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検索対象: 波 2016年9月号
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1. 波 2016年9月号

虐待事件の「元凶」を追って 株式会社本の雑誌社 いったいどうしてこんな親が生まれたのか ? 著者は、懲される。そして真の″犯人〃が暴かれるのだ。次男をウサギ用 役四年の判決を下された理玖君の父親を拘置所に訪ねる。すケージに閉じ込めていた男の母親は、「モンスター」と呼ば ると、「自分は理玖をちゃんと育てていた。殺していない」れていた。彼女は、生まれた子供 5 人を次々に乳児院に放り と言い張る。我が子を塗炭の苦しみに追いやってなんという込み、出生届すら出さない場合もあった。この母親のいきあ 言い草か、と憤るところだが、著者は、父親の呆れた言い分たりばったりの性格を、男はそっくり受け継いでいるという。 に何かを感じる。彼が、我が子をネグレクトして死亡させた しかし、この「モンスター」も、劣悪な家庭に育ったゆえ のは事実だが、事件の核心部分はむしろ別のところにあるとにこうなったと推察できる。すると、その親もまたその親も、 感じたのだ。 となり、とめどない悪循環だ。この悪循環を断ち切って子殺 昔、どこかで読んだことがある。殺人事件が起きた時、自しを防ぐ術はないのか ? 余計な感情移人を排し事実に徹し 分の意思で直接、手を下した人間が犯人であることは間違いた筆致は秀逸で、読者に深く考えさせる。 ない。しかし実はその背後に、元凶と思しき人物が存在して 最終章はその答えでもある。ある法人の取り組みだ いることがある。その場合、真犯人とはいったいどちらなのが、「赤ちゃんポスト」とともにいわば、″対症療法〃であり、 か ? と疑問を投げかける文章だった。 賛否もあるだろう。しかし、命の危険に晒される赤ん坊を確 三つの事件はまさしくそれだ。著者は、綿密な取材によっ実に救うことができる。読者は陰惨な事件の果てに、一筋の ( ふくだ・ますみノンフィクション作家 ) て親族を割り出す。その親族の証言によって、それぞれの犯希望を感じるはずだ。 石井光太『「鬼畜」の家わが子を殺す親たち』 305456 ー 6 発売中 人の成育歴、家庭環境が、ときには三代まで遡って明らかに 出を 本、 頭のよさそうな本を、 手にとっては挫析してきた。

2. 波 2016年9月号

尾崎豊から引き継いだバトン れ違田標 進む歴史研究、変わる教科書記述 あなたが中学校・高校で 学んだ日本史は過去のもの ? ラあ頑変回き道そ いイ 吐で でま 歩い ね日 て全 高橋秀樹・三谷芳幸・村瀬信一著 良て んも 記述の変化と根拠となる研究の進 いや 展を教科書の専門家が解説。 Q& A などの付録も充実。 1 800 円 天智天皇 ( 人物叢書測 てま 森公章著中大兄皇子の名で知 るれ られる古代の天皇。通説を覆し、生 涯と激動の時代を描く。 2300 円 んが っ吐 いあ てき 西行・慈円と 日本の仏教 みばもや 遁世思想と中世文化 2 3 0 0 円 のせ 大隅和雄著中世の和歌・文学・ はず っ影 仏像・・・。文化史研究のなかから、 にた 日本の固有性を考える ! つだ だれ いか はぶ ツ人歌を 回に 日本海海戦の真実 い洗 だを初しやそ 野村實著海軍極秘資料から再 つ練 る良 アろ 検討を加え、海戦の舞台裏を解明。 てた いが てか ( 読みなおす日本史 ) 2 2 0 0 円 られ課と一す影ん いう こ番 と意 平安時代 で笑をす て観 でケ 記録語集成 いで 悪よ に次 上巻 / 下巻附記録語解義 と人 しわ い絶く人 峰岸明著国語学の権威が蒐集 中惜 こ前 た対れだ い尾 した、平安時代の日記に使用され しれ る崎 たことばく記録語〉約 3 万を集成。 各 34000 円「内容案内」送呈 て対 432 江戸のバスポート にか 旅の不安はどう解消されたか 柴田純著旅行難民救済のシス テム = パスポート体制からみえる のを すて 江戸時代の光と影。 1 800 円 頑て か見 カゝの 幽霊近世都市が シも前に 生み出した化物 高岡弘幸著人こそ化物 ! 幽霊 にた るん ンダ人た が誘うままに怨霊からのメッセー がメ 、そ ジを探る。 1 8 0 0 円 つが 吉川弘文館 動力 〒 113 ー開 33 ・東京文京区本郷 7 ー 2 ー 8 つめ 電話 03 ー 13 ー 9151 / 価格は税別 がて 2016 年版「出版図書目録」送呈 い反 、く たん 15 ここまで変わった 日本史教科書 歴史文化ライブラリー に 尽 き ま す ど こ で や る カゝ よ り も ; 然 と 士曽 く る ん 尾 裕 哉 発 中 い な 々 を 歌 っ て い 自ゃん ポ ッ ト の の ろ だ ゅ ん す け こ間黒目尾な は イすす ンか 、はれ っ き り カゝ 題 や 0 暑黔 . 以 カ : カゝ 田う 互 い お張り り し ょ しプん 、メ っ て い く こ と は オど、 てんわ さ 、て く 出 ひ ろ ゃ か っ て く る や り ラ のイ思 プ る武もす % 与ね で い り 黒 さ ん の 今 後 の 自 ろ い ろ 黒よ尾 お僕聴 も 頑張くがる ます人り る張わもな端 十 で受も 。て い る う ち に と ま と 崎がれ な は 崎にを曲前田崎 何で 、か っ た 回で 田すけんけ渕ね プ レ ツ シ 人黒尾 、ば響そ全ん い僕な に 響で え て く れ た く 何るれ の と 歌 と 大を 事 な こ も を . い い 。どは そ ク ) と ヤきす の田崎思う 然 、れ い く 初 め て 、聴 人と 流 し て う 思 ま てすグ た小 ア と で ン と 歌て いえそ て涙夢ん真 中 です 聴 る黒尾すまんるや出 。はな 端 歩 い て る だ け で が で き て、 をがわ 5 ノ万 う に 来 て い来たろを い て る ト レ ン 。で す う全 と 思 て も ら え る よ う 歌 と ノヾ知が 。カ名わ人 度 な ん な 員 ク ウ ト し も る の る オこ ら 、も写えな で撮く て じ や な カゝ っ た ん よ よ人う失生んさ 伝 え がた歌 い 1 0 0 て聴れプあ る ん , ・ よ / レ 道んでて ァ ビ の 月リ 曲すんがき そ小 は ま 、歌 め う 。よ う な 新 鮮 さ ク ロ つ い 名 はん 足 をす て コ き止け休誰 、で出僕ば リ ト ス と ま い 振 り っ = 毎 、ずれすみや く つ な でな幹吐な ん だ ん と 。る っ て 、きす ュだ出よ し か太出な でんう 。た り た り思味 っ続 てけ僕 、ては て 関ス に係テ な ん と し甲 う 、ん 、部 く 、で ど る う い シ に れわ またか 。をま 感す さ せ ら れ る ンで ヨ ら っ と で上 トすが 。れ 、しな ど止力 で活れ ら

3. 波 2016年9月号

『昭和からの伝一 = 日刊行記念インタビュー ノスタルジ 1 郷愁のみでは語れない実感的昭和史 加藤廣 昭和というと、必ずノスタルジーとともに語られる風潮 従来の「昭和史もの」にすっと違和感を覚えてきたという になりました。活力に満ちていたとか、右肩上りを信じられ 著者に、本書執筆の背景について訊いた。 近年、日本の素晴らしさを讃えるテレビ番組が目立つよた時代が羨ましいとか。 加藤それは、たまたま起きた朝鮮戦争による特需があって、 うになりましたね。自画自賛というか。 加藤国力が相対的に低下しだすと、この国はそうなるんで日本が高度成長期を体験できた、その結果に過ぎません。当 す。何だか私の少年期と似たような気配。戦前ののピ時の日本人はひたすら無我夢中だった。それを後になってノ スタルジーめかして語られても、私にはどうもピンと来ない。 ークが、私が十歳の昭和十五年。日本が経済的に怪しくなっ それでも、戦前に加藤少年が過ごした高田馬場の風景は てから国民の間にこういう空気が満ちてきたかと思ったら、 郷愁をそそります。 アメリカ相手に大戦争 : ご母堂をママと呼んでいたら、近所の人たちが押し寄せ加藤高田馬場には農業用の大きな肥溜めがあってね。それ て来て、敵性語を使うなと申入れた話が印象に残っています。が酷く臭うわけですよ。だから地価も安かったんです。近所 の戸山ヶ原には広い空地があり、凧揚げをしてよく遊んだも 加藤だから戦後すぐ、ママと呼べるようになってホッと一 安心。だけど大学教育の現場が、一転して民主主義を叫んでのです。今からは想像もできないでしようが。 ご母堂が作中にしばしば登場されますね。 左翼思想に染まったことには閉ロしました。自分たちがそれ まで何を教えてきたかについては頬かむりして。「転向」と加藤私の母は東洋英和の出で、いわゆるモダンガール。家 いう言葉はもはや死語になりましたが、上の意向、当時はに、社会主義者やインド独立の闘志なんかをよく匿っていた ものです。母の旧友たちが集まって茶話会がしばしば開かれ、 ですが、それが変わったら民間も即転向する。こうした 私も分からないながら耳学問をしたものでした。満州事変勃 日本人の過剰適応というやつは、今も昔も変わりませんね。

4. 波 2016年9月号

ていました。真珠、化石、隕石。運び出せる 以上の興味を読者に持ってもらいたかったん 重さであれば、どうにかして運び出そうと博です。 物館は手を尽くしました。僕はそうした状況 について想像をめぐらせたんです。 そんなわけで、僕が知る限り、 ハリの自然 史博物館には呪われたダイヤモンドはありま せん。すべて架空の ものです。 目の見えない少女 を主人公にすること は決めていましたか ら、次はこう考えま した。「人々の目を 奪い、でも視力を 失った人にはそのカ が及ばないようなも のは何かワ」そこで、 宝石だと思ったわけ です。 ただ、僕は読者に、 宝石についてのドラ める人」の主人公も、マリー = ロールと同じよう マチックな疑問を持たせるだけで終わりたく に目が見えない人物です。語り手の目か見えない はありませんでした。その答えが出てしまえ ば、読者の興味はそこで終わってしまう。僕ということにはどんな意味があるのでしようか その質問はよくされますが、答えはないん はふたりの子どもたちの個性をしつかりと描 です。気がついたらそうなっていました。も き出して「このダイヤモンドは呪われている ともと、マリ 日ロールの章の一部は、僕自 のか」とか「宝石は本当にあるのか」という 手触りで美しさを知る 短篇集『シェル・コレクター』の表題作「貝を集 身の作家としての弱点を克服しようとする練 習から生まれたものです。僕は視覚的な描写 にかなり頼ってしまうので、他の感覚を中心 にした文章を書いて、それをリアルなものと して読んでもらえるか試していました。 Ⅱロールが非常に危険な それから、マリー 状況に身を置いていることも理由だったかも しれません。包囲戦のとき、彼女のそばには 数日間にわたって誰もいないわけです。それ 以上に危うい状況があるでしようか ? それ でも、自分の心の奥になんらかの強さを見出 して、参ってしまわすにいられるでしよう かワ・僕にそれができるかどうかはわかりま せん。マリー Ⅱロールは間違いなく、僕より も強く、勇敢です。あの屋根裏部屋の周りに は砲弾が降り注いでいるのに、彼女は正気を 保つ方法を見つけ出したのですから。 「シェル」っながりでいえば、彼女には貝殻 に興味を持ってもらいたいということは、は じめから思っていました。僕はずっと、軟体 動物の外見の美しさと手触りに惹かれてきま した。子どものころは、いつも貝を集めてい ました。それが「貝を集める人」とマリー ロールの両方に吹きこまれています。なぜ自 然は、それほどまでの美を目指すのか ? 僕 にとって、その問いは貝殻に凝縮されていま す。目が見えないため、指で貝殻の種類を区 シェル

5. 波 2016年9月号

やりなおし世界文学 分で請求しますとも書く。しかし o さんからの返事はない。 り続けている。というだけの話である。が取りかかろうと O さんの様子を見に行くと、席にはいないし出退ポードにはしているのが測量という非感情的な仕事なのが、またなんと 「現場」とある。近くの席に座っているさんに、 o さんのも味わい深い。ただ仕事をするためにやってきたは、その 現場行きは早まったのですが、とわたしはたずねる。さんただ仕事をするということがかなわず、村に点在する、城の は、そうだよ、と答える。さんの工事が当初より大きな規役人を含めたさまざまな人間の間を渡り歩きながら、仕事に 模になって、俺がさんの仕事を手伝うことになったから、取りかかる機会をねらう。はたしてはいっ測量できるの O さんには急遽今日からの俺の仕事を替わってもらうことにか ? なった、メモ ? どうかなあ、昨日の午後から o さんは席に ヨーロツ。ハのどこかの、雪深い国のような設定で、城とそ 戻ってないんじゃないかな。確かに、 o さんの席に置いた私の周辺の村、というミニマムで幻想的な舞台ではあるけれど のメモは、一ミリも動かされた形跡がない。 も、これは仕事の小説である。さらに、狭く言うならば「出 おそらくはうまく書けておらず、申し訳ないのだけれども、向先で勝手がわからない」ことを小説化した作品である。カ 『城』はそういう状態に関する小説である。仕事が進まない。 フカ自身が、いやそうじゃないよというかも知れないけれど 非常にシンプルでありがちなそのことに関するカフカの一家も、これはまこうかたなき出向の話ですよ、とわたしは言い 言が、恐ろしく長い尺を使って全力で書き込まれている。し張ろうと思う かも未完である。カフカはどれだけ仕事が進まないと言うこ とについて言いたいことがあったのか。 馬鹿にしている。ただちょっと寂しいので話し相手は欲しい。 という男が、測量のために単身「城」に向かおうとしてでも誰も話せそうにないし、立ち寄った場所でもいい顔はさ いる。しかし城にはなかなか人れず、その周囲の村にとどまれない。欲しいと言った覚えはないが助手をつけられる。見 結婚した相手は、人生最愛の人ですか ? ) , 平野啓一郎切なすぎる大人 0 恋 0 物語。 マチネの終わりに 定価】本体 1700 円 ( 税別 ) 978 ー 4 ー 62910819 ー 3 大反響 ! 重版 出来 毎日新聞出版 〒 1 02-0074 東京都千代田区九段南 1 - 6 -17 http://mainichibooks ℃ om/

6. 波 2016年9月号

a 最近自分が変わった、と思うところがありますか。 a いっか必ずやりたいことは ? < エンタメ性の高いストーリーものを書くモチベーション < 文庫で何巻にも亘るような、外伝やスピンオフもあるよ がものすごく低くなってしまったところ。デビューしてすぐうなスポーツものを満足いく形で完結させること。何回か出 のころはもっと純粋にスト 1 リーものを楽しめていたのです場しているのですが、いくら出場しても勝ち進めないビーチ がその気持ちがなくなってきており、エンタメ作家としてマ ハレ 1 大会でいいところまで勝ち進むことーー優勝は 100 ズイと思うので、。今リハビリ中です。 % 無理ですが。 これから書きたいことは。 a これからの五年、目標はありますか。 < 最近は「メッセージ伝えたるでえ ! 」「価値観揺さぶつ < デビュー十周年までに本屋大賞をとりたい。憧れの「エ たるでえ ! 」 . みたいな話を書かなければというモードだった ッセイ三部作」を完成させたい ( さくらももこさんのエッセ ので、単純に、読んでいて楽しい、読み終わってしまうのがイ三部作が大好き ) 。スポーツ長編を書いてリべンジしたい。 悲しい、みたいなストーリーものを書けるような精神状態を a 結婚生活や父親になることについてイメージできますか。 取り戻したいです。 < まだわかりません。 a 今年は作品がドラマ化、アニメ化、映画化、と他メディ a 映画『何者』を観客として観たご感想は ? アで創られて話題になっています。期待と不安と、そして現 < 内容がかなり原作に沿っているため観客という距離感で 実 : : : いかがでしたか。 は観られないのですが、クライマックスの映像ならではの表 < 何かひとつのきっかけで大きく変化する、なんてことは現方法に驚きました。三浦大輔監督だからこそできた代替の ないということを思い知りました。地道に新しい作品を生みきかないシーンを観られて嬉しかったです。 続けなければ、と痛感しています。 a 新刊『何様』の読者へひとこと、どうぞ。 a このところ、よく発言している「老害」ということの、 < 『何者』の中で少し浮いている謎を解決しつつ、 6 篇目 何が嫌で不安なのでしようか。 を読み終わるころにはアナザーストーリーではない新しい物 < 新しいもの、自分が知らないものを受け人れられない人語を読んだと思っていただける作品になっています。よろし に出会うとすごくイライラするんです。でも自分はアナログ くお願いいたします。 ( 質問者ⅱ編集部 / あさい・りよう作家 ) な人間なので、精神的には老害に近いです。

7. 波 2016年9月号

ただいま翻訳中 ! I$IFATES QND FUQIES iFAMlLY LIFE AK エ一〔 5 工ÅRMA ア 。 BILLY LYNN'S LO 第 6 HALFTIME WALK BEN 「 OUNTAIN 今秋以降に刊行を予定している注目の作品を、 それぞれの翻訳者の方々にご紹介いただきました 移民、戦争、介護、結婚生活。現実と向き合って 書かれた、力強い物語にご期待ください。 g2名「 aph by Tsub0ta Mitsuteru U 0 E N CQOFF ※タイトルはすべて仮題です。 因 5 ~ ク一 ヨーロッパの放浪民 と仙テ ~ ジ。フシーの家族の物 フ 8 ン 困・ラ。語。フランスに定住し 貧リ、ユ一ながらも、疎外され、 『アテ消費社会の圏外で暮ら しているさま、その文 化と価値観が実話を元に語られる。 家長のアンジェリナばあさんには、 働くことを知らない 5 人の息子と、 4 人の嫁、次々と生まれる孫がある。そ の生涯は、物質的には貧困そのもの。 持っているものは、子供を孕むことの 歓びと強固な家族愛、そして破天荒な ジ。フシー魂だけ。だが不思議なくらい 惨めさがない。 ある日、彼らのキャン。フ地に若い女 性がやってくる。よそ者扱いされなが らも、彼女は学校を知らない子供たち に、本の持っ魔力を根気よく教える。 そしてやがて、読み書きを知ることに よって別の世界が開けることを親たち にも悟らせる。忍耐と寛大さがもたら すものは美しく驚異的だ。 三〇一六年十一月刊行予定 ) のシ ~ 朝 < ンムン リイテ イラク戦争の タウ血雄。真 0 最中、テキサ スで行われた Z リ一ワイ ヒ、ン岡 , の試合の ( / へ上タイムで派手な ショーが繰り広げ られた。ビョンセが大学や軍のマーチ ングバンドとともに行進し、歌し踊っ たのである。目的はアメリカ軍を支援 し、戦争への支持を高めること。この に フタイムショ 実話をもとに、 駆り出された純朴な兵士ビリー を描いたのが本作だ。悲惨な戦闘に巻 き込まれ、親友の死も目の当たりにし ながら、英雄扱いされて連れ戻された ビリーたち。アメリカでは各地のイベ ントに引きすり回され、国威発揚に利 用される。彼らを出迎えるアメリカ側 の金儲け主義がいかに戦場の兵士たち の現実とかけ離れているか。それが皮 肉のたっぷりときいたユーモアで扱わ れ、戦争自体のバカらしさをさらけ出 している。権力者とメディアの壮大な どんちゃん騒ぎを分析する作者の鋭利 三〇一七年一月刊行予定 ) な目が秀逸だ。

8. 波 2016年9月号

黒田『二世』が本になったら、是非読 しまう。その曲のすべてを物んで噛んです。教科書みたいなもんですね。 ませて頂きます。 吐き出す集中力って、やつばりものすご尾崎実際に声が出なくなった時はない く大変なんですよ。でも、それを持ち続んですか。 テクニックと魂のバランス けるってことがなにより大事なんじゃな黒田ないです。経験上、ステージで 2 、 いかなあ。 尾崎黒田さんにうかがいたいことがあ 3 時間、リミットはずしてバカーンって るんですけど、いいですか。歌には、聴尾崎はい。僕はこれからですけど、そ歌って声ガラガラになっても、医者に処 かせる歌と伝える歌があるような気がし の大切さはわかる気がします。 方してもらった薬飲んで、半日喉を休め ているんですけど : 黒田うん。そして余計なことを考えずれば、次の日何とか声は出るんですよ。 黒田ありますね。うまい歌と感動する に、そのステージで全ての力を出し切る ただ、風邪をひいてるときは、それやっ 歌、と言ってもいいかも。何年も訓練し こと。お客さんは楽しみにして来てくれ たらダメですよ、風邪は一番こわいから。 てれば、ある程度はうまくなります。人てるわけじゃないですか。目の前の人を それと、終わって打ち上げ行くのもダメ に聴かせられる歌になる。でも、テクニ感動でノックアウトするのがエンターテ です。 インメントなんです。 ックは当然大事なんですけど、それだけ 尾崎気をつけます。 では人は感動してくれない。基礎の上に でも、全力でやることがい、かに大変か。 魂が乗っていることが大事なんです。こ ツアーだと、歌うのはその日だけじゃな歌にとって大事なことは何か の・ハランスが難しいんですけどね。 いでしよ。ステージが終わった瞬間、 黒田出し切るっていうことで言うと、 尾崎はい。 「どうしよ、明日絶対声出えへん」って僕の相方の小渕はすごいスピードで曲を 黒田僕ね、音楽を絽年やっていて思う毎回思いますもん。それでもいいって思作るんですよ。で、作った後はもう何も のは、始めたころに戻りたいってことな うのは、尾崎さんのライプを観てるから 出てこないって、抜け殻みたいになって んですよ。 ですよ。あの人は、ステージで爆発して、 るんですけど : ・ : ・「ドラゴンポール」っ 尾崎えっ ? 電池なくなるまできっちり歌う。いや、 て知ってます ? 黒田歌い始めたあの頃に、心が若返っ エンプティになってもまだ伝えようとし尾崎はい。 黒田スー。ハーサイヤ人っているでしよ。 ていったらなあって。年をとるたび、人てるじゃないですか。あれです。 は伝えるということに鈍感になっていく 尾崎たしかに ! わかります。 あんな感じで、ちょっと経って復活した ときは、前より強くなってるんですよ。 ような気がするんです。歌詞に意味があ黒田だからツアー始まる前とか、煮詰 るはずなのに、気づいたらただ音階だけ まってきたとき、尾崎さんの観て、尾崎うわあ。 を追っている。そういう瞬間が出てきて歌とはこういうもんだなと確認するんで黒田だから、やり続けないとダメだな

9. 波 2016年9月号

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10. 波 2016年9月号

したディジュリドウというアポリジニ見ると、何と、全員男なのだ。 降り出した 2 月の小雪の中、墓前に進 ( オーストラリア大陸先住民 ) の楽器を テープルに座ってもひっきりなしに動み、帽子をとってしばし黙疇した。碧眼 吹いて参加するという荒技を披露した。 き回って席を替える。顔を寄せ合って喋で薄茶の金髪、ひげ面でビール腹、始ま 忘れられない晩になった所以だ。 る人もいれば、大声を出す人もいる。そ ると止まらない、ともすれば独断的なお さて、ミュンヘンに戻る。転がり込ん のうち、ピンクの e ジャッ男が隣の男に喋り、ジョークを言っては大笑いするそ だホテルはグロッケン。ハッハ地区にあっ抱きついた。あ、頬ずりをした。とうと の声のデカさ、などなど年以上の付き うキスしやがった。ちなみに、しやがっ た。部屋に行く途中にあるホールの片隅 合いの時間が、ヴィヴァーチェ 3 乗の速 にアップライトピアノがちらりと見えた。 たなどと罵倒するのは、やっているのが さで脳内を駆け巡る。 おれのニューヨーク・トリオのべ 1 シス男同士だからではない。人前でそういう 帰途は「普通のレスト一フンーで軽食を ト、セシル・マクビーの奥方はドイツ出 とり、そこでタクシーを呼んでもらって ことをすれば男女でもおれはそう言う。 身の歌手のヴェレーナだが、このホテル これ、何の言い訳か分かりますね ! 一度ホテルに戻った。夕食は、ナジャの のオーナーと長年の親友で、ここを紹介 ともあれこの界隈は、ミュンヘンで唯ご夫君ロマンも合流し、バイエルン料理 してくれたのだ。 一の「新宿二丁目」だったのだ。知らな の専門店に連れて行ってくれた。そこは 夕食はホテルの隣の。ハプでとることに いのはおれたちだけだった。 特殊界隈圏外で、普通の人々が普通の食 した。おれと君は早めに行ってメニュ 翌日、ホルストの一人娘のナジャが現事風景を醸し出している。名物の豚肉料 ーを見た。すると懐かしい「カリ 1 ヴル れてくれた。地下鉄と・ハスを乗り継いで、理「シュヴァイネプラ 1 テン」などを味 わい、そのお店のビール「。ハウラナ 1 」 ストという、屋台 ( インビス ) でよく 森の中の静かな場所に案内してくれる。 みかける安い面妖な食べ物が載っていた。木立の多いその一画にアンゲラ 1 家のお にワインと、今回のヨーロツ。ハ滞在の最 面白いのでそれも頼み、ビールを飲んで墓がある。アンゲラー家はホルストを看後の夜を楽しんだ。 いると、やがて他の客も集まって来た。 部屋に帰って寝る間際に、ニューヨー 取った三番目の奥さレナーテの実家で、 しかし、その面々は男女揃ってテープル クにいるセシル・マクビーから電話がが 18 。 0 年代以来のご先祖の墓石には 襲 それぞれ かって来た。「紹介したホテルはどうだ」 のに座るなどの普通の光景を形作らなかっ夫々、医者、学者の肩書きが彫られてい 老た。てんでんばらばらに・ハーに行ったり と言うので、とんでもない界隈だったが、 た。名門一家なのだ。それに連なるよう 歩き回ったり立ち飲みをしている。よく に右端にホルストの名前が刻まれていた。 ホテルの居心地はよいと伝え、目撃した めんよう ゆえん