利用促進 事業 ふたたびの チャレンジ 教育委員会主催の 2 回目の地域コンクール 東京都荒川区教育委員会 24 の小学校と 1 0 の公立中学校がある荒川区。「図書館を使った調べる学習コンクール」は今年、 2 回目の参加です。 荒川区といえば学校図書館、と言われるほどに、その充実ぶりには目を見張るものがあります。 その荒川区で調べる学習やコンクールがどのように運営されているのか、 教育委員会指導主事の八尋崇さんにお話をうかがいました。 一援室では学校司書の共通理解を深一 ールを機に変わってきています。一 めたり、活動の活性化を図るためまた、図書館に関わるスタッフも 「言語活動の充実」を に研修会を年回実施。学校司書一昨年の経験を踏まえ、教育現場と一 目指して 一として高めたい技術や情報を学ん一の連携がスムーズに取れるように一 昨年から始めた地域コンクール一 だり、交流の場としています。 なりつつあります。なによりも教 の意図を少しでも知ってもら , った 「子どもたちが調べたいと思って一員の調べる学習に対する意欲が大一 一めに実施された「調べる学習チャ一図書館に足を運んだ時、ほしい情一きくなってきていると思います」一 レンジ講座」。今年は小学校 1 年一報、調べたい資料が必すそろって一と八尋さん。 生から 6 年生までの 140 人ほど いる、そんな学校図書館にしたい 学びの支えになる学校図書館を 一か参加しました。 一んです」と八尋さん。学校司書は一利用しての調べる学習。さらに子一 一荒川区がこの「図書館を使った一授業を担当する先生のニーズを把一どもたちが意欲的になるには、教 調べる学習コンクール」を導入し握し、公共図書館や他校の学校図員、学校司書、公共図書館の司書 一たのは、言語活動を通して「生き一書館にも連絡し、できるだけニー 一などがそれぞれになにをすべきか一 一る力」の育成を図っているからで一ズにあった資料を収集し、提供し一を考えようという方向に意識が変 す。その一環として学校図書館のています。こういった調べる学習わりつつあるとのことです。 最後に「荒川区の子どもを育て一 一有効活用を推進しています。その一に対応する資料の情報について、 一ためにも、 2006 年には全校の一学校司書研修会では実際の図書を一る事業として、教育委員会がコン一 一蔵書数を図書標準の 100 % 以上一持ち寄って吟味しているとのこと。一クールを行う意義を実感していま とし、 2009 年には全校に学校これが、荒川区の学校図書館のす」と結んでくれました。 一司書を配置、同年区独自の学校図一「強み」になっているようです。一 一書館支援室を設置するなど、学校一 一期待する効果 図書館の環境を整備しました。 変わりつつある 学びの姿勢 途中経過 ほしい資料が揃っている 「昨年の入賞作品が校内に飾られ 学校図書館に ているのを , つらやましいなと田 5 っ 一区内小中学校の学校図書館には、一た子どもは、今年はもっとがんば一 一毎日学校司書が常駐。その学校司一つてくれることでしよう。チャレ一 ( 写真右 ) 教育委員会の八尋 崇さん ( 下 ) 昨年のチャレン 書の活動を支援しているのが学校ンジ講座にもリピーターがいるし、 ジ講座の様子。おとうさんの 一図書館支援室です。学校図書館支一子どもたちの意識が昨年のコンク一姿もたくさん 一始めたキッカケ に 1 ・ 1 攣 1
中国北京市の東側こイ こ立置する北京楽成国際学 校は 3 歳から絽歳までを受け入れるインターナ ショナルスクールだ北京市内には現在肥のイ ンターナショナルスクールがあるが、その中で も生徒数が 7 5 0 名と多く、英語と中国語の両 方で授業を行っている。通うのは主に外国人の 子どもだが、グロ ーバルな学校の教育方針とビ ジョンに賛同し、条件を満たせばだれでも入学 できる。 この学校の図書室は、小学校の校舎と中学生 と高校生が利用する校舎に、それぞれ 1 室すっ ある。小学校の図書室は、空中に浮かんだ木の : 円盤のような部屋か印象的だこの中は人程 度が入るホールで、読み聞かせやワークショッ プを行 , っスペースになっていた。椅子に座る大 きなパンダのぬいぐるみや、ゆるやかな弧を描 く背の低い本棚なと、子どもの目線への配慮が , つかかえる。ばっかり浮かぶ円盤は、大陸のゆ Beijing CHINA 北京楽成 国際学校図書室 の ra Beijing City lnternational SchooI Libraries 本は世界への扉であることを知る中国は 2 インターナショナルな図書室で国際感覚を持っ次世代を育てる 【中国】 取材・文 / 松井紀美子 ( 絵本コラムニスト ) 静かな放課後の小学校の図書室。 日中は子どもがあふれて、 とてもにぎやかだという。
利用促進 事業 図書館主 はじめての地域コンクっレ 高松市中央図書館 50 の小学校と 26 の中学校がある高松市。人口 42 万人、瀬戸内海に面する港町で、 四国の中核都市として発展してきました。この高松市で、今年はじめて、「地域コンクール」が 開催されます。主催する高松市中央図書館の館長さんをはじめ関係者の方たちに 「はじめての地域コンクール」へ向けての取り組みについてうかがいました。 初参加の チャレンジ 一えます。それに、レポートをまと一 一始めたキッカケ 町 めるという目標に向かって取り組 一「少ない予算で 播 一めば、図書の資料・情報の活用能一 できること」はないか々 長査 礎主一カがぐんと向上するでしよう」 「いっか、この『調べる学習コン もうひとつ、期待することが 長儼一 館補「子どもたちが図書館員にいろん クール』をやりたいと思って、タ 場長一 馬館 一イ、 , 、ングをみはからっていたと , ) 一 一な質問をしてくるでしょ , つから、一 一私たちのレファレンス能力を磨く一 一ろ、図書館の開館周年記念行事一 書 ことかできるのではないでしよう のプランを考えなければならない 写 一かまた、これを機にほかの図書一 一ことになり、今だと決定しまし一 た」と馬場朋美館長。周年行事と一 一館員や学校の先生が図書館に来て一 いえども、特別に予算はっきそ , っ長さん以下スタッフの面々は行動くれたり、図書館員が学校に行っ にもありません。ならば低予算で一カを発揮し、研修会や相談会を実一たり、と交流ができるようになる一 一いろいろな効果が期待できそうな一施していきます ( 新。ヘージ参照 ) 。一ことも願っています」 『調べる学習コンクール』をやっ 人の交流が活発化する契機にな ることも期待することのひとつ。 てみようとい , っことになりました。期待する効果 子どもも大人も変わるー 一「今年、審査員をお願いする先生一 一途中経過 たちは審査することで指導のノウ いいと思ったことは、 ハウを学び、来年、教える側にな 「ます、子どもたちが図書館をど 即、実行ー 一んどん利用してくれるよ , つになる一つたとき、そのノウハウを活かせ一 一ところが開催の準備が始まった 一ことを期待しています。図書館に一ます。このローテーションで着実一 ころ、ちょっと不安がよぎります。は本だけでなく、情報も刺激もあに力をつけ、 , ) のコンクールか市 一「過去の入賞作品を見て、ちょっ一るんです。人が本を読んでいる姿一内に浸透していくと思います。初一 一とひるみました。本当に子どもた一を見れば、自分も読もうという気一回は未知数ですが、数年後には全一 ちが自分でやったの ? と思うく になるし、調べ物をしている姿を一国での入賞をねらいますよ ! ( 笑 ) 」 コンクールひとつで、子どもか らいに優れていて、やれるだろう見れば、好奇心も芽生えるでしょ 一か、とかなり不安になりましたが、一う。何度か足を運べば、必然的に一変わり、図書館が変わり、そして、一 一腹をくくりました」と馬場館長。一そんな空気に親しめます。そんな一町が変わっていくーーそれぞれの一 その後、クやったほうがいしと ふうに図書館を活用していれば、 思いを胸に、今、スタートライン 一思ったことは、即、実行と、館一生涯にわたってのユーザーになり一に立った高松市です。
と中 ても積極的だと案内役を持つイメージだったのだが、実際に訪問し ったりとした時間の流れを飛 築 あ の学校職員ジュン・ワてみるとその自由な雰囲気は私たちの知る日 ぶ宇宙船のよ , つでファンタジ 行誌 旅雑 ンさんは五ロっこ。 本の学校とほとんど変わらない。書籍の検閲 ーの世界を演出していた。そ 外の室 こそあるものの、むしろ違いがなさ過ぎて驚 この 2 つの学校図書 して、それとは逆に中学生、 ヤの かジ生 してし土つほどだ。 高校生用の図書室は、朱色に 主な校室には、中国語、英語、 シま高 一住ロ 2008 年のオリンピック以降、中国は教 日本語などさまざまな 大きな花が描かれた家具や竹 戸ま生 フさ学 言語の本が、世界田カ育を含めたすべてがすいぶん外向きに変わっ を用いた小物などが置かれ、 中国の伝統文化を強調するインテリアだ。モダ国から集まった生徒の母語教育のために置かれたという。この図書室がどこか誇らしげに見 ンな中国風の読書机を壁に描かれた敦煌の天女ている。雑誌コーナーには日本のマンガから外えるのは、さまざまな分野でパイオニアを目 バルな視野で人材を育ててい のモチーフが見下ろし、図書館は厳粛で知識を国のエンターテイメント雑誌まである。著名な指す国がグロー ると咸 ~ じるか、らだ。 得たい人の場所であるという空気を伝えてくる外国人作家が海外から招かれ読書交流するグロ 日本はどうだろう。図書館は世界を向いて ーバルなイベントも年に数回行われているそう のだった。どちらの図書室にも感じるセンスの いるだろうか ? 次世代の未来はいろんな国 インターナショナルスクールだからかで、子どもたちが楽しみながら自由に図書室を のいろんな考えが詰まった本からつながって もしれない。しかし、読書の重要性を考え設備利用し、世界を知ろうとする姿が目に浮かぶ。 子どもかいつでも自由に世界と向き合 社会主義国である中国は、インターナショナル の充実を図ることは、公立学校でも珍しいこと , っことのできる場所の充実は図書館の役目だ。 ではなく、中国の子どもは本から学ぶことにとスクールのような学校教育に対してきびしい目 推薦図書は言語もいろいろ。生徒からの熱の入った 感想もたくさん掲示されている。 4 第にハ - 学校が主催した読書コンクールには『八リー・ポッタ ー』の著者」 . K. ローリングからメッセージが寄せられ 0 中学校図書室にはパソコンも置かれ勉強ができる環 境も整っている。 0 町「町調 北京楽成国際学校 Beijing City lnternational School No. 77 Baiziwan Nan E 「 Road, Chaoyang District, Beijing 100022, P. R ℃ hina 北京市朝旧区百子湾南ニ路 77 号 100022 Tel: + 86 010 8771 71 71 http://www.bcis.cn/ 2005 年 8 月に開校したインターナショナルスクール。 5.1 万の敷地に 3 歳から 1 8 歳までの子どもが旧 ( イ ンターナショナル・バカロレア ) 課程で学ぶ。写真は 中学校の校舎。
福岡県・宇美 図書館を利用する児童生徒が増え、さ まざまな利用の仕方をする姿がみられ るようになった。調べる学習に対する 意欲の向上が感じられる。町立図書館、 学校図書館の利用率が上がり、その高 い状態がキープされている。 まず第一に、子どもの変化 をあげる声が多いです ! 長野県・茅野の 3 回目開催くらいから、理科の研究作 品との違いを理解してもらえるように なった。調べる学習の楽しさを実感し た子どもは毎年コンクールに応募する し、調べ方もまとめ方も上達してきて いる。 40 の地域コンクールの主催団体の方にうかがいました 調べる学習コンクールをやって よかったこと・効果 「図書館を使った調べる学習コンクール」の実施でよかったこと、 変わったことなどを、実際に地域コンクールを 運営している団体さんにうかがいました。 大阪府・大阪狭山 3 子どもたちに調べる学習に対する興味 関心を持たせることができてきた。 石川県・白山の 学校全体で取り組むことで、調べる学 習に対する意識や作品の質が高まっ た。とくに夏、図書館では調べる学習 に関するレファレンス件数が増えた。 受賞作品の展示を行ったところ、応募 作品数が増えた。 福岡県・宗像 2012 年度 21 都道府県 37 市区町村 ( 40 地域コンクール ) 調べる学習の作品制作を夏休みの課 長岡市 釧路市① 新潟県 北海道 題にする小中学校が増えてきた。 三条市の 恵庭市② 白山市の 北広島市 3 石川県 茅野市の 石狩市④ 長野県 高山市朝 八戸市⑤ 岐阜県 青森早 浜松市 三沢市 6 静岡県 名古屋市 富谷町⑦ 愛知県 宮城県 桑名市 宮代町 3 三重県 埼玉県 井手町 3 袖ヶ浦市⑨ 京都府 千葉県 新宿区⑩ * 1 羽曳野市朝 大阪府 東京都 大阪狭山市 新宿区 O 全域 * 2 新宿区 兵庫県 播磨町 新宿区朝 高松市 文京区の 香川県 宗像市 墨田区 福岡県 宇美町 大田区⑩ 長崎市 杉並区⑦ 長崎県 熊本市⑩ 豊島区⑩ 熊本県 * 1 新宿区は区立の 4 図書館で個 荒川区⑩ 別に開催 板橋区 * 2 コンクール名称「兵庫県小・中 学校・高校地域研究コンクール」 江戸川区の 神奈川県座間市 公共図書館と、学校・ 学校図書館の連携が 進む効果も期待できそ うです。 兵庫県・播磨 生涯学習として、子どもたちの生きる 力を育むことにつながっている。 3 0 0
即、実行したことー 開催に向けてのアクション ① 7 月に研修会を実施 学校図書館の関係者を集めて、研修会 を実施。コンクールの説明と協力を要請。 ②夏休み期間中に入賞作品の展示 図書館で過去の入賞作品 ( 財団事務局 から借りたレプリカ ) を展示。 ③夏休み期間中に体験講座 「チャレンジ調べ学習」を実施 テーマの選び方からすすめ方やまとめ 方をわかりやすく説明し、子どもにやる 気をもたらすのがねらい。小学生向けの 講座は高松市中央図書館、中学生向けの 講座は香川県立図書館で開催。これは、 今年 4 月の人事異動で、高松市中央図書 館と香川県立図書館との間で初めて双方 の司書 1 名の人事交流を行ったことがき つかけ。共通の行事を開催しようという , ) とで、今回、小学生向け講座と中学生 向け講座を分担して開催することに。 ④夏休みの前半に「相談会」を開催 司書たちが対応する「調べる学習コン クール相談会」を開催。また、図書館ボ ランティアの方たちにもコンクールの概 要を理解してもらい、恒例の夏休みの宿 題相談でも相談に応じました。 テーマと出会うきっかけが あちこちにある町高松 「コンクールをきっかけにして、なにか に疑問をもつ目を養ってもらいたい。そ れをお手伝いできるのが図書館です」と 馬場館長さん。なるほど、郷土に目を向 ければテーマになりそうな題材がたくさ んありそうです。 高松市は今年のの大河ドラマ 『平清盛』の舞台の一つです。菊池寛の 出身地もやはり高松。今や瀬戸内海の 島々はアートスポットとなり、来年には 瀬戸内国際芸術祭 2013 が開かれます。 公 林 栗 戸 井 亀が 真遠 写 「発掘調査で出てきた亀井戸。中学生の 息子が昨年、自由研究で調べたのですが、 私ならもっと突っ込んでやりたいですね ( 笑 ) 」とは歴史好きの主査の藤沢幸応さ ん。ほかにも空海、「さぬき三白 ( 砂糖、 綿、塩 ) 」、讃岐うどんと、興味は尽きま せんが、 , ) のあたりで。 出張講座 in 高松 みんなで協力して、子どもを育てて 7 月に高松で行われた「学校図書館指導員研修会」で「調べる学習コンクール」の 概要について説明がありました。講師は兵庫県・播磨町立図書館館長の 前川千陽さん。ほかの自治体から心強いアドバイザーの応援です。 テーマの決め方やまとめ方など、ポイントをご紹介します。 外でも、いつでもスタッフが相談にのっています。 ①テーマに迷った子に相談されたら ? テーマを決められなかったり、次々にテーマを変えてし④子どもをやる気にさせるひと言を まう子には「これはどう」と代替案をやんわりと提示。試「全国コンクール入賞を目指して、がんばろう ! 」 ーーー播磨町は今年 3 回目のコンクール。 行錯誤も勉強になりますから、辛抱強くっき合って。 「早、夏の年中行事みたいな感があります。私たち職員 ②展示の工夫も必要ですか ? も達成感があります。学校との連携が大切なので、学 「調べる学習」に使えそうな本を集めてコーナーを作っ 校からの頼まれごとは喜んで引き受け、垣根をとってい ておきます。百科事典などの使い方も教えます。 くと、子どもたちにもいい影響があって、それが町にはね ③レポートの書き方を教えて、と言われたら ? かえってきます。いい循環ができてきますよ」 「レポート作成応援相談会」を実施しています。それ以
北海道・恵庭② 学校との連携及び児童生徒への周 知が重要です。 石川県・白山の 学校との協力が不可欠です。審査員 の確保や、作品の質の向上のため、 具体的な取り組み方法などを指導 者・児童生徒に研修する必要があ ると思います。 東京都・豊島① 地元の子どもたちに。楽しく図書館 で調べてもらうためにコンクールを 行う " ということを、常に第一目標に おき、その思いを関係者が共有する ことがとにかく大切だと考えます。 東京都・新宿⑩ ~ ・ 小学校に積極的にアプローチする こと。断られてもあきらめない。まず はともかくスタートすることが大切 だと思います。 東京都・墨田 6 児童生徒の意欲を維持・向上させ るために、公立図書館と連携して、 必要な図書をすぐに用意できる体 制を築くことが大切です。 開催を検討する方への アドバイス 40 の地域コンクールの主催団体の方にうかがいました IO 年以上も続ぐ老舗クラス " の地域コンクールもあります。 でも、みんな最初は手探り状態での出発でした。 これからはじめてみようかという方に向け、どんな姿勢で、 なにから始めたらいいか、心強いアドバイスをいただきました。 千葉県・袖ヶ浦⑨ 今の求められている教育にあった 「探索型」の学力を育むための事業 であり、児童・生徒が調べる楽しさ を知ってもらえる事業だと思います。 埼玉県・宮代⑧ 行政・学校に負担がかかる形での スタートは極めてむずかしいと思わ れるので、まずは図書館が全て請け 負って汗をかくことが大事です。 印象的だったのが、まずはやっ てみるという姿勢。とにかく始 めてみましよう ! 財団事務局 もサポートします。 青森県・三沢⑥ ほかの教育施設と強い連携を築け るひとつのツールでもあると感じま す。また、調べることについて子ども たちが新しい発見をするお手伝い ができるので、図書館としてもやり がいがあると思います。 福岡県・字美 教育委員会と学校が一体となって、 本気で取り組むことだと考えます。 そのためには、町立図書館、各小中 学校との協力体制の確立、学習会な ど必要な支援の実施、表彰の場など 参加者の意欲を高める場の設定が 必要です。 審査会回数 3 回以上 審査員 ( 複数回答可 ) 図書館長 図書館職員 学校の教員 学校司書 教育委員会 関係団体 ほか ( 団体数 ) 0 5 1 0 1 5 20 25 コンクール開催の目的 ( 複数回答可 ) 公共図書館の利用促進 子どもの読書推進 公共図書館と学校図書館との連携 学校図書館の活性化 生涯学習 町おこし 世代間の交流 ほか ( 団体数 ) 0 5 1 0 1 5 20 25 30 1 回 2 回 13
千葉県・袖ヶ浦⑨ 利用促進 事業 青森県・三沢 6 学校の先生と話す機会が増え学校と のつながりが増えた。先生が興味を示 すようになり、調べることに興味を持 つ児童が増えた。 携が深まった。 備が進み、また学校と公立図書館の連 指導力が高まった。学校図書館の整 教員の図書館活用力、調べる学習の 東京都・墨田 6 図書館を使った調べる学習をする児 地域コンクール開催 ! 6 6 童・生徒が増えてきた ! ⑨ 先生や学校、そして図書館 も望ましい方向に変わった という声が。 [ 特集 ] 東京都・荒川⑩ 子どもたちの調べる学習に対する意 欲や探求的な学習の推進につながっ た。学校における調べる学習への意 識が変わり、学校図書館の選書につ いても、調べる学習に適したものがそ ろうようになった。 京都府・井手① 日常の授業での図書館利用 ( 図書 の選定 ) や調べる学習がスムーズ に進められるようになった。 卩 2 子どもを変える、 図書館を変える、町を変える 張り切った声が聞こえてきます。取り組みのヒントがいつばいの舞台ウラをご紹介。 どこからも「大変なこともあるけど、裏方のスタッフも達成感あり」という その様子や試みなどをまとめました。また、初参加と 2 回目の参加という自治体も取材。 今号では、今年参加する全国 40 の地域コンクール主催者の方の声を集め、 いよいよ忙しくなります。応募作品が集まり、審査が始まるのです。 夏が終わり、ようやく涼しくなるころ、地域コンクールの主催者たちは
利用促進 事業 東京都・新宿⑩ ~ 図書館で自由研究なんでも相談会、 学校への出張授業を実施した。学 校図書館の実情などをヒアリングし、 学校の負担を軽減するなど、図書館 担当教諭との連動を心がけている。 宮城県・富谷⑦ 校長会に出席して説明し、協力を依 頼した。授業参観時に受賞作品を 展示した。 福岡県・宗像 今年度から郷土をテーマにした優 れた作品に贈る特別賞を設定した。 愛知県・名古屋 主催 NPO に属する書店を通じて、 出版社に賞品を提供いただいてい る。 岐阜県・高山の 地元の FM 放送局にはたらきかけ、 DJ と担当者のインタビュー形式で コンクールの趣旨、取り組み方法、 応募方法等を説明した。 長崎県・長崎⑩ 小・中・高校へ開催案内を送付し、 図書館ホームページにコンクール の概要を掲載している。 コンクール開催で 実践していること 40 の地域コンクールの主催団体の方にうかがいました コンクールを盛り上げ、スムーズに運営するために、 さまざまな試みがなされています。 各地域でどのようなことを実践されているのか、うかがいました。 たくさんのアイディア、必見です ! 東京都・豊島・ 受賞作品の展示会を開催し、作品 づくりのポイントを説明。スタッフが 学校を訪問し、応募作品の回収、返 却を行っている。表彰式をクリスマ スの時期にあてることで、親子での 出席を促し、表彰式が賑わう効果を あげている。 長野県・茅野の 「図書館を使った調べ学習ナビ」を 作成し配布。各学校で、このナビを 活用して夏休み前に調べる学習の 進め方について説明会を開いてい る。学校図書館司書教諭、学校司書、 市図書館職員等の参加で、「調べ学 習合同研修会」を毎年 1 、 2 回実施 している。 神奈川県・座間② 入賞者のうち図書館長賞の副賞と して「座間図書館ボランティア友の 会」より図書を各 1 冊贈呈した。 兵庫県・播磨の 学校へのブックトークと、子どもの ために調べる学習教室を実施して いる。調べる学習教室を補うためサ ポート教室も開催。子どもが図書館 に来た際に相談にのったりしている。 域内の小中学校との連携の模 索と、子どもを対象とした講習 会の開催が、応募作品の質と 量を確保するのに重要なこと がわかります。 BOOK 『探究学習と図書館 ー調べる学習コンクールが もたらす効果ー』 根本彰編著学文社 2012 「図書館を使った調べる学習コンクー ル」は、どのような目的で開始され、どの ように運営されてきたのか、そしてどのよ うな効果をあげているのか。地域コンク ールの事例として袖ヶ浦市を採りあげ、 また受賞作品の読解き、受賞者への聞 取りを通して、「図書館を使った探究型 学習の効果」を分析する。 開催データ集 6 月末に開催が決定していた 団体にアンケートを依頼し、訂団体 の皆さんより回答をいただきました。 ありがとうございます。 そのなかから、一部のデータをま とめました。運営にあたるスタッフ の人数や予算額、審査会など、地域 コンクールを実際に開催するにあた り、参考になりそうな項目をピック アップして集計しました。 予算 運営実務担当の人数 1 0 人 ~ 5 万円未満 20 万円以上 1 ~ 2 人 5 ~ 10 万円 5 ~ 6 人 1 0 ~ 20 万円 3 ~ 4 人
「東北関東大震災の復興支援のささやかな試みとして、 書店を作ります」と作家・島田雅彦氏が自身のウエプサ イトにアップしたのは、震災後まもない 3 月日のこと でした。「私たちは今年いつばい活動を継続し、被災地復 興の状況を注意深く見守り、震災で蔵書を失った公共 図書館や学校図書館の求めに応じ、復興書店に集まっ た本を寄贈したいとも考えています」と書き綴ります。 「復興書店」 , 、ーー作家たちが自著にサインやメッセ ジを書きこんだプレ、 ( アム本をウエプ上にアップ し、売上からコストを差し引いた額を日本赤十字社 あるいは信頼のおける復興支援団体に寄付する、と , っシステムの本屋です。サイトにはこうあります 「この大災害に対して文学は無力ではあるものの、 心の傷を癒すのにい くらかの効果はあると信じます 被災地の復興には長い時間がかかります。傷ついた 心の復興はさらに長い道のりになります。 ( 中略 ) ある日、小さな子どももおやつを我して、お小遣 いを募金する姿を見て、こう思いました。私もその 子どものようにすれはいいのだ、と そこで考えられたのが「本を買えば、募金したこ とになる」という復興書店だったのです。 そして、その年の月引日のメッセージ。 「『復興書店』は著作家によるささやかな活動でし たか、当初の目標は何とか達成することはできまし 募金額は合計で 400 万円あまりと決して多く はありませんでしたが、著作家のサイン本をチャリ つ」 0 lntervnew ティ販売し、朗読イベントを開催し、また被災地の 図書館 ( 南相馬市立中央図書館と南一一一陸町図書館 ) にコレクションを送ることができました ( 中略 ) 。 しかし、心の復興にかかる時間は長く、文学や書籍、 著作家に何らかの要請があることを考慮して、今回 の終了宣言は第 1 期の活動の終わりを告げるものと 解釈いただきたいと思います」とあります。 しオ」 「やってみたら、この書店では飛ぶように本が売れ たんです ( 笑 ) 」と予想外の手ごたえを喜びます。 「南相馬市立中央図書館には震災直後の 4 月に訪ね て、自分の目で被害のないことを確認しました。再 を援空読 開が危ぶまれていたけど、館の収容能力に余裕があ るので、販売途中の本を 300 冊、贈りました。図 」応一彦 書館はアーカイプとして使うためには司書が必要だ し、開かれた場所として、カルチュアルセンターと 广を田 しての役割もありますが、市民を受け入れる寛容な 圭日也島 場所ですから、多くの人に有効活用してもらい、ハ の しでも元気になってもらいたし と思いました」 / く 蔵書が流された南三陸町図書館には同様に 150 ひ 冊、寄付しました。 図書館とは長い付き合いです 大学在学中から小説を執筆していた島田さん。 「ニートやフリーターという用語がなく、定職のな い人の社会的な扱い ( よ一様に失業者になるという時 代でした」 作家