けんばん ゆうき れん く優希ちゃんは音楽が大好き。首をおこして鍵盤にさわれるように練 しゅう 習をしています。 ふじゅう ぜんぶ マ 2 年生のクラスは全部で悧人。からだの不自由なところはそれぞれ せいかく たの ちがいます。もちろん、みんなの性格もちがって楽しいクラスてす。 おんがくだいす 、、 . 宀ぶ 0 い 4 。ー がっき のをさがしています。それは楽器やおもちゃ あそ でもいいし、なにかの遊びでもいいのです。 ゅ》フき 優希ちゃんがおもしろかってくれ、その遊び のなかで、ほかの人のまねをしたり、お話に きょつみ 興味をもってくれないかなと思っているか らです。 かっし J 、つ だから、先生たちは、ゝ しろいろな活動のあ ゅうき ひょうじよう いたにも、いつも優希ちゃんの表情をよく見 うご ています。優希ちゃんの心の動きを、ちゃん と知りたいからです。 ゅ、つき 優希ちゃんの友だちのなかには、数の勉強 じゅう をしている子もいます。でも友だちも、自由 にからたをうごかすことかできません。また、 きんにくした ロのまわりの筋肉や舌をうまくうごかせなか ったりして、ことばをはっきりといえなかっ、「 / たりする子もいます。 みんな、たくさんのことを知りたい、学び たいと思っていても、それかうまくったえら れないこともあります。 先生たちは、運動したり、お話ししながら 子どもたちの学びたいことをさぐります。そ きょつみ して、子どもたちが興味をもったことが、も らく とくべっせいきようざい っと楽にできるようにと、特別製の教材をつ くってくれたりします。 、つんい J 、つ かず うんどう べんきよう 勉強や運動のあとの ひる お昼こはんのおいしい こと。優希ちゃんのお べんとうには、細かく したいろいろなおかす が入っています。 ゆうき こ
ばわたしたちは、目の前にジュ 1 スのコップ しぜん があれば、手を自然にうごかしてコップをと り、ジュースを飲むことがてきます。からだ しき の動きなど、なにも意識しなくても、ジュ 1 たんじゅん スを飲むという動きができます。これは単純 ふくざっはたら くつもの複雑な働きがあっ な動きですが、い てはしめてできることなのです。 あたら およかたなら たとえば水泳で、新しい泳ぎ方を習いはじ めたとき、頭では手足のうごかし方がわかっ じぶん ていても、自分の思うようにはうごかせませ んね。 人は、からだのカの人れぐあいや、うごか すこ し方を赤ちゃんのときから、少しずつ学び、 身につけていくといわれています。学んでい くことで、赤ちゃんは生まれてから一年と少 しで歩けるようになります。 でもなかには、運動の発達がすすまない子 どもたちがいます。病気や、けがなどのため に、自分のからだの感じゃ、うごかし方をう まく学べないからです。こういう子どもたち したいふじゅう ふじゅうじようたい のからだの不自由な状態を、肢体不自由とい います。 この学校で、運動の時間が多いのは、から まな だの感しゃうごかし方を学ぶのか、大きな目 ひょう 標になっているからです。 すいえい てあし はったっ かた もく かんかくあじ 先生といっしょに、ふしきな感覚が昧わえるボール はいゆうき じぶん かん のプー丿レに入る優希ちゃん。自分のからだの感じを やくだ つかむのに、役立ちます。 △トランポリンはノヾランスをとる感覚を養うだけではなく、か ぜんたい うんどう らだ全体の運動にもなります。 かんかくやしな 大きな八ルーンの上 せなか で、背中をのばし冫 首をもちあげる練 習です。 くび しゅう
ゅ、つき よう」がっこう 優希ちゃんたちの養護学校に、近くの小学 あそ 校の子どもたちが遊びにきてくれました。み んなでお話をしたり、車いすを押したりして くれました。それから、みんなでいっしょに 歌をうたったりもしました。優希ちゃんはい あそ ろいろな子たちと遊んだり、みんなのお話や 歌を聞いていました。 ふじゅう この学校では、からだの不自由な子どもた しよ、つカし じようたい きのうくん ちの障害の状態に合わせた、からだの機能訓一 れんきよういく 当、よ、つごい 練と教育がおこなわれています。また、教材 ' い きようしつ や教室などにもくふうがなされ、優希ちゃん かんきよう たちにとって学びやすい環境にもなってい ます。 せいと このように配慮のある学校ですが、生徒の おなねんだい 数か少なくて、同じ年代の子がたくさんはい そだ かんきょ , っ ません。子どもかふつうに学び、育っ環境と か ふつうがっこう ュまい . り . よ まな こ、つ、り . ゅ , っ 冫ル こうりゆうがくしゅう < 交流学習で、養護学校の うんどうかいれんしゅうけんがく 運動会の練習を見学にき はざわ せいと た羽沢小学校の生徒たち。 ーをな・ ) 三リ物 ゆうき 優希ちゃんは、ぶらさ がっているものをつか もうとしています。 れは手でものをつかむ” れんしゅう 練習になります。
だす やく いま、日本に暮らす障害をもつ人は、全人役に立っことを知ることができます。なかに いまではほとんどの家庭が、両親と子ども たいせつ たいけんがくしゅう こうやく かくかぞく は、体験学習をとおして「いのち」の大切さ ロの約五パーセント、 六百万人くらいです。 を合わせて三—五人というような「核家族」 いり・よつきよ、ついくふ / 、し せかい を学び、自分も医療や教育、福祉の世界では ほんとうにたくさんの障害をもつ人たちがい であるといわれています。核家族だと、たと おも としょ しよ、つ。力い たらきたいと思うようになる人もいます。 えばお年寄りや障害をもつ人とふれあう機るのに、ふつうに暮らしていると、なかなか ふつう き。力い 、力し このような意味で、普通学校にかよう子と 会か、ほとんどなくなってしまいます。この知り合う機会がありません。 としょ り・ - 力い さいきん しようがいしゃ ために、お年寄りや障害をもつ人がかかえる最近、お年寄りや障害者への理解をすすめもたちにとっても、優希ちゃんたちの学校を き力い ふくし たず もくてき ふじゅうてん 不自由な点や、できないことをどうやって手ることを目的に、中学生や高校生による福祉訪ねるのはよい機会になっています。障害が かん たいけんがくしゅう まな 多 0 力い しせつ あるとはどんなことか、たくさんのことを感 助けすればよいかを学ぶ機会が、とても少な施設での体験学習がさかんになってきてい ア」つりゆ , っ くなってきています。 ます。また、学校の先生になるためには、おし、考えるための交流。こういった交流がも り・、力い かいヾこじっしゅう としょ ふくししせつ しよ、フかい しやかい 社会には、たくさんのお年寄りや障害をも年寄りのための福祉施設などで、介護実習をつともっと広がり、理解がすすめば、お年寄 たいけん じようけん さき りや障害をもつ人たちが、ほんとうに暮らし つ人たちかいます。少し先の話ですが、二〇することが条件となりました。こういう体験 ふじゅう ひとり 二〇年には、国民の四人に一人が、六十五歳をとおして、からだなどが不自由なことのたやすい世界になっていくことでしよう。 しへんさや、ちょっとした心くはりかとても 以上になるといわれています。 いいレよ、つ ーがっカ物・ 興ツさゆの こくみん かてい りよ、つしん ぜんじん ゅ、つき
かん うーん、 「はじめて車いすを押した感じ はざわ せいと ドキドキしちゃった」と羽沢小学校の生徒の こうりゆうが、くしう , ーきちょうたいけん : ーば かんそう 感想。交流学習は貴重な体験の場です。 おとな はやはりちがいます。また、たくさんの大人 の目かあれは、子どもたちどうしでいたすら したり、ふざけたりするのも少なくなるでし よう。それに、けんかすることだって、すぐ に止められてできないかもしれません。 ゅ、つき 優希ちゃんたちにとって、同じ年代の子た ちとふれあうことはとても大切なことです。 あそ たくさんの友だちと話をしたり、遊ぶなかか ら、ひとりひとりの考えのちがいを知ること かできます。また、い っしょに遊ぶなかて、 好きな歌や本のこと、おもちややゲ 1 ムの新 、じよ、つ」、つ ねんれい しい情報、同じ年齢の子たちのあいだで、は やっていること、おもしろいと感じているも のがわかります。 せだい 同じ世代のことはつかいや好みなどがわか しやかい そっぎよう らないと、学校を卒業したあと、社会で生活 するようになったときに、ほかの人たちと話 が合わなくなるかもしれません。だから、小 れあ ; っことは、ゝ しろいろなことを学ぶための たいせつきかい 大切な機会になっています。 おなねんだい たいせつ ねんれい この せいかっ
じゅんびうんどう 養護学校でのきようの授業は、運動訓練か 準備運動でからだをやわらかくしたあとは きんに′、 ゅうき らです。 筋肉の運動です。優希ちゃんは、力をこめて ゅ、フき おも 多 0 んにく 優希ちゃんは、自分では思うようにからだ筋肉をうごかすことを学びます。ほかの子た かん をうごかせません。そのために、からだの関ちも、同じように運動をしています。 せつ じかんまいにち 節なとがいつのまにかかたくなり、ますます この学校では、運動をする時間が毎日あり ゅう うごけなくなることがあります。先生は、優ます。 希ちゃんのからだの固さをほぐすために、マ これは、ゝ しまよりも少しでも自由にからた じゅんびうんどう ッサージをしています。これは準備運動のた かうごかせるようになって、たとえは歩けた あいず めと、これから運動しますよという合図もか り、手をつかえるようになることも、この学 もくひょ、フ ねています。 校での目標だからです。 よう」 ・からだをやわらかくする運動訓練 。カ十尾 じゅぎよう うんどうくんれん うんどうくんれん まな じゅ、つ く先生は、ひとりひとり ほうほう に合った方法で授業 をすすめます。 じゅぎよう
じゅぎよう つぎの授業は、勉強です。 ゅ , つき 優希ち・ゃんは、お話をすることがてきませ がっき んか、楽器は好きです。どうして好きとわか るかというと、楽器の音かすると、優希ちゃ ひょ、つ ': しよ、つ んの表情が変わってニコッとしたり、声をだ したりするからです。 がっき きようは友だちに楽器で音をだしてもらい それを聞いています。自分でも、ときどき楽 器にさわり音をだします。 じゅぎよう みなさんの音楽の授業では、歌をうたった がっき たの り、楽器をひいたりして、音楽を楽しむこと まな ゅ、つき もくひょ、つ を学びます。でも優希ちゃんの先生の目標 は、音楽を楽しむだけではありません。優希 きょ , つみ ちゃんが音に興味をもち、それかとこから聞 こえてくるのかかわかるようになってほしい おも と思っています。そういうカかのひてくると、 ことばにも耳をかたむけられるようになり、 ーり・カい また、ことはの理解がすすむからです。さら こえ には自分で声をだし、お話ができるようにな ってほしいとも思っています。 ゅ、つき きょ , つみ 先生たちは、優希ちゃんが興味をもてるも 勉強の時間 2 べんきよう べんきよう なんにち 「きようは何日ですか ? 」という先生 しつもん の質問に、カレンダーを見ながら声 べんきよう をだしてこたえる勉強をしています。
かくち 各地で、さまざまな活動が自発的にはじめら また、お父さんやお母さんたちのための勉れるとあまり会うことがありません。「さくら ちいき きようかい れました。「さくらんば会」もそのひとつで、そ強会も、たびたびひらかれています。家族い んば会」は地域にあるので、友だちと買い物 くさわ がっしゆく こうえん のなかでも草分けといってもよい会です。 っしょに、みんなで合宿したりもします。こ にいったときや公園で会うことがあります。 うんどう 「さくらんば会」では、優希ちゃんに運動をういうなかでお父さんやお母さんは、ほかの近いので、おたがいに行き来するのも楽です。 おし りようりたいけん ゅうき ちいき 教えてくれたり、料理を体験させてくれます。人たちから子育てのやり方を学んだりしてい お母さんは、優希ちゃんのために、地域にた ます。 ときどき、友だちといっしょに「活動ホ 1 ム」 くさんのお友だちや知りあいがいてほしいと ふろはい ゅうき しせつ ひろ 思っています。そして、ずっとっきあってい という会の施設にお泊まりして、お風呂に入優希ちゃんの学校の友だちは、とても広い ったり、ごはんを食べることもあります。 範囲からかよってきているので、学校をはな きたいと願っています。 影、ロ ゅ、フき じはってき そうりつしやつじしげこ △「さくらんぽ会」でボー丿レ遊びをする子どもたち。右は、創立者の辻滋子先生。 はんい りようりちょうせん △ヘルノヾーの人と料理に挑戦。「さくらんぽ会」ではいろいろなことを経験できます。 べん けいけん らく きんぞく △金属バイプの音に興味をもった優希ちゃん ( 「さくらん ( ま会」で ) 。 もの ゆうき きようみ
ゅ、つき ちゅ、つがくぶ うまく話せない友だちのなかには、音ので 優希ちゃんのかよう養護学校の中学部やもいます。 べんきよう 、」 , っと , つぶせいと るワープロをつかって勉強している子もい じつは、コンピューターが発達するにつれ 高等部の生徒のなかには、コンピュータ 1 の ます。文字を押すと声がでるので、これをつ ことを勉強している人たちもいます。自分でて、そういう人たちのいることがわかってき ぶんしよう たのです。 かえば、ことばをはっきりといえない子でも、文章をつくったり、プログラムを組むことな あいて じぶんきも ふじゅう おも 相手に自分の気持ちや考えをつたえられるよ どを学んています。からだを思うようにうご それまでは、からだが不自由なために話せ 一つになり - ます % かせなくても、コンピュ 1 ターだったらうご ないので、考えることなどできないと思われ とくべつかいりよう そうすれは、自分のことをわかってもらえかせる子がいます。 ていた人たちが、特別に改良されてあっかい しようかい なくて、さみしい気持ちになったりすること コミュニケ 1 ション・エイドを紹介しましやすくなったコンピュ 1 ターのキーポ 1 ドな き力い のつり・よ′、 も少なくなります。こういう機械をコミュニたか、コンピューターもそのひとつです。た どをつかうことて、さまざまな能力のあるこ でんし ケーション・エイドとゝ しいます。このような とえば、コンピュ 1 タ 1 をつかえば、電子メとを教えてくれたのです。 かいわっうしん じゅ、フ せんざいのうりよく ールなどで会話や通信ができるという人がい 機械が、もっともっと発達し、自由におたが こういった能力を、「潜在能力」といいます おもて しのことがったえあえるようになれはいゝ。 してます。また、コンピュ 1 ターをつかってむすが、機械の発達がそれを表にだせるようにし けいさん ぶんしよう すね。 かしい計算をしたり、文章をつくっている人てくれています。 コミュ一一ヶーション・エイド はったっ よ、フ′」 はったっ
しょ , っ力い 障害が重くても、学校にいけて ぎむきよういく 義務教育をうけられるようにな ったのは、一九七九年からでした。 まんにん それまでは、一万人ちかくの障害 しゅうがくめんじよ の重い子たちが、「就学を免除」さ じたくふくし しせつ れ、自宅や福祉の施設ですごして いました。また学校ばかりでなく、 いちぶ ようちえんほいくえん 一部をのぞいて幼稚園や保育園に かようこともできませんでした。 じゅうよ、っせい ぜんこく ホームドクターの重要性につ このため全国で、障害をもっ子 じしゅてき いては、幻ページでもふれました。 のための自主的な保育グル 1 プが、 しようがい かさ で、 重い障害のある子どもたちにと いくつもの障害が重なること かさらに重くなったりしてしまう つくられていきました。ページ しようかい 力し って、お医者さんにかかることは もあります。いろいろな障害をき こともあります。また、てんかん で紹介した「さくらんば会」は、そ か り - 力い ほっさ 欠かすことのできないことです。 ちんと理解し、それぞれにたいし】発作をおこす子どもも多いので、 のようなグループのひとつです。 いりようくんれん ひつよう けんじよう というのも、医療にはつぎのよう て適切な医療や訓練をするために、 障害があるからこそ、健常な子 し やくわり しんだん それをコ→トロ 1 ルする必要があ しやくわり いりようちゅう いじようせんもんてききよういくひつよう な役割があるからです。 医師の診断をうけることはとても ります。医師の役割は、医療の中 ども以上に、専門的な教育が必要 げんいんし しようがい しん じゅ、つよ、つ ①障害の原因を知る 心としてとても重要です。 なことはいうまでもありません。 大切なことです。 ちりよ、つ びよういんし かる どうしてそうなったのか、その【 3 治療する また、医師とともに、病院や施〔教育によってはじめて、障害を軽 しようがいしんだん げんいん せつ せわ 原因をさぐります。 くできるだけではなく、さまざま 障害を診断し、原因がわかると、 設にいる子どもたちの世話をする しようがいしんだん ちり . よ、つ かんごふ まな しやかいさんか ②障害の診断をする すべてではありませんが、治療す 中心となるのが看護婦です。家で なことを学び、社会参加ができる かい。こ ることができるものがあります。 障害かなんなのかを知り、その よ一つになります 暮らす子どもの介護のしかたなど ていこうりよく かぞく よう。こがっこう 診断をおこないます。障害とはい 重い障害のある子は抵抗力が についても、家族や介護する人に 養護学校にかようことができな おお いくし えいよう っても、ひとったけとはかぎりま】弱い子が多いので、たとえかせと】教えてくれます。育児や栄養につ いほど、重い障害をもっ子たちに うんどう ちてきはたら ゆだん ほ , つもんがっきゅう せん。運動や、知的な働きのほか はいっても油断できません。とき いても、相談にのってくれます。 は訪問学級があります。訪問学級 しり・よく 4 つよ、フり . よく . な カてい に、視力、聴力などさまざまな面 には、かせで亡くなったり、障害 とは、養護学校の先生が家庭を訪 医療のはたす役割 みんなで 調べよう りよ、フ しゃ へん りよう いり・よ , っ 資料編 ら し やくわり めん よわ たいせつ てきせつ 0 、の ウイルス そうだん 重い障害を もっ子が学ふ環境 しよ、つ力し 0 まな かんきよう