけてきた。 市場に小谷先生のファンがたくさんいるのでこういうときにはつごう力しし ませんかなどといって、たべもの屋へはいっていったら、ふつうなら、ぶんなぐられると ころだろう。 眼 ノエの産卵場所のベスト 5 は、つぎのようなところだった。ゴミ溜め、便所、た、肥 の ( つみごえのこと、わら、草、落葉などのくさったもの ) 、動物死体 ( 魚、昆虫、小動物な 兎ど ) 、つけものおけ。 鉄三は卵を見て、ハエの種類がわかるときがある。たとえばキイハエの卵はやや赤味を おびているのですぐわかる。イエバエとオオイエバエは大きさでわかる。なかにはよくに

4. 兎の眼

154 「ぼく、いいかんがえをおもいついたんだ」 「どんなこと、淳ちゃん 「みなこちゃんのとうばんをこしらえたらどうですか、せんせい」 「みな子ちゃんの当番 ? 」 「うん、そうじとうばんはそうじをするでしよ。にちばんはまどをあけたり、しゆっせき をとったりするでしよ。みなこちゃんとうばんは、みなこちゃんのせわをするとうばんで す。みなこちゃんとあそんだり、べんきようをしたり、とうばんになったこは、みなこち ゃんのそばをはなれたらいかんの」 「いい考えね。だけど、みな子ちゃんの世話をするということは、たいへんなことなのよ。 先生を見てたらわかるでしよう はい、といってまた淳一が手をあげた。 「どうして・ほくがそんなことをおもいついたか、おしえてあげよ力を 、。まく、みなこちゃん がノートやぶったけどおこらんかってん。ほんをやぶいてもおこらんかってん。ふでばこ やけしゴムとられたけどおこらんと、でんしやごっこしてあそんだってん。おこらんかっ たら、みなこちゃんがすきになったで。みなこちゃんがすきになったら、みなこちゃんに めいわくかけられてもかわいいだけ」 小谷先生はうなってしまった。みな子ちゃんがめいわくですか、と淳一にきかれて、正 直そうな顔をして、はい、なんていったけど、これだったら、まるで淳一にテストをされ

5. 兎の眼

よく日、みんな早おきだった。 ねむい眼をこすって屋根の上を見た。キンタロウはまだそこにいナ 子どもたちは安心をして朝ごはんをたべ、そして学校にいった。 その日、学校で落ちついて勉強をした者はひとりもいなかった。四郎は二度、廊下に立 たされていたし、功は先生の質問にとんちんかんな答をして、みんなに笑われた。純は計 算のテストがふだんより悪かったし、武男は給食のミルクかんをひっくりかえして大目玉 をくった。 学校がおわると、みんないちもくさんにとんでかえった。 悪い予感があたらないように子どもたちは祈った。処理所にかえるといそいで屋根の上 を見た。 キンタロウはそこにいなかった。子どもたちはがっかりした。キンタロウをおい出せと いうことばをとり消しても、もう間にあわなくなってしまったのだから。 三時ごろ、全員そろった。このままでは徳治に悪いとみんな思っている。鳩のいそうな 場所を徳治にきいた。キンタロウの特徴もしつかり頭に入れた。手分けしてさがしにいく ことになった。みつかれば徳治にれんらくするつもりなのだ。まだ、からだが十分でない 徳治は残って本部づけというところだ。 四時ごろ、汗とほこりでまっ黒になった顔が、つぎつぎかえってきた。つかれたようす から、なにもいわなくても、だめだったことがわかる。