開発途上国でくらす子どもたち びよう いのち ひとり 3 秒に 1 人の命が失われています 毎年およそ 1 , 100 万人の子ともが 5 歳まで生きられません。これは 1 日に約 3 万人、 3 秒に 1 人死んでいるということで、これを「静かな緊急事態」といって います おもな原因は下痢やはしか、肺炎なとですこれらは予防接種や適切な治療を すればなおる病気ですしかし、栄養不足で体力が落ちているうえ、医薬品もた りない途上国の子ともたちにとっては、命にかかわるおそろしい病気なのです 2004 年、国連は世界の栄養不足人口か 2002 年より 2003 年にかけて 200 万 人ふえ、飢えの状態が悪化していると発表しました。このままたと、子ともの死 亡率も今後、高くなっていく危険性があります まいとし まんにん やく きんきゅうじたい し 0 げんいん よぼうせっしゅ はいえん ちりよう てきせつ たいりよく びようき えいようふそく お いやくひん とじようこく 0 こくれん ねん じんこう せかい はっぴょう あっか じようたい う し こんご ぼうりつ きけんせい 0 かいぜんしゆっしよう みまんじ ■ 5 歳未満児死亡率の改善 ( 出生 1000 人あたりの死亡数 ) 200 ( 人 ) 150 100 50 0 わりあい 05 歳未満児の死亡数の割合 (2000 年 ) 175 128 1990 年 2000 年 ※子どもの死亡率の改善 には、地域によるばらっ きがみられます。 ちいき 100 64 80 44 58 4 % 中南米と カリブ海諸国 6 % 中東と 北アフリカ アジアと 太平洋諸国 2 % 東欧と バルト海諸国 1 % 先進工業国 40 % サハラ以南の アフリカ サハラ以南の アフリカ 南アシア 中東と 北アフリカ 東アシアと 太平洋諸国 53 37 カリブ海諸国 中南米と 34 % 南アジア 45 38 バルト海諸国 東欧と 9 6 先進工業国 6 We strive to reach the Goals by 2015
開発途上国でくらす子どもたち せ さ だ ん か いかんせんしよう 世界の三大感染症 「エイス」「結核」「マラリア」を世界の「三大感染 症」とよんでいます。この 3 つの病気で、毎年 600 万人以上の命が失われています 多くはアフリカやアジアの途上国にくらす人たち ですが、感染症は人の往来や工イズのひろがりとと もに、国境をこえて世界中に拡大しています ■三大感染症の年間死亡者数 資料 : 国連工イス合同計画 2003 年 ( 数字は推定値 ) アジア・太平洋 欧州・中央アジア 中近東・北アフリカ 北・中・南アメリカ サハラ以南のアフリカ けっかく びようき まいとし まんにんいじよう いのちうしな 0 おお とじようこく ひと 0 0 0 0 0 0 0 0 ( ) つ おうらい かくだい せかいじゅう こっきよう 0 ねんかんしぼうしやすう ロマラリア ( 死亡者 ) ロ結核 ( 死亡者 ) エイス ( 死亡者 合計 ( 万人 ) 0 150 100 300 250 200 工イズの拡大とともにひろがる結核 結核は肺に炎症をおこしてせきや微熱がつづき、しだいに体力かよわっていく 病気です適切な治療をすればなおりますが、医者にかかれなかったり薬が買え なかったりして死んでしまう人も多く、毎年およそ 160 万人が死亡しています。 その 6 割以上がアジアの途上国の人びとです 結核は日本のように 1 度は根絶した国もありますが、ふたたび世界中に流行し たいりよく びねつ えんしよう くすり ちりよう てきせつ か わりいしよう 0 こんぜっ ど りゆうこう 24 We strive to reach the Goals by 2015
かいめ 三種混合の 3 回目の予防接種がうけられない子どもはまだ 3 , 400 万人も 1 , 390 万人 ( 万人 ) 1 , 500 1 , 200 900 600 300 1 , 160 万人 サハラ以南の アフリカ ※三種混合は、シフテリア、百日咳、破傷風の 3 つの 病気をふせぐ混合ワクチンです。 1 回の接種では、十 ふんこうか 分に効果があがらないため、通常 3 回接種します。 ※ 1 回目の接種を終え、 2 回目あるいは 3 回目の接種を じゅう つうじよう うけられなかった子どもの総計です。 そうけい 南アシア 130 万人 中東と 北アフリカ 470 万人 東アジアと 太平洋諸国 150 万人 中南米と カリブ海諸国 47 万人 東欧と バルト海諸国 83 万人 先進工業国 We strive to reach the Goals by 2015
けっこん じよせい トの女性が 15 歳までに結婚し、そのほとんどが 16 歳までに出産しています母 親自身が栄養不足ということも多く、ふじに出産できなかったり、母乳かたりな いなど、母子ともに体調をくすすことも少なくありません。 母親の健康をまもって元気な赤ちゃんが生まれるようにするのも、子どもの死 亡率を減らすたいせつな要素です 01 年間に死亡する妊産婦 ぼにゆう じしん ようそ ねんかん 東ヨーロッパ・バルト海諸国 3 , 500 人 中南米・カリブ海諸国 22 , OOO 人 中東・北アフリカ 33,000 人 東アシア・太平洋諸国 48 , OOO 人 先進工業国 1 ,200 人 サハラ以南のアフリカ 252 , 000 人 世界全体 515 , 000 人 南アジア 155 , OOO 人 We st 「 ive to 「 each the G00 尾 by 2015
開発途上国でくらす子どもたち ぞうたいーー ~ し ー増大する工イズ孤児 工イズの世界的なひろがりとともに、工イズで親を失う工イス孤児もまた、急 増しています 2001 年から 2003 年までのたった 2 年間で、工イズで親を亡くした子どもは 350 万人ふえ、 1 , 500 万人をこえました。 2010 年には 2 , 500 万人にたっするみ こみですそのおよそ 80 パーセントが、サハラ砂漠以南のアフリカの子どもたち です 工イス孤児にとってもっともこわいのは、社会からみすてられることです 保護してくれる親がいなくなるばかりでなく、子ども自身も母親のおなかのな きゅう おやうしな せかいてき 0 な ねんかん ねん まんにん さばくいなん 0 しやかい 0 ははおや じしん ちりよう しゅうい さべつ へんけん かや母乳で感染していることが多く、治療もうけられないまま周囲の差別や偏見 0 ぼにゆう かんせん おお にさらされています 0 工イス孤児の増大資料 : 国連合同工イズ計画 780 , 000 東部・南部アフリカ 360 , 000 西部・中部アフリカ 39 , 000 650 , 000 南アシア 中南米・カリブ海諸国 15 , 000 東アジア・太平洋諸国 140 , 000 100 160 , 000 6 , 400 , 000 合計 ( 万人 ) 0 1 , 194 , 100 200 3 , 000 , 000 1990 年 : ロ 20 年 400 600 800 1000 10 , 350 , 000 1200 22 We strive to 「 each the Goals by 2015
開発途上国でくらす子どもたち あんせん 安全なのみ水を手にいれよう 0 0 0 0 0 1990 年代はじめ、 5 歳未満の子どもが死亡する 第一の理由は下痢性の病気でした。よごれた水をの んで下痢になり、体から大量の水分と塩分が失われ て死んでしまうのです トイレがないため川の水や地下水が汚染され、そ れを消毒もせすに利用するのも大きな原因でした しぼう ねんだい さいみまん げりせい たいいち びようき りゆう たいりようすいぶん からだ えんふんうしな かわ みず おせん ちかすい しようどく げんいん りよう おお 安全な水を確保し、衛生的な生活を心がければたすかる命たったのです この知識をひろめ、保健・衛生に気をつけて生活することで、 2000 年までに 下痢で亡くなる子どもの数は半分に減りました。しかし、いまでも不衛生な水で あんぜん いのち えいせいてきせいかっ かくほ こころ ほけん ちしき かずはんふん ふえいせい しせつ ひとわりあい すいげんてきせつ かいぜん 0 改善された水源と適切な衛生施設を利用できる人の割合 ( 2002 年 ) 100 100 100 80 60 40 20 改善された水源を利用できる人 適切な衛生施設 ( トイレ ) を利用する人 57 36 サハラ以南の アフリカ 84 35 南アシア 87 72 中東と 北アフリカ 78 50 東アシアと 太平洋諸国 89 75 中南米と カリブ海諸国 81 バルト海諸国 東欧と 先進工業国 We strive to reach the Goals by 2015
開発途上国でくらす子どもたち たんじよう あか けんこう お母さんの健康をまもって元気な赤ちゃんの誕生を 赤ちゃんの誕生は、家族みんながまちのそむうれ しいできごとです。でも、開発途上国ではかならす しもそうではありません。 不衛生な環境のなかで子どもを産んたり、医者や 専門技術をもった人がいないまま出産するなど、 にんしん 妊娠や出産で亡くなる女性が毎年 50 万人以上いま す。サハラ以南のアフリカでは、 13 回の妊娠・出産につき 1 人の割合で母親が亡 くなっています一方、先進諸国では 4 , 100 回に 1 人の割合です これは、みじかい間隔で何人もの子ともを産んたり、年齢が低いうちに出産し たりすることにも原因かあります。とくに 10 代前半の女の子が子ともを産む場 合、体が成長しきれていないため母親が障害を負ったり、生まれた子どもの体重 が平均にたっしない、ということが多くなっています生まれたときから栄養不 足のため病弱で成長もおそく、知的障害をともなうこともあります 5 歳未満の子ともの死亡率が世界で 2 番目に高いニジェールでは、 84 パーセン かいはっとじようこく う かんきよう ふえいせい 0 こ ) 0 0 0 つ 0 0 0 ( ) つ しゆっさん ひと せんもんぎじゅっ まいとし まんにんいじよう じよせい な ははおや わりあい ひとり にんしん いなん かし、 いつぼう せんしんしょこく 0 ひく ねんれい なんにん かんかく たいせんはんおんな げんいん ははおやしようがい たいじゅう つ お からたせいちょう えいようふ おお へいきん ちてき びようじゃくせいちょう 0 ばんめ しぼうりつ せかい さいみまん にんさんぶ にんしんちゅう しゆっさんじ 、妊産婦死亡率 ( 妊娠中または出産時に亡くなる割合 ) サハラ以南のアフリカ・・ 南アジア 中東・北アフリカ 中南米・カリブ海諸国・ ・太平洋諸国 東アシア 東ヨーロッパ・バルト海諸国・・ 先進工業国 ・ 13 回に 1 人 55 回に 1 人 55 回に 1 人 ・・・ 160 回に 1 人 280 回に 1 人 ・・ 800 回に 1 人 4 ′ 100 回に 1 人 みなみ ちゅうとう かい ちゅうなんべい たいへいようしょこく ひがし ひがし せんしんこうぎようこく We strive to reach the Goals by 2015
はじめています HIV / 工イズに感染している人は、体の抵抗力が極端におちているためほかの病 気にもかかりやすく、いまや工イズ患者の 3 分の 1 は結核にも感染しています また、工イズ患者の直接の死亡原因のトップも、結核によるものとみられていま ーマラリアが子どもの命をうばう 工イチアイヴィ からだていこうりよくきよくたん ふん ちよくせつ げんいん こうねつ ずつう ねったいちほう け せいそく マラリアは、熱帯地方に生息する「ハマタラ蚊」という蚊がはこふ感染症です 25 We strive to reach the Goals by 2015 ◎ UNlCEF/C79-20/Roger Lemoyne きけんせい いき おんたいち はんい こんご かてい ぜんたい こうかてき よぼう つか さいだい ひとり ねんかん りつ みまん いなん ねんかん があります 域の日本でも、マラリアにかかる危険性 息する範囲がひろがってきます。温帯地 今後は、地球温暖化でハマタラ蚊の生 くさんあります を買うことさえできない貧しい家庭もた 死者が 40 万人も減っていますが、蚊帳 全体では、蚊帳の使用でマラリアによる とで効果的な予防ができます。アフリカ マラリアは、寝るときに蚊帳を使うこ が、その最大の原因はマラリアです。 4 人に 1 人の子どもが亡くなっています ニジェールでは、年間およそ 17 万人、 サハラ以南のアフリカの子ともです。 5 歳未満の子どもの死亡率か世界第 2 位の マラリアによる死亡者は年間 100 万人をこえますそのうち 75 パーセントが かかると高熱や頭痛、下痢やはき気がつづいて、死にいたることもあります
2015 年のあなたへ いちなが 世界一長生きの国日本 平均寿命とは、とのくらいまで生きられるかという目安の年齢のことです 日本人の平均寿命は、男性 78.4 歳、女性 853 歳。男女合わせた平均は 819 歳。 世界で一番の長寿国ですつぎはスイス、オーストラリア、スウェーテン、カナ タとつづきますか、これらはみんな先進国です 平均寿命 30 歳代のアンゴラ、シェラレオネ , スワジランド、ザンビア、ジンバ プエ、中央アフリカ、レソト、モザンビークなどは、すへてアフリカのサハラ砂 漠以南の途上国です ゆたかな国の人は長生きができて、ますしい国の人は命が短い。平均寿命は貧 富の差をはかる物差しといえるてしよう 世界全体をみてみると、半世紀のあいたに栄養や衛生状態、健康管理がすすん たために寿命はのび、いま先進国では「高齢化」が大きな問題になっています 2005 年 4 月、世界保健機関 ()H 0 ) は世界で一番平均寿命の短い国は、ア フリカのスワジランドの 35 歳たと発表しました。スワジランドの平均寿命は、 1998 年には 60 歳でした。それが 2002 年には 36 歳、 2003 年には 35 歳になっ てしまったのです。アフリカの多くの国では、工イズ危機で平均寿命がさがりつ づけていますスワジランドでの感染者の割合は、 3 人に 1 人を上まわっている といいます。国連はスワシラントとホッワナでは、 2025 年まで人口が減りつづけ ると予測しています へいきんしゆみよう めやすねんれい たんせい にほんじん さいじよせい いちばん せんしんこく だい ちゅうおう ばくいなん とじようこく ながい ひん し、のちみじか ひと ものさ ぜんたい けんこうかんり えいせいじようたい えいよう はんせいき もんだい こうれいか おお ほけんきかんダブリュエイチオー がつ ねん みじか はっぴょう おお わりあい かんせんしや うわ ひとり こくれん じんこう よそく We strive to 「 each the Goals by 2015 34
コレラなど下痢性の 感染症にかかる子と もはあとをたたす、 毎年 190 万人が死亡 しています アフリカやアジア を中心に世界の 12 億人、およそ 5 人に 1 人は安全な水を利 用できません。また、 3 人に 1 人はトイレ などの衛生設備がな い家でくらしている のです また近年、アジアでは、地下水にふくまれるヒ素という化学物質か、危険なレ ヘルにたっしている地域かあることがわかってきました。南アジアのスリランカ やバンクラテシュでは多くの地域でその実態か報告されていますが、水道施設は 不十分で、ほかにのみ水はありません。 フィリピンやカンホジアのゴミ山周辺の地域でも、ゴミの汚水がしみこんた水 を、のみ水としてつかっている人たちがいます こうした地域では皮膚に湿疹かてきたり、結膜炎などの目の病気、下痢性の感 染症がひろがるなどの被害がでています かんせんしよう まんにん まいとし せかい ちゅうしん おくにん ひとり せ一三 いえ かがくふっしつ きけん きんねん みなみ ちいき せ一三 じったい ちいき ふじゅうふん やましゅうへん おすい ひと けつまくえん しっしん ひふ ひがい We st 「 ive to 「 each the Goals by 2015