考え - みる会図書館


検索対象: 人はなぜ星を見上げるのか : 星と人をつなぐ仕事
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1. 人はなぜ星を見上げるのか : 星と人をつなぐ仕事

る私たちをきっと励ましているのだ。 ☆心をつなぐ あなたとわたし / はなれていても / 同じ星を見てるって / 信じてるから ( 中学生 ) 星は点像であるゆえに、 2 人の視線を同じ場所に重ねることができる。時空を超えて、気持 ちをつなぐことができる、それは星の大きな力。 ☆自分を見る 強く輝くほし / 弱く輝くほし / ほしになったあなた / いくつもあるほしのなかで / あな たを見つける自信がある / わたしから見るあなたは輝いてみえるけど / あなたから見るわたし は輝いていますか ( ペンネームもか円歳 ) 遠くを見つめる。その視線は、星に反射し、遠くから自分が生きていることを見つめる機会 1 3 ほしにむすばれて一一ノ、、と宇宙のドラマ ー 2 3

2. 人はなぜ星を見上げるのか : 星と人をつなぐ仕事

にぐかか - ひる 4 《か、ら ( ゅ・つやけは ーしず・かたよトるヘど - トるのはドし 4 ( リ・ こどもがゞり J 」昇、って ゅ・つやけをぬぐど ゅ・つやけは み、、ら↓よ + 。こ、 うちゅうのドラマの - っちへか・てるこどもたりに 从 ~ ) ぎあける - あおぞ、らかか ~ 、していた ほしばし」みせる ☆宇宙のドラマ 晴れている日には、夕日が山に落ちたあと、空はえも言われぬ深みをおびた「蒼色」になる。 プルーモーメントと呼ばれるその時間。その時間の短さとはかなさゆえか、満天の星空にもま さって、一番好きな空の風景でもある。そこに一番星が輝きはじめるのがたまらない。青空で ふたをされていた空が、徐々にべールを脱ぐように宇宙に向かって窓が開かれていく。まさし く「うちゅうのドラマがまくをあける時間だ。 47

3. 人はなぜ星を見上げるのか : 星と人をつなぐ仕事

「じゃあを教えるよ。どてもかんたんなこどだ。ものごどはね、心て見なくてはよく見えな ( 、。、ちはんたいせつなこどは、目に見えない 「いちばんたいせつなこどは、目に見えない」忘れないているために、王子さまはくリ返した。 サン日テクシュペリ※幻 ☆大事なものは目に見えない 見えていても、心がなければ見えないといったのは星の王子さま。見えないけれど、たしか に存在するもの、それを詠ったのは金子みすゞ。見えないものに価値をおける社会にひかれる といったのは、星野道夫。それらに影響されてか、「見えないものーに対する、一種の憧れの ような感情が自分の中にあった。そこには、想像力という言葉が必ず介在してくるからなのか もしれない。プラネタリウムという空間にあって、一番大事にしたいのは想像力。それが引き 出せたとき、人々がロにする一一 = ロ葉の質は、格段に変わってくる。さまざまな作品づくりや解説 を重ねる中でそれを感じてきた。晴眼者、つまり目が見える人は、受け取る情報全体の 8 割以 上を、視覚から得ているという。けれども、その視覚情報があるゆえに、特に嗅覚や聴覚とい 4

4. 人はなぜ星を見上げるのか : 星と人をつなぐ仕事

☆「つなぐ」「つくる」「つたえる」そして「とどける」 「独立しよう」と決めて以降、それを後押ししてくれるような貴重な出逢いがまだ待っていた。 ある企業の社会貢献担当をされていたさん。単にモノやお金を寄附するのではなく、会社の 資産を使って心を動かす社会貢献ができないものか、とずっと考えてこられた中で、私の活動 に目を向けてくださった。社員向けの研修で Space Fantasy LIVE をやらせていただくことか ら始まり、やがて、会社の社会貢献活動として活動を支援いただくことにつながっていった。 活動が始まってまもない、単なる個人事業主の私に。この一歩があったからこそ、今、こうや って進みつづけていくことができている それまで「つなぐ「つくる」「つたえるーことを仕事のキーワードにしてきたけれど、いよ いよ「とどける」ことへのシフトが始まったのである。これまでやってきたことをすべて抱え て、出逢ってきた人たちとともに、そして、届けるべき人たちに逢いにいくために。 岩手県花巻市の小学校での Space Fantasy LIVE に、小学校 6 年生の女の子から、こんな感 想をもらった。「宇宙から見ると地球はほんの一部だとわかりました。その中でも、日本、岩 りラクになるような気がする。 ー 62

5. 人はなぜ星を見上げるのか : 星と人をつなぐ仕事

230 万光年かなたにあるアンドロメダ銀河。あの銀河の片隅にあるどこかの星の周りを回る 惑星があって、そこから遥かなる地球をのぞめば、 230 万年前の地球の姿があるというのだ。 目を細めれば、その時代を生きていた猿人の姿が見えてくるのだろうか ☆再び存在として 、トさな光になぜ私たちは心を奪われるの その遠さゆえに、星は一つの点。点像でしかない / か。作家の池澤夏樹氏は、その著書『星界からの報告』品の中で、「人と星の関係の基本構図。 としてこんな表現をしている。「漆黒の背景の中の一点の光という、極度に抽象的な構図なき 光景が精神に与える、ひたひたとした静かな、しかしかぎりない波紋の効果だ。延々とのびた 視線の一方には星があり、もう一方には自分がいる。世界と人の対峙のしかたとして、最も単 純な、最小限の要件からなる、ありようである。それが精神を震撼させることにあらためて驚 く。」 星が点像であるがゆえに、一対一という向き合い方ができる。山や雲ではそうはいかない だから、こちら側にいる唯一という自分の存在を意識できるのだろう。もし、地上から天に向 かうまなざしが、大地に寝転びながら、ひたすらに星に向かっていくときには、なおさら、自 4

6. 人はなぜ星を見上げるのか : 星と人をつなぐ仕事

った他の感覚をわざと鈍らせる機能が脳にはあるらしい。私たちは、何かものごとをじっくり 考えたいとき、自然に目をつぶる。耳を澄ませたいときも同じ。だから、プラネタリウム番組 の中で、大事なことを言葉で伝えるときは、映像をあまり動かさない。逆に、映像をしつかり 見せたいときには、曲や歌だけで演出する。ドーム空間で映像があまりに動きすぎるのは、想 像力を妨げる、というのは、自身の番組制作の信条のようなものだ。 ☆目を使わない仲間と 年、プラネタリウム・ワ 1 クショップから派生した「星の語り部」の活動 ( 4 章参 照 ) が動き出したころ、まだ当時は 5 人しかいなかったメンバーのひとりが、「目が見えない る す 有 人にもプラネタリウムって体験してもらいたいね」と言った。公共施設であるのに、そういっ 共 た人たちを無意識のうちに、排除している場所なのかも、ということに気づかされた。その提宙 案を受けて、また別のメンバーが、「知り合いに見えない方 ( Ⅱ視覚障害者 ) がいるので、今度 え 見 連れてきましよう」と。そうして間もなく仲間になったのが、市瀬實さんだった。当時、歳 を過ぎていた彼は、「これまで僕に星の話をしてくれた人は誰もいなかった」と言った。触る ことのできないものについて、見えない彼らに何かを伝えることはとても困難なゆえか、ある

7. 人はなぜ星を見上げるのか : 星と人をつなぐ仕事

魂や肉体の調和を示す。そして「ムジカ・インストウルメンタリース。が、私たちの耳に届く、 いわゆる今の「音楽」につながっている。そして、その音楽を支えるのは、数学である。この ような思想は、ギリシャ時代のリべラル・アーツ、つまり自由になるための教養・学問の基本 に、天文学、幾何学、数論、音楽があったことに現れている。 私たちが日常使う一言葉には、どうしても国境がある。けれども、音楽や数学には国境はなく、 おそらくこれらには、国境どころか、 " 星境 ~ さえもないのだろう。地球人が他の星の生命と コンタクトするのであれば、それにはもっとも音楽と数学が有効なのだろう。 それを、体現しているのが、アメリカの宇宙探査機・ポイジャーが抱えるゴールデンレコー ドである。ポイジャーは、科学的な成果を次々に見せつけた惑星探査機であったが、もし宇宙 人にあえたら、地球はこんな星、と差し出せるように、地球の情報を入れ込んだそのレコード を抱えて出かけていった旅人そのものでもあった。 理論物理学者の佐治晴夫先生は、ゴールデンレコードの責任者であったカール・セーガン氏 と 楽 に、レコードにバッハのプレリュードを入れるように提案したそうだ。この曲は、数学の美し さをそのまま音楽にしたようなものだから、だそうだ。私たちが聴いて心地よいと思える和音 の音の波長 ( 振動数 ) はきれいな整数比になることが多い。たとえば、ド・ミ・ソの和音は、 振動数が 4 【 5 【 6 の比率となり、フア・ラ・ド、ソ・シ・レもそうである。その一番の基本 ー 45

8. 人はなぜ星を見上げるのか : 星と人をつなぐ仕事

ように、六つの点で一つの文字を表す。それ一つひとつはまさしく「星」になるわけで、点図 をつくれる方にお願いして、多くの凸凹のある星図をつくってもらった。見える人も見えない 人も、一番直観的に理解できるものは、街中から見える星空と、満天の星空の比較だった。街 中の星空は、 3 等星ぐらいまでのまばらな星のパターン、一方、ライトダウンして見えるはず の満天の星空は、 6 等星までの星がすべて入った、紙一面にぼつぼつがあるようなパタ 1 ン。 プラネタリウムの中で、お客さんが一番感動のため息をつくのは、ライトダウンして、満天の 星空が浮かび上がる瞬間だ。その時間を共有するのに、この星図はだいぶ活躍した。 そんな活動をしているうちに、プラネタリウムに来ない人たちにももっと広く星空のことを 伝えよう、という想いが芽生えた。法人ュニバーサルデザイン絵本センターに企画を持 ち込み、「星の語り部」と彼らと協働で、『ねえおそらのあれなあに ? 』※というュニバ サルデザイン絵本の制作が実現した。点字や点図だけでは、見える人にはなかなかわかりにく 弱視の人にも不都合だ。この本は、ふつうの絵本と同じく墨字で書かれた文字や絵がある ところに、透明のアクリル素材で凸図を描き、触って絵がわかるようにしてある。 この絵本では、街にいる人間の親子、里にいるきつねの親子、山にいる熊の親子が、それぞ れに見上げる星空があり、そこでは星の数の圧倒的な違いが表現されている。そこに大きな流 れ星が流れて、みんなが見上げる星空は一つ、空はつながっているということを伝えるストー 79 8 見えない宇宙を共有する

9. 人はなぜ星を見上げるのか : 星と人をつなぐ仕事

映画「地球交響曲第 3 番」公式リーフレット ( 1996 年 ) 絽後藤明『海を渡ったモンゴロイドー太平洋と日本への道』 ( 講談社選書メチェ ) 覚和歌子『ゼロになるからだ』 ( 徳間書店 ) O 平原綾香音楽シングル 0 「星つむぎの歌」 (Dreamusic) サン日テグジュペリ、河野万里子 ( 訳 ) 『星の王子さま』 ( 新潮文庫 ) ダイアログ・イン・ザ・ダーク http://www.dialoginthedark.com/ ほしのかたりべ作 / みついやすし絵『ねえおそらのあれなあに ? 』 ( ュニバーサルデザイン絵本センタ 1 ) 佐治晴夫『ゆらぎの不思議ー宇宙創造の物語』 (æ文庫 ) 「 Memo ュ es ーほしにむすばれて」公式ウエプサイト http://www.memories-yamanashi.com/ 田沼靖一『ヒトはどうして死ぬのかー死の遺伝子の謎』 ( 幻冬舎新書 ) 清田愛未音楽 o アルバム「星の歌集 2 」 (Manamaru Records) ケヴィン・・ケリー『地球 / 母なる星ー宇宙飛行士が見た地球の荘厳と宇宙の神秘』 ( 小学館 ) 佐治晴夫『星へのプレリュード』 ( 黙出版 ) 池澤夏樹『星界からの報告』 ( 書肆山田 ) 池田綾子音楽アルバム「プラネタリウム番組『きみが住む星』オリジナルサウンドトラック」 ( 限定生産品 ) プラネタリウム番組「きみが住む星」公式サイト http://www.kimi-yamanashi.com/ 「戦場に輝くべガ」の中の和夫のセリフ 高橋真理子・跡部浩一「終わらない物語プラネタリウム番組『戦場に輝くべガー約束の星を見上げてー』」 っ 0 ( 『月刊星ナビ』 2 014 年 7 月号、 http://www.veganet.jp/ に Q L-t«で掲載 ) MiItonD ・ Heifetz 著 / 松森靖夫・岩上洋子・高橋真理子訳『星空散歩ができる本南半球版』 ( 恒星社厚生閣 ) 神野正美『梓特別攻撃隊ー爆撃機「銀河」三千キロの航跡』 ( 光人社 z 文庫 ) 鈴木一美・浅野ひろこ『戦場に輝くべガー約東の星を見上げて』 ( 一兎舎 ) ー 7 2