動物 - みる会図書館


検索対象: 日本の天然記念物 2 動物Ⅱ・天然保護区域
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1. 日本の天然記念物 2 動物Ⅱ・天然保護区域

動物たちのために専門家を 畑正憲 天然記念物に指定されている動物を、すべて自分 0 て、そのことに対する方策が、ほとんどないことて、 住む環境が悪化してきつつあることて、あった。そし まわってみて常々目につくのは、年ごとに動物が を見るつもりて、あった。 つがあるが、私は、動物に関係しているものすべて 動物カ駐んて、いる場所を指定されているものとの二 もちろん、動物そのものを指定されているものと、 実際にまわってみると、たくさんあるのて、愕いた。 おどろ ほど年月がかかると思ってもみなかったけれども、 リストを見た時には、すくなく感じ、これ た。ひと月に一度、どこかへ出掛けて動物の姿を確 の目て、見てやろうという旅を始めて今年て、 15 年経っ もあった。 棲息をおびやかすような、あらゆる人為的な自然の せいそく 天然記念物に指定されているということは、その ところが、一歩指定地から出ると、家が建ち、工 ていた。 指定地の、ほんの僅かな範囲て、は、 ならないのて、ある。 してはならないし、棲息地にプルドーザを入れては 改変が禁じられていることて、もある。 それは守られ もちろん捕獲 始めて、動物の姿が見られなくなった所まて、あった。 め立てたために、潮の流れが変ってへドロがたまり ら消えていくことだろう。何キロかはなれた所を埋 の内、指定解除の願いが地元から出され、リストか た動物が見られなくなった所が何ヵ所かあった。そ 場が並んて、いる。その汚水が流れこんて、、指定され 棲息環境を変えてはならないはずて、ある。法律て、 禁じられているはずて、ある。ところが実際には、動物 は追いつめられているのて、ある。これはどうしてか。 、、結果としてそうなってしまったという、 - いぬけ の出来る所て、は、天然記念物を守る法律は働いてい ないように見受けられた。タンチョウやヤマネコな ど、スターと言ってもよい一部の動物を除いては、 保護の手の伸び方があまりにも手ぬるかった。 保護のための予算がすくないのは、開いたロがふ さがらないほどて、ある。いわゆる先進国と言われて こういうものに払う金が最もすく いる国の中て、は、 ないのが日本て、はなかろうか。必要とされる金の、 百分の一も払っていないのて、ある。 だから、スペシャリストがいないのだ。その動物に 関する資料さえない所が多く、ましてや、専門家が研 究しながら守っている所など皆無に等しかった。 地元て、、その動物に対して関心が深まっている所 もかなりあった。生態の研究などに手を染め始めて はいたが、アマチュアが趣味的に行っているものが 多くて、問題のつかまえ方が片寄っていた。アマチ ュアは飽くまて、もアマチュアて、あり、専門家に協力 してやって行ってこそその情熱が生かされてくる。 素人が中心に座ってしまうと、自分の得意とすると ころて、は声が大きくなってくるが、不得意のところ 動物保護のスペシャリストがいて、見 ところを嫌い始め、遠ざけようとし始めるからおか て、黙りがちになってくる。しかも後には、不得意の 県や市に しくなってくる。

2. 日本の天然記念物 2 動物Ⅱ・天然保護区域

オオサンショウウオの誕生と成長 ム島市安佐動物公園飼育記 出 出水口 水流 ⑥水流 入水口 x 000 000 入水口 ⑧ 0 流 ′ - 水流 産卵巣内の卵塊とそれを守る雄 4 連水槽の平面図 くば 安佐動物公園て、は昭和 46 年にオオサンショウウォ調査 れ、斜め下に原口と呼ばれる半円形の窪みがて、きた。 15 日 ばてい 班が発足し、本種の保護に乗り出した。和譴はオオサンショ 目には動物極に馬足谺彡のしわがて、き、約 1 日て、しわは閉じ せきずい ウウオの飼育は、自然て、の彼らの生活から学ばなければな て脳と脊髄がて、きた。この小さな体を胚と言う。 18 日目に は胚は横に倒れ、頭と尾が突き出した。その彳刻艮や鼻やえ らないという信念のもとに、毎月の野外調査を重ねた。繁 らの原形がて、き、 25 日目には心臓も動いている。 30 日目に 歹麒月には毎日のように患也に足を運び、産卵が始まると何 日も徹夜の観察をした。飼育下て初めての繁殖に成功した は光をあてると反応して、頭と尾をきゅっとよじった。 40 日を過ぎると、前肢に続き彳刻支のふくらみもて、き、多少と 4 連水槽は、その観察にもとづいて作ったものて、ある。 もオオサンショウウォらしくなった胚は、卵嚢の中て、時々 不幻上の飼育施設はすべて手作りて、、初めて見学に訪れた ヒ。ョンと跳ねている。 50 日目、卵嚢が突然破れて、最初の 人は、その簡単な設備に一様に驚く。水槽はビニール製の ふろおけのような容器を代用し、水はサイホンて、谷川から 飼育下繁殖のオオサンショウウオが誕生した。このオオサ 引いている。この水槽て、繁殖すると思った訪間者は、おそ ンショウウオの父や母は、市彳也の路上や河口処理場など、 およそ生息地とは言えない場所て、、死の直前に市民に保護 らく一人もいなかったて、あろう。和譴がこんな容器を水槽 されたものばかりて、、このことが私達の胸を一層熱くし 代わりにしたのは、いって、も壊して作り変えられるからて、 ある。どんな構造の水槽を作れば良いのか、全く分からな かったのて、、立派な施設は作りようがなかった。 孵化した幼生は全長約 30 ミリ。腹部に黄色い卵黄を蓄え 4 連水槽は、繁歹麒月に上流へ上ろうとする衝動を満たし ていて、約 2 カ月間は卵黄を消化してすごす。やがて歩く てやるために、四つの水槽を田の字形にパイフ。て、つなぎ、 ことカイきるようになり、水底に顔をつけて餌を捜すよう な動作をする。この頃にボウフラによく似たユスリカの幼 各水槽をぐるぐると回ることがて ' きるようになっている。 各水槽には、自然の産卵巣を模した巣箱や大きなかわらの 虫を - 与えて、餌付けをした。その後、成長に合わせて、 ミズ、オタマジャクシ、イカの切り身、レバーなどを与えた 板をとりつけた。野外て覿察した産卵行動て、は、群を作っ て産卵していたのて、、雄 4 頭と雌 3 頭を一緒に飼育して、 小さいうちは特に生き餌を好むのて、、餌の調達には苦労 捕食しやすいドジョウを餌にした。 し、十数キロメートルの遠方まて、出かけることがしばしば 昭和 54 年 9 月 27 日、ついにオオサンショウウオが産卵。 て、あった。 4 年目て、ほば変態を終えて、 25 センチになった。 卵は直径約 5 ミリの淡黄色。 2 頭の雌が産んだ 1200 個の卵 まだまだ子供のこのオオサンショウウォたち、早く一人前 塊は、まるて、真珠のように輝き、 1 頭の雄に守られていた。 になっておくれと願いながら、毎日世話を続けている。 安イ樋勿公園て、は、昭和 54 年の初繁歹直以来毎年産卵し、 産卵直後には小さかった卵のまわりの寒天質がふくらみ、 らんのう 数時間後には直径 2 センチの卵嚢になった。十数時間後、 現在て、は 2800 頭の幼生と 3 組の繁殖群を持っている。開発 らんかっ が進み、生息数の滂気咸が予想される今日、これは本種の保 卵は一斉に卵割を始め、二つの細胞となった。それは卵が 護にとってひとつの朗報て、あろう。右の写真は安イ樋カ物公 受精し、オオサンショウウオの小さな生命が芽生えたこと 園て、生まれ育っているオオサンショウウオを、写真家の井 を、はっきりと告げていた。 10 日後、卵は肉眼て、は見えないほど小さな細胞に分か 手三千男氏が記録したものて、ある。 ( 桑原一司 ) ロ - 飼育場と 4 連水槽 はい は 22 ・両生類

3. 日本の天然記念物 2 動物Ⅱ・天然保護区域

守ると同時に、研究にも手をつけるようにならなけ れば、事態は一向によくならないだろう。世界的に 見ても自然保護官がすくないのだから、動物保護行 政の根本から改めるべきだと私は信じる。 動物を訪ねて行くと、直接の管理をしているのが、 地方自治体の教育委員会て、あったりする。その努力 は言刊面しなければならないけれども、これて、はいけ ないのて、ある。 残そうという努力につながっていく。開発を優先さ 思う。それを残そうとする努力は、地球そのものを き残り続けていくところに大切な意味があるのだと たくさんの人が住むこの日本列島の中て、、それが生 ーっを取り上げればどうということはないのだが、 天然記念物の動物は、自然界の象徴て、あり、それ ると思う。 ある。そして、環境を守るために正しく闘って行け たら、粘り強くそういうものを発見して行けるのて、 かが、悪い影響を及ばしていたりする。専門家だっ ように見える、 100 キロ以上もはなれた所にある何 さまざまなものが必要て、ある。まったく関係がない ある一つの動物の種が、健全に保たれるためには、 せようという地方て、は、 便利になるのだから、自然を改変してもやむを得な という議論をしようとする。 こうやればこれだけ 動物が大切か、人間が大切か 動物を大切にするものの考え方や技術は、地球を そうて、はないのて、ある。 いと言フ。 清潔に保っことにつながって行き、人類を救うのて ある。コンクリートて、かためてしまい、動物を殺し 続け、森や木を安易にこわしていくと、人は必ず、 大きな罰を与えられるのて、ある。 シマフクロウはいま、系色威の危機にある。森林を 乱開発したため、大木がなくなり、営巣出来なくな りつつあるからて、ある。 そして、その森にシマフクロウがいても、現行の 法律て、は、大木を切ることが出来るのだからおかし なものて、ある。鉄砲て、撃つのと同じような行為が、 何の疑いもなしになされているのだから怖しい 天然記念物に指定されている家畜にしたって、さ みさきうま まざまな問題を抱えている。宮崎の岬馬だって、人 がどう手を加えていけばいいかを、しつかり考える 専門家が、現地にいて欲しいと思う。あれはもとも と野生の馬などて、はなく、放牧されていたものなの て、ある。放牧には、オスを除いていく技術などがあ り、人が介入することて、馬の群れを安定して住まわ せていたはずて、ある。もっと大胆にやって行かない と、残すことの意味そのものも薄れてしまうだろう。 見島の和牛なども、篤志家の手によって支えられ るのみになっている。これは、惜しい財産だと思う。 カプトガニ、モリアオガ工ル、ナメクジウオ、ス ナメリクジラ廻游海面、オジロワシ、ザリガニ棲息 地などなどは、環境の変化が大き過ぎて、明日が心 配て、ある。なかには、指定を解除して欲しいという 願いが出ているものもあるはずて、ある。 カプトガニは埋め立てによって、ナメクジウオは

4. 日本の天然記念物 2 動物Ⅱ・天然保護区域

る帯 す山る 布高い 一尉低穴 四 0 日 2 己地 ト平「ル マカ カ 1 ・ ' ~ 標。ナ自虫 霍①中実 山し てま 鳥冬 ラす 上高地の動物 上高地の豊かな自然は、野生動 物の絶好のすみかて、ある。大形獣 のカモシカからアナグマ・オコ ジョなどの小動物、清流にはイワ ナやサンショウウォ類と、動物相 も豊富てある。島の仲間も多い。 高山地帯にはライチョウ・イワヒ バリ・ホシガラスなど、渓 ~ 合い の林には、ミソサザイがすみ美声 を聞かせてくれる。また、明神池 にはマガモがすみついている。

5. 日本の天然記念物 2 動物Ⅱ・天然保護区域

目 畑正憲 動物たちのために専門家を 天然記念物目録 執筆者一覧 特別記事目録 爬虫類 両生類 魚類 原索動物・甲殻類 昆虫類 剣尾類・軟体動物 天然保護区域 次 4 7 20 29 40 43 68 72

6. 日本の天然記念物 2 動物Ⅱ・天然保護区域

工場の建設によって、モリアオガ工ルは護岸工事に よって、スナメリクジラは汚染によって、オジロワ シは森林の破壊によって、ザリガニは宅地の造成に よって、大きな打撃をこうむっているのて、ある。 こういう怖しい変化を、動物の命を縮めるものと のみ受けとって欲しくないと思う。それはとりも直 さず、人間の命を縮めるものて、もある。人は 20 年前 よりも、ずっと悪化した環境て、住まねばならなくな っているのて、ある。動物が人身笹町共になって、それ を教えてくれているのて、ある。 多くの問題を含んて、いるけれども、しかし日本の 自然は素晴しい。冬に海東る所もあれば、常夏の サンコ焦まて揃っている。これほど豊かに、狭い面 積の中に野生がちりばめられている国は珍しいと田 ィじ、 う。しかも、たてに長いのて、、時差もなく、一つの 文化圏の中にすつほ。りと収まってしまっているのて、 ある。流水にのつかるアザラシがいるかと思えば、 南のジャングルて、は、ヤマネコの新種が発見された りする。ャンバルクイナという、飛べない鳥が、ご く最近見つかって騒ぎになるのだから面白い 私たちは、自分たちの財産の大きさを、知らなさ 過ぎると思う。もっともっと大切にして、子孫へと 送り継がねばならないのて、ある。そのためには、動 物、自然保護の間題を、政治の舞台に押し上げる必 要があると考える。これまて、、自然を守ろうという やさしい人たちはおとなし過ぎた。自然保護官が今 の百倍誕生するまて、、日本の天然記念物の動物たち は、枕を高くして眠れない日々が続くだろう。 ひとみごくう 6 ・

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動物Ⅱ

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日本の天然記念物 動物Ⅱ 天然保護区域

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2 動物Ⅱ 両生類・魚類・昆虫類他 天然保護区域 編集加藤陸奥雄 沼田真

10. 日本の天然記念物 2 動物Ⅱ・天然保護区域

日本の 第ー 動物・天然保護区域 N AT U R A M 0 U M E N T S 0 F J A PA N