帚物 ′ルイ ト 0. 、、ゝ ①のオヒルギの花と胎生種子。 8 月頃まっ赤 な花が咲き、チョウやハチを喜ばせる。胎生 種子はヒルギの中て最もたくましい。 みやら 宮良川のヒルギ林 ( 沖縄 ) 石 垣島の宮印Ⅲ可口にした広範 囲のヒルギオ。内陸側にオヒルギ が多いのは・冫弯と同じだが、 水路にそって最も優勢なのが、 こて、はヤェヤマヒルギて、その間 にメヒルギ林が点在する。潮の流 れに倒されないよう四方に根を 張って木を支える。また、泥の中 の根は一部カ舸び地上につき出し て、呼吸を助けている。や亜 ル帯地方の河口や泥浜なルが 入りこむ場所に、ヒルギを主体に して上した植抃木を、マングロー プという。 ヒルギの増え方ふつう植物 は、種子が親木から離れたあと発 根をするが、ヒルギは、花が咲き 終わると種子の胚が成長し、根を 出してくる。木についたままて大 きくなった種子は、やがて熟して とが 落下し、尖った先て、泥につきさ さって、新しい若木となる。親に た、地いしゅ ついたまま種子が育つのて胎生種 子という。ヒルギ独特のかわった 増え方て、ある。 0 メヒルギの胎生種子と悒ヒトデの形をし た白花は、オヒルギより花期が早い。細い根 をたくさん出して次代の準備をする。 98 ・常緑広葉高木林
0 喜入のリュウキュウコウガイ ( 鹿児島 ) ー - ・ - 搬にはメヒルギとよばれる、マングロープを 形成する植物て、ある。 17 世紀初め、沖縄から移入されたと伝えられる。 0 慶佐次湾のヒルギ林 ( 沖縄 ) 慶佐次川の河口にヤェヤマヒルギ、水路にそってメヒルギ 椒内則にオヒルギ林が生育している。 ①大池のオヒルギ群落 ( 沖縄 ) 海とつながらない内陸部に、オヒルギが自生しているのが 牛勺。島の隆起によって海と途切れたものと考えられる。南大東島にある。 きいれ げさしわん おおいけ =. メラを 常緑広葉高木林・ 97
おおいけ 大池のオヒルギ群落 囮昭和 50 年 3 月田日 所沖縄県島尻郡南大東村北 闇大東村 りゆうきかんしよう 南大東島は隆起環礁からなるさんご 礁の島て、島の周囲は小高い岩礁 ( 石灰岩 堤 ) て、とり囲まれている。内陸部は盆地状 にくばみ、その中央部には少量の塩分を 含んだ池沼が数多くみられる。大池は島 の北側に位置し、島の中て最も大きな池 て、ある。大池の北側の湿地帯にマング ロープの構成種て、あるオヒルギが数十本 群生している。オヒルギ林の高さは 4 ~ 5 メートル、林内にタコノキ科のアダン や汽水 ( 海水と淡水の入り混じった水 ) 性湿地に生育するヒトモトススキ、淡水 性湿地に生育するテッホシダなどがみら れる。 オヒルギはレ牆から亜帯の河口や入 り江、あるいは河岸や海岸の浅い水域に 生育し、その散布体 ( 果実・種子など ) は ~ 充によって分布を広げる海流散布型の 植物て、ある。しかし、大池のオヒルギが 陸に封じこめられた池に分布すること は、世界的にも珍しく、貴重なものとい える。このことは、かってさんご礁の発 達によってて、きた環礁の時代に、現在の 湿地帯は海に開口していて、マングロー プが ~ 充によって運ばれ定着した。その 後、島がドし、内陸湿地帯にマングロー プが残ったものと考えられる。大池のオ ヒルギは毎年花を咲かせ、果実をつけ、 よく繁殖している。オヒルギは淡水化し た池のほとりて、も、イ或のオヒルギと ほとんど変わらずよく生育している。過 去に建築材として使われたこともある が、現在て、は保護され、これからも島の 成立の生きた証拠として生きながらえて てい いくて、あろう。 ( 宮城康一 ) みやらがわ 宮良川のヒルギ林 指昭和 47 年 5 月日 所沖縄県石垣市宮良 闇石垣市 石垣島南部、宮良川河口に室するマ ングロープ櫪宮良川は石垣島北部茂 登山系の数カ所の渓谷に源を発し、大 かいなんかわはらみわ 里・茂登・開南・川原・三和の各平野 部を流れ、宮良湾に注ぐ石垣島最大の河 川て、言或面積 30.6 平方キロメートル、 全長 12.1 キロメートルて、ある。宮良川の 河口のマングロープ林は川幅 50 メート ル、長さ 1.5 キロメートルの範囲に分布 する。川の水路沿いにヤェヤマヒルギ椒 内陸側にオヒルギ林が分布し、一部マン グロープ林の前縁部や後背地にメヒルギ なかす 林がみられる。宮良橋より下流には中洲 カ夥し、そこて、はオヒルギが優占し、 一部ヤェヤマヒルギ林が生育している。 マングロープ林の周辺部には塩生植物の ソナレシノヾやハイキビの草地、ハマゴ ウ・イボタクサギ・ハマナツメ・トゲイ ヌツゲ・アダンなどの低木林が分布して 宮良川のマングロープ林は亜帯士或 の代表的なマングロープ林の構造を有 し、その規模が大きいことから天然記念 物の指定を受けている。しかしながら、 かんがい 近年、川の上流部に国蘿漑排水工事の 一環としてダム建設が行われ、またマン ほじよう グローオ品地周辺の平野部て、は、圃場整 備が進められ、多量の土砂が流入してい る。また上流側から工場排水が流れこみ、 牛の放牧によってマングロープ林内に牛 カイ受入し、林内カみ固められるなど、 著しく攪乱を受けている。そのためマン グロープ林は次第に荒廃し、メヒルギや しとうばく オヒルギの本尠休も多く、天然記勿 としての価値が失われつつあるのが現状 おお ざと ヤェヤマヒルギの若木 地上に落ち、生長を始めたもの。 胎生種子が て、ある。 ( 宮城康一 ) 常緑広葉高木林・ 101
きいれ 喜入のリュウキュウコウガイ 置喜入町 浜・生見 所鹿児島県揖宿郡喜入町中名・前之 昭和 32 年 7 月引日 昭和 27 年 3 月 29 日 ( 特天 ) 指大正田年 3 月 3 日 ( 天 ) 産地 特別天然記念物 ( 名称変更 ) 100 ・常緑広葉高木林 いれ 外にも繁殖している所がある。 ( 大野照好 ) 件整備の抜本的対策カまれる。指定地 リュウキュウコウガイの生育のための条 入れたり軽石を除去したりしているが、 現在、溝を掘って指定地内に水を引き ヤ・メヒシバその他の雑草が生い茂って してきている。したがってススキ・チガ 入らないことなどの理由て次第に陸地化 軽石の波による打ち上げによってルが 込まなくなっていること、朝堤工事や ために川をせき止められて、泥水が流れ 指定を受けている産地が道路工事等の 殖して自生していることは珍しい ものといわれているが、この地て、自然繁 の際、喜入の領主が持ち帰って不舞直した 入のものは慶長 14 年 ( 1609 ) の球征伐 て種子島や屋久島まて、分布しており、喜 リュウキュウコウガイは奄美大島を経 ちて、ある。 下する ( 胎生植物 ) などの特異な植物た 根を 30 センチ以上にも伸ばしてから落 達し、種子が枝についたままて、発芽して ある。根が支柱や呼吸に役立つように発 の所に発達する特殊な植物群落の一つて、 地て、、定期的に塩水につかるような条件 流のおだやかな入り江や河口附近の泥湿 とはや亜熱帯地方の上知勺に波や潮 成する植物の一種て、ある。マングロープ いって、マングロープ林 ( 紅樹林 ) を形 リュウキュウコウガイはメヒルギとも げさし 慶佐次湾のヒルギ林 指昭和 47 年 5 月日 所沖縄県国頭郡東村慶佐次 闇東村 ひがしそんげさしがわ 沖縄本島北部・東村の慶佐次川河口 に発達するマングロープ林て、ある。慶佐 つは 次川は : 翡皮山 ( 海抜 234 メートル ) に源を きざ 発し、海岸段丘面を刻み、太平洋に注ぐ 河川て、ある。慶イれ弯のヒルギ林は、河 口約 10 ヘクタールの範囲に生育し、沖縄 本島て最も規模が大きく、またヤェヤマ ヒルギの北限地として貴重なものとされ ている。世界のマングロープの分布の北 限地 ( 北半球 ) および南限地 ( 南半球 ) て、 は、ヒルギダマシ属が分布の限界種とし て知られているが、我が国て、はヒルギダ マシが宮古島まて、、さらに北の沖縄本島 まて、ヤェヤマヒルギ、奄美大島まて、オヒ ルギ、最も北まて、メヒルギが分布し、北 限種となっていて、世界的に見てもその 分布は特異なものといえる。しかも日本 のマングロープは旧世界 ( ユーラシア大 陸・東南アジア等 ) のマングロープの北限 地として、重要な位置にあるといえる。 慶佐冫弯のマングロープは河口側にヤ ェヤマヒルギオ衣水路沿いにメヒルギ本衣 内則にオヒルギ林が生育している。マ ングローフ品地内て、、オキナワアナジャ コの巣塚や土砂の堆積など土地の高まっ たところには、シマシラキ・イボタクサ ギ・シイノキカズラ・オオハマボウなど の植物が侵入し生育している。マング ロープの樹高は 5 ~ 6 メートルて、幹の 太さはほとんど 10 センチメートル以下 て、ある。マングロープ林の生育する河口 かいこん より上部の台地や上流側て、は開墾が進 み、パイナッフ。ル畑などの耕作地が多く みられる。そのため河口に土砂が流入し、 マングロープ湿地の黝也化が進み、マン グロープが枯れるなどの被害が生じてい ( 宮城康一 )
・落葉広葉高木林 和泉葛城山ブナ林 62 比婆山のブナ純林 63 歌才ブナ自生北限地帯 カズグリ自生地 66 小野のシダレグリ自生地 66 ー 67 西内のシダレグリ自生地 66 ー 67 竹原のシダレグリ自生地 躑躅原レンゲッツジ 67 63 川宇連ハナノキ自生地 79 富田ハナノキ自生地 79 釜戸ハナノキ自生地 78 越原ハナノキ自生地 78 坂本のハナノキ自生地 78 新野のハナノキ自生地 78 西阿倉川アイナシ自生地 75 東阿倉川イヌナシ自生地 75 ノカイドウ自生地 75 ヒガンザクラ自生南限地 74 荒川のカンヒザクラ自生地 74 橡平サクラ樹林 72 ー 73 小山田ヒガンザクラ樹林 69 およびフジザクラ群落 68 ー 69 楓谷のヤマモミジ樹林 79 ョコグラノキ北限地帯 82 ヒトッパタゴ自生地 82. 83 鰐浦ヒトッパタゴ自生地 82 ー常緑広葉高木林 ツバキ自生北限地帯 86 千石山サザンカ自生 北限地帯 87 川上のユズおよびナンテン 自生地 87 笠山コウライタチバナ自生地 87 古見のサキシマスオウノキ 群落 90 シイノキ山のシイノキ群叢 90 立花山クスノキ原始林引 新船小屋のクスノキ林引 産地 97 喜入のリュウキュウコウガイ 慶佐次湾のヒルギ林 96 ー 97 高串アコウ自生北限地帯 松尾のアコウ自生地 94 一崎のアコウ 94 大村のイチイガシ天然林 94 大池のオヒルギ群落 97 宮良川のヒルギ林 98 ー 99 高島のピロウ自生地田 2. 田 3 ウブンドルのヤ工ヤマヤシ 群落田 3 船浦のニッパヤシ群落田 3 米原のヤェヤマヤシ群落 田 4 ー田 5 0 常緑針葉高木林 幌満ゴョウマッ自生地田 8 ー田 9 三ノ公川トガサワラ原始林田 9 山中のハリモミ純林Ⅱ 0 早池峰山のアカエゾマッ 自生南限地Ⅱ 0 鶉川ゴョウマッ 自生北限地帯Ⅱ 0 ヒノキアスナロおよび アオトドマッ自生地Ⅱ 0 コ 23 平松のウックシマッ自生地Ⅲ 桃洞・佐渡のスギ原生林Ⅲ 屋久島スギ原始林Ⅱ 4 ーⅡ 9 大瀬崎のピャクシン樹林に 2 田上村ツナギガヤ自生地 2 小郡町ナギ自生北限地帯 2
写真撮影・提供 自然林 13 ・富士山原始林 / 白籏史郎 14 ・富士山原始林カラマッ林 / 近藤宏二 15 ・富士山原始林 / 清水清田 / 大橋治三国 16 ・霧の樹海 / 飯島志津夫 ウリハダカエデとコシアプラ / 大山行男 17 ・樹林とコケ / 若林賢明 ミッパッツジ / 飯島志津夫 20 ・野幌原始林 / 村本輝夫 藻岩原始林 / 森田敏隆 21 ・円山原始林 / 森田敏隆 野幌原始林ホオノキ / 山本始 登別原始林 / 村本輝夫 登別原始林ミズナラ樹林 / 関口哲也 35 ・高尾暖地性濶葉樹林 / 神山典之 指月山 / 西谷友一 34 ・高尾暖地性濶葉樹林 / 川本貢功 孫三瓶からの室の内 / 神山典之 浮布池と三瓶山 / 西谷友一 31 ・女三瓶からの室の内 / 神山典之 30 ・三瓶山自然林 / 神山典之 与喜山暖帯林 / 山田隆造 29 ・弥山原始林 / 大西弘田 / 井手三千男国 春日山原始林 / 山田隆造 28 ・仏教岳原始林 / 矢野建彦 宮山原始林 / 水越武 青葉山モミ林 / 吉田範雄 青葉山 / 吉田範雄 24 ・那智原始林 / 楠本秀一 166 ・ 安波のタナガーグムイの植物群落 / 室戸岬亜熱帯性樹林および海岸植物群落 / 前田憲男 田港御願の社 / 大塚勝久 47 ・田港御願の植物群落 / 種村ひろし 諸志御岳の植物群落 / 平井順光 クスにからむフウトウカズラ / 熊田達夫 46 ・城山 / 熊田達夫 甑岳アカマッ林 / 森田敏隆 43 ・甑岳針葉樹林 / 森田敏隆 普賢岳霧氷 / 藤本彰 42 ・普賢岳紅葉樹林 / 森田敏隆 諫早市城山暖地性樹叢 / 宮崎圭介 阿蘇北向谷原始林 / 富田文雄 39 ・竜良山の照葉樹林 / 伊藤秀三 竜良山原始林 / 熊田達夫 白岳頂上 / 佐伯一輝 ヒメコマッ / 熊田達夫 38 ・洲藻白岳原始林 / 熊田達夫 アコウ / トべラ / タブノキ / 木原浩 室戸岬亜熱帯性樹林内部 / 岡崎禎広 岡崎禎広 小島の自然林 50 ・椿島暖地性植物群落 / 吉田範雄 タブノキ自然林 / 吉田範雄 津島暖地性植物群落 / 奈路広 51 ・大島暖地性植物群落 / 絵門仁 ハマオモト / 絵門仁 蒼島暖地性植物群落 / 木本義一 八景島暖地性植物群落 / 吉田範雄 弁天島熱帯性植物群落 / 奈路広 54 ・沖の島原始林 オオタニワタリ / イヌビワ / ムサシアプ ミ / 矢野豊 沖の島 / 矢野豊 沖の島山頂 / 伊藤秀三 55 ・焼尻の自然林 / 羽幌町役場 黒子島原始林 / 熊田達夫 千珠樹林 / 熊田達夫 満珠樹林 / 熊田達夫 虚空蔵島の亜熱帯林 / 熊副穣 虚空蔵島亜熱帯林内部 / 日永典生 58 ・枇榔島亜熱帯性植物群落 / 熊副穣 枇榔島空撮 / 渡部まなぶ 59 ・青島亜熱帯性植物群落 / 森田敏隆 ヒギリ / 森田敏隆 ハマエンドウ / 熊田達夫 ムサシアプミ / 冨成忠夫 落葉広葉高木林 62 ・和泉葛城山ブナ林 / 桑原英文 63 ・比婆山のブナ純林 / 西谷友一 ブナ林内部 / 井手三千男 歌才ブナ自生北限地帯 / 林勝也 66 ・カズグリ自生地 / 吉田範雄 カズグリ / 吉田範雄 小野のシダレグリ自生地 / 斎藤嘉明 小野のシダレグリの実 / 宮本辰雄 西内のシダレグリ / 斎藤嘉明 67 ・竹原のシダレグリ自生地 / 近藤誠宏 68 ・躑躅原レンケツッジおよびフジサクラ群 落 / 飯島志津夫 69 ・小山田ヒガンサクラ樹林 / 中俣正義 躑躅原フジサクラ群落 / 飯島志津夫 72 ・橡平サクラ樹林 / 中俣正義 オオヤマザクラ / 冨成忠夫 オクチョウジザクラ / 木原浩 カスミサクラ / 熊田達夫 74 ・荒川のカンヒザクラ自生地 / 大浜博吉 カンヒサクラ / 大浜博吉 ヒガンサクラ自生南限地 / 熊田達夫 ヒガンザクラ / 熊田達夫 75 ・ノカイドウ自生地 / 城本竹千代 ノカイドウ / 熊副穣 東阿倉川イヌナシ自生地 / 小原直久 イヌナシ / 絵門仁 西阿倉川アイナシ自生地 / 小原直久 78 ・越原ハナノキ自生地 / 服部政信 新野のハナノキ自生地 / 服部政信 坂本のハナノキ自生地 / 森田敏隆 釜戸ハナノキ自生地 / 杉浦清孝 富田ハナノキ自生地 / 服部政信 川宇連ハナノキ自生地 / 杉浦清孝 ハナノキの花 / 宮本辰雄 楓谷のヤマモミジ樹林 / 森田敏隆 82 ・ヨコグラノキ北限地帯 / 吉田範雄 ョコグラノキの実 / 柏倉信吉 ヒトッパタゴ自生地・愛知県大山市 / 杉浦清孝 鰐浦ヒトッパタゴ自生地 / 前田憲男囲 / 佐伯一輝囿 83 ・ヒトッパタゴ自生地 岐阜県瑞浪市神明神社 / 近藤誠宏 岐阜県瑞浪市字百田半原沢 / 近藤誠宏 岐阜県恵那市笠置町 / 近藤誠宏 岐阜県恵那郡垤川村 / 近藤誠宏 常緑広葉高木林 86 ・ツバキ自生北限地帯 青森県夏泊半島椿山 / 千葉克介 秋田県男鹿半島能登山 / 工藤茂美 87 ・千石山ササンカ自生北限地帯 / 長峰重良 サザンカ / 矢野豊 川上のユズ自生地 / 西谷友一 ユズ / 西谷友一 笠山コウライタチパナ自生地 / 西谷友一 コウライタチバナ / 西谷友一 90 ・古見のサキシマスオウノキ群落 / 前田憲男 シイノキ山のシイノキ群叢 / 岩崎薫囲 / 田村規智戎囿 91 ・立花山クスノキ原始林 / 長峰重良囲 / 松尾悠二郎囿 新船小屋のクスノキ林 / 長峰重良 クスノキ林内部 / 長峰重良 大村のイチイガシ天然林 / 伊藤秀三 イチイガシ天然林内部 / 伊藤秀三 94 ・三崎のアコウ / 森田敏隆 松尾のアコウ自生地 / 岡崎禎広 高串アコウ自生北限地帯 / 岩永豊囲 / 森田敏隆 96 ・慶佐次湾のヒルギ林 / 竹内敏信 97 ・喜入のリュウキュウコウガイ産地 / 熊田達夫 大池のオヒルギ群落 / 平井順光 98 ・宮良川のヒルギ林 / 平井順光 オヒルギの花 / 種村ひろし オヒルギの胎生種子 / 種村ひろし メヒルギの胎生種子 / 種村ひろし メヒルギの花 / 熊田達夫
イヌビワなど亜高木層にはリュウキュウ ガキ・ホソノヾムクイヌビワ・ハプカズラ など、低木層にはコミノクロッ久草本 層にはナナノヾケシダ・オオヘッカシダ・ ツルアダンなどて、ある。 ふなうら ( 新納義馬 ) オヒルギ 船浦のニッパヤシ群落 ッノ、ヤシ オヒルギ 船浦のニッパヤシ群落 昭和 47 年 5 月日 所沖縄県八重山郡竹富町船浦 置竹富町 ニッノヾヤシはフィリヒ。ン、インド、マ レーシア、ミクロネシアなどのレ牆に分 布域をもつ一属一種のヤシ科植物て、、 般のヤシ科植物とは異なり、マングロー フ料或の泥湿地に生育する無茎のヤシ て、、直径約 5 センチほどの太い根茎を泥 中て、分岐させ、その根茎から 5 ~ 10 セン チの太い葉柄をもつ羽状複葉を根生させ る。そのため干潮時には叢生した葉群は かんばく 灌 : 相大に見え、満潮時には水面に羽状の 葉君材ごけが見える。 うちばなれ ふなうら いりおもて わが国て、は西表島の船浦と内離島 だけに分布が限られ、種の分布の北限と 考えられている。そのため学術的に貴重 て、あり、当時の工剏政府により 1959 年 12 月 16 日付て、天然記念物に指定されてき 指定地のニッパヤシは、船浦湾に開口 するヤシミナト川の河口より約 600 メー トル上流の左岸、マングローブオ家の約 300 平方メートル内に 38 株 ( 1981 年 8 月 3 日 ) が集中的に生育している。満潮時 に盟ルが浸る泥湿地て、、樹高約 5 メー トルほどのオヒルギを優占種とし、ヤ工 ヤマヒルギ・シマシラキを混生したマン グロープ林て、、一部にはオキナワアナ ジャコの巣塚なども見られる。 ニッパヤシの生育状態は水路沿いの開 放地て、は発育が良く、葉群の高さも約 5 メートルと高いが、マングロープ林内の 株は葉の数、葉群の広がり、株面積も小 さくなっている。 よねはら ( 新納義馬 ) いたとの事て、あるが、現在はそのような を伐り倒し、茎の髄の部分を食用にして 討する必要がある。開墾当時は若いヤシ 内への入域を制限するとかの保護策を検 客の踏圧によるネ也化が見られるが、林 の一つとして知られ、林内の一部は観光 指定地は、現在、石垣島の観光ルート る。 はヤェヤマヤシ群集として別されてい アワダンなどが出現し、植物社会学的に ビワ・コミノクロッグ・トウッルモドキ・ カズラ・ノ、マイヌビワ・ホソノヾムクイヌ アカメガシワ・アカテッ・フクギ、ハプ べンノキ・リュウキュウガキ・ヤンバル 内にはヤ工ヤマヤシの不隹樹のほかショウ 出したヤシオ材寺有の相観をしている。林 オ材目はヤ工ヤマヤシだけが高木層に突 をつくる約 115 万平方メートルて、ある。 はその中て最も集中的に生育して大群落 茂登岳の山麓部て、、指定されているの 自生地は石垣市米原集落の山手、桴海 ふかい る見事な樹勢を示す。 まて伸び、胸高直径 20 ~ 30 センチにもな にいたっている。樹高は 25 メートル近く 年 H. Moore 氏により別種とされ今日 定 ( 1959 年 ) されていた。しかし、 1967 ヤシ」として工剏府の天然記念物に指 するノヤシと同種と考えられ、「米原のノ 指定をうけている。かって小笠原に自生 植物て、、当地はその自生地の一つとして 石垣島のみに分布する一属一種のヤシ科 ヤェヤマヤシは琉球列島の西表島と いりおもて 置石垣市 所沖縄県石垣市米原 昭和 53 年 3 月Ⅱ日 ( 追加指定 ) 昭和 48 年 4 月 23 日 ( 名称変更 ) 昭和 47 年 5 月日 米原のヤェヤマヤシ群落 ことはない ( 新納義馬 ) 常緑広葉高木林・ 107
代表的なものの計画的な指定を 沼田 木本性の植生はこの巻と、一部社寺林が第 3 巻に 収められている。第 5 巻も木て、あるから、植物編 3 册の 75 パーセントは木を扱っているといってよか ろう。ところが日本の植物の生活型の割合て、いうと、 木本が 28 パーセント、草本が 72 パーセントて、あるか ら、そういう点からは逆転しているといってよい 木本性群落の第一は自然林 26 件て、あるが、名称と しては原始林、自然林、濶葉抃木、材木、樹叢、植 物群落など、はなはだ不統一て、ある。自然林という のは一つしかないが、この名称が一般的にはよいて、 あろう。内容を示すのには針葉材木、濶 ( 広 ) 葉材木 といった生活型による表現がよいて、あろう。原始林 とか原生林というのは、文字通りの意味て、は日本に はほとんどないといってよい。オランダのウェスト ッフ ( 1971 ) は多少人手の入った原生林的なものを亜 自然林とよんだが、天然記念物の原始林というのは せいぜい亜自然林て、あろう。材木や樹叢というのは 社寺林 ( 第 3 巻 ) にもて、てくるが、樹叢という用語は はんちゅう とくに必要を認めない 北半部にはこのようなところは少ないのて、あろう の場所も多くは日本の南半部にある小島て、あるが、 多く、そして材木と植物群落て、ある。指定を受けた島 性、亜熱帯性、暖地性という形容詞のついたものが 小島の自然林という範疇には 14 件あるが、熱帯 地、分布限界を扱ったものて、ある。それを大きくグ て、あとの大部分は特定の樹木の群落、蹴木、自生 以上が生活型を中心とした群系的な扱いて、あっ ルーヒ。ングするため、やはり生活型によって、常緑 および落葉の広葉高木、常緑針葉高木、常緑および 落葉の低木、タケにわけることがて、きる。名称は自 生地、自生北限地帯、樹林、産地、原始林、原生林、 群叢、群落、純林、自生南限地帯と実にさまざまな 用語が用いられている。他の場所て、も指摘したが、 用語や概念の見直しを早急に行わないと、名称から くる古くさい時代ばなれのしたイメージをぬぐいき れない。わが国の高等植物の中の高木と低木の比率 はそれぞれ 19 パーセント、 8 パーセントて、あるが、 本書にとりあげられたものをみると、高木 67 件 ( 竹 林をふくむ ) に対して 31 件、種て、みると、 40 対 16 にな るのて、、ほぼ比率に近い 落葉広葉高木林て、多いのはサクラ・ハナノキ・ク リ・ブナなど、常緑高木林て、ヒルギ・マツなどて、あ る。しかし、落葉広葉高本林は、フ、、ナ林て、も北限地 帯をふくめてわずか 3 ヵ所、ヤマモミジ・シオジ各 1 カ所とはまことに少ない。日本の代表的な落葉広 も ない。そのようにいっさい手をふれさせないという 要ならば現状変更を願い出て許可をえなければなら て、は勝手に人手をいれることは禁じられており、必 念物ということになる。天然記念物の今まて、の概念 ちろん大部分は二冫知木なのて、、管理を要する天然記 それらが 1 カ所もあがっていないのはおかしい ギ・ハンノキなど、ちょっとあげてもかなりあるが、 ラカンパ・ケヤキ・フササクラ・サワグルミ・クヌ タヤ・ミズナラ・コナラ・カシワ・ダケカンパ・シ 葉高木林としてはブナの他にイタヤカエデ・エゾイ
ぐんそう 古見のサキシマスオウノキ 群落 指昭和 53 年 3 月 22 日 所沖縄県八重山郡竹富町古見 間竹富町 伊豆大島の西北部にあって三原山の中 西表島東部、古見集落の南側を流れ 腹に当たる所 ( 海抜 280 メートル付近 ) に まいら る前良川の河口に生育する常純ム葉材木 あるシイノキ林 ( スダジィーオオシマカン て、ある。前良川の河口部にはヤェヤマヒ スゲ群集 ) て、ある。面積は約 0.5 ヘクター ルギやオヒルギなどのマングロープがよ ルと狭いが、樹高 25 メートルに達するス く発達し、その内陸側の湿地にみごとな ダジイが優占し、きわめて良く発達した サキシマスオウノキが群生している。樹 自然林て、ある。 高は 10 ~ 15 メートル、幹の太さ 40 ~ 100 高木層にはスダジイが優占するが、林 ばんこん センチメートルて、、大きな板根を形成す 冠はやや疎開する。タブ・ヤブッパキ・ る。板根は根が板状に空中にはり出した ャプニッケイ・カクレミノなど亜高木層 うつべし、 ものて、、高さ 3 メートル、長さ 5 メート に達する植重は多く、この層は鬱閉して ルに伸びたものがある。板根の形はまっ いる。低木層と草本層は貧弱て、あるが、 すぐのもの、曲がりくねったものなど 草本層のティカカズラが目立っている。 様々て、、 . 上壌の軟らかい湿地て、、大きな 全体にやや荒れており、ハチジョウグ 植物体を支える役目をしている。サキシ ワ・オオノヾ工ゴノキ・オオムラサキシキ マスオウノキは熱帯に広く分布する植物 プ・ガクアジサイなどの落葉樹の混生が て、、工剏長列島がその北限となっている。 それを示している。 古見のサキシマスオウノキ群落にみられ シイノキ山のシイノキ群叢は、一もの る板根林は我が国て、はきわめて稀なもの ように非常に良く上したスダジイ林て、 て、、学術的に価値が高い。この地には、 あるが、きわめて小面積て、あるのて、、人 サキシマスオウノキの他、牆系植物の の立ち入りを制限するなど何らかの保護 サガリノヾナ・ミフクラギ・アコウ・ガジュ 対策が必要て、あろう。 ( 奥富清 ) マル・ミナミタニワタリが自生し、いっ そう滞的な景観をかもし出している。 みちゃーりおん また、この材木の生育場所は、三高鼈卩嶽 と呼ばれる拝所て、、八重山群島に残るア たちばなやま 立花山クスノキ カマタ・クロマタ ( 旧暦 6 月に催され、海 原始林 の彼方から訪れ豊作をもたらす遠来神に 指昭和 3 年 2 月 7 日 ( 天 ) 祈願し、イ反面仮装の人神を装って祭事を 昭和 30 年 8 月 22 日 ( 特天 ) 行う行事 ) の発祥の地として知られ、古く 所福岡県粕屋郡新宮町・久山町 から森林が保護されてきたところて、あ 闇農林水産省 * る。近年、その板根林の特異な景観によっ て、多くの観光客が訪れるようになり、 立花山は標高 367 メートルて、、山項部 泥湿地が次第に踏み固められ、生育環境 にはかって立花氏の居城があり、戦国時 は悪化しつつある。 代に攻防カ哘われた。西北方にやや低い ( 宮城康一 ) 二つの峰があり、福岡市方面からの遠望 て、は、三つの峰が連なって見える。地質 テク ダ イス ケ は、大部分が二郡変成岩から成っている。 カキ ズ 立花山の山項部には多少の空地があって 展望台の役割を果たしているが、これら シイノキ山のシイノキ群叢 指昭和 26 年 6 月 9 日 所東京都大島町泉津 いりおもてじま サキシマスオウノキの花と葉 ぐんそう 特別天然記念物 ・クスノキ 新船小屋のクスノキ林 92 ・常緑広葉高木林 ( 調査 益村聖 )