日本一のタクシー会社 とを他の社員に伝えて、日本一のタクシー会社をつくるんです。それが私の夢な んです」 ・ : す、素晴らしい夢ですね ! 」 「すごい : 私は、次の言葉を失いました。 講演会場である工場の正門に着き、タクシ 1 を降りました。 私が車を降りる時も、すぐに運転席から走ってきて手でドアを開けて、そし 「行ってらっしゃいませ」と、送り出してくれました。 少し歩いたところで振り返ると、運転手さんは止めた車の横に立って、笑顔の まま私を見送っています。目が合うと、深々と頭を下げました。 ″運転手という仕事は、とても魅力的な素晴らしい仕事だなあ。と、私は思いま いや、そうではなく、この運転手さんが″運転手。という仕事を、自分の人生 した。
コーヒ 1 を飲もうとした時、コ 1 ヒ 1 を売ってくださったコーヒ 1 会社がなけ れば、このコーヒ 1 は飲むことができなかったかもしれないと思うと、コーヒー 会社の方々に感動し、感謝したくなりました。 そのコーヒー豆を遠くの国から、運んできてくださった輸送会社の方々にも感 動し、感謝したくなりました。 そして、その豆を作ってくださった異国の農家の方々にも感動し、感謝したく なりました。 さらに、そのコーヒ 1 豆を新鮮なまま送るための、容器を開発してくださった 会社の方々や、その材料になる金属を、深い地中から掘り出してくださった会社 の方々など、世界中のたくさんの方々に感動し、感謝したくなったのです。 このように、私はたくさんの感動と、感謝に包まれて生きていることに気がっ いたのです。つまり、感動すること、感謝することがいくらでも身の回りにあっ たのです。世界中の人と関わっていることに気がついた時、私は大いなる感動と 10 2
実は、私たちが当たり前と思っていることに、感動があるのです。それを発見 することは、生きている喜びを見つけることでもあると思います。 たとえば、このことを仕事に当てはめて考えてみましよう まず、自分が働くことができる会社という場があるだけで、感動することもで 、たくさんの方々に感 きるのではないでしようかさらに、考えれば次のように 動し、感謝したくなることが見つかるはずです。 会社をつくってくださった創業者 創業者を支援してくださった方々 最初に取引をしてくださった御客様 今の会社の商品、サービスを購入してくださっている御客様 その商品の原材料をつくってくださっているパートナー企業の方々 どこにでも営業に行くことができる電車や自動車をつくってくださった方々 104
はじめに 「考えすぎじゃないの ? 就職できれば、それだけでいいんじゃないー 「仕事を一ヶ月も続けられない人間には、何もできないよ」 。いい奴だったのに : 「あいつの人生は終わったよ : ・ 私を大学まで行かせてくれた両親には、とても不安な思いをさせ、申し訳ない ことをしてしまったと思います その後、私は会社を作りました。 それは、生きる目的を見つけるための会社でした。とにかく、いろいろな仕事 をしていく中で、自分の生きがいを見出そうと考えたからでした。 そもそも、仕事をするためには会社が必要だ、という安易な発想があったこと も事実です。 大学時代にアルバイトで貯めたわすかな貯蓄と、親から借りた分を合わせて、 はじめの資金としました。今考えると、本当に無謀としか言いようのない行動で
けれども、その時は、 「仕事をするためには、会社が必要だ」 「会社があれば、仕事がもらえる」 と考えました。 仕事の難しさ、社会の厳しさを知らなかったからこそ、できた行動だと思いま もちろん、その資金はすぐになくなりました。四つの事業に取り組みましたが、 売り上げは、まったくありません。六畳一間の事務所で、毎夜、受験生の個人指 導をしながら、なんとか生活費を稼ぎました。 当時の私にとって、仕事はまったく未知のものでした。 仕事をしようと思って行動しても、成果につながることがないばかりか、行動 するほどただ資金がなくなるだけでした。 す。 す。
仕事が感動に変わる、五つの心構え ②ものごとを前向きに受け止める クレームを利益に変えることができる会社があります。どんな小さなクレ 1 ム にも、即座に徹底的に対応することで、お客様に感動を与え、さらには信用まで 得て、次の大きな仕事にまで発展させてしまうのです。 その会社の社員は、問題が起こると自分の出番とばかり、よりやる気になって 取り組んでいきます。 対処するスピードを競い合い、その姿勢でお客様を感動させることを競い合い ます。その内容は、毎月、社内報で発表され、それぞれの功績をお互いに賛美し 合うのです。 その結果、社員は、クレームから逃げるどころか、それを自分の最高の出番と して、そこから生きがいを得ています。 問題が起きたことが問題なのではなく、その問題をどのように受け止めて、次
人であふれた駐車場 一日ですねー 「おはようございます ! 今日も天気で、いい 以前は、大手企業で働いていたそうです。その会社を定年になって退社し、そ して家が近くにあるというだけの理由で、駐車場の管理人の仕事を始めたという ことでした。 ある朝、私が家を出て、車で会社に向かっている時に、急に雨が降ってきまし た。その時私は、傘を忘れてしまったことに気がっきました。 駐車場に着いた頃には土砂降りになっていました。車の中から出ることもでき ず、どうしたものかと考えていたところへ、管理人のおじさんが走り寄ってきま した。 私は、雨が入ってこないように、少しだけ窓を開けました。 「傘、忘れたんじゃない。ちょうど今、降り出したばかりだから : っていきなよ」 これ、持
亠のとがさ ある時、ふと、気がついたことがあります。 目覚まし時計が鳴って、朝起きた時、正確な時間に起こしてくれる目覚まし時 計を作ってくださった時計メーカーの方々に感動し、感謝したくなりました。 そして、電気をつけた時、ばっと部屋が明るくなりました。その時、二四時間 いつでも電気を送ってくださっている電力会社の方々に感動し、感謝したくなり ました。 顔を洗おうとして、蛇口をひねったところ、きれいな水が出てきたので、いっ でもきれいな水を送ってくださっている水道局の方々に感動し、感謝したくなり ました。 お湯を沸かそうと台所でガスコンロに火をつけたところ、勢いよく火がついた ので、安全にガスを供給してくださっているガス会社の方々に感動し、感謝した くなりました。 101
【第ニ話】日本一のタクシー会社
一 0 田島正申 ( ふくしま・まさのぶ ) ー 958 年東京都墨田区生まれ 早稲田大学卒業後、コンサルタント会社に就職 するも同月退社。 その後、様々な事業に挑戦し、 19 8 8 年株式 会社就職予備校 ( 現・アントレプレナーセンター http://www.entre・ co.jp) 設立、代表取締役に就任。 通産省産業構造審議会委員を始め、数々の委員 を歴任。 自立型人材の育成、組織活性化や新規事業立 ち上げ、地域活性化支援の専門家として、これ まで年以上に渡り、日本を代表するいくつも の大手企業、大前研一の「アタッカーズ・ビジネスス クール」や全国の地方自治体などで、約 5 、 000 回、延べにして万人以上に研修、講演 を行う。受講者からの「人生が変わった」という 声が後をたたない。 「他人の成功を応援すること」を生きがいとして おり、企業経営者、ビジネス書のベストセラー作家 など、多くの人から「メンター」と慕われている。 主な著書に「メンタリング・マネジメント」「起業 家精神」 ( ダイヤモンド社 ) 、「感動と共感のプレ ゼンテーション」「起業学」 ( 風人社 ) 「小さな会社 の社長のための問題解決マニュアル」研究 所 ) など。メールマガジン「夢を実現する今日の一 言」配信中。 とんな仕事も楽しくなる 3 つの物語 2 0 。 8 年 4 月 16 日第 1 刷発行 2 。 0 8 年 4 月 21 日第 2 刷発行 著者福島正伸 発行人川口徹 編集人松隈勝之 発行所きこ書房 一・ ( 0 っ 0 ー 0 ( こ ( 04 ・ 東京都新宿区西新宿 2 ー 6 ー 1 新宿住友ビル 36 階 電 0 っ 0 ーっ 0 っ ) ・つ ) ー -0 っ 0 04 一 ホームページ http://www.kikoshobo.co ョ 装丁長坂勇司 カバ ! 本文イラストこころ美保子 編集谷英樹 印刷・製本中央精版印刷株式会社 @MASANOBU FUKUS 工 IMA 2008 Printed ョ Japan ISBN 978 ー 4 ー 87771 ー 231 ー 0 落丁・乱丁本はお取り替えいたします。 無断転載・複成を禁ず