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検索対象: 完訳日本の古典 第14巻 源氏物語(一)
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1. 完訳日本の古典 第14巻 源氏物語(一)

源氏物語 454 桐壺 △先帝 兵部卿 ~ 呂 ( 兵部卿の親王 ) 先帝の四の宮、宮、后の宮の 姫宮、藤壺、かかやく日の宮 母后€'&) 藤壺女御 ( 右大臣 ( 桐壺帝 ( 号、 ) △大納一一一一口 ( 父の大納言 ) 桐壺更衣 ( 母北の方 ( 母君、御祖母北の方 ) 左大臣 ( 引入れの大臣、大臣 ) 母宮 ( 宮 ) 各巻の系図 一、本巻所収の登場人物を各巻ごとにまとめた系図である。 一、△は、その巻における故人を示す 、 ( ) 内はその巻での呼び名を示す 春宮の祖父大臣、春宮 の御祖父、右の大臣 母君、御息所、 女、母御息所 源氏 弘徽殿女御 ( 宀呂 ( 一の御子、一の宮 ) 女御子たち二所 男皇子御子若宮宮 源氏の君、光る君、君 葵の上 ( 靫負命婦 ( 命婦 ) 典侍 右大弁 ( 弁 ) 大蔵卿 高麗人 ( 相人 ) 右大臣の女御、一の御子の女御、 弘徽殿、御方、女御、春宮の女御 四の君 御むすめ、女 君、大殿の君 頭中将 ( む

2. 完訳日本の古典 第14巻 源氏物語(一)

39 桐壺 ふ四の君にあはせたまへり、劣らすもてかしづきたるは、あらまほしき御あは一 ^ 弘徽殿女御の妹にあたる。 一九右大臣が、左大臣の源氏に対 するのに劣らす、の意。 ひどもになん。 ニ 0 左大臣と源氏、右大臣と蔵人 さとヤ・ 源氏の君は、上の常に召しまつはせば、心やすく里住みも少将の二つの関係。「あはひ」は間 〔宅〕源氏、一途に藤壺 柄。「ども」は複数。左大臣が東宮 うち の宮を恋慕する えしたまはず。、いの中には、こ。こ、 オオ藤壺の御ありさまをた方からの所望を断 0 たが ( 三 その緊張関係も、ここで緩和 ぐひなしと思ひきこえて、さやうならむ人をこそ見め、似る人なくもおはしけ三左大臣邸での生活。 ニ四 一三この「見る」は妻として逢う意。 ニ六 おほいどの ニ五 ニ三 . 「たぐひなし」とともに、藤壺 るかな、大殿の君、いとをかしげにかしづかれたる人とは見ゆれど、、いにもっ を最高の女性とする気持。母への をさな かずおばえたまひて、幼きほどの心ひとつにかかりて、いと苦しきまでそおは憧れが理想の女性への憧れに移る。 一西葵の上。「大殿」は大臣邸の称。 一宝大事に養われた深窓の麗人。 1 しけ・る。 ニ六「心につく」は、気に入る意。 のち おとな 大人になりたまひて後は、ありしゃうに、御簾の内にも入れたまはず、御遊毛幼少だった時分は、御廉の内 にも入れてくれたが、そのように。 ことふえね うちず びのをりをり、琴笛の音に聞こえ通ひ、ほのかなる御声を慰めにて、内裏住み夭藤壺の弾く琴の音に源氏が笛 を吹き合せて聞かせ、それによっ のみ好ましうおばえたまふ。五六日さぶらひたまひて、大殿に二三日など、絶て心が通う。「通ひ」とあり、藤壺 の方からも心動く点に注意。 え絶えにまかでたまへど、ただ今は、幼き御ほどに、罪なく思しなして、いとニ九「罪ーは欠点。「思しなし」とあ り、左大臣は努めて鷹揚に振舞う。 三 0 かたがた なみかしづききこえたまふ。御方々の人々、世の中におしなべたらぬを選りと三 0 源氏と葵の上それそれの女房。 三一下にもおかぬくらい熱心に源 とのヘすぐりてさぶらはせたまふ。御心につくべき御遊びをし、おほなおほな氏の君をいたわっておられる。 ニ七 一九 うへ ニ九 ニ 0 え

3. 完訳日本の古典 第14巻 源氏物語(一)

まふ。 一元服者から帝への献上品。 * 一かな 「折櫃物」は、檜の薄板の器に肴類 おまへをりびつものこもの その日の御前の折櫃物、籠物など、右大弁なむうけたまはりて仕うまつらせを入れたもの。「籠物」は、籠に入 1 = ロ れた五菓 ( 柑・橘・栗・柿・梨 ) 。 とんじきろく からびつ 物ける。屯食、禄の唐櫃どもなどところせきまで、春宮の御元服のをりにも数ま = 強鯲を握り固めたもの。宴の 折、庭にいる身分低い者に賜る。 源 されり、なかなか限りもなくいかめしうなん。 三「唐櫃」は、脚のついた櫃。 四「春宮・ : まされり」は挿入句。 おとど五 その夜、大臣の御里に源氏の君まかでさせたまふ。作法世にめづらしきまで五「里」は、私邸、の意。 六源氏を婿として迎える儀式。 もてかしづききこえたまへり。 いときびはにておはしたるを、ゆゅしううつく七源氏の少年らしい抜群の美貌。 ^ 後の巻からの逆算で、葵の上 をむなぎみ ^ しと思ひきこえたまへり。女君は、すこし過ぐしたまへるほどに、、 しと若うおはこの時十六歳、源氏より四歳上。 九帝のご信任。 おば 一 0 葵の上の母。↓三七ハー注一三。 はすれば、似げなく恥づかしと思いたり。 = 父方母方のどちらにつけても。 この大臣の御おばえいとやむごとなきに、母宮、内裏のひ三「はなやか」は盛大に栄える意。 ニ六〕左右大臣家並び立 一三東宮即位後、右大臣は外戚と きさいばら っ蔵人少将と四の君 しての国政掌握が予想される。そ とっ后腹になむおはしければ、、。 しつ方につけてもいとはな の摂関家的な繁栄と、帝の厚遇に おほぢ やかなるに、この君さへかくおはし添ひぬれば、春宮の御祖父にて、つひに世よる現在の左大臣の繁栄とは異質。 一四多くの夫人たちに。 みぎのおとど ↓三七ハー注 = = 。 の中を知りたまふべき右大臣の御勢ひは、ものにもあらずおされたまへり。御一五 一六「右大臣の」は、次一 4 劣らず は 4 つば、り くらうどのせうしゃう ・ : 」に続く。中間は挿入句。 子どもあまた腹々にものしたまふ。宮の御腹は、蔵人少将にていと若うをかし 宅右大臣は蔵人少将の将来を見 きを、右大臣の、御仲はいとよからねど、え見過ぐしたまはで、かしづきたま込んで、見過せず、の意。 なか 六 一はふ

4. 完訳日本の古典 第14巻 源氏物語(一)

きさきばら 后腹の妹宮でいらっしやったので、どちらから見ても、ま るけれども、どこか性に合わぬところがあるようにお感じ ことに結構でいらっしやるが、この源氏の君までが婿君と になり、藤壺のことを幼心の一筋に思いつめて、まったく して加わられたのだから、東宮の御祖父で、将来は天下の胸の痛くなるくらいに悩んでいらっしやるのであった。 語 物政治をおとりになるはずの右大臣のご威勢は、ものの数で 元服なさってから後は、帝も今までのように君を御簾の かんげん もなくけおされておしまいになった。左大臣は、たくさん中にもお入れにならないので、管絃の催しのある折などに、 源 のお子たちを腹々にもうけていらっしやる。姫君と同じ母藤壺の琴に合せて笛を吹いてお聞かせしては互いに心を通 なか くろうどの。しトっしよう 宮のお腹のお子は、蔵人少将で、いかにも若く美しい方わせ、かすかに漏れてくる宮のお声を慰めとして、宮中で なので、右大臣は、左大臣家とのお仲はあまりよくないけのお暮しばかりを好ましく思っていらっしやる。五、六日 れども、お見過しになれず、大事にお育ての四の君の婿と宮中にお勤めになって、左大臣家には二、三日というよう してお迎えになられたのだが、こちらで源氏の君をたいせ に、とぎれとぎれにご退出になるけれども、今は幼いお年 とが つにしておられるのに劣らず、この君を丁重におもてなし ごろだから咎めだてするほどのこともないと左大臣はお考 む・一しゅよノレ」 しているのは、それそれに申し分のない婿舅のお間柄で えになって、手を尽して丁重にお世話申しあげておられる。 はある。 君と姫君のそれそれにお仕えする女房たちは、並々ならぬ え ニを源氏、一途に藤壺源氏の君は、帝がいつもお召しにな者ばかりを選りすぐってお仕えさせなさる。君のお気に入 ねんご の宮を恋慕する ってはおそばをお離しにならないの るような催しをして、懇ろにいたわっておられる。 みやすどころ で、気楽に里住みをなさることもおできにならない。その 宮中では、もとの淑景舎をお部屋にあてて、母御息所に ふじつば 心の中では、ただ藤壺の御有様をこの世に唯一のお方とお お仕えしていた女房たちを、散り散りにならぬよう引き続 やしきすりしきたく 思い申しあげて、このようなお方をこそ妻にしたいものだ、 いて君にお仕えさせなさる。御息所の里の邸は修理職や内 みづかさ またとなくすぐれていらっしやることよ、左大臣家の姫君匠寮に帝からの仰せが下って、またとないくらいにすばら は、たいせつに育てられた、いかにも美しい人とは思われしく改造をさせなさる。以前からの立木や築山の配置など つきやま

5. 完訳日本の古典 第14巻 源氏物語(一)

ものいみ ながあめ との さみだれ 長雨晴れ間なきころ、内裏の御物忌さしつづきて、いとど一陰暦五月ごろの長雨。梅雨。 〔ニ〕五月雨の夜の宿直 ニ「物忌」は、凶日に籠居し謹慎 ながゐ に、女の品定め始る 長居さぶらひたまふを、大殿にはおばっかなく恨めしく思すること。ここでの源氏は、宮中 語 以外への外出を謹慎する。 てう 三左大臣邸では、今まで以上に 物したれど、よろづの御よそひ何くれとめづらしきさまに調じ出でたまひつつ、 六 足の遠のく源氏に対して。「おば とのゐどころみやづかへ みやばら 源 つかなし」は、気がかりだ、の意。 御むすこの君たち、ただこの御宿直所に宮仕をつとめたまふ。宮腹の中将は、 四源氏の身のまわりのすべてを。 な たはぶ 中に親しく馴れきこえたまひて、遊び戯れをも人よりは心やすく馴れ馴れしく左大臣家の、源氏への奉仕ぶり。 五源氏の宿直所 ( 宮中での部屋 ) す みぎのおとど は桐壺 ( 淑景舎 ) 。↓桐壺四〇ハー ふるまひたり。右大臣のいたはりかしづきたまふ住み処は、この君もいともの 六皇女 ( 桐壺帝の妹、左大臣の 北の方 ) 腹の中将。前の蔵人少将 うくして、すきがましきあだ人なり ( ↓桐壺三八ハ -) 。この時、頭中将。 里にても、わが方のしつらひまばゆくして、君の出で入りしたまふにうち連セ左大臣の子息つなかでも特に。 ^ 頭中将は右大臣四の君の婿。 よるひる れきこえたまひつつ、夜昼、学問をも遊びをももろともにして、をさをさ立ち九源氏が北の方の葵の上になじ まないのと同様に、頭中将も。 おくれず、いづくにてもまつはれきこえたまふほどに、おのづからかしこまり一 0 色恋ごとに執心しがちな人。 = 頭中将は自家左大臣邸でも。 うち 一ニお伴申しあげなさっては もえおかず、心の中に思ふことをも隠しあへずなむ、睦れきこえたまひける。 一三ご遠慮もしていられず。 よひ ひとずく つれづれと降り暮らして、しめやかなる宵の雨に、殿上にもをさをさ人少な一四「宵」は、午後十時ごろまで。 一五この「書」は書物、漢籍。 ふみ おほとなぶら 御宿直所も例よりはのどやかなる心地するに、大殿油近くて書どもなど見一六調度・書画を取める置き戸棚。 宅種々の色の紙の手紙。女たち が源氏に宛てた艶書である。 たまふ。近き御厨子なるいろいろの紙なる文どもを引き出でて、中将わりなく きみ かた 一七 ふみ むつ

6. 完訳日本の古典 第14巻 源氏物語(一)

37 桐壺 一九「思しまぎるとはなけれど : ・」 気色あるを、思しわづらふことありけるは、この君に奉らむの御心なりけり。 ( 三四ハー ) に照応。更衣熱愛の昔を。 うしろみ たまは 内裏にも、御気色賜らせたまへりければ、帝「さらば、このをりの後見なかめニ 0 幼い年齢では。 ニ一髪上げして見劣りしないかと。 そひぶし 一三左大臣の北の方は皇女 ( 桐壺 るを、添臥にも」ともよほさせたまひければ、さ思したり。 帝の妹 ) で、「むすめ」 ( 葵の上 ) と さぶらひにまかでたまひて、人々大御酒などまゐるほど、親王たちの御座の兄の蔵人少将 ( 後出 ) を産んでいる。 ニ三左大臣が帝の内々のご賛成を 末に源氏着きたまへり。大臣気色ばみきこえたまふことあれど、もののつつま取りつけておられたので。 ニ四元服の際、定められている女 性を添臥させる習慣があった。 しきほどにて、ともかくもあへしらひきこえたまはす 一宝前出の「御休所」。 おまへ せんじ 御前より、内侍、宣旨うけたまはり伝へて、大臣参りたまふべき召しあれば、ニ六親王たちの次、左大臣の上座。 隣合せで「大臣気色ばみ : ・」が可能 ニ ^ ろく うへみやうぶ ニ九おほうちきぞひとくだり 参りたまふ。御禄の物、上の命婦取りて賜ふ。白き大袿に御衣一領、例のこと毛何かと恥ずかしい年齢で。 夭引入れ役への褒美の品 ニ九禄用に大きめに仕立てた袿。 なり。御盃のついでに、 もとどり 三 0 「はつもとゆひ」は元服で髻を 結ぶ紫の組紐。その縁語「結ぶ」に、 帝いときなきはつもとゆひに長き世をちぎる、いは結びこめつや 夫婦としての縁を結ぶ意をこめた。 一一人の結婚を督促する歌。 御心ばへありておどろかさせたまふ。 三一「色しあせずは」で、源氏の心 変りのないことが念願されている。 左大臣結びつる心も深きもとゆひに濃きむらさきの色しあせずは ししいでん 三ニ清涼殿から紫宸殿に渡る廊。 たまは ぶたふ むまくらうどどころたか ひだりのつかさ と奏して、長橋より下りて舞踏したまふ。左馬寮の御馬、蔵人所の鷹すゑて賜三三拝舞。↓注一八。 三四東の簀子から庭に降りる階段 しなじな かむだちめ りたまふ。御階のもとに、親王たち、上達部つらねて、禄ども品々に賜りた三五身分に応じて。 けしき ) かづき みはし 三四 お おほみき 0 ろく ニセ

7. 完訳日本の古典 第14巻 源氏物語(一)

右大臣龕 ) 源 左大臣龕殿 伊予介 ( 伊予 ) 端荻 ( むすめ ) 〔△妻〕 蔵人少将 ( 少将 ) 君 六条御息所燦わた タ顔 、 ) 蔵人弁 * の君 葵の上 ( 大殿 ) 源氏 ( 君 ) 大弐の乳母、 ) 四の君 頭中将 ( 君〕中将、頭 0 阿闍梨 惟光 ( 大夫 ) 少将命婦 三河守 撫子、 若君 タ顔の家の宿守 西の京の乳母 揚名介 △タ顔の乳母ー右近 ( 右近の君 ) 尼君甑鬱ー大徳 六条女房 中将の君 ( 中将のおもと ) 某院の預りー子 ( 滝ロ )

8. 完訳日本の古典 第14巻 源氏物語(一)

若紫 畄日宿なにが ィーま △察大納言 ( 察、殿、 尼君上〕北の方、上、 藤壺女御 ( 1 0 宮、 桐壺帝 ( 上 ) △桐壺更衣 (ä') 左大臣大臣、 図 系 巻△大臣 各 △前坊 0 六条御息所 0 ( 条京《 0 り ) △姫 ( 大納言の 兵部卿宮 ( 宮、父宮、 北の方龕。 ) 源氏源氏の君君源氏の中将 る源氏、男君、中将の君 頭中将 中弁 ( 鬱 葵の上 ( 女君 ) 明石の入道 ($ 新 明石の君 ( むすめ ) 紫の上 ( 若 聖 ( 大徳 ) 良清守 ) 大君 少納言の乳母 ( 少納言、乳母 ) 僧都の御弟子 惟光 ( 大夫 ) 王命婦 ( 命婦 ) 御乳母子の弁

9. 完訳日本の古典 第14巻 源氏物語(一)

一「長雨晴れ間なき」 ( 四四ハー ) 天 候が回復。にわかに暑くなる。 からうじて、今日は日のけしきもなほれり。かくのみ籠り = 左大臣邸全体の雰囲気。下の 〔一三〕品定めの翌日、源 語 「人」は葵の上。 物氏、左大臣邸へ退出 さぶらひたまふも、大殿の御心いとほしければ、まかでた 三気品高いという印象が鮮明で。 氏 四直接には、左馬頭の言葉「た けしき 源 だひとへに : ・」 ( 五三ハー ) をさす。 まへり。おほかたの気色、人のけはひも、けざやかに気高く、乱れたるところ 五以下、葵の上。「うるはし」は、 まじらず、なほこれこそは、かの人々の棄てがたくとり出でしまめ人には頼ま端麗。相手を気楽にさせにくい 六源氏がきまり悪くなるくらい 六 の、葵の上のとつつきにくい態度。 れぬべけれと思すものから、あまりうるはしき御ありさまの、とけがたく恥づ 七二人はともに、葵の上づきの めしうど かしげに思ひしづまりたまへるを、さうざうしくて、中納言の君、中務などや女房だが、源氏の召人でもあった。 後の葵巻で分る。 わかうど たはぶごと 〈並々ならぬ器量の若女房。 うのおしなべたらぬ若人どもに、戯れ言などのたまひつつ、暑さに乱れたまへ 九左大臣は、直接の対面では源 おとど る御ありさまを、見るかひありと思ひきこえたり。大臣も渡りたまひて、かく氏が気づまりだろうと、遠慮した。 一 0 「にがむ」は、苦い顔をする意。 九きちゃう = 女房の笑いを制する言葉。 うちとけたまへれば、御几帳隔てておはしまして、御物語聞こえたまふを、 きよそ 三源氏の挙措が貴人らしくおお けふそく 源氏「暑きに」とにがみたまへば、人々笑ふ。源氏「あなかまーとて、脇に寄らかだという語り手の評言。 一三陰陽道の祭神・中神」 ( 天一神 ) りおはす、いと安らかなる御ふるまひなりや。 のいる方角を「塞がり」として忌み、 「方違へ」をする。 こよひなかがみうち 一四「さかし、 : なりけり」は、語 暗くなるほどに、「今宵、中神、内裏よりは塞がりてはべ 〔一巴源氏、紀伊守邸へ かたたが り手の言葉とみる。 方違えにおもむく 三源氏の邸。宮中からは左大臣 りけり」と聞こゅ。さかし、例は忌みたまふ方なりけり。 ひつ。 きのかみ す ふた なかっかさ こも ふた

10. 完訳日本の古典 第14巻 源氏物語(一)

455 各巻の系図 帚木 右大臣 左大臣殿 △故右衛門督 ( 響 ) 宮腹の中将、中 将、君、頭の君 玉鬘な ) タ顔 ( 常夏 ) 葵の上 ( 鬱 ・る源氏 源氏 君、中将 式部卿宮ーー朝顔の姫君宮 ) 嬋 ( 姉諸人、女君、姉 ) 伊予守、伊予、 予介 ( 伊予の翁、介 紀伊守 ( 守 〔△先妻〕 四の君 頭中将 ( 君 左馬頭 ( 馬頭 ) 藤式部丞 ( 式部 ) 左大臣家女房 中納言の君 中務 空嬋の女房 中将の君 ( 中将 ) 浮気な女 ( 女 ) 指喰いの女 ( 人、女、さがな者 ) 博士の娘 ( 女、娘、さかし人 ) 源氏 ( 君 ) 空蝉 伊予介 紀伊守 軒端荻 ( 〔△先妻〕 君 ( 若君 ) 民部のおもと ( 御許 ) 老びとつもと 女、妹、 姉君 西の御方、紀伊守 の妹、君、西の君