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検索対象: 半導体の話―物性と応用―
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1. 半導体の話―物性と応用―

ゲルマニウム原子は種結品の上につく。これがく り返されるので、丁度、沃度というエスカレータ ーに乗ってゲルマニウム原子は co から種へと移動 することになる。しかも、この反応はかなり低い 温度 ( ゲルマニウムの融点よりはるかに低い ! ) で進行するので、種結品の上につくゲルマニウム は良い単結品として成長するのである。 郎この時、ドナ 1 又はアクセ。フタ不純 型型型型型 0 ー Z Q. Z Q- 物原子を同時に運 子 ばせる様に工夫すれ 種 ば、成長した単結品 は、 A-A 型、 Z 型、い ずれにもなるし、ま たその抵抗率を加減 度 < 度 az することも易しい。 例えば第図 3 の様に、強い Z 型の結品、強い型の結品 rh の二つをアン。フルの両端において、温度分布を << の様にすれは種 (N 型 ) ゲルマニウム源 ゲルマニウム源 (P 型 ) 種子結晶 ゲルマニウム 第 65 図 ( b ) 160

2. 半導体の話―物性と応用―

よ く 品撃四結 S 〇 〇 と い っ え 起作る種緒 と こ沃は S 4 れ度そ込 がはれむ 日低 に結 品例 種を 攻て ばゲ度方 そニ ム度 る・ 断板 の分五に の沃布〇沃 反化を〇度結 ば何 応物与度 、クな点 をが ー / レ 品封 法か すも ー産ス む同 い時 い作 エレクトロニクス時代の開化 低 0 ) 結 に 運 で 逆 が て 度 り を ウ マ ル て し 日日 温結り S 次 S ーヨ 日日 の ぇ ば 結 と し 。て中 の と を・ が入ニ 、れウ 、同の 日寺 = を・ に じ ノレ の に え ゲ ノレ ム 種 日日 と 供 糸合 散 層 第 63 図 20 ミクロン 一枚のゲルマニウム板に同時 に沢山のトランジスタを作り ゲルマニウム柀 50 ミクロン 後で切断する。 し、 の は ・第 、英 64 ア の プ様と に 閉 じ た 石 ア ン ヒ。 タ 冫去 っ つ に利 ・フ 0 フ ス た っ と と つ キ支 れ 型、 、な る 術タ九かれよ百 と っ ら ェ ピ ク シ ア ル た 、らに ハ 〇 . じ : 年、 頃 単結晶種子 ゲルマニウム ゲルマ ニウム源 もす上 うれに カまし、 の 最、だ て後、か いの、ら も て . る 第 64 図 エピタクシアル法の原理図。 も の ト を に ・つ し ま 後 で 切 159

3. 半導体の話―物性と応用―

米国の様に技術に先進性をもつ国の技術者達は、自由勝手に名前をつけ、それを駆使する事 が多い。このメサなどはその例である。今では、メサという一一一一口葉を動詞として使い、⑤図の様 に台地状に残して薬品で削りおとす処理をすることを意味する場合さえある。レ 1 ザーという 一 = ロ葉でも同様で、これは Light Amplification by StimuIated Emission of Radiation の 頭文字をならべて LASER とつづって、これを読んでレーザーとしたわけである。それがこ の頃では『レーザ 1 作用を示す』という動詞として LASE という言葉さえ使われる。レイズ などという字はまだどんな辞書にも出てはいない筈である。 さて、メサ・トランジスタのよいところは、やはり、これも設計できるという点である。不 純物が表面から拡散して入って行くのは、基本的な方程式によって支配されている。この場 合、表面に触れる不純物原子の濃度が、常に一定であるか、あるいは結品内に浸み込めばそれ だけ減ってしまうかによって条件が違ってくるけれども、基本の式は同じで、どちらも理論的 に扱える。 だから、表面の型の層を厚くしようとか、濃度の傾きを強くしよう、といった要求に応じ て、いろいろのやり方をとれるわけである。例えば、表面に触れさせる不純物濃度を大きく し、拡散の時の温度を比較的高くして、その代わり拡散する時間を短くする。といった様な自 山度があるという事である。 メサ・トランジスタまで発展して、トランジスタの進歩も、そろそろ大詰に近づいた感があ った。殆ど望ましい特性は得られたし、また、第図に示した様に、一枚のゲルマニウム結品 158

4. 半導体の話―物性と応用―

しみ込ませると、表面のところに接合が形成され、しかもその型の層は非常に薄く作る 事が可能なのである。 例えば、厚さ一ミクロン ( 一〇〇〇分の一 ミリメートル ) 位の型の層を作る事も決して難 しくない。これが拡散法の特長で、合金法の処理ではこれ程精度よく作りあげる事は殆ど不可 能である。しかも、厚さ一ミクロンの層がもっ凸凹は、その十分の一程度、すなわち〇・一、 クロン位ですむ。そこで、この拡散層を、トランジスタのべース領域として使う事が考え出さ れた。実際には第図⑤の様に、その拡散層に直接べース電極をつけ、エミッタ電極をつけて トランジスタに仕上げてしまう場合と、拡散処理を二度、しかも場合によっては、ドナ 1 不純 物と、アクセ。フタ不純物とを同時に拡散してしまうといった、非常に凝ったやり方をする場合 とがあるけれども、いずれにしてもこの型のトランジスタは、それまでの如何なる方法よりも 開べース領域の巾がせまく、しかもその巾が均一にできるので、カット・オフ周波数が急に高く 代なったのである。 ス ⑤図に破線でかこった様に、拡散法によるトランジスタは、小さいエミッタ、べース電極をつ = けてから、肝要な部分を残して薬品でけずりおとしてしまう。こうすると、あたかもトランジ スタは、小高い丘の上に作られている形になるので、『丘』という意味をもっ『メサ』 (MESA) ク . レ という一 = ロ葉をつけて 『メサ・トランジスタ』 と称せられる様になった。 157

5. 半導体の話―物性と応用―

コンでさえ一〇〇メガサイクル、ゲルマニ ウムでは五〇〇メガサイクルまで上がった のである。一九五五年の事である。 第図の様に、不活性ガス ( 例えばアル ゴン ) に乗って送られて来る不純物原子 の流れの中でゲルマニウムを熱すると、不 純物原子は表面から少しずつ結品の中に浸 み込む。この現象を拡散とよぶ。拡散とい うのは、もともと、物が濃密な状態にある ところから、それが稀薄な状態にある方に 少しずつ移り流れて行く事を意味するもの・ で、たばこの煙が散って行くのも拡散であ る。 図に示した様な拡散は、気体の状態にあ る不純物原子が、固体結品の中にしみ込む のだから、実際には非常に時間がかかる。 時間がかかるだけに、その作用は静かにしかも平均して起こることになる。それで、例えば、 型の結品の表面からアクセ。フタ ( 型にするための ) 不純物原子を、こうして拡散によって 不活性ガス 不純物源 ゲルマニウム 工ミッタベース不純物 拡散層 N 型 ゲルマニウム コレクタ (b) 第 62 図 156

6. 半導体の話―物性と応用―

つまり、表面では、とけたインジウムと、固体ゲルマニウムとの『濡れ』が進行し、充分濡れ たところは、合金のプロセスが進行する。 この二段構えで現象が起こっているという事をたしかめた。 そこで、何も操作しなければ、最初に濡れたところが、一番長い時間合金の。フロセスを進め るのだから、そこが一番深くまで喰い込む事は当然である。彼は『濡れ』と『合金化』の。フ セスを、わざと二つに分ける事を考えた。そして、あらかじめ低い温度で、インジウムが、必 要な面積でゲルマニウム表面と馴染んでしまう様にする。低い温度だから、その時には合金化 は起こらない。次に高い温度で合金処理をする。このとき、既に表面は平均に濡れ親しんでい るから、合金化のプロセスは一様に結品の奥に向って進行する。 マム こうなれば、合金の進んだ先端は極めて平らになる。第矼図の様 よ接 レウ に、殆ど驚嘆に値する程平坦なエミッタ及びコレクタ接合が実現した 開ムニム渕ら ジ金平 ン のである。これで、合金法によるトランジスタのカット・オフ周波数 イ ンムロにる ス イた常きは一躍一桁もはね上がった。今日でも、合金法によるトランジスタが れ非で 沢山作られ、活躍しているのは、この様な技術上の進歩が積み重ねら さ , が 良と面 改る合れたからである。 そのうちに、次のヒットが生まれた。米国のベル電話研究所で、不 図 オフ周波数をゲルマニウムやシ 純物の入れ方に一工夫をしてカノト・ 第 リコンで非常に高い値まで一気に上げる事に成功したのである。シリ

7. 半導体の話―物性と応用―

合く内て ウムの薄板の上に乗せて加熱する。このと のよらし き、どうしても、ゲルマニウムの表面とイン ム , 、刀一つ ウ方分ど ジウムとは中心の部分で最初になじみはじめ ジみ部ら ン進るかる るから、④の様に処理が終わってみると、エ イのいむす 理て進曲ミッタやコレクタの接合はいつでも結品の内 図処れへ弯 金ぬ部も部に向って凸となり、第図⑤の場合と似て くるわけである。これが、合金法で作ったト ランジスタのカット・オフ周波数を引き下げる大きな要因であった。 これはインジウムなどを、こうやって合金処理でエミッタやコレクタに使う以上、まぬがれ ることのできない宿命の様に、一時は考えられた。 しかし、ここでも一歩突込んで物理的に考え直す人に凱歌が上がった。 その人は第図の様な処理で、何が起こっているのかを、もう一度よく考えてみた。そし 先ず温度が上がると、インジウムがとける。 ②とけたインジウムが、その接しているゲルマニウムをとかし込む。 ③同時に、表面にそって、ゲルマニウムと、インジウムと親和する傾向がひろがってゆく。 表面がインジウムとよく親しむと②のプロセスが起こり、ゲルマニウムがそこへとけこ て、 インジウム ゲルマ ニウム む。 154

8. 半導体の話―物性と応用―

S 4 エレクトロニクス時代の開化 正孔が運んでくる信号、のコースを通る正孔が運んでくる信号などが全部重なり合って出て くるわけだから、コレクタの側にあらわれる波の形は、もとのものとは非常に違ったものにな ってしまう。つまり、正孔が信号を背負って走る時間にばらっきがあると信号は正確に増巾さ れない。こういう効果をへらし、高い周波数でもよい特性を保つには、このばらっきをへらす 事が必要である。こういうことを計算してみると、カット・ オフ周波数を高くするには、結局 べース領域の巾ルそのものを小さくする必要が / / ノ 号 号 ある事が判る。つまり と の る 来 = = ロなる : ( 23 〉 入 ( カット・ オフ周波数 ) て 例でく っ て定て タ 一出という結果が出てくる。だからルを小さくする 道 本がて の 幅つか、現実に凸凹している接合部分をなるべく平 工 のわ らで平行になる様にすればよいというわけであ 域変 る。こういう方針は早くから見当がつけられて スのいたのだが、これを実現する手段の方で苦労が べ信つづいた。 例えば第図は、インジウムで合金処理をす 図 る過程で、合金法によるトランジスタ製作に必 3 第 ず使われる。小さいインジウムの塊をゲルマニ B の道を通って来た信号 1

9. 半導体の話―物性と応用―

さて、これはどうして起こるのだろう 第図の様に、トランジスタのエミッ タの接合と、コレクタの接合とが完全に平 図行であれば、エミッタを出発した正孔がコ ..0 8 第レクタに到着する迄の時間は : ( 22 ) となる。ルはべース領域の巾、は正孔の 速度である。この場合ルは一定だから、時 間ーは皆同じになる。 ( 非常に厳密にいうと、正孔の速度は、すべての正孔について全く同 じではないけれど、今、そういうところまでは触れない事にしておこう。 ) そうすれば、入力 信号は正孔でエ ミッタからコレクタに運ばれるから、この場合信号は正確に増巾されると考え てよい。 ところが、⑤図の様に、べ 1 ス領域の巾ルが、場所によって違っていると、そうはいかな 正孔はの道を行くものは距離が遠いから時間がかかり、の道を行くものは非常に短い 時間の間に到達してしまう。 第図の様に時間的に変化する電波がこのトランジスタに人ってくると、ßQ のコースを通る ス ス べ タ 工 ーコレクタ 2

10. 半導体の話―物性と応用―

S 4 エレクトロニクス時代の開化 根ざしている様である。 一高周波への進歩 トランジスタの特性が高い周波数まで充分によさを保つにはどうすればよいか ? 接合トランジスタについてはこれは充分に解析する事ができた。つまり、どういう方針をと れば良いかという事を割り出す事はやさしかった。接合トランジスタについては、そこで何が 起こっているのかという事を私達がかなりよく知っていたから である。話を判りよくするために、トランジスタは高い周波 数 はる 波 数、つまり取り扱う電波の振動が早くなると、どういう状態に でく 周 方てなってくるかという事を考えてみよう。 数が第図に書いた様に、トランジスタの増巾作用は、電波の周 波下 周が波数が高くなるにつれて下落してくる。この場合増巾率が約七 い率 高巾〇パーセントまで下る周波数を、そのトランジスタのカット・ オフ周波数と呼んでいる。接合トランジスタが生まれた頃は 図 カットオフ周波数はよくて一メガサイクル、悪いと数百キロサ 第 イクルまでという状態だった。 増巾率 4 4