大の み美ラ 児オ ドの スイ オé 0 島亜 0 オオトラッグミ ( 鹿児島 ) 罨業大島だけに すみ、全長 30 センチと日本産ッグミのなかて、 は最たトラッグミの亜不軋写真は鹿児島県 立博物館の剥乳 りゆうきゅう 0 リュウキュウキンパト ( 沖縄 ) 琉球列島 南西部の島々に分布する盟滞系の美しい小 あまみ のルリカケス ( 鹿児島 ) 奄美大島だけに生息 する世界的な重。頭や翼、尾が濃いるり色 をしており、きわめて美しい。 ( 写真上下 )
分布域の東北縁にあたる。よく茂った暗 い林にすみ、林床におりて木の実や種子 など植物匪の餌を、細いくちばして拾い あげてたべる。樹上の枝に枯れた小枝て、 巣をつくり、一腹に 2 卵を産む。 生息数は多くはないが、飛んて、いる姿 オオアカゲラは全長約 28 センチのキ をよく見かける。生息状況はまだよくわ ツッキて、、ユーラシア大陸の亜寒帯南部 かっていない から温帯地方の山地に広く分布し、針葉 ( 長谷川博 ) 樹と落ム葉樹とカ鯤交する原生林に生 息する。東アジアて、は樺太やウスリー地 方、中国東北部、朝鮮半島、中国東南部、 台湾、奄美大島以北の日本列島に分布し、 繁殖している。オーストンオオアカゲラ は奄美諸島特産の亜種て、、本屮 N の亜種と 比べ、羽色が本に濃く暗色て、、特に雨 覆羽先端の白紋は消失した。奄美以南て、 南西諸島には特産種、特産亜種に分類 りゆうきゅう は、琉球列島特産のノグチゲラが中部 される鳥類が数多く生息している。南西 工剏招こ生息し、小型のコゲラが中部・南 諸島は過去に海進と隆起という地史的変 部求に生息するだけて、、ほかにキツツ 化を経験した。海進の日罸 & には島の山項 キ類はいない 部だけが海上に残され、そこに小集団が 奄美大島て、はスダジイ ( イタジイ ) ・タ 隔離され、種がさまざまな程度に分化し プノキ・アカガシなどの照葉樹原生林に ていったと考えられている。 生息している。近年、こうした原生林が伐 特産種は 7 種て、、分類学的取り扱いに 採され造林事業がイされるようになっ もよるが、特産亜種は 27 種が記録されて た。それによって営巣や採食に適した林 いる。特産亜種のうち南方系のものは 8 が減少している。個体数も減少したと推 種て、、それらの亜種分化の程度は低い 測されるが、上肆交のための資料はない 旧北区系の特産亜種は 19 種て、、日本本土 この島特産の種や亜種を保護するために の亜種に比べて体色が濃いか、からだ ( お は、天然ー矍区の面積を拡大することが もに翼長 ) が小さいか、あるいはこれら両 必要て、ある。 方て、特徴づけられるものが多い。奄美大 鳥の亜種名は、明治期に日本て、重加勿標 島のオーストンオオアカゲラ・オオトラ 本を収集した外国人、アラン・オースト ッグミ、中部以南のリュウキュウオオコ ンにちなんて、いる。 ノハズクは、顕著に亜種分化した例て、あ ( 長谷川博 ) トラッグミは全長約 30 センチの大型の ッグミて、、ユーラシア東部の亜寒帯、日 本列島、ヒマラヤ高地の林て、繁殖し、冬 季には暖かい地方に渡る。よく茂った林 に生息し、地止て、ミミズや昆虫を採食す る。日本列島て、も南西諸島、伊豆・小笠 全長約 25 センチの小型のハトて、、イン 原諸島を含めて各地に広く分布してい ドから東南アジア、ニューギニアから オオトラッグミは奄美大島特産の亜種 オーストラリア北部まて広く分布する。 りゆうきゅう 日本て、は琉球諸島南部、石垣島以西の て、、本州産の亜種と比べてからだがやや 大きく、尾羽は 12 枚て本州産のものより 島じまに分布している。 こはこの種の オーストンオオアカゲラ 指昭和 46 年 5 月四日 所 ( 鹿児島県 ) からふと オオトラッグミ 指昭和 46 年 5 月四日 所 ( 鹿児島県 ) あまみ リュウキュウキンバト 指昭和 47 年 5 月日 所 ( 沖縄県 ) 112 ・鳥類
ゞ、 あまみ 0 アマジクロウサギ ( 鹿児島 ) 原始的なウサギて、あるムカシウサギ亜科に属し、「生きた化石」といわれる。奄美大島と徳之島だけに産する。 あまみ 島・徳之島・沖縄本島北部の原生林にごくわずかに生息する。 ①陟ネズミ ( 鹿児島・河劇 ) 背面が針のような毛て、おおわれた、わが国固有のネズミ。奄美大 0 ケナガネスミ ( 鹿児島・河劇 ) わが国のネズ ミて、は最も大きく、長い尾と鋭い爪のついた 大きな足をもち、樹一ヒ生活に通芯している。
つる、植林されたスギの新芽や樹皮も食 アマミノクロウサギ特別天然記念物 べることが確認されており、一時その食 指大正田年 3 月 3 日 ( 天 ) 害が問題視されたことがある。天敵とな 昭和 38 年 7 月 4 日 ( 特天 ) る捕食動肋は分布していないが、野生化 所 ( 鹿児島県 ) したノイヌとノネコが天敢の役割を果た 鹿児島県 していることは十分に考えられる。もと 耳と後足が短く、前足の爪がよく上 もと天敵としての捕食重丿をもたないア している姿は、ふつうに見かけるウサギ マミノクロウサギにとって、野生化した のそれとは明らかに違っていることは、 これら家畜の脅威は無視て、きないもの 初めて見る人て、も気づくはずて、ある。ア て、、保護管止の重要な間題点となって マミノクロウサギは、島嶼を除いた全国 いる。 の山地や平地に広く分布しているノウサ 森林資源の開発による生息適地の縮小 ギとは全く異なる系統に属している。 から、生息数の著しい減少が心配され、 とくの あまみ 国際自然保護連合 ( IUCN ) が発刊してい 工剏衣列島北部の奄美大島と徳之島だけ る "RED DATA BOOK" に絶滅に瀕 に生息するこのウサギは、たがいに遠く している重加勿として記載されたことがあ 隔たって分布する中南米のメキシコウサ ギと南アフリカのアカウサギの 2 種とと もに、ムカシウサギ亜科に分類される。 昭和 51 年 ( 1976 ) に鹿児島県が実施し その特異な分布て、国際的に注目されてい た調査て、は、奄美大島て、の推定生息数が ることが、特別天然記念物の指定理由て、 1000 以上 1 万以下と報告され、絶滅の危 もある。この仲間は、古いタイプの重丿肋 険匪はひとまず否定されている。奄美大 が遺存的に生き残ることの多い島と高山 島て、は北東部の一部の或を除いたほば 地帯とに分布すること、生態や形態の面 全域て、生息するとみられているのに対 て、も原始的な性質を留めていることか し、徳之島て、は姿を確認した人の数も著 ら、その名のとおり現生のウサギ類のう しく少なく、生息数の減少が心配されて ちもっとも古い系統とみられ、いわば生 いる。 ( 花井正光 ) きた化石として重要視されている。 アマミノクロウサギは、シイやカシが 繁茂する森林に生息し、日中は巣穴て、す ごし夜間に活動することが多いらしい が、その生態はまだよくわかっていない 巣穴は、強い爪て地下にトンネルを掘る ほか、岩のすき間にて、きる穴や同も利 用している。出産も巣穴て、おこなわれる 一腹の仔数はふつう 1 仔て、、毛の生 えない未上な発育段階て生まれる。哺 奄美大島・徳之島・沖縄島に限って分 布する大型のネズミて、、背面に平たくて 育期間はその分だけ長くなるが、 こうし た繁歹直様式は穴居性て汐攵からより安全 堅い針状の毛をもっことからこの和名が にのがれることがて、きることと無関係て、 つけられた。シイやカシの大木がある森 林にすみ、夜間にドングリ類その他の樹 はない 食性は植物食て、、草本て、はススキ、木 木の種子を食べること、巣穴は樹の根の 本て、はイヌビワ・アカメガシワ・シイの すき間に土穴をほってつくられること、 ほか多くの樹木の若芽や樹皮、果実など 一腹の仔の数は 5 ~ 10 頭て、あることな どが観察されている。また、ケナガネズ が観察されており、木本値物により多く 依存しているらしい。サツマイモの葉や ミほどて、はないが、樹上を利用すること 門歯 前臼歯 臼歯 ネズミの門歯 ー対の門歯は頭蓋骨に深く入り 込んでいて、一生のび続ける。 エナメル質 ゾウゲ質 とネズミの門歯 人間の門歯 ネズミの門歯のエナメル質は、 その前面だけにある。 トゲネズミ 指昭和 47 年 5 月日 所 ( 鹿児島県・沖縄県 ) あまみ ほ いく 38 ・哺乳類
2 枚少なく、鳴き声 ( さえずり ) がはっき ルリカケス いりおもて り異なる。南西諸島南部の西表島や台 指大正田年 3 月 3 日 湾には、からだの小さい亜種コトラッグ 所 ( 鹿児島県 ) ミが生息している。繁殖や生態について 置鹿児島県 はほとんど調査されていない。他の特産 りゆうきゅう 琉球諸島北部の奄美大島には、特産 種・特産亜種の場合と同様、照葉樹原生 林の保存がオオトラツツミの保護につな の生物種や亜種が多く生息する。ルリカ ケスもここだけに繁殖する特産種て、、世 ( 長谷川博 ) がる。 界的な珍種て、ある。以前には徳之島に生 息していたというが、丘はまったく観 察されていない 名前のとおり、頭・翼・尾がルリ紫色 て、、背と腹は赤栗色の美しい鳥て、ある。 全長は約 38 センチあり、カケスよりも大 きい。スダジイ ( イタジイ ) やタブノキの よく茂る亜滞照葉樹原生林にすみ、大 木の同や幹のすき間に営巣し、 1 巣に 4 ~ 5 卵を産む。近年、本家部や開墾し た畑地、集落の周辺て、見られることが多 くなり、人家のすき間に巣をつくる例も 出てきた。これは原生林の伐採にともな う変化だと考えられている。 1900 年代の初めから 20 年代まて、、婦人 帽の装飾用にルリカケスの羽毛が珍重さ れ、多数捕獲されて欧米に輸出された。 0 また生物標本としてもかなりたくさん捕 獲された。近年、生息地て、ある照葉樹林 が伐採されて営巣に適した大木も減少し たため、個体数が減少している。 この種の生態や行動、生活史はほとん ど研究されていない。また、生息価 If 櫢 の概数も調査されてはいない。早急に調 査・研究し、分類学的な検討をすること も必要て、ある。奄美大寺産種や特産亜 種 *ef 隻するため、おもな生息地は天然 ー矍区域に指定されている。この面積を 拡大し、各地に配置することが必要て、あ ( 長谷川博 ) あまみ 南西諸島の鳥類分布 ・種子島 カラスイ、。、 アカヒゲ ・屋久島 アカヒゲ , 、カラスパ第ト、 ・吐﨟列島 中ヒ ・奄美大島 アカヒゲルリカケネ オーストンオオアカゲチ オオトラッグミ ・徳之島 アカヒゲ ルリカケス ( ? ) ・沖縄島 アカヒゲカラスパ、 ャンパルクイナ ノグチゲテ、 ・座間味島 カスを、 慶良間列島 ・小浜島、 天然記念物に指定されている鳥類 のうち , 南西諸島に生息・分布す るものを図示した。カラスパトは 亜種カラスパトとヨナクニカラス バトを含めて , 生息の記録のある 島をあげている。リュウキュウキ ンバトは便宜上 , キンバトと表示 ( 編集柳澤紀夫 ) ・尖閣諸島 ーを・を。アボウドリ ・鳩間島 キンパト ・西表島 アカヒケ。カラス / 、ド カンムリワみ。キンパ下 ・竹富島 ・黒島 , キンバト ・与那国島 。、キンパト アカヒケ カラス , 、ト、・仲の神島海鳥繁殖地 ( カツオドリ。にセグロアジサシマミジロアジサシ カンムリワシ - グロアジサシオオミズナギドリなど ) キンみ、 ・宮古島 カラスパト ・石垣島 アカヒケカラスパト カンムリワシキンパト 200km 0 鳥類・ 113
ゆたかな自然と動物たち そうて、あるし、これからもそのような状態を保って 日本は自然に恵まれた国て、あるという。たしかに いかなければなるまい やえやま 従って動物相も変化に富んて、いる。たしかに豊かな 寒帯に、南は亜熱帯に属することもあって植物相、 的条件をもつうえに、温帯域とはいいながら北は亜 地帯には 3000 メートル級の高山が並び、多様な地理 ている。海岸線延長 2 万 7000 キロに及び、中部山岳 から北に 2700 キロにわたる間に大小の島々を並べ ら、北は北緯 45.5 度、北海道の宗谷に至るまて、、南 そうや 日本列島は、南は北緯 24 度、沖縄の八重山列島か 自然をもっている。 チゲラなど、動物分布の上て標徴的ともいえる動物 おけるイリオモテヤマネコ・ヤンノヾルクイナ・ノグ ど、そして奄美大島のアマミノクロウサギや沖縄に ネ・ムササビ・ニホンサル・カモシカ・ヤマドリな ス・エゾライチョウが、本州、四国、ル、トにはヤマ 北海道にはヒグマ・クロテン・ナキウサギ・シマリ 注目すべき地域て、ある。このようなことと関連して、 海道から本リ、 bl への流れとがあって、動物分布の上て、 北海道への分布の流れとシベリアから樺太を経て北 からふと 旧北区についてみると、朝鮮半島からル、トに本月、に は東洋区に属するが他は旧北区に属する。しかし、 日本列島は動物地理的区分からみると、新溯 ~ 列島 たちが生息している。 4 ・ の鳥たちに対して日本の自然は重要な憩いの場を、 たちの渡りの道筋になっていることて、あり、これら さらに大事なことは日本列島が冬鳥、夏島、旄島 加藤陸奥雄 そしてまた繁殖の場を提供している。あれこれ考え るまて、もなく、われわれの郷上、日本の自然は変化 に富み、複雑な地形と共に多様な植物相をもち、い ろいろな動物の世界をもっている。まさに豊かな自 然に恵まれている。 ところて、、日本の国上面積は 37 万平方キロ、その 中て、 1 億 1000 万を超す人たちが生活している。 1 平 方キロ当り 300 人を超す人口密度て、あり、高度な科 学技術に支えられた強大な経済活動を営んて、いる。 いきおい強力な開発事業がこの豊かな自然に対して はげしい働きかけをしている。自然破壊の声が大き ゆえん い所以て、ある。 日本の自然は、日本の文化を育み支えてきた。自 然という舞台に立ち、自然に依存しながら文化は発 達していく。日本の自然を守り、そこに生活し、そ の要素となっている生きものたちを守っていくため にはどうすればよいのて、あろうか。われわれ現代の 日本の人々に課せられた大きな課題て、あろう。その ためにも日本の自然とそれを形づくっている生きも のたちをよく知ることが必要て、あろう。 文化財保護法は文化財を保存してその活用を図 り、国民の文化的向上に資することを目的として制 定された。そして、文イオの所有者その他の関係者 は、文化財が貴重な国民的財産て、あることを自覚し とされている。 めなければならない、 て、きるだけこれを公開する等、その文化的活用に努 て、これを公共のために大切に保存するとともに
も知られている。しカ : しながら、生息数 が少ないことや猛毒をもっハプもすんて、 いることが原因て、、ケナガネズミととも にトゲネズミの系統的な研究は遅れてお り、今後の課題となっている。 トゲネズミの重はセレベスに産す ヤマネは本州・四国・九州の山地に分 げつし るが、別の属種て、あり、工剏衣産の本種は 布する小型の齧歯類て、、一属一種て、ある。 一属一種の珍奇種て、、重丿 'J 地理学」 :. 貴重 体長は 8 センチほどて、あるが、体つきは な重勿て、ある。染色体の数や型による最 ずんぐりと太っている。 5 センチ位の尾 近の分類研究て、は、奄美・徳之島・沖縄 の先は毛が房状になっている。また、背 の 3 島て別々の種に分化している様子が にそって 1 本の濃い色の筋模様が入って 夋され、進化学的にも注目されつつあ いるなど、ひと目て、判別て、きる特徴を ( 花井正光 ) もっている。 森林にすみ、樹にて、きた虚に柔らかい コケ類を集めて巣をつくることが多い が、ときには岩の上や岩の割れ目を利用 することもある。食べものは果実・種子・ 昆虫などをとっている。夜間に活動する が、フクロウの仲間に捕食されることも 多い ヤマネは冬眠することて、もよく知られ 剏衣列島のうち奄美大島・徳之島・沖 ている。気温の変化にほば平行して品 縄島にのみ分布する固有種て、大きさは が低下し、摂氏零度近くにまて下がるの 子猫ほどもあって、わが国て、はもっとも 大きなネズミとして知られている。 を測定した報告例がある。イ翁が下がる につれ生理機能全体も低下し、ついには シイ・カシの樹が多い亜壯生の常緑 昏叫大態になる。このような冬眠を完全 広葉樹林にすみ、おもに樹上て生活する。 冬眠といい、クマなどのように、仮眠中 同を巣にして夜間に活動し、ドングリ えさ も生理機能がほとんど正常に保たれ、刺 類などの木の実を餌にしている。出産時 激を与えるとすぐに活動を始めるタイプ には樹洞内に枝葉や枯れ枝て、直径 30 セ の冬眠と区別される。 ンチほどの球状の巣をつくり、一腹 2 ~ ヤマネは、日本列島が大陸と陸続きて、、 5 頭の仔を産む。ケナガネズミはからだ 今よりもっと温暖な気候の時代に渡来 より 10 センチほども長い尾、大きな足と し、その後の島嶼化によって取り残され 鋭くて大きな爪をもつ。これらの形態上 たものと考えられる遺存動肋のひとって、 の特徴は、いずれも樹上生活に通芯した 後肢 首月支 あり、生きた化石とみることがて、きる。 からだのつくりを示すものて、ある。 大きくて鋭い爪は、樹上生活に 適応する 剏衣産のケナガネズミは一属一種て、、 ( 花井正光 ) その近縁属はセレベス地方に分布するこ とが知られている。沖縄島北部の森林に 背面は 6 センチほどの剛毛に は、ケナガネズミとやはり一属一種て貴 おおわれている 重なトゲネズミがすむが、いずれもその ケナガネズミ 生態は究明されていない。この地方て、の 近年の急激な開発は両種の生活圏を著し く狭めるものと予測され、その生存が懸 念されている。 ( 花井正光 ) ヤマネ 指昭和 50 年 6 月 26 日 所 ( 本州・四国・九州 ) 2 センチほどの堅い 針状の体毛が全身に はえている トケネズミ うろ ケナガネスミ 指昭和 47 年 5 月馬日 所 ( 鹿児島県・沖縄県 ) あまみ 哺乳類・ 39
球列島に侵入し、湿潤て、暗い亜滞性常 ヤコショウビン ( 糸色威 ) ・ノグチゲラ・ル には餌を捜しているのて、はなく、縄ばり ム葉樹林にすむように未化してとり リカケス、それにアカヒゲの 6 種て、ある。 の主張や求愛など社会的な行動をしてい だん 残されたものとみることがて、きる。また、 近年の調査て、、アカヒゲは西九リ羽沖の男 ると考えられる。カンムリワシは待ちぶ 工ビチャゲラ属など、東南アジアにいた 女群島にも生息することが発見された。 せ型の捕食者て、、獲物を追い求めること ヤマゲラに近縁な祖先が工剏衣列島に侵入 生息密度はまだよく調査されていない はない。ふつう、樹木の見通しのきく枝 して残ったとも考えられる。骨格や筋肉 が、男女群島や南西諸島北部の種子島・ にじっと止まっていて、地面に獲物とな あまみ など内部形態の上交研究によって、この 屋久島て、は少なく、奄美大島て、は多い る小重加勿を見つけると、さっと飛びたち、 可能性が検討されるだろう。 徳之島にはある程度生息している。中部 その近くの地面に降りて歩いて近づき、 けらま ノグチゲラはきわめて稀少て、、ごくお の沖縄本島の北部や慶良間列島には上交 鋭い爪のある脚て、つかまえる。場合に おまかに言って 100 羽前後しか生存して 的多いが、南部の先島諸島て、はほとんど よってはイ唖寺間も獲物を待つ。餌が得ら いない。これカサ長上て、のすべてて、あっ 観察されなくなり、糸色威のおそれがある。 れない場合には場所をかえる。 て、種の消滅の危機に瀕している。 アカヒゲは日本列島特産種のコマドリ こうして捕らえられる餌は、トカゲや ほにゆう イタジイやタブノキの密生する原生林 とごく近糸袁ごある。崖のくばみや同に カエル、ヘビ、小型哺乳類、飛翔力の弱 中の半本ビ木の幹に穴を掘って営巣し、 巣をつくり、そこにふつう 4 卵を産む。 い鳥類、カニ類など、地 - ヒ性の小重加勿て、 1 巣に 2 卵を産む。前方の視界を大きく よく茂った暗い照葉材木に生息し、特に ある。西表島て、は、マングロープの湿地 さえぎるもののない、やや傾いた幹の地 渓流沿いに多くみられる。オ末て、おもに て、、潮がひいた時に潮間帯干潟にすむカ 上 4 ~ 6 メートルの位置に巣穴を掘る。 昆虫類を食べていると考えられている。 ニ類をよく捕らえている。また、湿った 毎年新しい巣穴を掘り、適当な半死大木 繁殖や生態、行動について詳しい調査・ 草地のヘりて、、木の枝にとまり、牛に追 がない時にはイ対也の立ち枯木にも営巣 研究はまだ行われていない。 ( 長谷川博 ) い出されるカエルやヘビ、昆虫類を捕ら する。地上に近い、低いところて採食す えることもある。 ることが多く、朽ちた木の株や倒衣枯 森林の樹上に営巣する。雌雄共同て、小 カンムリワシ 木からカミキリムシの幼虫を捕らえ、地 枝を運び、巣をつくる。その直径はおよ 指昭和 47 年 5 月日 ( 天 ) 上をはねて移動し地上性昆虫の成体をも そ 60 センチて、、体に比べて小さい。 1 巣 昭和 52 年 3 月日 ( 特天 ) 捕らえ、時に木の実を食べる。早朝とタ に 1 卵を産む。雌だけが抱卵にあたり、 所 ( 沖縄県 ) 方に最もよく活動する。 雄は雌のもとに餌を運ぶ。約 35 日て卵が 沖縄本島北部山地は、近年、急速に開 かえり、 2 カ月あまり養育されて雛は巣 インドから東南アジアにかけて広く分 発が進んて、いて、イタジイ・タブノキの 立つ。その後 3 カ月近く、若鳥は親から よなは 布する小型のワシて、、或・島ごとに大 原生林の面積が減少している。与那覇岳 世話をうける。若鳥が繁殖を開始するの きさや羽色が少しずっ異なっているた の周囲は天然保護区域に指定されている は数年後になる。 め、数多くの亜種に分けられている。森 が、ノグチゲラの生息地のごく一部を占 与那国島て、はほとんど見られなくな や林にすみ、草地など開けた場所には出 めるにすぎない。ノグチゲラだけて、なく、 り、石垣島て、も森林の開発がすすんて数 他の特産種を保護するためにも、広い範 てこない が減少している。西表島て、は比車知勺よく いりおもて 日本列島て、は石垣島や西表島、・与那 囲にわたって原生林を保存する必要があ 目撃されるが、全島て、およそ 50 巣、総数 国島など南部工剏招こ分布する。この近く ( 長谷川博 ) 約 150 羽とおおまかに推定されている。 て、は台湾や中国南部、フィリヒ。ン群島に 西表島には小規模ながら河口域にマン 分布している。しかし、これらはおたが グロープ林が形成されていて、丘陵部は いに別亜種として取り扱われている。全 樹木の密生する亜鑿滞降雨林となってい 長約 55 センチ、本に茶褐色て、、白く丸 る。日本て、はほかて、見ることのて、きない い小斑点が一面に散らばっている。彳知頁 この多様な自然環境のなかて、、特産種の 部に冠羽があり、これがこの鳥の名前の イリオモテヤマネコはじめ、数多くの特 由来となっている。若鳥は本に灰白色 日本列島のうちて、も南西諸島だけにし 産種・特産亜種が生活している。カンム て、ある。 かみられないという特産種は、つい丘 リワシ保護のためには、天然保護区の面 西表島て、は森林の上空て、、上昇気充に 発見されたヤンバルクイナのほか、分類 積を拡大し、自然環境全体を保全するこ のって輪をえがいて飛び、時どき大きな 学的な取り扱いにもよるが、アマミヤマ とが必要て、ある。 ( 長谷川博 ) 声て、鳴くのが見られる。しかし、この時 シギ・リュウキュウカラスパト ( 糸色威 ) ・ さきしま 特別天然記念物 ひな ぐに アカヒゲ 囮昭和 45 年一月 23 日 所 ( 長崎県・鹿児島県・沖縄県 ) 鳥類・ 109
ツい ①アホウドリ ( 東京 ) 海鳥のうちて最大の不頁に属し、世界中て、も鳥島だけにしか繁殖しないきわめて稀少な鳥。国際保働島にもなっている。 その雄大な飛翔と優美な姿は、アルバトロスの名て、古くから船乗りに知られていた。 ①日出島クロコシジロウミッパメ繁殖神 ( 丁 ) 日出島は宮弯の北、崎山の海岸から東 ~ 1 キロメートルの海上に浮かぶ小島。全島はほとん どアカマッ林におおわれており、その林床にクロコシジロウミッパメが 7 月ごろ穴をほって繁殖する。 クロコシジロウミッパメは、夕方暗くなっ てから島に戻ってくる。島の上を群れて飛 び、さかんに鳴きあう。そのあと地七に降り、 歩いて巣穴にたどり着く。 鳥類・ 137
スナメリクジラはイルカ類の一種て、あ こうふん るが、背びれがなく、ロ吻は丸く、とが らない特徴的な形態を有し、体長は 1.5 メートルの小型のイルカて、ある。インド 洋・太平洋・シナ海に分布し、日本沿岸 て、は仙台付近が北限になっている。 イルカ類の多くが君旒生の行動をする のに比して、単独か 2 ~ 3 頭単位て、行動 することも本種の特徴て、ある。 指定地は、瀬戸内海の阿波島の南端に 位置する白鼻岩を中心とした半径 1500 メートルの円内海面て、、例年 1 月下旬ご ろ姿をみせ、繁殖したのち、 5 月ごろに 離散する。 この地方には、「スナメリあじろ」また は「ゼゴンドウ漁法」と呼ばれる独得な 釣り手法が伝わっている。ゼゴンドウは スナメリクジラの地方名て、、スナメリク ジラが餌として好むイカナゴが捕食を逃 れて垂直に海底へ移動するのにつれ、深 いところにいるタイやスズキがこれを捕 食しようと集まる習性を利用して、冬季 釣ることの難しいこれらの魚を生きたイ カナゴを使って釣る方法て、ある。スナメ リクジラがこの地て特別に愛護されてき たのは、上の理由からにほかならない スナメリクジラ廻游海面 脂昭和 5 年Ⅱ月四日 所広島県竹原市高崎町 ( 花井正光 ) 所 ( 沖縄県 ) 指昭和 47 年 5 月日 ジュゴン かいぎゅう あまみ 中心に広く分布しており、奄美群島以南 ア北岸・南洋諸島にかけての帯海域を リカ沿岸からフィリピン・オーストラリ つのグループのひとって、、紅海・東アフ ジュゴンは海牛目に属する現生の二 の工求列島近海が北限とされている。 成体の体長は 3 メートルに達し、雄の 体重はときに 300 キログラムを超すこと もある大型の海棲Ⅱ孵し類て、、ヒルムシロ 科、トチカガミ科の海草類やマングロー プ類などの多肉質の葉を食べているた ばうすい め、沿岸海域にすんて、いる。紡錘状の体 形は、水中て、の生活に通芯した形態上の 特徴て、あるが、動作は鈍く、泳ぐ速度も 毎時 3.6 キロ前後といわれる。外敵に対 しこれといった防御手段をもたない もあって、特殊な道具や技術を用いずと も、容易に捕獲て、きるのて、あろう。肉が 美味て、良質の脂肪が得られるため古代 からしきりに孑崩隻されてきた。 分布の北限にあたる工剏衣列島て、は、ザ ン・ザノ・ザンヌイユなどと呼ばれ、信 仰の対象にしてきた島もあるほどて、、各 地の貝塚の遺物にその骨が含まれてい る。また、首長や藩主へ肉が献上された という文書記録もかなり多いことから、 古い時代から捕獲されてきたと考えら れ、そのため当時は生息数も少なくな かったのて、はないかと推察されている。 分布域の全域て捕穫され続けてきた が原因て、、一部を除くほとんどの海域て、 生息数の著しい減少が心配されている が、新長列島て、も同様て、、生息の報告例は 丘て、はきわめて少なく、数年に一度ぐ らいの割て寉認されているにすぎない 近年、多くの国々の海域て捕捜が禁止 . さ れ、一隻が図られるようになってきた。 シュゴンが伝説上の人魚のモデルにな っていることを知る人は多いが、ヘら に変化した前足 ( 胸びれ ) て澵生児を抱き ながら海面上て授乳する姿や、後足がみ えず尾びれカリも土しているところから、 人魚に見たてられたものて、あろう。幅広 い口て、、肉づきのよい大きな上下の唇を もっ顔の形からは、人魚の優美さを想像 することがおよそ難しい動物て、はある カ ( 花井正光 ) 哺乳類・ 47