食虫植物 - みる会図書館


検索対象: 日本の天然記念物 3 植物Ⅰ
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1. 日本の天然記念物 3 植物Ⅰ

0 晟東・東金食虫植物群落 ( 千葉 ) かっ て房総半島の九十九里平野には低湿地がたく さんあった。湿地を好む食虫植物が各所に自 生していた。しかし、水田化、埋め立てなど て湿地が姿を消し、また人間による甜隻も加 わって、今て、はこの指定地以外て、は食虫植物 をほとんど見ることカイきなくなった。大正 年間にここを指定地にしたのは先見の明とい すいたい える。近年ふたたび衰退の傾向カ覡れている。 保護の前途はきびしい ( 指定地は柵て、区切られ、湿原内には遊歩橋 が作られて踏みこみから守られている。 ) 0 ナガバノイシモチソウは長い葉にある細 かい尾から液を出し、虫をつかまえる。 ねんえき 0 虫をつかまえて粘液てとかすイシモチソウ。 0 食虫植物、ホザキノミミカキグサの悒 ①コモウセンゴケは湿原の中て、はやや乾い た範囲に生育する。 タヌキモの悒水中に沈んたに捕虫のふ くろがある。現在、指定地て、は減少している。 ①ムラサキミミカキグサの悒地中浅く地下 茎がはい、小さい捕虫のふくろがっく。

2. 日本の天然記念物 3 植物Ⅰ

食虫植物の世界 アリを捕えたモウセンゴケ。粘 液て黏りつけ、腺毛もおさえつけ る運動をする。 物第をー : 獲物を捕えたミミカキグサの捕 虫袋。獲物は逃げようと動きまわ るが、入り口が閉じ出られない コタヌキモ。葉をつける茎と、 捕虫袋をつける地下茎に分かれて いる。捕虫袋は 4 ミリぐらい。 ボウフラを捕えた捕虫口を開けた捕虫器の中に穫 物が入り、中の感覚器にふれると ~ % 0 秒の速さて葉 をとじ、動きまわるボウフラをも捕えてしまう。 水中に浮くムジナモ。ムジナモには根がなく、茎の節 に 6 ~ 8 片の葉を輪状につける。葉柄の先に、ロを開け たハマグリのような捕虫葉をつけ、虫のくるのを待つ。 食虫植物とは空を飛んだり地面をはう虫や、水中のプラン 捕虫様式鳥もち式、わな式、落とし穴式の 3 十にがある。 ・鳥もち式モウセンゴケ類やムシトリスミレはこの方法て、虫 クトンなどをつかまえて、自分の栄養を補給する植物を食虫植 物という。普通の緑色植物は、光合成によって糖分をつくり、 をねばりつける。モウセンゴケは丸い葉の表面の 200 本をこえ る腺毛の先から、水あめのような粘液を分泌している。ハエやガ 根から窒素やリンの無欟勿をとり込んて、タンパク質を合成して ガンボ、大きいものて、はチョウやトンボが飛んて、きて、知らす いるが、やせた土壌に生育を義なくされた食虫植物は、葉を捕 虫器につくりかえ、虫を捕えてそのタンパク質を分解、吸収し にこの粘液にふれると、たちまち粘りつけられ、逃げようとも て窒素やリンを補給している。しかし食虫植物にも葉緑素はあ がけばかえってそれが東敷になって * 液の分泌がまし、その上 腺毛や丸い葉が運動を起こして獲物をとりおさえる。そして、 るのて、、光合成も行うし、わずかながら土や水中から、窒素、 リンの無欟勿もとり入れているのて、、虫を捕えなくても直ちに 腺毛から胃液に似た消イ素を出して肉を消化し、吸収する。 ・わな式ムジナモ、タスキモ類、ミミカキグサ類の虫の捕え 枯れることはない。しかし、虫を捕えたものの方がそうて、ない 方て、ある ( ムジナモの捕虫葉の働きは中段の写真参照 ) 。タヌキ ものにくらべて、生長、開花、結実のよいのは言うまて、もない 番衄食虫植物は世界て、 7 不勺 500 種、日本には 2 科 18 種が モやミミカキグサは捕虫袋をつくり、その入り口に穫物がくる 生育している。日本の食虫植物のうち、タヌキモ・ムジナモは と、水といっしょにこれを吸いこんて捕える。 ・落とし穴式葉の変形した袋の中に虫を落としこんて捕える ミカキグサ・モウセンゴケなどは湿地に、ムシトリ 水中に 方法。ウッポカズラは袋の中に液体をため、落ちてきた虫をお スミレは高山の湿り気の多いところに生育している。いずれも、 窒素やリンなどの無欟勿の少ない場所て、ある。 ば ~ 尠ヒにさせたのち、消化液を出して分解して吸収する。 ( 写真・文清水清 ) 湿地・樹林下・山地の植物・ 99

3. 日本の天然記念物 3 植物Ⅰ

0 食虫植物のムシトリスミレは秋田駒ても 0 丸い 5 弁の花を開いたチングルマ。花のあ 見られる。沼の食虫植物タヌキモの仲乢 と、実から出る長い毛も美しい。 ちごぐるま 秋田駒ヶ岳の花 チングルマの大群落。名前は「稚児車」か ら変化したものて、実の様子からついた。 ゞ・ , - 当霍を第第ィをを - し挙ト 0 東北地方から北、アラスカやシベリアまて、 寒地に広がる工ゾツッジ。 O 秋田駒をはじめ東北の高山に分布するミ ヤマウスユキソウ ( ヒナウスユキソウ ) 。 きはん 高山のやや湿った草地を好むウサギギク。 花の基部に W 字の黄斑があるオノエラン。 おねすじ 残雪のまわりに多い 日本特産の野生のランて、尾根筋て見かける。

4. 日本の天然記念物 3 植物Ⅰ

特別記事目録 秋田駒の植物を訪ねて・・ 白馬鑓温泉を巡って 霧ケ峰の四季・・・ 海に沈んだ ? 天然記念物・・ 田島ヶ原サクラソウ 保護の歴史と、今後の問題点・ 食虫植物の世界 シダ植物の一生・・・ 9 7 5 7 CV 3 6 7 装幀・レイアウト■ S Ⅸ

5. 日本の天然記念物 3 植物Ⅰ

第ゞ「第イ叮 ルよ第 0 ①コウシンソウ自生地 ( 栃木 ) 花径 5 ~ 6 センチの食虫植物コウシンソウは、世界て、 も日本にしか生育しないたいへん貴重な植物 て、ある。断崖にへばりつくように生え、 6 月 中頃に花を開く。花は首を下に向けて咲くが、 種子を落とす頃になると山側に向きを変え、 種を岩にこすりつける。心ない者の盗採によ り減少しているため、厳しく管理されている。 ①コウシンソウは葉の腺毛から出る粘液て、 虫を捕らえ、消化して栄養の一部にする。 湿地・樹林下・山地の野草・ 97

6. 日本の天然記念物 3 植物Ⅰ

かなしようず 0 金生水沼沢植物群落 ( 三重 ) 食虫植物 を含んだ多種の湿地附直物が自生し、発達し たオオミズゴケも見られる。近年、一帯カ乾 燥化し、植生が急誣に変化している。 ムン气査ネ 一 4 、い「健・わを : 0 鯉ケ窪湿生植物群落 ( 岡山 ) 吉備高原 の西部にあり、とび離れて分布する珍しい植 物が自生している。 おいけ 0 御池沼沢植物群落 ( 三重 ) 冷たい湧き 水が入る西湿原と、め池のある東湿原があ り、伊也方の京の典型て、ある。 、、け

7. 日本の天然記念物 3 植物Ⅰ

なるとうとうがね 成東・東金食虫植物群落 脂大正 9 年 7 月ロ日 昭和 7 年 5 月 20 日 ( 一部解除 ) 昭和引年 6 月 29 日 ( 一部解除 ) 昭和 53 年に月幻日 ( 名称変更 ) 所千葉県山武郡成東町島・東金市上 武射田 置成東町 総武本線成東駅から南東へ約 2 キロ メートルの位置にある。もとは「成東町 肉食植物産地」と呼ばれていたが、一部 とうがね が東金市にもかかるところからこのよう に改められた。 九十九里平野には低湿地が多く、食虫 植物の生育地もかっては各所に見られ た。しかし水田化、埋め立てなどて湿地は しだいに姿を消し、また食虫植物や湿生 植物は乱掘もあって、保護士丿外て、はほ とんど見ることはて、きなくなっている。 ここの指定は、もっとも古いものの一 って、あるが、まさに先見の明といえる。 指定当時は 4 ヘクタールあったが、現在 は約 1.5 ヘクタールに縮小された。 に生育する食虫植物は、モウセンゴケ・ コモウセンゴケ・イシモチソウ・シロノヾ ナナガバノイシモチソウ・ ミカキグ サ・ホザキノミミカキグサ・ムラサキミ ミカキグサの 7 種て、、その他季節ごとに トキソウ・ノハナショウブ・サギソウな どが美しく咲く。周囲は柵て区切られ、 湿原内には遊歩橋が設けられて、踏み込 みから保護されている。 近年、周辺よ或の水田の土地改良が進 み、これが湿原の水位の低下を来してい る。土地の乾燥化にともない、大形草本 や低木の進出も目立つようになり、食虫 植物の衰退の傾向カ覡れている。食虫植 物 f 隻のための研究や実験も試みられ、 地元の人びともじ、に管理にとり組んて、 いるが、イの前途はきびしいものがあ なるとう ( 岩瀬徹 ) 98 ・湿地・樹林下・山地の植物 ほうぞうじぬま 宝蔵寺沼ムジナモ自生地 指昭和年 5 月 4 日 所埼玉県羽生市三田ヶ谷 闇羽生市 ムジナモは池や沼の水中に浮いて生活 する食虫植物の一種て、、茎は 10 ~ 30 セン チ、節ぶしには 5 ミリほどのハマグリの ような捕虫器を輪状につけている。口を 開けた捕虫器にボウフラやミジンコなど のプランクトンが入ると、その瞬間 50 分 の 1 秒から 100 分の 1 秒の速さて、ロを閉 じて捕えてしまう。捕えられた獲物は消 化液て、分解され、養分は吸収される。 ムジナモはかって利本日・イ日・木 曽川・淀川の各 ~ 或に生育していたが、 ~ ルや干拓工事、そのほか除草剤の散布 などの悪条件が重なってほとんどが糸色威 し、今はただ 1 ヵ所、この宝蔵寺沼に自 生している。ムジナモはヨーロッノヾ・ア フリカ・アジア・オーストラリアにかな り広く分布していたが、これらは次々に 消滅し、結局世界て、自生地は日本の宝蔵 寺沼だけということになってしまった。 はにゆう 宝蔵寺沼は羽生市の東方にある利根 川沿いの低湿地て、、そこには縦横に走る レに貯水用の堀割があり、淵にはヨシ やマコモが生育している。ムジナモはこ の堀割の水に浮いて生きている。かって の最盛期には水面をおおい尽くすほど繁 殖していたが、天然記に指定された その年の 8 月 21 日、台風 14 号の水害て、ム ジナモはすべて流され、翌年にはその姿 は全く見られなくなった。ところが幸い にもムジナモ保存会を中心に、以前から 人工的に培養する方法が研究されてい て、数十人の愛好者の庭先て、ムジナモが 生きていたのて、ある。これカ喰虫植物研 究会の呼びかけて、自生地に返されること によって消滅はまぬがれた。 にして、今、ムジナモは人の手厚い助け 草食生の魚の害を防いて、いる。このよう ち、二重の金網の中にムジナモを入れて し、井戸水を流し込んて水をきれいに保 現在自生地て、は一ヨ殳の立ち入りを禁止 によって細々と生育している。も凵矍 から手を引くことになると世界唯一の自 生地が姿を消すことは間違いない ( 清水清 ) コウシンソウ自生地 特別天然記念物 脂大正田年 3 月 3 日 ( 天 ) 昭和 27 年 3 月円日 ( 名称変更 ) 昭和 27 年 3 月円日 ( 特天 ) 所栃木県上都賀郡足尾町 銅山て有名な足尾の町から約 6 キロ。 山路を北西にとると、その山奥に庚申山 がある。 1901 メートルのこの山は、全山 切り立った断崖て、山項は霧にかすんて、い る。コウシンソウはこの絶壁の所どころ に生育している。コウシンソウは明治 23 年 ( 1890 ) 8 月、三好学博士によって発 こうしんそう 見され、山の名をとって「庚申草」と名 づけられた。世界て、も日本にしか生育し ないたいへん珍しい植物て、ある。 コウシンソウはムシトリスミレと同じ タヌキモ科の食虫植物て、、葉や花茎の腺 毛から出される粘液て、小さな虫を粘りつ けて捕え、消化吸収して自分の栄養の一 部にしている。ムシトリスミレより小さ く、花茎ともて高さは 5 ~ 6 センチて、あ る。断崖にへばりつくように生え、 6 月 中頃に淡い紅紫色の美しい花をつける。 育ちのいい株だと花茎が二股に分かれ、 これが大きな特徴になっている。花は谷 の方向に向いて咲くが、果実を結び、種 子を散布する頃になると向きを山側に向 けて、種を岩にこすりつけるというおも しろい性質をもっている。子孫をふやす すぐれた智恵て、ある。 第 19 回自然保護シリーズの記念切手 となってから、多くの人に知られるよう になった。そのためか見学の登山者がふ え、以前にくらべて手の届く場所の株が 減っているのはたいへん残念て、ある。日 本のしかも特定の場所にしか生育してい ないコウシンソウを何としても守り通さ こうしんざん なければならない ( 清水清 )

8. 日本の天然記念物 3 植物Ⅰ

ほうぞうじぬま 00 宝蔵寺沼ムジナモ自生地 ( 埼玉 ) 食虫植物ムジナモの、世界に残された最後の自生地 て、ある。かってはヨーロッパ、アフリカ、アジア、オーストラリアに分布していたが、次々 はにゆう に消滅し、この宝蔵寺沼だけとなった。現在は羽生市東方の低湿地 ( 写真左 ) の二重の金網 の中て、、手厚可隻のもとに細々と生育している。 ( 9 く一ジ参照 ) ①ムジナモが水面をおおい尽くすほど繁殖していた頃の宝蔵寺沼自生 1 昭和 44 年 ( 1969 ) ま彡の貴重な生態記録て、ある。左下は、今て、は目にすることカ儺しくなったムジナモの悒 96 ・湿地・樹林下・山地の野草

9. 日本の天然記念物 3 植物Ⅰ

から滞に生えるミクリガヤ ( カヤツリ おいけしようたく 金生水沼沢植物群落 御池沼沢植物群落 グサ科 ) ・同系のヒメコウホネ ( スイレン 指昭和に年 4 月ロ日 囮昭和 27 年田月Ⅱ日 科 ) ・スイラン ( キク科 ) ・ 所三重県鈴鹿市地子町 昭和引年 3 月引日 ( 追加指定 ) また、日本北部の高山湿地に分布するコ 鈴鹿市 昭和 54 年 6 月 25 日 ( 追加指定 ) タテヤマリンドウ ( タテヤマリンドウと 所三重県四日市市西坂部町 置四日市市 同型の勵なども生育している。このよ この群落は、鈴鹿市の西部にひろがる うに御池は伊勢湾地方の平地・丘陵の湿 第 4 紀丘陵東はずれの高さ 4 メートルほ この植物群落は、四日市市西部の第三 原を代表すると共に、寒地系・暖地系の どの崖下にある面積約 70 アールほどの 紀層よりなる台地の東端にあり、湧水に 植物カ鯤生している貴重な沼沢植物群落 湿原て、ある。湿原の一部の高い部分には、 よってて、きた南北約 400 メートル、東西 て、ある。しかし湿原の自然のなりゆきて、 樹高 2 ~ 2.5 メートルのアカマツやイヌ 約 800 メートルの湿原および沼沢地て、あ ある遷移に加えて、湧水のある台地周辺 ッゲなどの生えた島様地があるが、大部 る。このなかには水田や畑などもある。 の開発やマッノザイセンチュウによる被 分には樹高 1 メートルほどのイヌツゲが かみがわ 沼沢植物群落は上側の高い地域にあっ 害、水田の暗きょ排水工事などの景彡響に 生育し、これにイソノキ・ウメモドキな て、冷たい湧水が直接入る西湿原と、 よる乾燥化、畑生のメヒシバやセイタカ ども混生する。また、これらの木の間に しもがわ 下側の低い地域にあってこれらの水が アワダチソウなど帰イ直物の侵入などに はネビキグサ ( 別名アンペライ ) が一面 流入する溜め池を含む東湿原とからなっ より危機に頻した。このため教育委員会 に茂り、これにイヌノハナヒゲ・ノギラ ている。西湿原は湧水部に沿ってハンノ により水不足対策として鑿井戸工事及び ン・クサヨシ・ノハナショウブ・サキソ キが主木となり、イソノキ・イヌツゲ・ ミカ 給酉と路工事力哘われ、また水源涵養林 ウなどに食虫植物モウセンゴケ・ミ、 イボタノキ・ヘビノボラズ・ウメモドキ・ へのスギの補植などによる蘇生対策が懸 キグサ類・イシモチソウなどを加えた湿 ノリウッギ・ネザサなどの木本やヌマガ 命に進められている。 ( 南川幸 ) 性地植物、ススキ・ワレモコウ・ノコン ヤ・ネビキグサ ( 別名アンペライ ) など ギクなどの草地植物が生じ、コケ層には の草本カ成り、コケ層にオオミズゴケが オオミズゴケがよく発達している。湿原 鯉ケ窪湿生植物群落 はだかじようどろち 厚く敷きつめた林をつくる。その内帯に 内くば地の裸状泥地にはミミカキグ 指昭和 55 年 3 月 6 日 沿ったネビキグサ・ヌマガヤなどよりな サ・ホザキノミミカキグサなどの食虫植 所岡山県阿哲郡哲西町 る草地には、別名工ゾヤマモモの名前か 物や伊勢湾周辺の特産種て、あるシラタマ ら想像されるように、日本北部山野の低 ホシクサなどが生育している。ここの湧 げいび 湿地に生え、御池を自生の南限とするヤ 芸備線矢神駅て、下車、 5.5 キロメート 水は湿原の南側を流れて、北側を流れる てっせい チャナギがかなり多く混生し、また同じ ルの哲西町矢田、矢田谷の奧、標高 550 小川とともにこの下の西条・地子・寺家 北方系のヤチイヌツゲも生育している。 メートルのところにあり、高梁川の水源 の水田かんがい用水とされる。この湿原 そこを流れる冷たい湧水には、点也方 地の一つ。地兀て、はサワッタと呼ばれ、 は小規模て、あるため、湿原の遷移の進み から西の暖地に生える食虫植物ミカワタ 底なし沼が広がっていると伝えられ、な 方がはやく、そのうえ、近年この一帯の ヌキモが生育している。その内側にはネ がい間ほとんど人が近づくことがなかっ 開発にともなって、沼庫也一帯カ陣乞燥陸 ビキグサ草地・ホタルイ草地、それらの たという。大正 10 年に小坂弘氏がはじめ 化し、帰イ葮物のメリケンカルカヤなど はだかじようどろち 裸状泥地には食虫植物ミミカキグサ て調査を行い、その後多くの植物研究者 が侵入しているのをはじめ、普通草地に 類、東 : 也方特産のシラタマホシクサが の注目するところとなった。 生える植物が目立つようになり、さらに 小群生している。さらに枯れ草や泥カ啾 泥炭よりなる湿原て、ヌマガヤ群落、コ 立ち入りによる破壊も加わって、物勺 もって高くなった乾燥部には、カヤツリ アナミズゴケ群落、ハンノキ群落などが に発の感が強い。このため市の教育委 グサ類・イネ科の草地がて、きている。 見られる。 5 月にはハンノキ林の下の 員会により保護が進められてはいるが、 東の湿原は溜め池の深い部分より枯れ リュウキンカ群落が開花し、夏にはビッ さらに湿原を残すためには、周辺よ或の 草や泥が堆積した泥沼地・湿原・普通畑 チュウフウロの群落が見られ、オニスゲ 開発を抑制し、湿原をうるおす湧水を多 地にむかって、ヨシ草地・ガマ草地・ネ も混じる。オグラセンノウは小さい群落 く取り入れる対策を行い、さらに侵入し ビキグサ草地・ヌマガャーサワギキョウ草 を作り、秋にはミコシギクの花も見られ た普通草地植物を抜き取るなどの保護対 地・イヌノハナヒゲ草地・ネザサ草地な る。サワオグルマ・ハンカイソウ・ノハ 策カまれている。 ( 南川幸 ) どがそれぞれの環境に上手に道芯して住 ナショウブ・コバギボウシ・ヒッジグサ・ み分けている。また、これらの中に暖帯 クサレダマ・エゾミソハギ・トキソウ・ かなしようずしようたく ミカキグサ類、 くぼ たかはし 68 ・沼・湿地の植物群落

10. 日本の天然記念物 3 植物Ⅰ

辰の島海浜植物群落 78 室戸岬亜熱帯性樹林 および海岸植物群落 78 南大東島東海岸植物群落 石波の海岸樹林 79 82 ー 83 79 ・湿地・樹林下・山地の植物 宝蔵寺沼ムジナモ自生地 コウシンソウ自生地 97 吐山スズラン群落田 0 向淵スズラン群落田 0 96 細谷暖地性シダ群落Ⅱ 2 室生山暖地性シダ群落Ⅱ 2 伊尾木洞のシダ群落Ⅱ 3 御橋観音シダ植物群落Ⅱ 3 へゴ自生北限地帯Ⅱ 6 ーⅡ 7 八束のクサマルハチ自生地Ⅱ 7 十二町潟オニバス発生地 田島ヶ原サクラソウ自生地 大田ノ沢のカキッパタ群落 小堤西池の カキッパタ群落 86 ー 87 唐川のカキッパタ群落 86 久々利のサクライソウ自生地 不動院ムカデラン群落田 0 カザグルマ自生地刪 内海のヤッコソウ 発生地田 4 ー田 5 鈴が峯のヤッコソウ発生地 ャッコソウ発生地 4 沢谷のタヌキノショクダイ 田 0 田 4 83 86 ー 87 斎宮のハナショウブ群落 89 花輪堤ハナショウブ群落 89 栗野町ハナショウブ 自生南限地帯 89 小串町工ヒメアヤメ 自生南限地帯 90 ー引 沼田西の工ヒメアヤメ 自生南限地帯 90. 引 工ヒメアヤメ自生南限地帯 成東・東金食虫植物群落 発生地田 5 キイレッチトリモチ 自生北限地田 5 キイレッチトリモチ産地 ■シダ類の自生地 黒髪山カネコシダ 自生地田 8 ー田 9 ナチシダ自生北限地 田 5 田 8 94 ー 95 ユノミネシダ自生地田 9 鬼ケ城暖地性シダ群落Ⅱ 2 ■コケ類の生育地 吉見百穴ヒカリゴケ発生地 江戸城跡の ヒカリゴケ生育地 岩村田ヒカリゴケ産地 猪苗代湖ミズスギゴケ群落 ■藻類・細菌類の発生地 出羽島大池のシラタマモ 自生地に 4 菊池川のチスジノリ発生地 スイゼンジノリ発生地に 4 識名園のシマチスジノリ 発生地に 4 川内川のチスジノリ発生地 に 0 4 4