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〒 5 5 分間て心にしみるストーリー 0 モ・スタ編 工 a コ picked 5 ョ ihute shO ュ」 : 「「 ge ョ」 s -40 月 0 《 e a コ食 inspi. 「 e you 分間て心にしみる 9784509612164 1928595009808 旧 BN978-4-309-61216-4 C8393 ¥ 980E 定価ー ( 税別 ) 「 5 分シリーズ」は、エプリスタと河出書房新社が贈る 短編小説シリーズてす。 この短編小説集に収録された作品は、小説投稿サイ ト「エプリスタ」に投稿された作品を加筆・修正したも ニ週間に一度開催されている短編小説賞「三行か ら参加てきる超・妄想コンテスト」入賞作品から、さら に選リすぐリのものを集めました。 投稿作品累計 200 万作品、コンテスト応募総数 20000 作品以上から厳選された短編は、すぐ読め る短さなのに、衝撃的に面白いものばかリてす。 あなたも 5 分て衝撃を受けてください。 V E R ーしし 吉田ヨシッギ リング 記億銀行 偽装するのは誰のため 考える人 秋の学校て。 うばすて課 パン以外の何か 紙ひこうきの見た世界 エプリスタ編 小説投稿サイト 。 0 ブリスタ河出書房新社 http: 〃 estar. jp/ 河出書房新社 河出書房新社 Hand picked 5 minute 5h0 「 t , Literary gems tO move and inspire you シリーズ

きたな 人の汚い本音を、嘘を、見抜くのだ。 ・ああ、なんて嫌な仕事なんだろう。 「三上さんは、嫌にならないんですか」 「なにがだ ? 」 みに・、 「この課では、人間の醜いところばかりを見るでしよう。嫌にならないんですか」 僕の質問にこちらを向いた三上さんは携帯灰皿に煙草をねじ込んだ。 「初日でもう辞めたくなったか ? 」 「お前の心が叫んでるぞ。こんな所、まっぴらだって」 もど 三上さんはフ、と笑って、そのまま課に戻ってしまった。 ▽ さけ うそ 126

考える考える。 もし落とし主がヤクザとか、何か危険なご職業の方だったらどうしよう。 『報労金だんなもん、俺様の小指でもくれてやる ! 』などと、血なまぐさいも のを投げつけられたらどうしよう。 いや、仮にとても良い心の持ち主のヤクザだったとして、気前よく報労金をくれ たとしても。 一億円という大金を拾って届けた恩人である僕を、兄貴と慕って付きまとわれた ら大変だ。 「けけつ、権利を放棄したら、どうなるんですか ? 「何のー ? 」 「だから、報労金の。その場合は、僕の情報は警察どまりですよね ? 」 「もちろん。落とし主が現れたら、拾得者は『礼はいらないよ』と去っていきまし たと、美談を語りますねー」 した 85 考える人

僕は気が弱い しや、というよりも気が小さい 度胸がないというか、臆病者というか、何だか結局全部同じ意味なのかもしれな しカ 周りの視線が気になって、自分の意志を貫けない。 聞こえるはずのない周りの声を勝手に想像して、正しいことを思いきり出来ない。 とにかく、そんな性格だ。 例えば、満員電車。 運よく座席を確保し、仕事帰りのくたくたの身体を、小気味良い揺れに委ねる。 駅で停車し、自分の座席に一番近い入口から、老人が乗ってきた。 僕は横目でそれを確認して、心の中で全力で願う。 どうかこっちに来ませんように。 おくびよう つらぬ

先輩である三上さんは三十代後半のべテランケースワーカーで、先ほどの二枚舌 主婦を一刀両断した人だ。 噂では、この人はなかなか申請を通さないという。 たんたん 冷静に、淡々と、選り分ける。 おどろ あいさっ 数日前挨拶のため課を訪れた僕は、とても驚いた この人だけ。 読めなかったのだ。 僕の性質上、やりたいかやりたくないかは別として、向き不向きで言えばこのう ・向いているのだと思う。 ばすて課はハッキリと。 物心ついた頃からそうだった。 人の心が、読める。 自分の意思とは関係なく次々に流れ込んでくる他人の思考。 うわさ ころ 124

「申し訳ございません。ご説明が遅れてしまったことをここに謝罪させていただき ます」 なみだ その笑顔からは、謝罪の心などスズメの涙ほども感じられませんでした。まった く、私が短気な人ならば、スズメのようにチュンチュン喚き散らしていたことでし 「この施設は『キオクギンコウ』でございます。お客様は当行に、記憶をお預けに なったのです」 「『キオクギンコウ』 ? 聞いたこともありません」 私は腕を組みました。 キオクギンコウ・ 記憶銀行・ 記憶の銀行 ? 記憶のやり取りができる銀 行なのでしようか。もしもそうなら、科学技術はいつのまにそこまで進歩したので しよう。 「そうでしよう。記億を失ったあなたが知るはずもありません。当行は今から五年 ほど前に創立された、全く新しい銀行なのです、 0 うで おく わめ 記憶銀行 29

彼らが連れ去られてから。 残った者たちにはこう言えば良いのだ。 こうしよう 政府の必死の交渉により、全地球市民の虐殺は免れ得た。 私たちは残った地球を守って行こう、と。 最終の意思決定は、宇宙船がやってきてから五日後に設定された。 私の公団ではたくさんの人がネットの意見の方を支持して、残っていたから、心 かんわ 細さは緩和された。 これを機に、これまであまり話をしたことがなかったご近所の人ともたくさん話 して、なんとなく温かな気持ちにさえなったほどだ。 私たちの街には大きな公園があるが、その公園を中心にして自衛隊のキャンプが 張られた。 この時点でリングを嵌めることを決め、それを受け取った人は、順次この野営地 に移って生活を始めている。 ぎやくさつまぬが

全部事実だけれど ! 「 : : : だけど。それが全部悪いって訳じゃねえ」 だれ 「なあ、新人。へプンってのは、誰にとっての天国なんだ ? まんまと俺らを出し 抜いて、介護を免れた奴等か ? それとも、国か ? 」 今日は携帯灰皿を持っていなかったのか、三上さんはコーヒーの空き缶に煙草を 放った。 「ちげえだろ ? へプンは、本当に助けを必要としている人達の、救いの場でなけ りや意味がないだろ ? 」 「 : : : はい」 えいきよう どくしん 「お前の読心の能力と他人の影響を受けやすい性質は、諸刃の剣だ。下手すりや、 お前が先に潰される。救いたければ、見極めたければ、鍛えろ。それが、俺達の仕 事に繋がる 「 : : : あの。三上さんは、いっから僕のことを知っていたんですか ? 」 つな まぬが もろは きた つるぎ 140