桐壺〔 語 物 8 思ひわたりつれ ( 証・幽・柏・吉・大・ 氏横・池・三 ) ー思わたりつれ 0 0 0 源凵儀式の ( 証・穂・幽・柏・吉・横・肖・ 三 ) ーきしき 1 ありけるは ( 証・穂・幽・柏・吉・横・ 肖・三 ) ーありける 明 ( 底本 ) ・証・穂・幽・柏・吉・ 帚木〔 肖・大・松・池・秀・三・河・別 菊 8 よくさまざまなる ( 証・穂・幽・柏・ 吉・肖・大・松・池・秀・三・河 ) ーか ( よ ) く さま / く、なる 我も ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・松・ 池・三・河・別 ) ー我 4 中にも ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・大・ 松・池・秀・三 ) ー中こ ( に ) も かみかみ 3 上が上は ( 証・幽・柏・吉・肖・大・ 松・池・秀・三・河 ) ーかみかゝみに 思ふにだに ( 証・柏・吉・肖・大・松・ 池・秀・三・河・別 ) ーおもしったに なよよか ( 証・穂・幽・吉・肖・大・ 松・ = l) ーなよか ( 「よ」と「かの間に、右に 「ら」左に「よ」を補入 ) 明 ( 底本 ) ・証・穂・幽・柏・吉・ 大・横・池・肖・三・河・別 2 、いにくく ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・ 大・松・池・秀・三・河 ) ー心にくし ( く ) 5 たぐひ ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・大・ 松・池・秀・三・河 ) ーたら ( く ) ひ 3 近くて ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・大・ 松・池・秀・三 ) ーちかえ ( く ) て 4 おほやけ腹立たしく ( 証・摠・幽・ 柏・吉・肖・大・松・池・秀・三・河 ) ーおほ やけはらはらたゝしく 5 ことなど ( 証・穂・幽・柏・肖・大・ 池・秀・三・河 ) ーことなむと 7 ゐたらむは ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・ 大・松・池・秀・三・河 ) ーね ( ゐ ) たらむは 9 もの恥して ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・ 大・松・池・秀・三・河・別 ) ーものはかり ( チ ) して 2 心をも見むと ( 穂・吉・肖・松・池・ ーこゝろをミむと くや 悔しきことも ( 証・穂・幽・柏・吉・ 肖・松・池・秀・三・河 ) ーくやしき事 8 目移りて ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・ 大・松・池・秀・三・河 ) ーめうつも ( り ) て 3 すき心地 ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・ 松・池・秀・三 ) ーすき心 1 背きもせず ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・ 池・三・河 ) ーそむきもせすと 女の家 ( 証・幽・柏・吉・肖・大・松・ 池・秀・三・河 ) ー女 ( の ) 家 2 うつろひわたりて ( 穂・幽・柏・吉・ 肖・松・池・三・河・別 ) ーうつろひわたり 9 見ゆる ( 証・穂・幽・柏・吉・当・松・ 池・秀・三 ) ーみ ( ゅ ) る あられ 新 9 霰 ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・大・松・ 池・秀・三・河 ) ーあは ( ら ) れ よくせずは ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・ 大・松・池・秀・三・河 ) ーよよく ( ウ ) せす 、いもとなきも ( 証・穂・柏・吉・肖・ 大・松・池・秀・三・河・別 ) ーころ ( 心 ) も と - なキトも 間 6 うち頼まむに ( 証・穂・柏・肖・松・ 池・秀・三 ) ーうちたのまむには 間 8 したたかなる ( 証・穂・幽・柏・吉・ 肖・大・松・池・秀・三・河 ) ーしたし ( た ) かなる ハはべりき ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・ 大・松・池・秀・三・河・別 ) ーゝ ( ⅱは ) っ ( へ ) りき しづしづと ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・ 大・松・池・秀・三・河・別 ) ーしづ / 、 ( 「 / 、、」の右下に「と」左下に「一一」を傍書 ) 花 7 なからめ ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・ 大・松・池・秀・三・河 ) ーな ( か ) らめ これに ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・大・ 圏
1 よ 1 松・池・秀・三・河・別 ) ーこれは きこえさせむ ( 証・穂・幽・柏・吉・ 1 よ 1 思ほしも ( 明・証・柏・吉・御・池・秀 ) ・ー、お・もほーレ , っ・も 3 わたりなる ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・ 肖・大・松・池・秀・三 ) ーきこえ ( させ ) む 4 思ほせど ( 証・幽・柏・吉・御・池・ 大・松・池・秀・三・河・別 ) ーわたりなり 2 言ひ伝ふるは ( 証・穂・幽・柏・吉・ 秀・肖・ lll)—おほせと 肖・大・松・池・秀・三・河・別 ) ーいる ( ひ ) いとよう ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ ったふるは 5 べからむ所 ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・ 御・横・池・秀・肖・三 ) ーいとかう 大・松・池・秀・三・河・別 ) ーへきからむ 明・証・穂・幽・柏・吉・御・大 、 1 11 思すにしも ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ 所 空嬋〔 ( 底本 )•横・池・秀・肖・三・河・別 行 3 たまへれば ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・ 御・横・池・秀・肖・三・河 ) ーおほすしも % 4 まじく ( 明・証・幽・柏・吉・御・横・ 松・池・秀・三・河・別 ) ーたまへ ( レ ) は 2 わびしけれど ( 証・穂・幽・柏・吉・ 御・横・池・秀・肖・三・河・別 ) ーわひしけ 池・秀・肖・三 ) ーましう 行 9 心もなくては ( 証・穂・幽・柏・吉・ れば よきほどにて ( 明・証・穂・柏・吉・ 肖・大・松・池・秀・三・河 ) ー心もとなく あやふ ては 御・横・池・河 ) ーよきほとに 7 危かりけり ( 証・穂・幽・柏・吉・御・ 横・池・秀・肖・三・河 ) ーあやしかりけり 1 ここに ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・松・ まじかりければ ( 明・証・穂・幽・柏・ 池・秀・別 ) ーゝ ( ⅱは ) し ( こゝ ) に 吉・御・横・池・秀・肖・三・河 ) ーましけれ順昭苦しく ( 明・証・幽・柏・吉・横・池・ 秀・肖・三 ) ーくるしう 1 思ひなしたまへ」と ( 証・穂・幽・柏 ・吉・肖・大・松・池・秀・三・河・別 ) ー思 6 所どころ ( 明・証・穂・幽・柏・御・ 明・証・穂・幽・柏・吉・御・大 なし給へは ( と ) 池・秀・肖・三・河 ) ー所 タ顔〔 ( 底本 ) ・横・楙・池・肖・三・河・別 かぞ 別 9 伊予の方のみ ( 証・穂・幽・柏・吉・ 7 数ふる ( 明・証・穂・幽・柏・吉・御・ 肖・松・池・秀・三・河 ) ーいよのかたの 横・池・秀・肖・三・河・別 ) ーかさふる Ⅲ 7 思ひたまへつる ( 明・証・穂・柏・吉・ 横・楙・ = l) ーおもふたまへつる 9 っとつけたまへれば ( 明・吉・御・横 ) Ⅲなども ( 明・証・穂・幽・柏・吉・御・ ーっけたまへれは 己 3 臥したまへり ( 証・摠・幽・柏・吉・ きロ 横・楙・池・肖・三・河 ) ーなと 側目に ( 明・証・穂・幽・柏・吉・御・ 付肖・大・松・池・秀・三・河・別 ) ーふし給へ 訂りける 横・池・肖・三 ) ーそはめも Ⅱなくもがなとなん」など ( 明・証・ 穂・幽・柏・吉・横・楙・池・肖・三 ) ーなく 校圏あらはれむ ( 証・穂・幽・柏・吉・肖・ 燗 5 されどもと ( 明・証・穂・柏・吉・御・ もかなとなん 松・池・三・河 ) ーあらはれむと 横・池・秀・肖・三・河 ) ーされとも めいばく わらは 出 3 すさび ( 明・証・幽・柏・吉・横・・ 幻圏 4 面目 ( 吉・肖・大・秀・三・河・別 ) ーめ燗童 ( 証・穂・柏・吉・御・横・池・三・ 池・肖・三・河・別 ) ーすさみ ( い ) ほく 河・別 ) ーはらはヘ ( ミ ) ふ
横・楙・池・肖・三・河・別 ) ーむかしの物・楙・池・肖・三・河・別 ) ー御むま 出 9 さは申さで ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ 8 かたり 8 黒うして ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ 御・横・楙・池・肖・三 ) ーえさは申さて 1 胸は ( 証・穂・幽・柏・吉・横・楙・ 御・横・池・肖・三 ) ーくろくして 出 4 六条わたりも ( 証・吉・御・楙・池・ 池・肖・河・別 ) ーむね Ⅱほどもなく ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ = l) ー六条わたりにも 語 7 ふとものも ( 明・証・穂・柏・吉・池 ) 横・楙・池・肖・三 ) ーほとなく 物盟 8 はべべかめる ( 証・吉・御・横・楙・ ーふともゝの 4 ひとつに ( 明・証・幽・柏・吉・御・ 氏池 ) ーはヘかめる 横・楙・三・河・別 ) ーひとへに 源鵬 6 あるべきかな」など ( 証・幽・柏・吉 9 持ちたまへり ( 明・証・穂・幽・柏・ 吉・御・横・楙・池・肖・三 ) ーも給へり ・御・横・楙・池・肖 ) ーあるヘかなと 剏 8 多かる身にて ( 明・証・穂・幽・柏・ 昭あまりてなんある ( 明・証・穂・幽・ 吉・御・横・楙・池・肖・三・河・別 ) ーおほ 5 いづこに ( 明・穂・幽・吉・御・横・ 柏・吉・横・楙・池・肖・ = D ーあまりてな 楙・池・肖 ) ーいつくに かる事にて んあり 8 かしこになむ」と ( 明・証・穂・幽・ 6 奉り ( 明・証・穂・幽・柏・吉・御・ 言ひやりつるは ( 明・証・穂・幽・柏・ 柏・吉・楙・池・肖・三 ) ーかしこになと 横・楙・肖・三・河 ) ーたてまつる 吉・御・横・楙・池・肖・三 ) ーいひつるは 思ほし出でらるれば ( 明・証・穂・ 9 しるき ( 証・穂・幽・柏・吉・御・横・ Ⅷ凵行きあかれにけり ( 証・吉・楙・池 ) ー 幽・柏・吉・横・池・肖・ lll)—おほしいて 楙・池・肖・三・河・別 ) ーしるヘき ゆきあかれにけり らるれは 4 思ほえ ( 証・柏・吉・御・横・楙・三 ) ー 1 はべれば ( 明・証・幽・柏・吉・御・ 5 はべらんとすらん ( 明・証・幽・柏・ おほえ 横・池・肖・三 ) ー侍らは 吉・御・横・楙・池・肖・ = l) ー侍らんすら Ⅷ 2 心ならひ ( 明・幽・吉・御・横・肖 ) ー ん ならひ 6 思ひしづめよ ( 明・証・穂・幽・柏・ えん 吉・御・横・楙・池・肖・三・河 ) ー思ひしつ 7 うち泣きけり ( 吉・御・横・楙・池・ 4 艶なる ( 明・証・穂・幽・柏・吉・御・ めよと 別 ) ーうちなけきけり 横・楙・池・肖・三・河・別 ) ーゑんある 川 1 秋の野 ( 穂・吉・横・楙・池 ) ー秋の野Ⅷ 2 二条へ ( 穂・柏・吉・御・楙・池 ) ー二 7 下りなんとするを ( 明・証・穂・幽・ ら 柏・吉・横・楙・肖・三・河 ) ーゝ ( = く ) たり 条院へ なとするを なり ( 証・穂・吉・横・楙・池 ) ーなめⅧ 7 いふものの ( 明・幽・吉・御・横・楙・ 8 うけたまはり悩むを ( 明・証・幽・ 池・肖・河・別 ) ーいふもの Ⅷ 8 こしらへても ( 明・証・穂・幽・柏・ 柏・吉・楙・池・肖・三 ) ーうけ給なやむを 3 人 ( 明・証・穂・幽・柏・御・横・楙・ 吉・御・横・楙・池・肖・三 ) ーこしらへて 4 せさせたまふ ( 明・証・穂・幽・柏・ 池・肖・三・河 ) ー人を Ⅷ 3 馬 ( 明・証・穂・幽・柏・吉・御・横・ 吉・御・横・楙・池・肖・三・河 ) ーせさせ給 昔物語 ( 明・証・穂・幽・柏・吉・御・
ぬ 言ひ騒がれんを ( 明・証・穂・吉・御・ 横・楙・池・三 ) ーいひさはかんを 明・証・穂・幽・柏・吉・御・大 若紫〔 ( 底本 ) ・横・楙・池・肖・三・河・別 6 すかせたてまつる ( 穂・吉・御・横・ 楙・池・三 ) ーすかせたてまつり 0 うるはしう ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ 11 1 人 御・横・楙・池・肖・三・別 ) ーうるはしく ふたとせ 11 1 人 この二年 ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ 御・横・楙・池・肖・三・河・別 ) ー二とせ めいばく 嫺 5 面目 ( 明・証・幽・柏・御・横・楙・ 池・肖・三・別 ) ーめいもく ゆいごん 5 遺言 ( 明・証・穂・幽・柏・吉・御・ 横・楙・肖 ) ーゆいこ 9 いで、なにしに ( 明・穂・吉・横・肖 ) 8 日もいと長きに ( 明・証・幽・柏・御・ 楙・池・肖・三 ) ー人なくて 9 もとに ( 証・穂・幽・柏・御・楙・池・ 1 三ロ 付肖・三・河・別 ) ーほとに ぢぶつ 訂間持仏 ( 明・証・穂・幽・柏・吉・御・ 校横・榊・池・肖・三・河・別 ) ー仏 めのと 乳母とそ ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ 御・横・楙・池・肖・三 ) ーめのとゝこそ 6 まもらるる ( 明・証・穂・幽・吉・御・ 157 11 別 ) ーっゐてなる 横・楙・池・肖・三・河 ) ーまもらる 4 恥づかしき ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ Ⅲ 6 まうで ( 明・証・穂・幽・柏・吉・御・ 御・横・楙・池・肖・三・河 ) ーむつかしき 楙・肖 ) ーまて 6 はべりがたければ ( 証・穂・幽・柏・ 朧 5 さぶらふべきを ( 明・証・穂・幽・柏・ 横・楙・池・三 ) ー侍りかたけなれは 吉・横・楙・池・肖・三・河・別 ) ーさふらへ きを 4 そこはかとなく ( 明・証・穂・幽・柏・ 吉・御・横・楙・池・肖・三 ) ーそこはかと 9 たへがたう ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ なう 御・横・榊・池・肖・三・別 ) ーたへかたく 川見えぬさまの ( 証・穂・柏・吉・御・ 9 ままに ( 明・証・穂・幽・柏・吉・御・ 横・楙・池・三 ) ー世にみえぬさまの 横・楙・池・肖・三・河 ) ーまま とうろ 鬮内裏より ( 明・穂・幽・吉・御・横・ 6 灯籠などにも ( 穂・柏・吉・御・横・ 楙・池・肖・三・河 ) ーうちよりも 楙・池 ) ーとこ ( う ) ろなとも 盟 6 賜りて ( 証・穂・幽・柏・御・楙・池・ 7 、いにくく ( 明・証・幽・柏・吉・御・ 横・楙・池・肖・三 ) ーいと、いにくゝ 三・河 ) ー給て のち 3 ともかうも ( 明・幽・吉・横・楙・池・ 9 後の世 ( 明・証・穂・幽・柏・吉・御・ 肖・三 )- ーと・もか / ) も 横・楙・池・肖・三・河・別 ) ーのち世 御供は ( 明・証・柏・吉・御・横・楙・ しはけなき ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ 池・三 ) ー御ともには 御・横・楙・池・肖・三・別 ) ーいはきなき 女は ( 穂・吉・御・横・楙・池・三・別 ) 旧 8 けにくからず ( 証・穂・柏・吉・御・ 横・楙・池・肖・三・河 ) ーけにゝくからす ー女人は 昭生まれ ( 穂・吉・御・横・楙・肖・別 ) ー まどろまれ ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ , っ寺れ 御・横・楙・池・肖・三・河・別 ) ーまとろま 川たふとがり ( 明・証・幽・柏・御・楙・ せ 池・肖・三・河 ) ーらうたかり 4 御しるべにかは ( 明・証・穂・幽・柏・ 吉・横・楙・池・肖・三 ) ーをん ( 御 ) しるヘ 3 久しう ( 明・穂・幽・吉・横・楙・池・ 肖・三 ) ーひさしく 8 うち答へ ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ 2 伝なる ( 穂・吉・横・楙・池・肖・三・ 176 1 176 1
御・横・楙・池・肖・三・河 ) ーいらへ 横・楙・池・肖・三 ) ー御心のありさま 朋 4 添ひたまへる ( 証・穂・柏・吉・御・ 憫 3 思し ( 証・穂・幽・柏・吉・御・横・ 9 なびかん ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ 横・池・三 ) ーそひ給へるよ 楙・池・三・別 ) ーおもほし 御・横・楙・池・肖・三・河・別 ) ーなびかぬ朋 6 過ぐし ( 証・幽・柏・吉・御・横・楙・ 7 さだ過ぎたる ( 明・証・穂・幽・柏・ Ⅱなそ恋ひざらん ( 吉・御・楙・三・別 ) 池・肖・三 ) ーすこし 語 ーなそこえさらん 物吉・御・横・楙・池・肖・三・河 ) ーまたすき 心細う ( 明・証・穂・幽・栢・吉・御・ 氏たる 7 なよよか ( 明・穂・幽・柏・吉・御・ 横・橋・池・肖・三 ) ー、いほそく 源 8 心憂くて ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ 横・楙・池・肖・三・河・別 ) ーなよらか 4 しかじかなんと ( 証・穂・幽・柏・吉・ 御・横・楙・池・肖・三・河・別 ) ーうくて 网 8 探りつけられたるほど ( 明・証・穂・ 御・楙・池・三 ) ーしか / ・、なと 9 よろしう ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ 幽・柏・吉・横・楙・池・肖・ = l) ーさくりつ朋思ひたまへ出でてなん ( 明・証・幽・ 御・横・榊・池・肖・三・別 ) ーよろしく けられたる 吉・御・横・楙・池・肖・三・河 ) ーおもひ給 ・ ) ぐら 2 木暗う ( 明・証・穂・幽・柏・吉・御・ 8 思ひやらる ( 明・証・柏・吉・御・横・ へいてゝ 横・楙・池・肖・三・別 ) ーこくらく 楙・池・三・別 ) ーおもひやらるる 期 3 心も ( 明・証・穂・幽・柏・吉・御・ 3 はべり。一日 ( 明・摠・柏・吉・御・ 7 騒ぐべきほど ( 明・穂・幽・吉・横・ 横・楙・池・肖・三・河・別 ) ー心 横・楙・池・三・河・別 ) ー侍りて 池・肖・三 ) ーさはくへき 朋 6 たまふべかなれば ( 証・穂・幽・吉・ 9 たまひつべき ( 明・証・幽・吉・御・ いといたうも ( 明・証・幽・柏・吉・ 御・横・楙・池・肖・三 ) ー給へるなれは 肖 ) ーたまっへき 横・楙・池・肖・三 ) ーいといたう 9 さべきに ( 穂・柏・吉・横・榊・池・三 ) 5 聞きえたり ( 明・証・穂・柏・御・横・ 期 7 思ひたまふる」と ( 明・証・幽・柏・ ーさるヘきに 楙・池・肖・三 ) ーきこえたり 吉・御・横・楙・池・肖・ lll)—思ふ給ふるむくつけう ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ 4 心 ( 明・穂・幽・吉・横・楙・池・肖・ 御・横・楙・池・肖・三 ) ーむくつけく 一一 D ー心も さびしければ ( 明・証・穂・幽・柏・ 跚 6 うとき ( 明・穂・幽・御・横・榊・池・ 貶久しう ( 明・証・穂・幽・柏・吉・御・ 吉・御・横・楙・池・肖・三・河・別 ) ーひさ 肖・三・河・別 ) ーけうとき 楙・池・肖・三・別 ) ーひさしく ーレけ・ . れは 8 ほの聞く人は ( 証・幽・御・楙・池・ 思し嘆きつるも ( 証・穂・柏・吉・御・凵若き人々など ( 明・証・穂・幽・柏・ 肖・三・別 ) ーきく人 横・楙・池・三 ) ーおほしなけきつること 吉・御・横・楙・池・三 ) ーわかき人 / く、 しみじ、つきよらにて ( 明・証・摠・ 2 なずらひ ( 明・証・幽・柏・御・楙・ 2 染みかへりたまへれば ( 証・穂・幽・ 柏・吉・御・横・榊・池・三 ) ーきよらにて 池・肖・三・河・別 ) ーなそらひ 柏・吉・御・横・楙・池・三・河・別 ) ーしみ 5 、いにまかせて ( 明・穂・幽・柏・吉・ 期 5 御ありさま ( 明・穂・幽・柏・吉・御・ かへらせ給へれは 御・横・楙・池・肖・三・河・別 ) ーこゝろに 210 211 1
221 校訂付記 まかせ 4 いみじく ( 明・証・摠・幽・柏・吉・ 御・横・楙・池・肖・三 ) ーいみしう 躍 8 すまじきを ( 明・証・穂・幽・柏・吉・ 御・横・楙・池・肖・三・河・別 ) ーすさまし きを おば 9 思いためり ( 証・穂・柏・吉・横・楙・ 池・三 ) ーおもほいためり
の影・霜・雪を見て、そのとき来にけりとばかり思ひわきつつ、いかにやいかにとばかり、行くすゑの 心ばそさはやるかたなきものから、 ( 紫式部日記 ) らくいん 語と述べている。生れ落ちてこのかた、不幸の烙印を背負って生きてきた自分、このままではどうなるのか その時式部が、四季の運行のままに、このまま木草に化して朽ちはててしまいそうな将来への不安と絶望と 源にとらえられていたことがよく分るのである。しかし彼女は、これに続けて、そうした自分の運命を断じて 拒否するかのように、そのつれづれを慰める唯一の手法として、友人間で物語を作り合い、見せ合い、批評 し合うことを楽しみとしていた、といっている。紫式部にとって、物語を作ることは今や人間として生きて あかし いる証であり、その支えであったのである。 『源氏物語』は、それ以前に多少の習作的な段階はあったにもせよ、とにかくこういう心境の中で書き始め られたことは疑いない しろいろ もっともここで、「疑いない」とわざわざ断るのは、古来、『源氏物語』の執筆動機については、、 じようとうもんいん と伝承が伝わっているからである。特に、大斎院選子内親王から上東門院に何かおもしろい物語はないかと こた 相談があって、それに応えるために、上東門院が式部に書かせた。そのために式部は石山寺に参籠し、折し も八月十五夜に満月が琵琶湖上に映ったのを見て、「今宵は十五夜なりけり」と須磨の巻の一節から書き始 めた、といういわゆる石山寺参籠伝説が有名である。この後半の琵琶湖云々は地理的にも無理で、作り話で あることは明らカたが、リ : : 前半の大斎院の注文で、という話は、一般に当時の物語成立の契機にはその種の権 力者の求めによることがしばしばあって、あながち一笑に付するわけには、かよ、。 しかし、そうした外的動機はどうともあれ、紫式部が筆を執り始めた直接的な心の力学、あるいは執筆へ せんしないしんのう
うになったということであろうか。実資自身も、漢詩文に造詣ふかく、『小右記』にはしばしば漢籍の名を っちみかど 見るが、時には道長の土御門邸築庭に際して、大石を連ぶために、役人や人夫が群をなして民家に押入り、 語床板や板戸を剥ぎ取って敷石に宛てる有様を見て、その「愁苦無極」を憂え、「文集雑興詩ヲ詠ム可シ、尤 氏モ鑒誡タリ、 ( 『小右記』寛仁二年六月廿六日 ) と記すような人でもあった。一条朝の知識人にとって、延喜・ 源天暦はたしかに当代と比し格段に政治に公正を得た時代として信じられていたのである。 紫式部が生れたのは、私の推定では天禄元年 ( 九七 0 ) 、岡一男氏の説では九七三年である。いずれにしても、 右の「延喜天暦」聖代観が生れつつあるころであり、『源氏物語』を執筆しはじめた長保年間は、この語が とう′ ) すっかり熟して、匡衡が套語のように何度も繰り返していたころである。式部もまた当代有数の学者藤原為 時の娘であったから幼少のころから漢籍になじみは深かった ( 解説参照 ) 。彼女の延喜・天暦聖代観は、おそ らくは『小右記』の実資と大差なかったであろう。ことに為時は、式部の少女のころ、長く職を失い不遇の 生活を強いられていた。政治の場に生きる人間にとっては、不条理に日の当る場所と陰の場所とがあること を、父を通じて彼女も思い知らされていたにちがいない。延喜・天暦のころならば、とは為時の日常の嘆息 の中にも漏れたであろう。 あかし 光源氏を育てることが紫式部の生きてゆく証であったとすれば、彼の人間像が「よき事のかぎり選り出 で」て ( 蛍の巻 ) 、理想化されるのは当然であった。とともに、光源氏の生きる時代や社会もまたそれにふさ わしいものでなければならず、「延喜天暦の聖代」が、選びとられたのもまた当然である。 か , れかい
になってからである。 また、ついでにいえば、ここで式部が「人にまだ折られぬものを」と言っている限り、まさかこの時点で 語道長妾であったはずはない。寛弘五年十一月十五日の朝、小少将と紫式部との同居している部屋へやってき 氏た道長が、二人の仲のいいのをからかって、「お互いに知らぬ間にほかに恋人を作られたりしなさんなよ」 と言うと、式部は「二人はそんな水臭い仲じゃないから安心ですわーと言っている。これも同様の事実の証 拠となる。それ以後のことについては後に述べよう。 これちか 日記の記事からは外れるが、ここで触れておきたいのは、藤原伊周の死である。伊周は中関白道隆の子息 で父の死後道長と覇権を争って敗れ、加えて、弟の隆家ともども花山院を弓で射たという理由で長徳二年 ( 究六 ) 流罪に処せられ失脚した。それは紫式部の越前に赴いた年の出来事で、式部には感銘も深かったらし すま 『源氏物語』を書きはじめると、須磨へ赴く前後の光源氏には伊周の面影も加えている。しばらくして ぎどうさんし 伊周は罪を許されて帰京するが、もはや昔の権勢は影もなく、以後、儀同三司と称して閑居、詩作を事とし ていた。 けびいしち。よう・ ところが寛弘六年正月に、ふたたび、この伊周の一族がにわかに検非違使庁のきびしい追及を受けるとい じゅそ う事件が起った。内裏の床下から道長や天皇を呪詛した証拠物件が現れたというのである。それによって伊 たかしな 周は朝参を停められ、事を実行に移した伊周の叔母高階光子そのほか家人たち数名が捕縛投獄、あるいは除 あきのぶ 名され、光子の兄の高階明順も叱責されてやがて病死、伊周も心痛のあまり健康を損ねてしまった。 以来約一年で、伊周は寛弘七年正月二十八日死去した。糖尿病らしい。あとに残った娘たちに、「家名を 汚さぬよう、つつましく過すように」とあわれな遺一一 = 口をしたという。このことは『栄花物語』にも見える。
215 校訂付記 校訂付記 一、底本の本文を尊重したが、青表紙諸本を参照して、底本の誤脱 と思われるものについて、校注者の私見として、改訂案を提出し一、右の諸本のほかに、帚木には、校異篇が使用しなかった肖柏本 たものである。 を、また、若紫の別本としては中山本を使用した。 一、各巻の底本の本文を改訂した部分を、底本の本文と対照して掲一、各帖において校訂に使用した諸本の略号を、各帖の巻名の下に 列記した。校異篇に使用された諸本の略号は、校異篇のものを踏 襲した。 一、右の校訂に当っては、第一冊においては、『源氏物語大成』校 異篇に使用された青表紙諸本のほかに、次の諸本を使用した。最一、河内本と別本とは、そのすべての諸本の本文が青表紙本の本文 のいすれかと一致する場合に限って、その部分に「河」または 初の一字は略号である。 「別」として掲げ、参考に供した。 明ー桃園文庫旧蔵伝明融筆写臨模本九帖 一、掲出の仕方は、本書のページと行とを示し、本書の採用した本 明ー山岸徳平氏所蔵伝明融等筆写本四十四帖 文を掲げ、 ( ) の中に改訂の拠りどころとした諸本の略号を列記 証ー宮内庁書陵部所蔵三条西実隆奥書本五十四帖 し、最後にーの下に底本の本文を掲げた。 穂ー穂久邇文庫所蔵元応一一年奥書本五十四帖 一、校訂箇所に示した底本本文に、補入・ミセケチ・傍書のある場 幽ー永青文庫所蔵細川幽斎筆写本五十四帖 合は、次のように示した。 柏ー陽明文庫所蔵伝後柏原院等筆写本五十一一帖 補入された文字は、その左傍に。印を付した。 吉ー吉田幸一氏所蔵本五十四帖 2 ミセケチにされた文字は、その左傍にーを付した。 天ー天理図書館所蔵伝一一条為相筆写本一帖 ( 末摘花 ) 3 傍書された文字は、それと並列している本文の右傍に・印を 一、右の諸本は、巻によっては、河内本または別本とすべきものを 付し、傍書された文字を ( ) で囲んで示した。 含んでいるが、それらを除き、青表紙本と見うるもののみを用い