電子計算機 - みる会図書館


検索対象: 法律のひろば 2016年9月号
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1. 法律のひろば 2016年9月号

特集刑事訴訟関連法の改正 新たな刑事司法制度に対する警察としての対応について 図表特定電子計算機を用いる傍受実施手続のイメージ 特定電子計算機 / 暗号化して送信 .. 暗号化復号 再生装置 0 . 暗号化 = ロ 0 ⑦④◎ 再生・聴取が許されの関与なしに一時的保存された通信の内 る通信は、現行の傍受容を知ることはできない仕組みとなって いる と同様、犯罪関連通 信、スポット傍受通 信、外国語等通信及び 特定電子計算機を用いる傍受の実施 他犯罪通信の 4 種類に 方法 限られ、スポット傍受 捜査機関の施設において傍受を行いた による該当性判断を行 いという場合には、特定電子計算機を用 い、犯罪関連通信等に いた傍受を行うこととなる。現行法にお 該当すると判断したも いては、立会人が、捜査機関による通信 のにつき再生・聴取を傍受の実施状況を外形的にチェックする 継続するという方法こと、原記録の改変防止のための封印を は、変わるところはな 行、つことといった役割を果たしている が、特定電子計算機を用いる傍受におい 一時的保存の際の通ては、同機器が、傍受した通信やその経 信の暗号化及びその復過をすべて自動的に記録すると同時に、 号に必要な鍵は、裁判同記録を暗号化することで改ざん防止措 所職員が作成し、通信置を講じること等により、立会人の役割 事業者に提供され、以は完全に代替され、手続の適正は担保さ 降、同者が管理するこれることとなる。 ととなっていること、 特定電子計算機を用いる傍受実施手続 一時的保存をしているは、おおむね図表中の番号順に進んでい 、ま くこととなる ろ 〇間の当該場所、の捜査 令 機関の立入りは禁じら現行と同様、傍受令状は、地方裁判所の れていることから、捜裁判官による司法審査を経て発付される法 査機関が、通信事業者 ( 図表中① ) こととなるが、特定電子計邱 令状請求 令状発付 指揮本部

2. 法律のひろば 2016年9月号

算機を用いる傍受を行おうとする場合、 ことが可能であり、その場合には、通信信を確認することとなる ( 図表中⑥ ) 。第 令状請求の際、当該方式による傍受の許事業者から暗号送信された通信を同機器また、特定電子計算機は、一時的保存 可の請求をする必要がある。また、裁判 に一時的に保存し、それを事後に復号した通信について、復号した時点で自動 官は、当該請求を許可するときは、傍受し、再生・聴取を行うこととなる。その的に消去する機能も有しており、例え引 令状にその旨の記載をすることとなる。際、事後的再生型傍受を行う期間を事前ば、捜査機関が、正規の通信傍受の終了の 傍受令状発付の際、裁判所職員は、通に定めておく必要はなく、傍受の実施を後、許される範囲を超えた内容を秘密裏 信の暗号化に必要な鍵 ( ⑦ ) 、暗号化し開始した後、通話内容や多寡、日々進展に再生・聴取するといったことは不可能 となっている た通信の復号及び再度の暗号化に必要なする捜査状況等を勘案し、捜査機関の判 鍵 ( ④ ) 、再度の復号に必要な鍵 ( ◎ ) 断によりリアルタイム型と事後的再生型 の 3 つを作成し、⑦を通信事業者に、④を随時切り替えることが可能である。 四おわりに を捜査機関に提供し、◎は裁判所におい 特定電子計算機を用いる傍受において て保管する ( 図表中⑦ 5 ◎ ) 。なお、④も、傍受あるいは再生・聴取に際し、ス 今回の刑事訴訟法等の改正は、捜査の の鍵には、指定された特定電子計算機以ポット傍受により該当性判断を行うこと具体的な在り方にも踏み込んだ戦後最大 外の機器では用いることができない措置となる。 規模のものといっても過言ではない。そ が講じられる。 特定電子計算機は、傍受した通信や傍の一方、法制審議会特別部会や国会の委 傍受の実施に当たり、捜査員が通信事受の経過を、すべて自動的に暗号化して員会での審議等、本法律の制定過程で 記録媒体に記録する機能を有しており、 業者に傍受令状を提示し ( 図表中② ) 、 は、従来の刑事司法制度の在り方、引い 通信事業者は傍受の対象となる通信を⑦その暗号化は④の鍵を用いて行うこととては警察捜査の在り方に対しても厳しい の鍵を用いて暗号化した上で、送信装置なる ( 図表中⑤ ) 。当該記録媒体に記録意見が少なからず投げかけられてきた。 から、捜査機関施設に設置された特定電されたものを、④の鍵を用いて復号する警察としては、今回導入される各種制度 子計算機に送信する ( 図表中③、④ ) 。 ことはできず、捜査機関による内容の改の導入に向け万全の準備を行うととも 捜査員は、捜査機関施設において、特変は不可能である。 に、新しい制度の下でも適正かっ有効な 定電子計算機に暗号送信されてきた通信当該記録媒体は原記録として裁判官に捜査を行って治安の向上を図り、警察捜 を、④の鍵を用いて復号して傍受する。提出され、裁判所において保管される。査に対する国民の信頼の獲得に向け不断 特定電子計算機を用いる傍受において裁判所においては、必要に応じて◎の鍵の努力を行っていくことが何よりも重要 も、通信内容の事後的再生・聴取を行、つを用いて復号して捜査機関が傍受した通であるといえよう。

3. 法律のひろば 2016年9月号

特集刑事訴訟関連法の改正 「刑事訴訟法等の一部を改正する法律」の概要について 定電子計算機の機能 ( 同条 2 項 3 号 ) に 許すことができる。」と規定されていた過疎地域の解消に向けた取組や弁護士会 より担保される。さらに、③は、同機能ところ、この裁量保釈の判断に当たってにおける態勢整備等の状況を踏まえ、同 のほか、傍受の経過を明らかにする事項考慮すべき事情として、実務上確立して制度の趣旨をより全うするため、対象事 を自動的に暗号化しつつ記録する機能 いる解釈を明記することにより、法文の件による限定をせず、勾留状が発せられ ( 同項 4 号 ) により担保される。 内容をできる限り明確化し、国民に分かている全ての被疑者を対象とすることと このように、特定電子計算機を用いるりやすいものとするとの観点から、「裁された ( 条の 2 、 条の 4 ) 。 これに半い、 方式においては、傍受の実施の適正を確判所は、保釈された場合に被告人が逃亡 被疑者国選弁護人の選任 保する上で特定電子計算機が重要な役割し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほ請求に関する事項の教示に関する規定に を果たすことから、その備えるべき機能か、身体の拘東の継続により被告人が受 ついて所要の整備がなされている ( 20 ワ〕 0 / ワ 3 が法律で詳細に規定されている ( 同項 ) 。 ける健康上、経済上、社会生活上又は防 3 条 4 項、 204 条 3 項、 条項 この方式で必要となる暗号化及び復号御の準備上の不利益の程度その他の事情等 ) 。 に用いる鍵についても、裁判官の命を受を考慮し、適当と認めるときは、職権で けて、裁判所職員が作成し、その後、通保釈を許すことができる。」との規定に 弁護人の選任に係る事項の教示の拡 充 信管理者等や捜査官にそれぞれ必要なも改められた ( 傍線部分が追加された。 ) 。 のを提供し、あるいは自ら保管すること改正の趣旨は、前記のとおりであり、 現行刑事訴訟法上、身柄拘束を受けた となる ( 9 条 2 号 ) 。 従来の保釈の運用に関する特定の事実認被疑者・被告人は、裁判所や刑事施設の 特定電子計算機を用いる方式において識を前提として、その運用を変更しよ、つ長等に弁護士、弁護士法人又は弁護士会 も、傍受又は再生をすることができる通とする趣旨ではない。 を指定して弁護人の選任を申し出ること 信の範囲は、現行通信傍受法の規定に基 ができ、その申出を受けた裁判所や刑事 づいて傍受することができる通信の範囲 施設の長等は、直ちに被疑者・被告人の 5 弁護人による援助の充実化 と同一である ( 条 1 項 1 号・ 4 項 ) 。 指定した弁護士等にその旨を通知しなけ 被疑者国選弁護制度の対象事件の拡ればならないこととされているところ 大 ( 同法爲条等 ) 、身柄拘東を受けた被疑 4 裁量保釈の判断に当たっての考 現行刑事訴訟法上、被疑者国選弁護制者・被告人の弁護人選任権に関する手続引 慮事情の明確化 度の対象事件は、死刑又は無期若しくは保障をより十分なものにするという観点の 刑事訴訟法囲条においては、「裁判所長期 3 年を超える懲役・禁錮に当たる事から、裁判所や捜査機関等は、弁護人選法 は、適当と認めるときは、職権で保釈を件に限定されているところ、近時の司法任権の告知の際に ) 前記方法で弁護人の

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らないという極めて非効率的な事態が生避し得ることとなる し、その後、特定電子計算機を用いて じている。これらのことが、客観的証拠暗号化及び復号に用いる鍵は、裁判官復号して再生し、 の収集方法としての通信傍受の効果的・ の命を受けて、裁判所職員が作成し、通その内容の聴取等をするというものであ 効率的な活用を妨げる結果となり、取調信管理者等に提供することとなる ( 9 条り ( 条等 ) 、この場合、通信管理者等引 べ及び供述調書への過度の依存を生じる 1 号 ) 。そのため、一時的保存がなされによる立会い及び記録媒体の封印は不要の 要因の一つとなってきたと考えられる た通信について、捜査官が通信管理者等となる ( 同条 1 項後段・ 4 項後段、 % 条 そこで、暗号技術や情報処理技術を活用のいないところで再生をすることはでき 1 項・ 4 項 ) 。 することにより、傍受の実施の適正を十ない。 立会人が不要となること ( ①及び② ) 分に担保しつつ、通信事業者等の負担を再生することができる通信の範囲は、 により、その確保等に伴う通信事業者の 軽減するとともに傍受の実施の機動性を現行通信傍受法の規定に基づいて傍受す負担や捜査上の支障を回避し得るほか、 確保し、より効果的・効率的な通信傍受ることができる通信の範囲と同一である通信内容の事後的な聴取等が可能となる を可能とするため、証拠の収集方法の適 ( 幻条 3 項 56 項 ) 。また、再生の実施をこと ( ② ) により、長時間にわたる待機 正化・多様化の観点から、「一時的保存している間は、通信管理者等の立会いがも回避し得ることとなる。 を命じて行う通信傍受の実施の手続」と必要である ( 同条 1 項後段、条 ) 。 現行通信傍受法の下で、立会人は、① 「特定電子計算機を用いる通信傍受の実再生した通信を記録した記録媒体につ傍受機器を接続する通信手段が傍受令状 施の手続」を導入することとされた。 いては、立会人による封印が必要であるにより許可されたものに間違いないか、 イ一時的保存を命じて行う通信傍受の ( 条 2 項 ) 。 ②傍受令状により傍受が許可された期間 実施の手続 ウ特定電子計算機を用いる通信傍受のが守られているか、③該当性判断のため これは、裁判官の許可を受けて、通信実施の手続 の傍受が適正な方法で行われているか、 管理者等 ( 5 条 4 項 ) に命じて、傍受の これは、裁判官の許可を受けて、通信④傍受した通信が全て記録されているか 実施中に行われた通信を暗号化させた上管理者等に命じて、傍受の実施中に行わをチェックする役割のほか、⑤その記録 で一旦保存させておき、その後、通信管れた通信を暗号化させた上で捜査機関のをした記録媒体の封印をする役割を果た 理者等に命じてこれを復号させ、その立施設等に設置された特定電子計算機に伝している。これらのうち、①及び②は、 会いの下で再生し、その内容の聴取等を送させ、 通信管理者等が通信の伝送を担うこと するというものである ( 条、幻条等 ) 。①これを受信すると同時に復号し、又 ( 条 1 項 ) により担保される。また、 通信内容の事後的な聴取等が可能とな ④及び⑤は、傍受又は再生をした通信を ることにより、長時間にわたる待機を回②これを受信すると同時に一旦保存自動的に暗号化しつつ記録するという特 +6

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特集刑事訴訟関連法の改正 新たな刑事司法制度に対する警察としての対応について ( 注 ) ( 1 ) 警察における取調べの録音・録画の試行は、平成 年 9 月に警視庁を始めとする 5 都府県で開始され、 その後、同幻年 4 月からは試行の範囲が全国警察に拡 大されている。 ( 2 ) 追加される犯罪について、詳細は以下のとおり。 殺傷犯関係【現住建造物等放火 ( 刑法 108 条 ) 、殺 人 ( 同法 199 条 ) 、傷害・同致死 ( 同法 204 条、 205 条 ) 、爆発物の使用 ( 未遂罪を含む ) ( 爆発物取 締罰則 1 条、 2 条 ) 、 逮捕・監禁、略取・誘拐関係】逮捕監禁・同致死傷 ( 刑 法 220 条、 221 条 ) 、略取誘拐・人身売買 ( 同法 2 2 4 条から 2 2 8 条まで ) 、 窃盗・強盗関係、詐欺・恐喝関係【窃盗 ( 同法 235 条 ) 、強盗・同致死傷 ( 同法 236 条 1 項、 240 条 ) 、 詐欺・電子計算機使用詐欺 ( 同法 246 条 1 項、 4 条の 2 ) 、恐喝 ( 同法 249 条 1 項 ) ( いずれも未遂 罪を含む ) 、 児童ポルノ関係】児童ポルノ等の不特定多数の者に対 する提供等、同目的による児童ポルノの製造等 ( 児童 買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに 児童の保護等に関する法律 7 条 6 項、 7 項 ) ( 3 ) 組織的殺人における組織要件については、組織的 な犯罪の処罰及び犯罪の収益の規制等に関する法律 3 条において「団体の活動 ( 団体の意思決定に基づく行 為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体 に帰属するものをいう。以下同じ。 ) として、当該罪 に当たる行為を実行するための組織により行われたと き」と定めている ( かわはら・ゅうすけ ) 次。を告 ・特集■自殺予防対策 ー自殺者減少社会の実現へ * 自殺の実態と対策の現状 ・ : 本橋豊 * 自殺対策基本法施行川年の成果と 課題 : ・新垣和紀 * 地方公共団体の取組①ー京都府 ・ : 大辻忍 * 地方公共団体の取組②ー足立区 ・ : 馬場優子 * 教育現場の取組 ・ : 反町吉秀ほか * 精神科医の立場から見た自殺対策 ・ : 波床将材 * 自死遺族へのサポート体制 ( 0 0 つ」 ・ : 生越照幸 ろ ひ の ほか連載など律

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2 ) 。これにより、特殊詐欺や組織窃盗、考えられている。 〇捜査機関施設において、立会人によ 暴力団事犯等の組織犯罪の捜査において る立会いや封印を要することなく傍受 も通信傍受を活用できることとなる。 の実施を可能とする仕組み ( 特定電子 暗号技術を活用する新たな傍受 ろ 一方、拡大対象犯罪については、現行 計算機を用いる傍受 ) ひ の実施方法の導入 の通信傍受の実施要件に加え、組織的な という新たな傍受の実施方法が導入されの 法 犯罪に適切に対処するとの通信傍受法の現在、通信傍受の実施に当たっては通ることとなった。 趣旨を全うする観点から、「当該罪に当信事業者等による立会いや傍受の原記録 たる行為が、あらかじめ定められた役割の封印等の手続が法定されており、傍受 通信内容の事後的再生・聴取 の分担に従って行動する人の結合体によの実施の場所の提供や立会人の確保とい 本方式には、通信事業者施設における り行われるもの」との一定の組織要件がったことが事業者の負担となっているの場合、捜査機関施設における場合の 2 種 必要であると規定されている ( 改正通信みならず、事業者施設に多数の捜査員を類があるが、ここでは通信事業者施設に 傍受法 3 条 1 項各号 ) 。ただし、当該組長期にわたり出張させなければならない おける事後的再生・聴取について説明す 織要件は、従来から対象犯罪であった「組警察にとっても負担となっている。 る ( 捜査機関施設については②参照 ) 。 織的殺人」で求められる組織要件 ( 注 3 ) さらに、通信の内容をリアルタイムで事業者施設において事後的再生型傍受 よりは緩やかなものが想定されており、聴きながら、その場で傍受令状に記載さを実施したいという場合には、令状請求 具体的には、複数の者が、事前に定められた傍受すべき通信に該当するか否かをの際に併せて事後的再生型傍受の許可を れた何らかの役割分担を担った上で犯罪判断しなければならないため、捜査員は請求することとなる。また、裁判官は、 が遂行されたことが必要とされている もとより立会人も実際に通話が行われて当該請求を許可するときは、傍受令状に 例えば、特殊詐欺事件であれば、グルー いない間の待機を強いられている その旨の記載をすることとなる プ内において架け子役、出し子役、現金こうした現状を踏まえ、暗号技術を活通信事業者は、捜査機関から指定され 回収役等といった役割分担、組織的な自用することにより通信傍受の適正性を担た期間中、傍受の対象となる通信の内容 動車盗事件であれば、グル 1 プ内におい保しつつ、 を暗号化した上で一時的に保存し、当該 て下見役、実行役、車両処分役等といっ〇通信内容を暗号化して一たん記録し期間が終了した後、通信事業者が通信の た役割分担が事前になされ、それに従っ ておき、事後的に再生・聴取すること内容の復号を用い、捜査機関は通信事業 て犯罪が遂行されたことを疎明できれ を可能とする仕組み ( 通信内容の事後者等の立会いの下で再生・聴取すること となる。 ば、ここでいう組織要件は満たされると 的再生・聴取 )

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特集刑事訴訟関連法の改正 「刑事訴訟法等の一部を改正する法律」の概要について の罪に係る事件において用いるときは、組員がその意に従わない一般市民を標的の対象犯罪に追加することとされた ( 3 刑事免責制度による免責の対象とはならとして組織的に行ったと見られる殺傷犯条 1 項各号、別表 2 ) 。 ない ( 157 条の 2 第 1 項 1 号 ) 。 や、振り込め詐欺を始めとするいわゆる これらの新たに追加される対象犯罪に 工第 1 回公判期日前の証人尋問との関特殊詐欺など、一般市民の生活を脅かすついては、加重要件として、「当該罪に 係 組織的な犯罪が相次いでいる。 当たる行為が、あらかじめ定められた役 刑事免責制度に関する規定は、第 1 回 そこで、このような、現に一般市民に割の分担に従って行動する人の結合体に 公判期日前の証人尋問について準用されとって脅威となり社会問題化している組より行われるもの」であると疑うに足り る ( 228 条 1 項 ) 。したがって、第 1 織的な犯罪に適切に対処しつつ、取調べる状況があることが必要とされている 回公判期日前の証人尋問が行われる場合及び供述調書への過度の依存からの脱却 ( 3 条 1 項各号 ) 。 ( 226 条又は 227 条の要件を満たすを図るため、証拠の収集方法の適正化・ ことか前提となる。 ) には、」 通信傍受の手続の合理化・効率化 刑事免責制多様化の観点から、①殺傷犯関係 ( 現住 度を利用することが可能である。 建造物等放火、殺人、傷害、傷害致死、 ア趣旨 爆発物の使用 ( 爆発物取締罰則 1 条 ) ) 、 現行通信傍受法上、傍受の実施につい ②逮捕・監禁、略取・誘拐関係 ( 逮捕及て立会人が例外なく必要とされているこ 3 通信傍受の合理化・効率化 び監禁、逮捕等致死傷、未成年者略取及と ( 同法条 1 項 ) などから、通信事業 通信傍受の対象犯罪の拡大 び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の者は、傍受の実施の都度、立会人となる 通信傍受は、組織的な犯罪等におい 代金目的略取等、所在国外移送目的略取べき職員の確保等に努めることを余儀な て、首謀者の関与状況等を含めた事案の及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国くされており、この点が通信事業者にと って大きな負担となっているとともに、 解明に資する客観的証拠を収集すること外移送、被略取者引渡し等 ) 、③窃盗・ を可能にするものであるが、現行通信傍強盗、詐欺・恐喝関係 ( 窃盗、強盗、強捜査機関にとっても、捜査の必要に応じ 受法上、その対象犯罪は、薬物犯罪、銃盗致死傷、詐欺、電子計算機使用詐欺、て臨機に通信傍受を行う上での支障とも 器犯罪、集団密航、組織的殺人の 4 類型恐喝 ) 、④児童ポルノ関係 ( 児童ポルノなっている。また、同法の規定に基づく に限定されている。このように客観的証等の不特定又は多数の者に対する提供等傍受は、通信が行われたときにリアルタ 、ま 拠の収集方法が限定されていることが、 ( 児童買春、児童ポルノに係る行為等のイムでその内容の聴取等をすることを前引 の これまで取調べ及び供述調書への過度の規制及び処罰並びに児童の保護等に関す提としているため、捜査官や立会人は、 律 依存を生じてきた要因の一つとなっている法律 7 条 6 項・ 7 項 ) ) の罪 ( いずれ傍受の実施の期間中、常に待機し、長時法 ると考えられる。同時に、近時、暴力団についても未遂犯を含む。 ) を通信傍受間にわたって通話を待ち続けなければな

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月刊法律のひろば バックナンバーのご案内 法律のひろば 日会社法制をめぐる新たな潮流 上場会社における一の利用とロングターミズム / 川島いづみ 株主第会に興する第点ー生第・プロ 0 スの電子化 . 基第日の在り方 / 下山必当 コーポレートガバナンス・コードの現状と今後の展望 / 江口真理思 資等要員会会社の現状と - 澄巻俊之 平成 28 年 8 月号 日 0 リ鴛リ NO Ⅲ 0 ー A A . 202V 朝 - 6 町設 0 上 増に第する法第」の第第、・・ 0 ゴ本都外出身者に対する不当な差第的画第の解第に向けた羅 きよう ) ◆特集◆会社法制をめぐる新たな潮流 ■我が国における会社法制の現状と課題 ・上場会社における種類株式の利用と ロングターミズム ■役員・管理職への女性の登用ー EU の指令案と 日本の施策 ・・・酒巻俊雄 ・・・川島いづみ ・・・正井章筰 ■株主総会に関する論点ー株主総会プロセスの電子化、 基準日の在り方・ ・コーポレートガバナンス・コードの現状と ■合同会社制度と法制上の問題点 ■監査等委員会設置会社の現状と課題 今後の展望 ・・・下山祐樹 ・・・江口真理恵 ・・・酒巻俊之 ・・・中村信男 平成 28 年 7 月号セクシュアル・マイノリテイへの現状と課題解決に向けて 平成 28 年 6 月号・出入国管理・外国人との共生 平成 28 年 5 月号・個人情報の利活用と保護 平成 28 年 4 月号・発達障害支援の取組 平成 28 年 3 月号・震災から 5 年 - 現場から問いかける課題と復興・防災・減災への提言 平成 28 年 2 月号・派遣法改正一労働者・企業への影響と今後の展望 平成 28 年 1 月号・性犯罪者の実態と再犯防止ー平成 27 年版犯罪白書を読む 平成 27 年 12 月号・日本の知財戦略ー新しい活用に向けた法整備 平成 27 年 1 1 月号・刑事司法と国際協力ー第 13 回コングレス・第 24 回コミッションの成果と課題 平成 27 年 10 月号・スポーツ振興の未来ー法的立場からみた課題と紛争解決 平成 27 年 9 月号・児童虐待の現状と回復への取組ー防止法施行 15 年を迎えて 平成 27 年 8 月号・危険ドラッグの規制と薬物事犯者への処遇・支援 ◆訂正 な機会及び待遇の確保等に関する法律」 された「雇用の分野における男女の均等 年 ( 昭和 47 ) 年 ) の全面改正として制定 1985 ( 昭和 60 ) 年に、勤労婦人福祉法 ( 1972 ( 正 ) の確保等に関する法律」 分野における男女の均等な機会及び待遇 1972 ( 昭和 47 ) 年に制定された「雇用の ( 誤 ) 20 頁中段 5 ~ 8 行目 お詫びして訂正いたします。 ありました。 本誌平成 28 年 8 月号に一部説明の誤りが 法律のひろば 9 月号 ( 第 69 巻第 9 号 ) 平成 28 年 8 月 25 日印刷 平成 28 年 9 月 1 日発行 髜株式会社きようせい 〒 136 ー 8575 東京都江東区新木場 1 ー 18 ー 11 電話販売 03 ー 6892 ー 6666 広告 03 ー 6892 一 6589 編集 03 ー 6892 ー 6520 フリーコール 0120 ー 953 ー 431 印刷所ぎようせいデジタル株 ⑥ 2016 printed in Japan 振替 0019g0 ー 161 ISSN 0916 ー 98 バックナンバー・購読のお申込み 法律のひろば 2016.9 ・ 80 zasshi@gyosei. CO. jp しております。下記編集部のアドレスまでお願いいたします。 ・当編集部では、誌面に関する皆様からのご意見、ご感想をお待ち 年間購読料 10 , 368 円 ( 8 % 税込、送料込 ) 毎月 1 日発売 / 定価 ( 本体 800 円 + 税 ) / 送料 78 円 Web サイト http : //gyosei. jp フリーコール 0120 ー 953 ー 431 は、以下で承っております。 、本誌のバックナンバーや定期購読のお申込み

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特集刑事訴訟関連法の改正 新たな刑事司法制度に対する警察としての対応について 用上の課題として、例外事由の適用をめ また、取調べの録音・録画制度の対象由に該当するかどうかの判断であろう。 ぐる問題について検討する。 となる裁判員裁判対象事件は、特に重大また、公判における例外事由該当性の立 な犯罪であり、真相解明が強く求められ証責任は検察官にあることとされている るものであることから、同制度に的確にため、警察としても、例外事由に該当す 制度施行に向けた準備における 対応し、録音・録画の下でも被疑者からると判断し録音・録画を実施しなかった 課題 十分な供述を得られるよう取調べ技能の場合には、事後的に例外事由該当性につ 警察としては、対象事件がいつ、どの向上を図らなければならない。そのためい て適切に立証しておく必要がある。そ ようなタイミングで発生しても録音・録には、心理学等の科学的知見も踏まえた こで、今後の事例の積み重ねによって決 画義務を果たすことができるよう、必要取調べ技能に関する教育・訓練を強化しまってくる部分も多いとは思われるもの 十分な数の録音・録画機器が警察施設のていく必要がある。取調べの録音・録画の、各例外事由について、該当性判断を 取調べ室に整備されている必要がある。 の試行実施を始めて約 8 年が経過する行う際の捜査実務上の課題について検討 機器整備については、平成年度末まで ( 注 1 ) が、未だ取調べの録音・録画を経してみたい。 に全国で約 2000 台が整備される見込験したことのない捜査員も少なくない。 みであるが、全国には約 1200 の警察録音・録画されている状況下ではこれま 己録不能 ( 改正刑事訴訟法 301 条 署、合計 1 万強の取調べ室があることにでの取調べにはない圧迫感・緊張感があ の 2 第 4 項 1 号 ) 鑑みれば、現在の整備状況は未だ不十分ることからも、まずは各捜査員に必要な 第一の例外事由である「記録不能」は、 といえる。新たな機材として、取調べ室経験を積ませて録音・録画の下での取調機器の故障等の外部的・物理的要因によ の天井にマイクとカメラを埋め込む設置べに慣れさせることが先決であると考えり録音・録画を行うことができない場合 型機材が開発され、可搬型機材についてる。 にまで録音・録画義務を課すことが、捜 も小型化等の改良を進めているところで 査機関に不可能を強いることになること ある。 3 年後の制度施行を見据え、これ から例外事由とされたものである。した 2 制度運用上の課題ー例外事由の らの機材を中心に必要な数の機器を計画 がって、現実的・客観的に見て「録音・ 適用をめぐる問題 的に整備していく必要があり、そのため 録画ができない , 状況にあることが必要引 に、財政当局に対する予算要求等、必要今後、警察において取調べの録音・録であり、例えば、現に使用中の録音・録の となる措置を講じていかなければならな画制度を運用していく上で最も重要なポ画機材が故障しただけでは足りず、当該法 、 0 イントとなるのは、個別の事由が例外事警察署に他に使用できる機材がないこと

10. 法律のひろば 2016年9月号

ノヾンコクからの 第 法整備支援 ー違いを超えて影 ' 国連薬物・犯罪事務所 犯罪防止・刑事司法担当官柴田糸己子 エーズ 1 は、オーストラリア政府 ( オーストラリア開発 庁。 Australian Agency for lnternational DeveIopment 通称「 Aus と D 」 ) が単独ドナーの 4 年間のプロジェクト ろ ひ の で、予算も 4 億円という大きなプロジェクトだった。し かし、 2013 年の省庁再編により Aus と D が外務貿易】 省 (Department of Foreign Affairs and Trade0 通称「 」 ) に吸収されたことが影響したのだろうか、オ 1 ストラリア政府がその後の支援継続を望まず、プロジ ェクトを継続するためには新たにドナーを探す必要があ った。私の前任者マルガレットは、母国イギリスを含め さまざまなドナーから支援を得ようと奔走したが難航 し、フェーズ 2 開催の目途が立たないまま 2 014 年に フェ 1 ズ 1 の終了を迎え、当時プロジェクトに関わって いたスタッフは、別のプロジェクトや Z O O 内の別 のポストに離散してしまった。 実は、 >ZOQO の予算の 9 割方はドナーからの任意 拠出で成り立っている。そして、このプロジェクト予算 から、プロジェクト活動費やプロジェクト担当者のサラ 私が担当しているプロジェクトのひとつに、子供を対 丿ーを支出する。したがって、オ 1 ストラリア政府が支 象とした性犯罪に取り組むプロジェクトがある (project 援をやめてしまうと、担当者はプロジェクトを継続する ことができないのはもちろん、ほかにサラリーを支払っ on "Strengthening and enhancing the capacity of law enforcement officials in combating travelling child sex てくれるプロジェクトを見つけない限り、バンコク事務 offenders in Cambodia, Laos PDR and V1et Nam" 通所にいることさえもできないのだ。バンコク事務所や国 称、プロジェクト「チャイルドフッド・フェーズ 2 」 ) 。 別事務所には、事務所代表をはじめ個別のプロジェクト 2 010 年にカンポジア・ラオス・ベトナム・タイを対に専属していない庶務・経理担当スタッフがいるか、そ のサラリーや経費もバンコク事務所にあるあらゆるプロ 象として開始したプロジェクトの続編 ( 第 2 弾 ) だ。フ 0 0 2 ロ、、エクトチャイルドフッド・フェ 第 3 回 再会と別れ 1