聞い - みる会図書館


検索対象: きまぐれロボット
153件見つかりました。

1. きまぐれロボット

こがたでんとう ぼ、つ、んんきよう かたち ない。先のほうには小型の電灯がついているし、横には望遠鏡のような形 ふくざっでんき ぶひん のものがついている。そのほか、複雑な電気の部品らしきものが、たくさ んついていた。お客はふしぎそうに聞いた。 「これが、どんな働きをするのですか」 はなし 「いつだったか、鳥を呼ぶフェの話を読んだ。それにヒントをえて、その ぎやく つく おばら と。り・ 逆のものを作ったのだ。追っ払うフ工というわけだ。もちろん鳥だけでな どうぶつ あいて く、あらゆる動物にききめがある。ここについているレンスが相手を見わ もっと おと じどうてき け、その最もきらいな音を自動的に出す。つまり、このラッパを相手にむ でんとう よる けて吹くと、たちまち逃げてゆく。電灯がついているから、夜でも使える」 じゅう ころ どうぶつ 「なるほど。銃とちがって、むやみに動物を殺さなくてすみますね。しか ほ′ル A 」、つ し、本当にききめがあるのでしようね」 きやくしつもん はかせ にわさきある お客に質問され、博士はちょうど庭先を歩いていたネコをみつけ、それ おとだ にむけてラッパを吹いた。ラッパは犬のほえる音を出し、それを耳にした さき A トり・ きやく はたら みみ

2. きまぐれロボット

だんちょうかいちゅうでんとう ふくざっ と、団長は懐中電灯のようなものを出してきた。、 タイヤルだの、複雑な かたち 形のコイルだのがくつついている。男は、それに目をやりながら聞いた。 「なんですか、それは」 り・、つ はや でんば どうぶつかんたんさいみんじゅっ そうち 「早くいえば、電波を利用し、動物に簡単に催眠術をかける装置です。こ え のタイヤルには、 ) しろいろな動物の絵がかいてあるでしよう」 え 「ネコの絵もついていますね」 めも 「このネコのところに目盛りをあわせ、トラにむけてボタンを押すとしま さいみんじゅっ おも す。するとトラは催眠術にかかり、自分はネコだと思いこむわけです」 「なるほど。おとなしかったのは、そのためだったのですね。サ 1 カスに は、せんたくをするライオンも出ていましたね」 そうち めも さいみんじゅっ 「あれは装置の目盛りをアライグマにあわせ、ライオンに催眠術をかけた と だい のです。チンチンをするウシや、台を飛び越えるプタもごらんになったで そうち ・も、ど しよう。いずれも、この装置のおかげです。また、もとに戻したい時は、 どうぶつ おとこ じぶん こ め お とき 146

3. きまぐれロボット

かんしん お客は、ますます感心した。 「すごい働きですね。では、ひとつ、それをわたしにむけて吹いてごらん ぜったいおどろ になりませんか。わたしは、絶対に驚かないつもりです」 「そうむやみには使えないよ」 はかせ くびふ ある と博士は首を振り、ラッパをしまうために、となりのへやヘと歩いてい はかせもど った。お客は博士の戻るのを待っていたが、時計が鳴って十時を告げるの はかせ を聞き、博士に言った。 「おや、もう十時ですね。わたしの時計は、故障していたようだ。そろそ ろ失礼しましよう」 かえ みおく そして、あいさつをして帰っていった。それを見送りながら、エフ博士 わら は笑ってつぶやいた。 おと かえ かえ 「ラッパが出した音とは気がっかず、帰っていったぞ。お客がなかなか帰 け・んきゅう らないと、研究のじゃまになって困ってしまう」 しつれい きやく きやく はたら つか こま こしよう きやく はかせ

4. きまぐれロボット

へんお りきゅう でんば 「電波がとぎれた。やはり、地球に重大な異変が起こったにちがいない お、つと、つ と つうしん 間い合わせの通信をしても、これでは応答がないだろう」 あんごうひょ一つしら 「暗号表を調べたが、のってない言葉だ」 ち たいへん かい、どノ、 「コンピュータ 1 にかけたが、解読できない。大変なことになったぞ。地 のこ 、っちゅうきち しじ きゅう 球はほろび、われわれは最後の指示もわからぬまま、宇宙基地にとり残さ れてしまったのだ。どうしよう」 もの か 6 もの もの ため息をつく者、ふるえだす者、泣きだす者が出た。その時、とっぜん ほ、つ、、つ こえだ じゅしんき 受信機が声を出した。ふたたび放送がはじまったのだ。 き ぜんぶん つうしん 、っちゅうきち 〈宇宙基地のみなさん。いまの通信は、どこまで聞きとれましたか。全文 き さいしょ は「コナルカロフニレコヒニフ」でした。最初の五字しか聞きとれなかっ ほんぶれん送 ひつよう かんどっよ きち つうしんき . な た基地は、通信機のアンテナの感度を強くする必要があります。本部に連 し おく かもつうちゅうせん ら′、 ふ 絡くだされば、そのための資材を貨物宇宙船でお送りします。では、これ ほんじっちきゅう より本日の地球のニュースを : : : 〉 しきい じゅうだい じ と去 )

5. きまぐれロボット

「うまく飛ぶのかね」 「もちろんです。しかも、ただ飛ぶだけではありません。よくごらんにな くだ って下さい」 せいねんとりあたま 青年は鳥の頭についているボタンを押した。ロポットの鳥は羽ばたきを ひょうじんひょうじん し、へやのなかを飛びまわりはじめた。そして「火の用心、火の用心」と ぎおと さえずる。また、ロをばくばくやると、カチカチというヒョウシ木の音を たてた。それを見て、博士は腕ぐみをした。 やくた すこ みよう 「妙なものを作ったな。しかし、まあ少しは役に立つかもしれないな」 かじ はたら おお すこ 「いえ、少しではありません。とても大きな働きをします。この鳥は火事 でんば はつけん おおごえさけ を発見すると、大声で叫びます。また、その場所を、電波で知らせてくれ ます」 だいはつめい 「そうか。そうなると大発明だ。たくさん作って飛ばせば、火事による獰 力し 害を、ぐんとへらすことができるわけだ。よくやった」 くち はかせうで とり・ かじ と。り・ 157 火の用心

6. きまぐれロボット

もっとゆうしゅう 「これがわたしの作った、最も優秀なロポットです。なんでもできます。 にんげん いじよう 人間にとって、これ以上のロポットはないといえるでしよう」 き はかせ せつめい かねも と博士は、とくいけ。 = = 明した。それを聞いて、お金持ちのエヌ氏は言 っ一」 0 「せひ、わたしに売ってくれ。じつは離れ島にある別荘で、しばらくのあ しず いた、ひとりで静かにすごすつもりだ。そこで使いたし」 「お亠冗りしましよう。役に立ちますよ」 きまぐれロボット はなじま つか べっそう し 4 ろきまぐれロポット

7. きまぐれロボット

りきゅう いっていじかん そんな隊員たちをなぐさめるものは、一定時間ごとに地球から送られて ほ、つゆて、つ でんば くる放送だった。その電波によって、なっかしい故郷のニュ 1 スや面白い 話題を知ることができるのだ。 ちきゅう 「おい、まだかな。地球からの放送は」 じこくちか その時刻が近つくと、だれからともなくこう言い出す。 まどお ふん 「あと五分ほどだ。待ち遠しいな」 じゅしんき あっ みんな、そわそわしてくる。そして、受信機のまわりに集まっていると、 ちきゅう でんば やっと地球からの電波がはいってきた。 き おも うちゅうきち とお かつやくちゅう 〈遠い宇宙基地で活躍中のみなさま。この放送をお聞きのことと思いま こと物は いつもこの一一一一口葉ではじまる。 き 、っちゅうきち ほ、つ、、つ 「この放送を聞いていない宇宙基地など、あるものか」 わら ひとりが一一一一口うと、みんなは笑いながらうなずきあった。アナウンサーの わだい し たいいん ほ、つって、つ ほ、つ、、つ こきよう だ おく おもしろ 181 ふしぎな放送

8. きまぐれロボット

「しかし、角ではないようだ。なんだろう」 ふる ひつばりあげてみると、古いッポのようなものが、針にひっかかって ふるどうぐや 「こんなものでは、しようがないな。捨てるのもしやくだが、古道具屋へ たか しら 持っていっても、そう高くは買ってくれないだろう。ひとつ、なかを調べ てみるとするか」 くろ けむりた なにげなくフタを取ると、黒っぱい煙が立ちのばった。あわてて目を閉 すこ あいて じ、やがて少しずつ目をあけると、ツボのそばに、みなれぬ相手が立って いろくろちい みみ いる。色の黒い小さな男で、耳がとがっていて、しつほがあった。 したい、なにものた」 かおこた エス氏がふしぎそうに聞くと、相手はにやにや笑ったような顔で答えた。 あくま 「わたしは悪魔」 っ一」 0 おとこ あいて わら

9. きまぐれロボット

だいはつめい かんせい 「やれやれ、なんとか大発明が完成した」 はかせこえ けんきゅうしつ 小さな研究室のなかで、エフ博士は声をあげた。それを耳にして、おと き いえしゅじん なりの家の主人がやってきて聞いた。 み はつめい 「なにを発明なさったのですか。見たところ、マクラのようですが」 かたち しな お うえだいじ いい形といい、 そばの机の上に大事そうに置いてある品は、大きさと クラによく似ている 「たしかに、眠る時に頭をのせるためのものだ。しかし、ただのマクラで しんはつめい 新発明のマクラ つくえ ねむときあたま 0 おお みみ 0 0 ロ 00 マ 7 新発明のマクラ

10. きまぐれロボット

すこ 「それは大丈夫です。まあ、もう少しお待ち下さい」 じかん ねっ 一時間ほどたっと、ケイ氏のセキはおさまり、熱もさがった。友人は、 へんかお ますます変な顔になった。 「もうなおったのですか」 くすりの おなゞいけん 「つまりですね、この薬を飲むと、カゼをひいたのと同じ外見になるので ほんにんくる 力し じかん す。外見だけで、本人は苦しくもなく、害もありません。そして、一時間 たっと、もとにもどるのです」 みよう くすり やくた 「妙なものを、こしらえましたね。しかし、こんな薬が、なにかの役に立 つのですか」 「もちろんです。ずる休みに使えます。すなわち、いやな仕事をしなくて すむというわけでしよう」 せつめい かんしん こう説明され、友人ははじめて感心した。 べんり 「なるほど、なるほど。それは便利だ。やりたくない仕事を押しつけられ ゞ ) けメル だいじようぶ ゅうじん やす し つか しごとお し」と ゅうじん 140