宇宙船 - みる会図書館


検索対象: きまぐれロボット
13件見つかりました。

1. きまぐれロボット

とちゅう たい 、っちゅうせん ほしばしたび フロル星人たちの乗った一台の宇宙船は、星々の旅をつづける途中、ち あ よ じんるい ち - きゅう た よっと地球へも立ち寄った。しかし、人類と会うことはできなかった。な しゆっげん むかし じんるい ぜなら、人類が出現するよりずっと昔のことだったのだ。 ちょうさ とお 、っちゅうせんちゃくりく せいじん フロル星人たちは宇宙船を着陸させ、ひと通りの調査をしてから、こん み な意味のことを話しあった。 「どうやら、わたしたちのやってくるのが、早すぎたようですね。この星 もっとちのう せいぶつ ぶんめい には、まだ、文明らしきものはない。最も知能のある生物といったら、サ おみやげ せいじん の はや 79 おみやげ

2. きまぐれロボット

っとため息をついた。それから、こうつぶやいた 」、つと、つ き たす しさくひんちかしつ 「やれやれ、やっと助かった。試作品が地下室にあったとは、強盗も気が け・んきゅう た かんせい つかなかったようだ。わたしの完成した研究とは、食べることのできる机 さよ、つ じぶん やイスを作ることだったのだ。おかげで、その作用を自分でたしかめるこ えいようてん すこあじ とになってしまった。栄養の点はいいが、もう少し味をよくする必要もあ つくえ うちゅうせんない わくせいきち るな。きっと将来は、宇宙船内や惑星基地での机やイスには、すべてこれ まんいちばあい やくた が使われるようになるだろう。そして、万一の場合には、大いに役に立っ にちがいない」 つく しようらい おお ひつよう つくえ -8

3. きまぐれロボット

ち - きゅう とおはナよ わくせい うちゅうきちみず ここは地球から遠く離れた、小さな惑星の上につくられた宇宙基地。水 あ しよくぶつ うすぐらほし たてものぎんいろ も空気もなく、植物もない荒れはてた薄暗い星だ。建物は銀色のド 1 ムで、 きち このような基地は、ほうばうの星にある。 たいいんす まいにちそらほしぼしかんそく どこも、なかに何名かの隊員が住んでいた。毎日、空の星々を観測した き 、フちゅうふ′、 ちょうさ ちしつ り、宇宙服を着てそとに出て、地質の調査などをしたりしていた。 ふじゅう ド 1 ムのなかの生活は、そう不自由なものではなかった。しかし、退屈 ちきゅう うちゅうせん でさびしいものだった。地球からの宇宙船は、ごくたまにしかやってこない。 ほ、つ、、つ ふしきな放送 なんめい せいかっ ほし うえ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ロ たいくっ 180

4. きまぐれロボット

わか ポットはお別れのあいさつをした。 かえ 「もうお帰りになるの。また、いらっしやってね」 せいじん はやし うちゅうせんの キル星人たちは林のなかにかくしておいた宇宙船に乗り、飛び立ってい こうそくどおと とお そら った。それは高速度で音もなく遠ざかった。空をながめていた人があった おも としても、流れ星としか思わなかったにちがいない ゅうえんち わらごえさけごえき やがて朝がきて、遊園地には人びとがやってくる。笑い声や叫び声が聞 こえ こえはじめる。ロポットはなにごともなかったかのように、お客から声を かんたん かけられるたび、簡単なあいさつをくりかえすのだった。 こころ かんげい 「よ一つこそ : 心から歓迎いたしますわ ありがと一つ」さいます またいらっしやってね : : : 」 あさ ひと きやく ひと

5. きまぐれロボット

うちゅうせんの けんぶつ エフ博士は宇宙船に乗って、星から星へと旅をつづけていた。ただ見物 ぶんめい ほしみ してまわっているのではなかった。文明のおくれている住民のすむ星を見 ちゃくり ) 、 しどう 。@ノ、てき ぶんや つけると、そこに着陸し、さまざまな分野の指導をするのが目的なのだ。 たいへんしごと せいか ちょっと考えると大変な仕事だが、どこの星でも、いちおうの成果をあ はかせ じぶんかんせい ッ げてきた。それは、博士が自分で完成したよく働く口ポットをひとり、 ロ AJ み っ おおがた っしょに連れていたからだ。大型で、見たところは、あまりスマートとは博 9. つよ ・ 4 いえない。しかし、カは強く、なんでもできた。また、たいていのことは 博士とロボット はかせ はかせ かんが ちから たび はたら じゅうみん

6. きまぐれロボット

へんお りきゅう でんば 「電波がとぎれた。やはり、地球に重大な異変が起こったにちがいない お、つと、つ と つうしん 間い合わせの通信をしても、これでは応答がないだろう」 あんごうひょ一つしら 「暗号表を調べたが、のってない言葉だ」 ち たいへん かい、どノ、 「コンピュータ 1 にかけたが、解読できない。大変なことになったぞ。地 のこ 、っちゅうきち しじ きゅう 球はほろび、われわれは最後の指示もわからぬまま、宇宙基地にとり残さ れてしまったのだ。どうしよう」 もの か 6 もの もの ため息をつく者、ふるえだす者、泣きだす者が出た。その時、とっぜん ほ、つ、、つ こえだ じゅしんき 受信機が声を出した。ふたたび放送がはじまったのだ。 き ぜんぶん つうしん 、っちゅうきち 〈宇宙基地のみなさん。いまの通信は、どこまで聞きとれましたか。全文 き さいしょ は「コナルカロフニレコヒニフ」でした。最初の五字しか聞きとれなかっ ほんぶれん送 ひつよう かんどっよ きち つうしんき . な た基地は、通信機のアンテナの感度を強くする必要があります。本部に連 し おく かもつうちゅうせん ら′、 ふ 絡くだされば、そのための資材を貨物宇宙船でお送りします。では、これ ほんじっちきゅう より本日の地球のニュースを : : : 〉 しきい じゅうだい じ と去 )

7. きまぐれロボット

こた と、ネコはめんどくさそうに答えた。カ 1 ド星人は、器械の一部をネコ しつもん の頭にのせ、 いくつかの質問をした。 はなし そして、いままでの話がほんとうかどうかを、たしかめた。また、平和 ちょうさ てきこころ ねん 的な心のもちぬしかどうかの点は、とくに念をいれて調査した。 しはい へいわてきしゅぞく しままで 「おそれいりました。このような平和的な種族が支配する星は、ゝ み しはい に見たことがありません。どうぞ、いつまでも支配しつづけるよう、お祈 りいたします」 「もちろん、そのつもりよ」 こた わか と答えるネコと別れ、カ 1 ド星人はぶかっこうな動きでとびはねながら、 こかた うちゅうせん ドアから出ていった。それから、林のなかにとめておいた小型の宇宙船に き よるそら 乗りこみ、夜の空へと消えていった。 き し しばらくして、エス氏は気をとりもどした。こわごわあたりを見まわし ながら、ネコに話しかけた。 の あたま で て せいじん はやし せいじん う・」 き一カい いちぶ み いの 192

8. きまぐれロボット

きどく そうだん すこ いのだろう。それを見て、ミ 1 ラ星人たちは少し気の毒になり、相談しあ っ一」 0 べんりそうち かな 「悲しんでいるぞ。むりもないな。こんな便利な装置なのだから。よし、 お かわりに、なにか置いていってやるとするか。たが、なにがいいだろう」 「そうだな。こんなものしかないが」 と、ひとりがポケットから、ポールぐらいの大きさのエメラルドを出し た。美しい緑色の宝石だ。しかし、べつのひとりは言った。 よ 「なんだ。このあいだ寄った星に、たくさんころがっていた石ころじゃな わる いか。そんなものでは悪いだろう」 、ど、つじよう 「しかし、ほかにしようがない。同盾はいいかげんにして、さあ、早く引 きあ、けよ一つ」 ほうせきお せいじん ミ 1 ラ星人たちは、その宝石を置き、老人の家からかけ出した。そして、 と よるそら た おおいそ うちゅうせん 林の奥の宇宙船にもどり、大急ぎで夜の空へ飛び立っていった。 はやレおく うつく みどりいろほうせき み せいじん ろうじん おお だ はやひ だ 11 ろボウシ

9. きまぐれロボット

しんか ルぐらいのものなのです。もっと進化したものがあらわれるには、しばら く年月がかかります」 おも ざんねん ぶんめい 「そうか。それは残念だな。文明をもたらそうと思って立ち寄ったのに。 こころのこ しかし、このまま引きあげるのも心残りだ」 「ど一つしましょ一つか」 かえ 「おみやげを残して帰るとしよう」 さぎよう きんぞくせい フロル星人たちは、その作業にとりかかった。金属製の大きなタマゴ型 ようきつく の容器を作り、そのなかにいろいろのものを入れたのだ。 と びようき うちゅうせんせつけいず かんたんほし 簡単に星から星へと飛びまわれる、宇宙船の設計図。あらゆる病気をな くすりつく かた わか おし、若がえることのできる薬の作り方。みなが平和に暮らすには、どう え もじつ、つ 、カ したらいいかを書いた本。さらに、文字が通じないといけないので、絵入 じしょ りの辞書をも加えた。 しようらいじゅうみん さぎようお 「作業は終わりました。将来、住民たちがこれを発見したら、どんなに喜 ねんげつ せいじん くわ のこ ひ ほん はつけん おお よ がた よろこ 0 8

10. きまぐれロボット

し 知っていたし、言葉もしゃべれる。 ぼうえんきよう 「さて、こんどはあの星におりよう。望遠鏡でながめると、ここの住民は、 てつだ ひつよう わたしたちの手伝いを必要としていそうだぞ」 そうじゅうせき ゅび はかせまど と、博士は窓のそとを指さした。操縦席のロポットは、いつものように ちゅうじっ こた 忠実に答えた。 めいれい ご命令どおりにいたします」 げんしてき ちゃくりく じゅうみん せいかっ うちゅうせん 宇宙船は、その星へと着陸した。住民たちの生活は、ずいぶん原始的だ ち - きゅう おおむかし けがわ あなす ゝ、ほら穴に住み、ちょうど大昔の地球のようだった った。毛皮をまとし のだ。 くろう さいしょ ここでもまた、住民たちと仲よくなるまでが、ひと苦労だった。最初の へいき うちは、石をぶつけられたりした。しかし、ロポットは平気だったし、そ てきい はかせあんぜん のうしろにかくれれば、博士も安全だった。やがて、こちらに敵意のない し」と ことば あいて つう ことが相手に通じ、住民たちの言葉がいくらかわかりはじめると、仕事は じゅうみん し じゅうみん なか じゅうみん 0