杉原千畝 - みる会図書館


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1. 杉原千畝

畝至 - ISBN978 ー 4 ー 09 ー 230849 ー 7 日笠由紀 ・文筆家。 ・イギリスのエリサベス女王と同じ 4 月 21 日 生まれのおうし座 B 型。特技は、声を使い分 けながら、ぬいぐるみ同士を会話させること。 ☆小学館ジ h ニア文庫☆ 杉原千畝スギハラチウネ ジひ -1 -1 C8293 ¥ 700E 9 7 8 4 0 9 2 5 0 8 4 9 7 ひかさゆき 定価本体 700 円十税 小学館 スギハラチウネ ☆小学館ジ h ニア文庫☆ だいにじせかいたいせんじそこく じんやく 第ニ次世界大戦時、祖国を追われたユダヤ人約 6000 人 いのちすく の命を救った外交官・杉原千畝。世界を知って、日本を 良くしたい。その思いを胸に、千畝は満洲国からフィン ランド、そしてリトアニアに赴任し、そこでナチスに追 われたユダヤ人たちに出会う。「もう行くところがない ちうねくだ のです」と訴える彼らに千畝が下した決断は、日本政府 の命令に背いてヴィザを発給することだった。千畝は なみだかんどう なぜこのような決断をしたのか ? 涙と感動の映画 すきはらちうね 杉原千畝スギハラチウネ』をわかりやすく小説化 ! にっぽん がいこうかんすきはらちうねせカん 1 まんしゅうこく ちうね むれ おも ふにん い リ引 C 川 U 鳥 につぼんせいふ かれ うった けつだん 笠郎 日哲 著川 はつきゅう そむ めいれい ちうね えいが けつだん しようせつか 日笠由紀脚 0 加 15 「杉原千スギハラチウネ」製作委員会 Shogakukan Junior Bunko 鎌田哲郎 松尾浩道

2. 杉原千畝

杉原千畝よ政府の めい」。れい そむ 命令に背いてまで、 はっきゅう 命のウザを発給し ー続けたか ? 、のち せしふ 千畝の発給した、 一枚の紙れによって 救われ - ユダヤ人は : 約 60 0 人。 その子たちはべ しよう・ 現在 4 000 人以上を 生存している げんさい せいそん やく ちうね いちまい ヤと果 - ダリを ュエ 2 会に シと 後ニはしこ 一戦の ~ 畝。す A 人ち千一」た しそ はっき 0 を こひなた・みみ。よ覆おおしまひろし からさわとし、あき すぎはららうね こゆき 阜ャスト / 唐沢寿明・・・杉愿千畝小雪・・、杉原幸字小日向文笹・ - ・・大島浩 ツェザリ・ウカシェッイチ・・・グッジェミハウ・ジュラフ曼キい : ニシェリ . ポリス・ 、三、どうさとし - まだがくつかもとたか たきとうけんいち いしばしりよう いたおいつじ 。、イ冫・。ゾ冫 . 、はか、石橋凌、滝藤賢一、板尾創路、一階堂聟、 = 濱田岳、塚本高 史ら豪華キャズトが出義。監督 / チェリン・グラック せいさくいいんれ、 塚すぎ - はら「らうね C2015 工を原千畝スギハラチウネ」製作委員会 ◆映画 ~ が「杉原千畝すぎ。。ちうね」 すぎはらゆきご

3. 杉原千畝

原 T ・畝年表 1961 ベトナム戦争始まる。 と、・をよう 1964 東京オリンピック開催。 むす 0 イスラエルとドイツが国交を結ぶ。 1965 国際交易 ( 株 ) のモスクワ支店代表となる 1968 8 月ユダヤ人難民だったニシュリとイスラエル大使館で再会。 1969 9 月イスラエルでバルハフティック宗教大臣と再会、勲章を受章。アポロⅱ号月着陸に成功。 おきなわへんかん アメリカから沖縄返還。 1975 国際交易 ( 株 ) を退社。モスクワより帰国。 しゅしよう 1985 1 月イスラエル政府から「諸国民の中の正義の人」賞 ( ャド・バシエム賞 ) 」を受賞。 にちかまくら えいみんきようねん ソ連・チェリノブイリ原子力発電所事故。 1986 7 月田日鎌倉にて永眠 ( 享年田歳 ) 。 1991 ソビエト連邦解体 リトアニアの首都ヴィリニュスに「スギハラ通り」ができる。 おかこうえんかいえん ぎふけんやおっちょう しんどう 1992 岐阜県八百津町に「人道の丘公園」開園 すきはらちうね きねんきってはっこう インド・パキスタンが核実験。 1998 イスラエルで杉原千畝の記念切手発行。 かいし物ようこくし物のうかいぎおきなわ につぼんすぎはらちうねきねんきって はっこう cuooo 日本で杉原千畝記念切手が発行。 第回主要国首脳会議 ( 沖縄サミット ) が開催される。 すぎはらちうねきねんかん すぎはらちうねせいたんひくねん きねん じんとうおかこうえん 杉原千畝生誕百年を記念して「人道の丘公園」に「杉原千畝記念館」が竣工。 なごやしりつへいわしようがっこう 名古屋市立平和小学校に「ちうねチャイム」ができる。 外交史料館に杉原千畝を称える彰プレートが誕置される。 き物うにつはんりようしかん すぎはらきねんかん リトアニアの旧日本領事館が「杉原記念館」として公開される。 すぎはらちうね きねんひ わせだだいがく 早稲田大学がヴィリニュスに桜の木を植え、杉原千畝の記念碑を建てる。 2001 こくさいこうえきかふ こくさいこうえきかふ しんなんみん たいしゃ しょこくみんなかせいぎひとしよう してんたいひょう し・うきようだいしんさいかい たいしかん ′、んしよう しよう し物んこう れん ソ連、リトアニアを併合。 どうしたはっ アメリカ同時多発テロ発生。 れんばうかいたい せんそうはし ごうつきちくりく 0 へいごう げんしりよくはつでんしよしこ かくしつけん 197

4. 杉原千畝

菊池が出てきた。 「じゃあな」 「おう、またいつでも来い ! 」 こえ みおくきくち ちうね 千畝を見送る菊池の声を、 「おはようございますー・行ってきます ! 」 け きくち こえ はつらっ ちうねつづ 溌剌とした女性の声がかき消した。菊池と千畝に続いて家から出てきたのは、ピンクの わかじよ ふくそうおんな ジャケットを着こなしたモダンな服装の女。いかにも職業婦人といった風情のその若い女 みま まえばんちうね 性は、前の晩、千畝にビンタを見舞ったその当人だった。 すぎはら 「杉原、妹のユキコだ」 むね かおみ あわ ちうねのうり その顔を見て、千畝の脳裏に、一瞬、昨晩の幸子の白い肌が甦った。慌てて胸ポケット と かみゆびみみ だ ちうね だ から名刺を取り出すと、千畝は、片手で幸子に差し出した。ポプカットの髪を指で耳にか う りようてめいし とゆきこ けながら、両手で名刺を受け取る幸子に、 すぎはら がいむしよう 「杉原さんだ。外務省にお勤めなんだぞ」 きくち しようかい 菊池が紹介する。 きくち で いもうと じよせい き こ っと かたて ゆきこ いっしゅんさくばんゆきこ とうにん さ しよくぎようふじん しろはだよみがえ で ふぜい

5. 杉原千畝

た こころかく ちうねからだよ 一層、千畝に体を寄せて、スキップせんばかりに浮き立っ心を隠さない幸子だった。 き ちうねふにんさき 一九三七年。いよいよ千畝の赴任先が決まった。 すぎはら 「杉原」 じようし こえ がいむしようしょぞくぶしょ 外務省の所属部署で執務中の千畝に、上司である関満が声をかけた。その手には千畝に じれい 出た辞令がある おも きみ 「君には、リトアニアに行ってもらおうと思います。まずはフィンランドで情勢を把握し、 しゆと りようじかんせつりつじゅんびすす 首都カウナスにおける領事館設立の準備を進めてください」 「リトアニア ? 」 き つづ かえ ちうねけげんかお 千畝が怪訝な顔で聞き返すと、関満はなおもこう続けた。 れん げんざい 「現在、ソ連はヨーロッパに手を伸ばそうとしています。リトアニアはヨーロッパ情勢を 知るうえではうってつけの場所です」 ひかりやど くろぶちめがねおくひとみ せきみつ 関満の、黒縁眼鏡の奥の瞳に光が宿る れんじようほうあっ あら すぎはらきみ 「杉原、君の手で新たなネットワークを作り、ソ連の情報を集めてください」 し で いっそう ねん 0 しつむちゅう ちうね せきみつ 0 つく せきみつ ゆきこ じようせい て じようせい ちうね はあく

6. 杉原千畝

ねんちうねいっか 一九三七年、千畝一家はまずフィンランドに渡り、ヘルシンキでの二年間の勤務を終え ねん た一九三九年に、リトアニアへと移った。 えいきよう とうじ ちうねふにん 千畝が赴任した当時のリトアニアは、ロシア革命の影響を受けて独立を果たし、内陸部 の中央に位置するカウナスに首都を構えていた。 りようじかんちうね にっぽんりようじかんひら ちうねざい そのカウナスの住宅街の一角に、千畝は在カウナス日本領事館を開いた。領事館は千畝 ひ すぎはらけ どうじ すぎはらけ じたく の自宅も兼ねているので、それは同時に、杉原家の引っ越しでもあった。杉原家の長男・ やかたはこ うばあ まえにわお ひろき じなんちあき 弘樹と次男・千暁が、前庭に置かれたスーツケースを奪い合うようにして館に運び込んで くぎもんかんばんう そと ちうねかな いる。外では、千畝が金づちと釘で門に看板を打ち付けていた だいにっぽんていこくりようじかん 「大日本帝国領事館」 となりなら かんばんなが ゝじゃな えんじ色のスーツを身にまとった幸子も隣に並んで看板を眺め、「なかなかいし さ かんばんなが にもっ ちうねよ い ? 」とばかりに千畝に寄り添う。引っ越しの荷物を下ろし終えた車が去り、看板を眺め ちゅうおう ち じゅうたくがい いっか′、 しゆとかま うつ ゆきこ こ わた かくめい っ お こ お 0 どくりつ くるま にねんかんきんむ ちょうなん ないりくぶ こ お -4

7. 杉原千畝

かれ 「これで彼らが抵抗したことになりました」 おそ ころ みなみかわ れんへい かんとうぐんていこう 恐ろしいことに、南川は、ソ連兵が関東軍に抵抗してマラットたちを殺したことにしょ ころ ちうねだいじなかま うとしているのだ。そして、ただそれだけのために、千畝の大事な仲間たちが殺されてし みなみかわ はじ ちうねおも じぶんうらぎ まった。南川が、初めから自分を裏切るつもりだったとわかり、千畝は思わず南川につか げんえきぐんじんかな みかかった。しかし、現役の軍人に敵うわけがなく、あっけなく倒されてしまう すぎはら 「どうしたのですか ? 杉原さん。あなたらしくもないスパイの代わりなどいくらでも しるでしょ一つ」 み ちうね 意味ありげに千畝を見下ろしながら、南川は重ねて、 と すぎはら わたしかくじつほうほう 「杉原さん、私も確実な方法を取っただけです」 おなことば ひにく かえ すうじかんまえ ちうね 数時間前にバーで千畝が言ったのと同じ言葉を、皮肉を込めて返すのだった。 みなみかわにら かんとうぐんぐんじんじめんお くや 関東軍の軍人に地面に押さえつけられ、悔しさに顔をゆがませながら南川を睨みつける き な こえ ちうねみみ 千畝の耳に、イリーナのすすり泣く声が聞こえてきた。 まえすす ぜんたい 「全隊、前へ進め ! 」 た かんとうぐんさ のこ ちうね 関東軍が去り、残された千畝は、フラフラと立ち上がって、周りを見回した。マラット、 ていこう みなみかわかさ かお あ こ まわ たお か みまわ みなみかわ 0

8. 杉原千畝

さくばんたいへんしつれい すぎはら 「杉原です。昨晩は大変失礼しま・ : 」 ちうね 千畝が言い終わらないうちに、 じかん 「やだ、もうこんな時間 ! ごめんなさい。失礼します」 さ さくばん た ゆきこ うでどけい 腕時計に目をやり、幸子は急いで立ち去ろうとした。昨晩のビンタが、さすがにきまり と いちど しせんもど わる しかし、ふと足を止めると、もう一度、名刺に視線を戻して、 悪かったのかもしれない き すぎはら 「また来てくださいね。杉原・ : チウネさん」 む そ かあしっとさき ひとこと 一一一一〔、そう「〔い添えてから、駆け足で勤め先へと向かった。 たず ちうね うしすがたみおく その後ろ姿を見送りながらクスッと笑みを漏らす千畝に、「どうした ? 」と菊池が尋ね よ はじ おれなまえただ 「いや : ・。初めてだ。俺の名前を正しく読んでもらったのは」 ちうねかんしん あ ゆきこ ちせい ちうねなまえ 初対面の相手には読みにくい千畝の名前を一発で〔い当てた幸子の知性に、千畝は感心 よ にっぽんじん していた。日本人でさえ読めないからこそ、外国人には「センボ」と呼ばせていたのだ。 き まなざ こた ちうね とかえきくち 「え ? 」と問い返す菊池に、千畝はもう答えず、再び愛おしげな眼差しで幸子が消えてい ほうこう み った方向を見つめていた。 る 0 しょたいめんあいて お しつれい いつばっ がいこくじん ふたたいと も ゆきこ きくち

9. 杉原千畝

かた ちうね と語りかけるニシェリに、千畝は、 わたしめざ せかい とお 「いやいや、私の目指す世界はまだずっと遠くにあるんですよ」 ひてい ごくやんわりと、しかしきつばりと否定した。 千畝の目は、これまでにもそうだったように、国や人種の境界線を遥かに越えて、もっ みらい と先の未来を見据えようとしていた。 おも 「私は今でも世界を変えたいと思っているのです」 ねんがっ 一九八五年一月十八日。イスラエル政府より「諸国民の中の正義の人賞」受賞。 ねんがっ にちえいみんきようねんはちじゅうろくさい 一九八六年七月三十一日永眠 ( 享年八十六歳 ) 。 ねんがっとおかがいむしよう こうしきすぎはらちうねこうせき けんしよう 一一〇〇〇年十月十日外務省が公式に杉原千畝の功績を顕彰。 すぎはらちうねはっこう しそん 杉原千畝の発行したヴィザで救われた人々の子孫は、現在四万人以上生存している。 さき わたし ちうねめ にち すく ひとびと くにじんしゆきようかいせんはる しょこくみんなかせいぎひとしようじゅしよう げんざい まんにんいじようせいぞん こ 【おわり】 191

10. 杉原千畝

とおもむろに切り出す。 いぜん 「以前、ゲシュタボにあなたのことを聞かれたことがあって : ・」 「いいんだグッジェ」 最後まで言わせずに、千畝が遮った。 「しかし・ : 」 しん 「君のことを信じているから」 ちうねれっしゃ それだけ言うと、千畝は列車へと急いだ すぎはらりようじ 「杉原領事」 あとお ちうね 後を追ったグッジェが、デッキを上がり、列車に乗り込んだ千畝をもう一度呼び止め、 いっさっ 一冊のバインダーを差し出した。 「これをお持ちください」 ちうねりよこうかばん つづ 千畝が旅行鞄をいったん置き、バインダーを受け取ると、グッジェは続けた。 すく 「これはリストです。あなたが救った命のリストです」 ちうね めちから 千畝のグッジェを見つめる目に力が込もった。 きみ ちうねさえぎ こ いのち れっしゃ こ いちどよ 137