て「 image/png 」が定義され , 利用できるよ うになっている。 PNG は , I ノ W 特許を避けた GIF の代替と なるフォーマットというだけではなく , ほ かにもアルフアチャネルや TrueColor , ガン マへの対応など , 数多くの特徴を持ってい る。 PNG には , ほかにも特筆すべきさまざ まな特徴があるが , 本稿の趣旨からは外れ こでは割愛する。 るので , その一方で , PNG には冒頭でも述べたよ うに GIF が持っていたアニメーションの 仕様がなく , 完全な静止画のためのフォー マットに特化している。現実問題として , GIF アニメーションは Web 上の簡易なアニ メーション機能として , もはやなくてはな らない技術になっている。そのため , せっ かく特許問題を回避でき , なおかっ GIF に 対する多くのアドバンテージがあるにもか かわらず , PNG は単純に GIF を代替するこ とができなかった。 しかし , PNG にアニメーション機能がな いという問題が , そのまま放置されている はずがない。静止画として割り切って策定 された PNG に対して , 同じアプローチ , 同 じスタンスで設計 , 策定された動画フォー マットが今回紹介する MNG だ。 MNG の概要 動画フォーマットとしての比較対象を探 替手段というものではない。 模であり , 単なる GIF アニメーションの代 い。前述のとおり , その仕様はかなりの規 ーマットとしてとらえたほうがわかりやす 語られることが多いが , 実際には動画フォ うしても GIF アニメーションの代替として MNG は PNG との関係が大きいため , ど タとしても認識することができる。 タ的に見れば PNG のデータは MNG のデー NG に準じた仕様になっているため , デー 一種となっている ( コラム 2 ) 。構造的には P めのフォーマットで , PNG フォーマットの メーションなどの複雑な構造を実現するた 像データから成る , スライドショー , アニ MNG は , 複数の PNG と JNG ( 後述 ) の画 すとなると , MPEG が候補にあがってくる と思うが , MNG は MPEG を代替するもので はなく , 補完を目指すものとされている。 MPEG が非可逆なフォーマットなのに対し , MNG が可逆なフォーマットだという点から 見ると , JPEG に対する PNG と同じような 位置付けだと思えばいいのだろう。ただし , MNG には JNG があるため完全に非可逆なフ ォーマットのみというわけではない。同じ ように , AVI や ReaIV1deo などとも補完し合 う関係だと思っていいだろう。 MNG の種類 MNG には , サプセットとなる仕様とし て , MNG-LC (Low Complexity) , MNG-VL C (Very Low Complexity) のふたつの仕様 そして JNG (JPEG Network Graphics) とい うフォーマットも定義されている。 ( 筆者の解釈が正しければ ) MNG のデー タフォーマット側には , MNG-LC や MNG-V LC という区別はなく , これらはあくまで実 装側のサポートを表現する単語だ。もちろ ん , MNG-LC や MNG-VLC にマッチするデ ータというのは存在し得る。 ・ MNG-LC MNG-LC は Low CompIexity の名のとお り , 簡易な MNG のようなもので , 下位互換 性を持った軽量版的な仕様だ。 MNG-LC も基本は MNG であるため , PN G の一種であり , PNG のデータは MNG-LC のデータとしても合致する。 これは筆者の推測にすぎないが , MNG- は MNG 全体の仕様がかなり大きなもの になってしまっているため , 実装時にその 発音について コラム 2 れている。 のように発音すると各仕様書に書か ・ JNG : 「じんぐ」 (jing) ・ MNG : 「みんぐ」 (ming) ・ PNG : 「びんぐ」 (ping) 各フォーマットの発音の仕方だカ ロ 2 闘 NG 複雑さが障壁となって , 最終的に普及を妨 げてしまうことがないように作られたもの のようだ。また , MNG のすべてを実装でき ないような規模のプラウザのための仕様と いう側面もあるかもしれない。なお仕様書 内では , 最低限の実装に適合するものとし て , 複数ベージの FAX データを扱うといっ た例が出されている。 MNG-LC は , フルセットの MNG と比べる と , 画像 0 のみに対応しループは 1 回まで , 「複合 MNG 機能」や Del ね - PNG に対応せず , ある種の MNG チャンクも利用できない。 そして「シンプル MNG 機能」や透過がサ ポート範囲に入り , 拡張仕様として JNG へ の対応を行ってもよいという仕様となる。 ・ MNG-VLC MNG-VLC は Very Low Complexity , つま り MNG-LC よりもさらに簡易な仕様だ。 MNG-VLC では , MNG-LC からさらに「シ ンプル MNG 機能」の対応もなくなり , 透過 のみがサポートされている。 MNG-LC と同 じように JNG の拡張対応は行ってもよい。 これは実装がかなり単純になり , GIF アニ メーションの PNG 版という状態に近いもの となる。 ・ JNG JNG は , これらの MNG のサプセットとは 少々異なる。これは JPEG データを MNG の オプジェクトとして利用するために定義さ れたものだ。ただし , PNG に準拠する形で 定義されているため , 単体のデータとして ファイル化することもできる。いってみれ ば , PNG の枠組みで JPEG を扱えるように したものだと思えばいいだろう。 JNG による JPEG は , JFIF 互換の ISO/IE C -1091 & 1 で定義される baseline , extended- sequential , progressive JPEG となっている。 なお , JNG では JPEG のアルフアや色空間情 報などをそのまま利用できる。 MNG-LC や MNG-VLC は JNG をサポート する必要はないが , 対応する実装に拡張す ることは問題ない仕様となっている。 特集 2 MNG 39
TabIe 8 MNG のサプセットと MHDR プロファイルの対応 3.4. SAVE, SEEK チャンク MNG データストリームを逐次的にしか 読まない簡易デコーダは , SAVE および SEE K チャンクを無視しても安全である。 3.5. 補助 MNG チャンク 補助 MNG チャンクについては , 付録 CD- ROM に収録されている翻訳された規格書を 参照されたい。 MNG - LC 準拠のデコーダは これらを認識して処理することを要求され ない。 3.6. 補助 PNG チャンク MNG チャンク名に対する名前空間は PN G の名前空間とは分離されている。 PNG チ ャンクのうち , この段落で名前があげられ Fig. 13 補助 PNG チャンク ・ iTXt, tEXt, zTXt ・ ilME MHDR プロファイルビット サポートレベル 透明色なし MNG-VLC MNG-VLC JNG 付き MNG-VLC MNG-LC JNG 付き MNG-LC 31 30 ~ 6 5 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 0 0 1 0 1 3 0 1 1 1 2 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 1 1 1 1 1 1 9 25 1 9 プロファイルでの値 ているものだけは , MNG のトップレベルで も定義されている。それらは PNG データス トリーム中に現れた場合とまったく同じ構 文と意味を持つ (Fig. 13 ) 。 JNG は MNG オプジェクトの損失のある下 4. JNG フォーマット PNG と同じフォーマットを持つ。プロローグセグメント ( 最初の SEEK チャンクに先立つ ) でたかだ か 1 回 , またセグメント ( 引き続くふたつの SEEK チャンクに挟まれる ) ことにたかだか 1 回現れてよ い。プロローグセグメントでは , これは MNG の任意の部分が変更された最終時刻を示している。 通常のセグメント ( SEEK チャンクに挟まれる ) では , これはそのセグメントが変更された最終時刻 を示している。 PNG データストリームを書き出す MNG 工デイタは , 生成された PNG データストリ ームにトップレベルの iTXt , tEXt, tlME, zTXt チャンクを含めるべきでない ・ cHRM, gAMA, iCCP, sRGB, bKGD, sBlT, pHYs これらの PNG チャンクは MNG トップレベルでも定義されている。これらは後続の PNG データスト リームで既定値が与えられなかったときに使われる値を提供する。これらのチャンクのいずれも , 同じチャンク名を持つ空チャンクが以降に現れることによって無効にできる。このような空チャン クは PNG や JNG の正当なチャンクではなく , MNG トップレベル以外に現れてはならない。 MNG トップレベルでは , これらすべてのチャンクは 16 ビット RGBA 形式の PNG データストリームである かのように書き出される。それらを継承するデータストリームの実際のビット深度や表示色タイプ に適合するようにチャンクデータを再構成するのはデコーダの責任である。 PNG あるいは JNGF— タストリームを書き出す MNG 工デイタは , 埋め込みイメージが色空間を定義する独自のチャンク を持たない場合 , 生成される PNG あるいは JNG データストリームにトップレベルの cHRM , gAMA, ℃ CP, sRGB チャンクを含めることが期待される。 MNG 工デイタが s 日 GB チャンクを書き出す場 MNG データストリームに gAMA チャンク ( や cHRM チャンク ) が存在しなくても . PNG 仕様書 に従って gAMA チャンク ( cH 日 M チャンク ) を書き出すべきである。また , 生成されたテータストリ ームが独自の bKGD , pHYS, sB げチャンクを持たない場合 , 生成された PNG あるいは JNG データ ストリームに pHYs チャンクと再構成されたトップレベルの bKGD チャンクを書き出すこと , 生成 された PNG データストリームにのみ再構成された sB げチャンクを書き出すことが期待される 60 C MAGAZINE 2000 6 位フォーマットである。これはフルセット サプセットは「 MNG - LC 」と呼ばれる。 MN 「複合 MNG 機能」と JNG を持たない特定の 能があるかどうかチェックすべきである。 イル」をチェックして , サポートできない機 プリケーションは MHDR の「簡易プロファ 最低未満の MNG 機能しか提供しないア 必要もない。 補助チャンクは無視してよく , 認識される れ , 認識されたあとで無視されてもよい。 ればならないが , それらのいくつかは読ま る。すべての必須チャンクは認識されなけ トするようなビューワに対する勧告を与え 必要事項よりわずかに多くの機能をサポー 待される最低レベルの機能を示し , 最低限 この節では MNG - LC 準拠のデコーダに期 最低限必要事項 6. MNG - LC 対応ビューワの 5. チャンク複製規則 仕様書を参照すべきである。 ケーションを作るには , フルセットの MNG 規則に似ている。 MNG を編集するアプリ MNG のチャンク複製規則は PNG の複製 可能かどうかを調べることができる。 ックして , 自分がデータストリームを処理 プロファイルのビット 4 ( JNG の有無 ) をチェ トしないアプリケーションは , MHDR 簡易 ートしてもしなくてもよい。 JNG をサポー MNG - LC アプリケーションは JNG をサポ ジから入手可能だ。 できる。いずれの文書も MNG のホームペー MNG 仕様書からの独立の抜粋として入手 の MNG 仕様書で記述され , フルセットの
・ Delta-PNG MNG にあって MNG-LC や MNG-VLC にな い大きな特徴として , Delta-PNG という仕様 がある。これは , 簡単にいえば差分による データフォーマットだ。アニメーションの ような連続する画像の場合 , 元となる PNG の画像に対する差分データを用意すること で , 必要なデータ量を大幅に減少させるこ とができる。これをさらに次の画像へとく り返していけば , 全体的に差分だけでデー タを生成できる。 ・ MNG の実装バターン 全体としては , MNG をフルセットとして , MNG-LC がサプセット , MNG-VLC が最低 実装と思えばいいだろう。 JNG は本来の M NG では必須だが , MNG-LC と MNG-VLC で はオプショナルな仕様となる。さらに MNG は , 全体のフレームワークとしては PNG の フォーマットに準じた仕様になっているわ けだ。 PNG と MNG のどちらかがどちらか を内包する , といった関係ではない。 つまり実装としては , ・ MNG(JNG や DeIta-PNG を含むフルセ ・ MNG-LC + JNG ・ MNG-LC ・ MNG-VLC + JNG ・ MNG-VLC の 5 通りのパターンがありうる。 MNG のデメリット MNG そして PNG は , おそらくほとんどの 局面で GIF に対してアドバンテージがある。 しかし , 現状の普及度を除いた技術的な側 面で , GIF と比べてひとつだけデメリットと いえる側面がある。そして , それは MNG の 仕様策定や実装が遅れていることと無関係 ではない。 それは , アニメーションを含む GIF に比 べて , あまりにも仕様が大きいという点だ。 これは , 実装の困難さもさることながら , 実際のデータを扱う段階でどうしても処理 が重くなってしまうことでもある。最近の 40 C MAGAZINE 2000 6 CPU 性能の向上を考えたうえで , さらにコ ードの最適化が進めば , それなりに無視で きるオーバヘッドだといえるかもしれない が , GIF に比べて巨大化した仕様の影響は 少なからずあるのではないだろうか。実際 , もっと単純な GIF 代替フォーマットである なら , とっくにアニメーションまで対応で きていてもおかしくないはずだ。 もっとも , その仕様ゆえに PNG や MNG が魅力のあるフォーマットになっていると いう側面もあり , フォーマットの進化と考 えれば十分納得できる部分ではある。 いずれにせよ , 開発者が GIF 以上に実装 に力を注がなくてはならないのは間違いな MNG の特徴 い事実だといえる。 NG の画像を生成することができる。この場 MNG に変換することや , MNG から PNG や J そのため , PNG や JNG の画像をそのまま でもきちんと継承されている。 といっていい。これは PNG だけでなく MNG 逆圧縮のフォーマットであることは必然だ JPEG ではなく GIF の代替である以上 , 可 ・可逆圧縮 名前に適した仕様だといえるだろう。 を行える。まさに Network Graphics という 能であり , オン・ザ・フライで生成や表示 を考慮してシーケンシャルに読み書きが可 MNG のファイルは , ストリーム的な扱い ・ストリーム的に扱える late/Deflate が使用される。 だ。なお実際の圧縮は , PNG に基づいて lnf うやらかなり入念に確認された事項のよう 由でもあるため当然ではあるが , これはど フォーマットを作成することになった理 ・特許的に問題がない は PNG の特徴と一致する部分が多い。 経緯や構造上当然のことだが , MNG の特徴 おまかにまとめると次のようになる。その 概要を踏まえたうえで , MNG の特徴をお 合 , DeIta - PNG を使った差分形式であって も , きちんと変換が可能なことが保証され ている。 また JPEG に関しても , JNG を利用するこ とで MNG(JNG) にそのままの形で変換する ことができる。同じように , JNG のデータ は元の JPEG に戻すことが可能だ。 ・四つのチャネルに対応 赤 , 緑 , 青 , アルフアまでの , 四つのチ ャネルを , それぞれ最大 16 ビットまで保存 することができる。 ・透明度とアルフアチャネル 多くのリッチな画像フォーマットと同じ ように できる。 でなく , 透明度とアルフアチャネルを利用 これにより , ネットワーク上だけ さまざまな環境で使えるだけのフ ォーマットになっているといえるだろう。 ・ガンマや彩度 ガンマや彩度などの情報を扱うことがで き , プラットホーム / 環境に依存しない色 表現が可能になっている。 ・フレームの概念 MNG では画像をフレーム単位で扱い , そ のフレーム間の遅延をサポートしている。 そのため , 各フレームごとに任意のタイミ ングでアニメーション処理をさせることが 可能だ。さらに , 複数の画像を含んだフレ ームの合成を行うこともでき , サプフレー ムではアニメーションも可能なスプライト 機能も利用できる。 ほかにも , 低速なエンコーディング環境 向けにフレームのプライオリティの設定や , フレーム間の類似性を利用して , データ量 の削減も行うなど , フレームの仕様はかな り充実したものになっている。 重要な点として , MNG は現状ではまだ ドラフト状態だということがあげられる。 2000 年 4 月では , 「 Ver. 0.97 , Draft 70 」とか MNG の現状
ロ 2 NG タストリームである。 JNG データストリー デコーダと同一の結果を生成するかぎり , ムはフルセット版の MNG データストリーム そのようなデコードモデルや指示に従う必 では認められているが , MNG-LC データス 要がないことに注意してほしい。 トリームには含まれない。しかし , MNG-L MNG データストリームあるいは任意の埋 C をサポートするアプリケーションがそれ め込みオプジェクトの各チャンクはいずれ らを認識して処理するように拡張されるこ も独立した存在である。すなわち , あるチ とはかまわない。典型的な MNG - LC データ ャンクがほかのチャンクのデータ部分に含 ストリームは Fig. 10 のような構成である。 まれることはない。 MNG は基本的に宣言型であり , 要素を PNG 識別子を持つ独立した PNG データス 個々のフレームに至るまで記述する。 0 で PNG 仕様書の用語集やフルセットの MN トリームは正当な MNG - LC のデータストリ ないフレーム間遅延が発生するときに , 期 G 仕様書の「 terminology 」の章も見ること。 ームであり , MNG - LC デコーダはこれを認 待される合成に見合った画面を生成するた 識し , デコードしなければならない。独立 ・要求レベル (requirementlevel) めに効率的な手段を採用するかどうかはデ した JNG データストリームもまた JNG 対応 コーダに任される。簡易デコーダはそれを この文書 ( 本章 ) にある「 MU 」 , 「 MUST の拡張が行われた MNG - LC デコーダで認識 手続き的に処理してもよく , その場合は画 NOT 」 , 「 REQUIRED 」 , 「 SHOULD 」 , 「 SHO され , デコードされるはずのものだ。この 像が現れる順にそれらをフレームバッファ ULD NOT 」 , 「 RECOMMENDED 」 , 「 OPPI() 種の MNG-LC あるいは拡張 MNG-LC データ に合成することになる。しかし , 高性能な NAL 」という言葉は RFC -2119 に記述された ストリームには単一の埋め込み画像しか含 デコーダがそれと異なる方法をとることは , とおりに解釈される。「 CAN 」はその文書に まれない。 最終的なフレームの見栄えが同じになるか あるように「 MAY 」と等価である。「 NOT 用 MNG を構成する埋め込みオプジェクト ぎりかまわない。 LOWED 」と「 NOT PERMIITED 」は「 MUST は通常は PNG フォーマットであり , MNG NOT 」を生ずるような条件を意味する。 なお , MNG は「ミング」と発音する。 は次に示す PNG のすぐれた機能を受け継い 「 ALLOWED 」と「 PERMIITED 」は「 CAN 」を MNG データストリームがファイルに格納 でいる。 生ずるような条件を意味する厭。 されるときにはファイルの拡張子に「 . mng 」 ・特許に抵触しない [ 訳注 1 ] を使うことが推奨される。ネットワークア ・ストリーム化可能 訳文ではこれらの単語と訳語との直接の対応付 プリケーションにおいては , 「 video / x - mng 」 ・すぐれた可逆圧縮 けは行われていない。解釈に厳密さが必要な場 合は原文を参照していただきたい。 というメディア形式を使ってよい。メディ ・ 4 チャネルまで格納できる ( 赤 , 緑 , 青 , ア形式「 video / x - mng 」の登録は将来行われ アルファ ) , 各チャネルは 1 6 ビットまで ・埋め込み画像 (embedded image) るはずだ。 ・透明およびアルフアのチャネルが使え MNG のデータストリームの先頭の 8 バイ MNG データストリームに埋め込まれて存 る 在する画像。 トを 10 進数で示すと以下のようになる。 ・カンマや彩度情報を含むプラットホー ム非依存の色再現 1 38 77 78 71 1 3 1 0 26 10 ・フレーム (frame) バイト位置 0 ~ 3 が「 \ 211PNG 」ではなく 一般ファイル転送工ラーの早期検出 , フレーム間遅延時間が 0 で , 0 個以上のレ 「 \ 212 M N G 」となっていることを除けば ファイル破損の確実な検出 イヤの並びに , 明示された 0 以外の遅延時 PNG 識別子と同じだ。 ・単一画像 G 旧ファイルから損失なく変 間あるいは MEND チャンクを続けたもの。 チャンク構造 ( 長さ , 名前 , データ , CR 換可能 これは静止画あるいは動画の一部として表 C) およびチャンク命名規則は PNG 仕様書で ・ JPEG とは相補的なものであり , 画像 示される。動画は理論上 , 完全な観測者 定義されているものと同一である。 PNG と の損失のある格納について JEPG に取 ( 非人間的に高速な視覚機構を持つもの ) に 同様に , 1 バイトを超える整数はすべてネ って代わろうとするものではない。し とっては静止画像の並びとして見える。フ ットワークバイト順でなければならない。 かしながら , JNG 対応の MNG-LC では MNG のチャンク複製規則は PNG と同じ レーム間遅延時間 0 の MNG 画像の集合は PNG ふうの JNG 形式でコード化された 「フレーム」ではなくて「サプフレーム」 ( 後 仕組みによるが , その規則はフルセットの JPEG コード化画像を格納できる 述 ) を構成する。データストリーム中の最 MNG 仕様書のなかでより完全に説明され また , MNG として追加された機能は次 後のサプフレームは , フレーム間遅延の有 ている。 のようになる。 無にかかわらずフレームを完了させる。 デコーダは , この仕様書で示されるデコ ・フレーム間遅延が可変の動画を扱える ードモデルを採用し , 仕様書の指示に従う ・複数画像を含んだフレームの合成がで フレームのレイヤが MHDR チャンクのフ 特集 2 MNG 51 きる ・複数の画像を格納した GIF ファイルは 損失なく MNG - LC に変換できる ( ただ し「直前の状態を復元する (restore-to-p 「 evious ) 」廃棄方式を採用した G 旧ファ イルは除く ) 五ロ
P A R T MNG-LC フォーマット Ver. O. 97 仕様書 4 マット群のひとつだ。このフォーマットは 複数の PNG 単一画像データストリームから なる動画 ( スライドショー ) や複合静止画を 格納できる。 MNG-LC フォーマットは PNG 仕様で定義 されているものと同じチャンク構造を用い , また PNG フォーマットのそのほかの機能も 受け継いでいる。正しい PNG データストリ ームは正しい MNG-LC データストリームで もある。 MNG-LC のフレームには通常 2 次元 画像あるいは 2 次元に配置された小さい画 像が含まれている。また , 2 次元平面 ( 断層 断面 ) の並びとして配置され , それぞれの 平面が PNG データストリームとして表現さ れている 3 次元ボクセルデータを格納する ことも可能だ。 この文書には MNG - LC のさまざまな機能 png-group@w3.org を示すためのサンプルが含まれている。そ png-info@uunet.uu.net この文書は無制限に配布できる。現在 , のなかには簡単な動画や合成フレームも入 この文書の最新版が以下の Web サイトから この文書は PNG 開発グループによる仕様 っている 入手可能だ。 書である。 この仕様書はグループの議決により承認 ftp://swrinde.nde.swri.edu/pub/mng/ されており , 将来技術的な変更がある場合 documents/ この抜粋と正規の MNG 仕様書との間で この文書は MNG フォーマットの低複雑 はグループの正式な議決による承認が必要 食い違いがある場合は , 正規の仕様書が優 性版 (MNG-LC, 正式のサプセット版 ) を紹 だ。可能なかぎり後方互換性を維持すると 先する。 いうのがグループの目的である。しかしな 介するものである。 この仕様書は PNG に依存している。また , がら , 我々は「べータ」版実装の開発中に見 JNG 対応に拡張されている MNG - LC アプリ つかったすべての技術的欠陥を訂正するつ ケーションは JNG の仕様書に依存している。 もりだ。 この文書は MNG - LC フォーマットを紹介 PNG の仕様書は以下の PNG の Web サイトで この文書への意見は , 次のいずれかのア するものだ。これは MNG フォーマットの正 入手可能だ。 ドレスで PNG 仕様書管理者へ送ることがで しいサプセットである。 きる。 http://www.cdrom.com/pub/png/ MNG は複数画像に対応した PNG フォー ( 現在は http://www libpng.org/pub/png/ mpng-list@ccrc.wustl.edu へ移行中 ) Fig. 10 典型的な MNG - LC テータの構成 また , JNG の仕様書および正式な MNG の 仕様書は , 以下の MNG の Web サイトから 8 バイト MNG 識別子 入手可能だ。 MHD 日チャンク http://www.cdrom.com/pub/mng/ フレーム定義 ( 現在は http://www libpng.org/pub/mng/ へ移行中 ) MNG-LC データストリームは 0 個以上あ る単一フレームの並びを記述する。それぞ れのフレームは 0 個以上の埋め込み画像か らなる。 埋め込み画像は , PNG あるいは JNG デー GIenn Rande 「 s-Pehrson 訳 : 日下部圭子 / 日下部陽ー 、、本章は MNG の Web サイトで公開されている MNG - LC フォー マット Ver. 0.97 の仕様書を著者である G 厄 nn Randers- Peh 「 son 氏のご協力のもとい翻訳したものである。本書には 原文より抜粋された内容が掲載されている。翻訳された完全 、な文書やオリジナルの文書についてはを付録 CD - ROM に収録 されているので , ーそちらをご覧いただきたい訂、なお , 翻訳し ゞ、た文書は C MAGAZINE の Web サイトにも掲載されている。 この文書の位置付け 1. はじめに フレームはひとつ以上のサプフレームからなり , 最後のフレー ムはゼロでないフレーム間遅延を持ち , ディスプレイ上にすで に存在するものすべてに対して合成される サプフレームはひとつ以上のレイヤとクリッピング情報 , フレ ーム間遅延からなる レイヤとは「埋め込み画像」 , 「背景」のいすれかを指す サプフレーム定義 レイヤ定義 MEND チャンク 50 C MAGAZINE 2000 6
レーム幅およびフレーム高のフィールドで る数値を持つ実体。同じ数値を持つシグナ けとクリッピングが行われたあとのオプジ ェクトと同じ大きさ ( 0 のこともある ) , 位 ルが ( 異なる数値を持つものでも ) 待ち行列 定義される領域全体を覆っていない場合 , に置かれるかどうかなど , より詳細な意味 レイヤは直前のフレームと合成されて新し 置を持つ矩形であると考えてもよい。 構造についてはこの仕様書の範囲を超える。 埋め込まれた可視の PNG あるいは JNG デ いフレームとなる。 ータストリームは , それがインタレース形 ・サプフレーム (subframe) ・フレーム原点 ( f 「 ame origin) 式でもプログレッシプ形式でも単一のレイ ひとつ以上のレイヤの集合であり , 静止 ピクセルが表示される出力装置 ( フレー ヤを構成する。 ムバッファ , 画面 , ウインドウ , べージな フレームや動画の 1 フレームの一部分とし ・ MNG-LC ど ) の左上隅。これはフレームクリッピン て表示される。サプフレームは MNG におい グ境界 , 画像位置 , 画像クリッピング境界 て , 完全なフレームを構成するレイヤのサ 低複雑性版の MNG 。画像 0 だけが許さ プセットにフレームパラメータを適用する を定義する際の { 0 , 0 } の位置となる。ウィ れ , ループを巡回できるのは一度だけであ り , JNG, デルタ PNG は利用できず , ある 便宜のために定義されている。 ンドウシステム内部ではフレーム原点が画 面外に移動する可能性があるが , その場合 種の MNG チャンクも利用できない。 MHD ・可視画像 ( visib image) でも DEFI チャンク中の位置は画面外にある R チャンクの簡易プロファイルのビット 0 は 原点から計算しなければならない。 1 であり , このプロファイルが正当である 実際にディスプレイに表示されたもの。 ことを示す。プロファイル中のそのほかの オプジェクトが可視であれば , ディスプレ ・フレーム間遅延 (interframe delay) ビットはビット 2 と 3 を除いて 0 でなければな イを見ている人間にはそのオプジェクトが らず , これは「複合 MNG 機能」 , JNG, デ 動画が表示されるときにひとつのフレー 見える。 ムが表示されているべき時間量。現実には ルタ PNG が存在しないことを示している。 フレームを表示するためにゼロでない時間 ビット 2 と 3 は 0 と 1 のいずれであってもよく , 量が必要となる。どの瞬間をフレームの「開 それぞれ「簡易 MNG 機能」と透明性機能の 始」として採用する場合でも , フレーム間遅 この章では MNG データストリームのトッ 有無を示す。 MNG-LC は MNG の正しいサ 延は次のフレームの「開始」までの時間の指 プレベルに現れるチャンクを解説する。 プセットである。 標となる。動画開始時の暗黙の背景レイヤ 3.1. 必須 MNG 制御チャンク ・オプジェクト (object) , に先立つフレーム間遅延 , 最終フレームに オブジェクト ID(object_id) 続くフレーム間遅延は存在しない。 この節では MNG - LC 対応のデコーダが認 識して処理しなければならない必須 MNG 画像。オプジェクト ID は 16 ビットの符号 ・レイヤ (laye 「 ) なし数であり , オプジェクト属性集合の識 制御チャンクについて解説している ( チャ ンクの「処理」とは , 単にそれを認識して読 レイヤは以下のいずれかである。 別子として働く。 MNG - LC ではオプジェク み飛ばすことだけからなる場合がある。 M ・フレーム境界に対して位置付けられ , ト 0 だけが利用できる。 サプフレームのクリッピング境界と画 NG 工デイタによって再配置されるのを防 ・オプジェクト属性 (object attributes) ぐためだけに必須と宣言されているチャン 像自身のクリッピング境界についてク クもある ) 。 リッピングされた可視の埋め込み画像 存在 , 潜在的可視性 , 位置 , クリッピン グ境界などオプジェクトの持っ性質。 ・データストリーム全体の最初の画像が ・ 3.1.1. MHDR : MNG データストリームヘッダ 表示されるより前に表示される背景。 ・潜在的に可視な画像 (potentially visible image) MHDR チャンクは PNG 識別子を持つ JNG その内容はアプリケーションや BACK 潜在的に可視な画像は次のものである。 データストリームまたは JNG 識別子を持つ チャンクで定義できる 動的表示が「マークされて」いるが , そのな JNG データストリームからなる場合を除き , ・フレームモードが 3 または 4 の場合 , 背 景色で塗りつぶされ , サプフレームの かで定義されている埋め込み画像がその非 常に MNG データストリームの先頭にある。 先頭にあるサプフレーム境界でクリッ 表示フラグをゼロにすることでデコードあ MHDR チャンクは 28 バイトである。内容 るいは複製される可能性のある未定義のオ ピングされた中空でない矩形 は TabIe 2 に示す 画像全体がクリッピング境界の外側にあ デコーダはフレーム数 , レイヤ数 , 再生 プジェクト。 る場合 , レイヤは完全に空であってよい。 時間 , 簡易プロファイルフィールドなどの ・シグナル (signal) レイヤは , フレームと同じ大きさの透明 付加情報は無視してよい。 な矩形であると考えてよい。また , 位置付 フレーム幅およびフレーム高フィールド デコーダに非同期に到着する可能性のあ 52 C MAGAZINE 2000 6 3. MNG チャンク
G-LC データストリームでは簡易プロファイ ルのビット 0 は 1 , ビット 2 と 4 は 0 でなければ ならない。もうひとつのサプセットは「 MN G - VLC 」と呼ばれる。 MNG-VLC データスト リームには「簡易 MNG 機能」もなく , したが ってビット 1 も 0 でなければならない。 サプセットが利用可能なのは , 処理しよ うとしている一連の MNG データストリーム が MNG - LC にある機能に限定されているこ とがわかっている ( あるいはそう推測され る ) 場合だけだ。広く配布される WWW プラ ウザの機能が , 8 ビット JNG をサポートする MNG を満たさないよう限定されることはき わめて好ましくない。 MNG がサポートするいくつかのサプセッ トを TabIe 8 にあげておく。これらはおおよ そ複雑さの順に並んでいる。 アプリケーション開発者が従うべき合理 的な手順は , 次のサポートレベルのそれぞ れに対して順にアプリケーションを開発し , テストするというものだろう。 1 . MNG-VLC 2. MNG-LC 3. JNG 付き MNG-LC 4. MNG ( フルセットの MNG 仕様書に従う ) 同様に合理的な開発手順としては次のも のがある。 1 . JNG 付き MNG-VLC 2. JNG 付き MNG-LC 3. MNG ( フルセットの MNG 仕様書に従う ) 逆に , 複数のページからなる FAX 文書を 格納するアプリケーションの開発者は「透 明色なし MNG-VLC 」を超えるものを必要と はしないだろう。 それぞれの必須となるチャンクの対応に ついては , 付録 CD - ROM に収録されている 翻訳された規格書を参照してほしい。 以下の勧告は , 仕様の一部を構成するも 7. 工ンコーダへの勧告 のではない。 速度や滑らかさが正確な色彩表現より重 7.1. 共通色空間を使う 要な場面では , 動画のすべてのレイヤに対 して単一の色空間を使うのはよい考えだ これを実現する最善の方法は , MNG のト ップレベルで単一の色空間を定義し , sRG B チャンクを使うか , あるいは gAMA と cHR M チャンクと場合によっては iCCP チャンク を使い , すべての色空間チャンクを共通色 空間に変換したあとで個々の画像から取り 除くというものである。工ンコーダがすべ ての画像を MNG データストリームに書き出 す前にそれらを単一色空間に変換しておけ ば , デコーダは速度と表示の一貫性を改善 できるようになる。 しかしながら , デコード速度がそれほど 重要ではなく , 正確な色彩表現がより重要 であるかもしれないような単一フレームの MNG データストリームでは , PNG 仕様書 で推奨されているように画像を元の色空間 に置いておくことで変換によるデータの損 失を避け , 画像が異なる色空間を持っ場合 には個々の色空間チャンクを保存するのが 最善の方法だ。 7.2. 正しいフレームモードを使う すべての画像が不透明なら , フレームモ ードは常に 1 か 2 を使うこと。これによって ちらっきを起こす不要な画面クリアが避け られる。 7.3. 即時フレーム同期ポイント 同期ポイントをただちに確立する必要が あるなら , ふたつの連続する FRAM チャン クを使い , 最初の FRAM チャンクで一時的 にフレーム間遅延 , タイムアウト , 同期 ID を 0 に設定し , ふたつ目で同期ポイントを デコーダ処理 8.1. 重大なエラーに対する 8. デコーダへの勧告 3 確立することでそれが可能になる。 ストリームを破棄すべきである。 低レベルのビューワは単にその MNG データ のような致命的工ラーに出会ったとき , 最 不正な CRC や未知の必須 MNG チャンク 0 ロ 2 闘 NG 8.2. インタレース画像に対する デコーダ処理 デコーダはインタレース PNG 画像を含む データストリームを解釈できることを要求 されるが , 完全なフレームを表示できれば よく , 画像が展開される順に表示すること は要求されない。低速な通信リンクを通じ て入力されるデータストリームをデコード するビューワはこれを実現したいのかもし れないが , MNG の作者はそのフレームの最 終的な形を除き , フレームがどのように表 示されるかを仮定すべきではない。 8.3. バレットに対するデコーダ処理 PLTE チャンクを受け取ったとき , それ を含むか継承する PNG データストリームの 表示だけが影響を受ける。デコーダはそれ がこれまでにデコードしたすべてのものに 遡及して影響を与えることのないよう注意 しなければならない。 フレームが複数の画像を含むとき , ひと つの画像に含まれる PLTE チャンクはほか の表示には影響を与えない。 インデックスカラー形式の画像のみから なる複合フレームは , 256 種類以下の色し か含まないと仮定すべきではない。なぜな ら個々のパレットは必ずしも同じ組み合わ せの色を含んでいるわけではないからだ。 8.4. 単一フレームビューワの振る舞い ひとつのフレームだけを表示できるビュ ーワは , 最初に出会ったフレームを表示し なければならない。 8.5. クリッピング 特集 2 MNG 61 拡張子を含むようなシステムでは , MNG ファイル名が慣行上ファイル形式を示す 9.1. ファイル名の拡張子 9. そのほか ig. 14 のクリッピングを提供する。 求されるすべてのクリッピングに加えて , F MNG - LC は表示装置の物理的制約から要
は将来のバージョンの MNG のために予約 MNG-LC データストリームでは , 簡易プ るが , デルタ PNG は存在しないことを示す。 この例は MNG - LC のデータストリームがそ されており , このバージョンでは 0 でなけれ ロファイルのビット 0 は 1 であり , ビット 1 と 3 ( 「簡易 MNG 」機能と透明色 ) を除くそのほ ばならない。あるビットが 0 ならその機能 ういうものであると限定するわけではない。 かのすべてのビットは 0 である。ビット 4(JN は使われていないことが保証される。ある なぜなら「複合」 MNG 機能は存在していて G) が 1 なら , データストリームは「 JNG 対応 もよいからだ。特定の機能が存在しないこ ビットが 1 ならその機能は MNG データスト リーム中で使われている可能性がある。 MNG-LC 」データストリームとなる。 MNG- とを簡易プロファイルが示しているのに MN ビット 1 が 0 ( 「簡易」 MNG 機能が存在する ) LC デコーダは , JNG 対応の拡張が行われて G データストリーム中にはその機能が存在 する場合 , そのデータストリームは正当な なら , データストリームは DEFI , FRAM いないかぎり , このようなデータストリー 大域 PLTE および tRNS チャンクを含まない。 ムを受け付けないことが許されている。 ものではない。 「透明色なしあるいは無視可能」が意味す 0 でない簡易プロファイルを書き出す工 [ 訳注 2 ] 原文の誤りと思われる。 ンコーダは , それを処理するデコーダが不 るのは , MNG あるいは PNG の tRNS チャン クが存在せず , かっ PNG あるいは JNG の画 必要にデータストリームを拒絶することの ・ 3.1.2. MEND : MNG データストリームの終わり 像がアルフアチャネルを持たないこと , あ ないよう , 可能なかぎり正確であることを るいはそれらが存在するものの , 画像表示 心がけるべきである。たとえば , プロファ MEND チャンクのデータ長は 0 である。 のためには本質的でない ( あるいは必須で イル 31 は JNG , 透明色必須 , 少なくともひ これは MNG データストリームの終了を通知 ない ) ことである。 とつの「複合」 MNG 機能のすべてが存在す する。 ・ 3.1.3. LOOP, ENDL : ループ定義 TabIe 4 DE 日の構造 項目名 説明 LOOP チャンクは MNG-LC デコーダによ DE 曰チャンクに続くオブジェクトに与えられる。 って無視されてもよい。 ENDL チャンクに MNG-LC では必ず0 ついても同様である。 0 : オブジェクトを潜在的可視とする 3.2. 必須 MNG 画像定義チャンク 1 : オブジェクトを替在的可視にしない 具体性フラグ , オブジェクトの配置位置 , クリッ なし ピング境界が省略されているときは , このフィー ・ 321. DEFI : オプジェクト定義 ルドも省略できる DEFI チャンクはそれ以降 IHDR—IEND または JHDR—JEND データストリームで定 義されるすべての画像で使われる省略時の オプジェクト属性集合 ( オプジェクト ID , 潜 在的可視性 , 具体性フラグ , 位置 , クリッ ピング境界 ) を設定する。 MHDR 簡易プロファイルのビット 1 は DE FI チャンクが存在しないことを示すために 使ってよい。 DEFI チャンクは 2 , 3 , 4 , 12 , 28 バイト のいずれかである (Table4)0 X, Y 位置とクリッヒ。ング境界については 負の値を指定することが許される。正の方 向は , フレーム原点から下向きおよび右向 きである。オプジェクトに先立つ DEF チャ ンクが存在しない場合 , テコーダは Table4 の既定値 ( デフォルト ) を使わなければなら ない。 この既定値はまた , 同じオプジェクト ID を持つオプジェクトがそれまでに定義され デフォルト 0 バイト数 符号 なし オプジェクト旧 (Object id) 2 非表示フラグ (Do_not_show flag) 0 1 0 : オブジェクトを「抽象的 (abstract) 」 ( 画像を デルタ PNG のソースにできない ) にする 1 : オブジェクトを「具体的 (concrete) 」 ( オブジ ェクトをデルタ PNG のソースにできる ) にす なし る オブジェクトの配置位置とクリッピング境界フィ ー丿レドが省略されているときは , このフィールド も省略できる。 MNG ー LC デコーダはこのフラグ を無視してよい 具体性フラグ (Concrete flag) 0 1 X 位置 (X 」 ocation) Y 位置 (Y 」 ocation) 左クリップ位置 (Left-cb) 右クリップ位置 (Right—cb) 上クリップ位置 ()O p-c b) 下クリップ位置 (Bottom_cb) 0 4 あり 4 あり 4 あり 4 あり あり 4 あり オブジェクトの配置位置。クリッピング境界が省 略されているときは , X 位置と Y 位置フィールド も省略できる 0 0 フレーム幅 クリッピング境界を示す領域を設定する ( 矩形の 左上 , 右下の座標 ) 。各フィールドはまとめて省 略できる 0 4 高 ム レ 54 C MAGAZINE 2000 6
を次に示す。 ( MNG - LC を含む ) ファイルに対して拡張 フィックソフトウェアやファイルフォーマ ットは , このような個人に癲癇様発作を誘 子 . mng を使うことが推奨される。ファイル copy file. png file. mng この結果となる MNG ファイルは次のよ 発するような効果を生み出すことが可能だ。 名の大文字小文字が区別されるなら , 小文 一般には社会に対して , 個別的には動画制 うになる。 字の . mng のほうが好ましい。 JNG ファイル ¥ 211 P N G VrVn Az vn # PNG 識別子 作者に対して適切な警告を発することはソ に対しては拡張子 .jng が推奨される。 フトウェアの作者や発行者の責任である。 sRGB 2 旧 DR 720 468 8 0 0 0 0 # 幅と高さなど このフォーマットによって引き起こされ るおそれのある安全性に関する問題はそれ IDAT ・・ 付録 CD-ROM に収録されている翻訳され 以外に知られていない。 IEND file. png が sRGB チャンクを含み , また PN た規格書を参照してほしい。 G 仕様書のなかで「最低保証」のために推奨 されている gAMA チャンクと cHRM チャン 以下のサンプルでは注釈を記述するため クを含むなら , file. mng から gAMA チャンク と cHRM チャンクを取り除いてよい。なぜ 安全性への配慮については PNG 仕様書の に文字「 # 」を使っている。このような注釈 なら gAMA チャンクを処理するすべての MN は実際の MNG データストリームには存在 なかに声明がある。 せんこう G ビューワは sRGB チャンクも認識し , 処理 日常生活で一般的なある種の閃光や明滅 しない。 てんかん することが要求されており , したがってそ パターンにさらされたとき , 癲癇様発作を 12.1. サンプル 1 : 単一画像 れらのチャンクは常に無視されるからであ 経験したことがある人もいるかもしれない もっとも単純な MNG データストリームは る。 MNG ファイルを PNG ファイルに逆変 が , これはそれまで癲癇様発作を起こした 換する MNG 工デイタは推奨される gAMA チ 単一画像 PNG データストリームである。 PN ことのない人にも起こる可能性がある。動 G から MNG を生成するもっとも簡単な方法 ャンクと cHRM チャンクを挿入することが 画や色彩反復をサポートするすべてのグラ 想定されている。 Fig. 14 クリッピングの種類 12.2. サンプル 2 : とても簡単な動画 ・フレーム幅とフレーム高 このサンプルでは , たとえばフルフレー フレーム幅とフレーム高は MHD 日チャンクで定義され , ほかのいかなる MNG チャンクでも変更で ム画像の単純な並びを含む動画 GIF データ きない。テコーダはこれらのバラメータを使って MNG フレームを表示するウインドウのサイスを を直接変換した結果のような , とても簡単 決めてよい。フレーム幅あるいはフレーム高が表示ハードウェアの物理サイズを超える場合 , その サイズの外にある領域の内容は未定義となる。ビューワが望むなら , 「スクロールバー」などを生成 な動画データを示している ( Fig. 15 ) 。 してユーザが画面外にあるフレーム部分をパンしたりスクロールしたりすることを可能にしてもよ 12.3. サンプル 3 : 簡単なスライドショー い。そのようにする場合 , フレームの画面外の部分を維持し , 更新する責任はビューワにある。あ る MNG データストリームが PNG あるいは JNG データストリームで構成され , PNG あるいは JNG の 簡単なスライドショーとなるデータの構 識別子を持つ場合 , フレーム幅とフレーム高は旧 DR ( あるいは JHD 日 ) チャンクの幅と高さによっ 成を Fig. 16 に示す。 て定義される なお , ほかのサンプルについては , 付録 ・サプフレームクリッピング境界 CD-ROM に収録されている翻訳された規格 サプフレームクリッピング境界は FRAM チャンクで定義されるが省略可能であり , サプフレーム内 書を参照してほしい。 では変更できない。フレームモードが 3 か 4 の場合 , ビューワは各サプフレームの表示に先立ってサ プフレームクリッピング境界内の領域を背景色でクリアすることにより , 各サプフレームの開始時 に独立したレイヤを生成する必要がある。ビューワはサプフレーム境界の外側にあるどのピクセル も変更してはならない。すなわち , サプフレーム境界の外側にある ( ただしフレーム幅とフレーム 高で定義された領域内にある ) 表示部分が , 陽に再表示されないかきりフレームをまたいで表示され 続けることを , 工ンコーダはあてにできなければならない ・画像クリッピング境界 画像クリッピング境界は DE 曰チャンクで定義される。これらは個々のオブジェクトに対応付けられ るのであり , サプフレームに対応付けられるのではない。またこれらはサプフレーム内で変更可能 である。これはフレーム内の画像の一部だけを見せるために役立つ 10. 改訂履歴 12. 付録 : サンプル 11. 安全性への配慮 13. 謝辞 ・編者 GIenn Randers-Pehrson , randeg@alum.rpi.edu ・協力者 協力者氏名はアルファベット順に並んで いる。 Mark Adler , madler@alumni.caltec h.edu/Thomas Boutell , boutell@boutell.co m/John Bowler , jbowler@acm.org/Christi 62 C MAGAZINE 2000 6
ていないか , あるいは DISC または SEEK チ ャンクによって無効になっているときに任 意のフィールドを埋めるためにも使われる。 オプジェクト 0 を含む , 凍結されていな いすべてのオプジェクト属性は , SEEK チ ャンクに出会ったときに未定義になる。 SE EK チャンクのあとにあるそれぞれのオプジ ェクト ID に対する最初の DEFI チャンクに おいて , そのオプジェクト ID に対して以前 の DEFI チャンクでこれらの既定値以外の値 が設定されていたすべてのフィールドが省 略されていないことを , 工ンコーダは確実 にしなければならない。なぜなら簡易デコ ーダは SEEK チャンクを無視することが許 されているからである。ジャンプまたはス キップで SEEK チャンクに飛び込むデコー ダは , それぞれのオプジェクト ID に対する セグメントにある最初の DEFI チャンクの省 略されたフィールドについて , これらの既 定値を仮定しなければならない。 ・ 3.2.2. PLTE, tRNS : 大域バレット PLTE チャンクは PNG の PLTE チャンクと 同じフォーマットを持つ。これは空の PLTE チャンクを含む PNG データストリームによ って継承される大域パレットを提供する。 tRNS チャンクは PNG の tRNS チャンクと 同じフォーマットを持つ。これは空の PLTE チャンクを含む PNG データストリームによ って大域パレットと同時に継承される大域 透明色配列を提供する。 空の PLTE チャンクを含まない PNG デー タストリームが存在する場合 , 大域 PLTE と大域 tRNS データのいずれも , そのデータ ストリームによって継承されることはない。 大 }APLTE チャンクが存在しない場合 データストリーム中の各インデックスカラ 一方式の PNG は独自の PLTE ( 透明色を持つ なら tRNS も ) を用意する必要がある。 ・ 3.2.3. 旧 DR, PNG チャンク , IEND PNG のデータストリーム。 PNG チャンク のフォーマットについては PNG 仕様書およ び PNG 拡張仕様書を参照のこと。 IHDR と IEND の間にあるすべてのチャン TabIe 5 BACK の構造 項目名 赤背景色 (Red—backg 「 ound) 緑背景色 (G 「 een—background) 月背景、色 . (BIue—backg 「 ound) 強制背景 (Mandatory backg 「 ound) バイト数 2 2 2 1 説明 背景色の各色要素を表す 1 : 背景色は強制される O : 必ず利用する必要なし 背景色を必ず利用しなければならないか ロ 2 NG 0 デフォルト このフィールドは省略できる。その場合 , 背景色 は強制されない [ 注 ] それぞれの値は符号なし整数として扱われる クは PNG 仕様に従って書かれ , またデコー ドされる。 大 mPLTE チャンクがトップレベルの MN G データストリーム中に現れた場合 , 大域 PLTE および tRNS データが使われることを 指示するために , その PNG データストリー ムは空の PLTE チャンクを持つ可能性があ る。空の PLTE チャンクが存在しなければ , データは継承されない。 PNG ファイルを再 生成する MNG アプリケーションは , 出力 P NG ファイル中に空の PLTE チャンクではな く , 大域 PLTE チャンクを書き出さなければ ならない。 tRNS データが存在する場合は , それも同時に書き出す必要がある。大域 tR NS データは PNG データストリーム中の tRN S チャンクによってそれ以降に上書きされ ることがある。大域 PLTE チャンクが存在し ないか , あるいは nu Ⅱで埋められている場 合 , PNG データストリームが空の PLTE チ ャンクを含むのはエラーである。 PNG の oFFs および pHYs チャンク , およ びピクセルサイズあるいは描画位置を設定 するような任意の将来拡張用チャンクは , MNG ビューワによって無視され , また MN G ェデイタによって ( 複製規則に従って ) 単 純に複製されなければならない。 PNG の gIFg, gIFt, gIFx チャンクは MN G ビューワによって無視され , また MNG 工 デイタによって複製規則に従って複製され なければならない。 IHDR チャンクに出会ったときにその画 像に対する非表示フラグが 0 であれば , ビ ューワは PNG のインタレース方式を利用し てデコード中にその画像を表示するか , あ るいはデコードが完了してから表示するか を選んでよい。 ・ 3.2.4. JHDR, JNG チャンク , IEND JNG データストリーム。 JNG データスト リームのフォーマットについては JNG 仕様 書を参照のこと。 JHDR と IEND の間にあるすべてのチャン クは JNG 仕様に従って書かれ , またデコー ドされる。 PNG データストリームに関する前節の残 りの記述は , JNG データストリームにも適 用される。 MNG-LC アプリケーションは , JNG 機能 が拡張されていないかぎり , JNG データス トリームを処理することを期待されない。 3.3. 必須 MNG 画像表示チャンク ・ 3.3.1. BACK : 背景 BACK チャンクは , 表示される可能性の ある透明色画像 , クリッピングされた画像 , フレーム全体を覆わない画像に対して背景 色を指定する (TabIe 5 ) 。 ビューワはフレーム全体を満たす背景レ イヤに対して MNG-LC データストリームの 最初のレイヤを合成するものと期待される。 BACK チャンクはこの目的のためにビュー 特集 2 MNG 55