竹前栄治 昭和史〔新版〕 日本史 近代日本の民間学鹿野政直 大江志乃夫昭和時代 加藤祐三靖国神社 黒船異変 古屋哲夫 堀場清子日中戦争 青鞜の時代 飛鳥井雅道 文明開化 日本人は 加藤晋平 どこから来たか 今野信雄 江戸の旅 日中アヘン戦争江口圭一 和久田康雄 日本の地下鉄 多木浩二 天皇の肖像 東野治之 正倉院 よ 書 日本の歴史上・中・下井上清 新 波 上田正昭 日本神話 世堺史の明治維新芝原拓自 日本国家の起源井上光貞 山茂夫 壬申の内乱 山茂夫 萬葉の時代 村井康彦 茶の文化史 直木孝次郎 奈良 盛田嘉徳 林屋辰三郎 ある被差別部落の歴史岡本良一京都 森杉夫 奈良本辰也 吉田松陰 日本中世の民衆像網野善彦 日本文化史〔第二版〕家永三郎の舞台裏〔第二版〕石井孝 勝俣鎮夫明治維新と現代遠山茂樹 揆 山辺健太郎 木簡が語る日本の古代東野治之日韓併合小史 中藤今遠 島原井山 健清茂 蔵彰一樹 ( H) ( 1989. 8 )
主要参照文献 ( 抄 ) 赤沼智善「釈尊の四衆に就いて」 ( 『原始仏教之研究』破塵閣書房、一九三九年 ) 中村元『インド思想史』第 2 版、岩波全書、岩波書店、一九六八年 同『ゴータマ・ブッダ、釈尊の生涯、中村元選集第Ⅱ巻』春秋社、一九六九年 同『インド人の思惟方法、中村元選集〔決定版〕第 1 巻』春秋社、一九八八年 同『仏教語大辞典』全三巻、東京書籍、一九七五年 同『ブッダのことば、スッタニ。ハータ』改訳刷、岩波文庫、岩波書店、一九八四年 平川彰『初期大乗仏教の研究』春秋社、一九六八年 同『インド仏教史』全二巻、春秋社、一九七四年、一九七九年 岩本裕・佐々木教悟・藤吉慈海『東南アジアの仏教』 ( アジア仏教史インド編Ⅵ、佼成出版社、一九 尠七三年 ) 梶山雄一訳注『論理のことば』中公文庫、中央公論社、一九七五年 文 照同『「さとり」と「廻向」』講談社現代新書、講談社、一九八三年 要早島鏡正・高崎直道・原実・前田專学『インド思想史』東京大学出版会、一九八二年 高崎直道『仏教入門』東京大学出版会、一九八三年 235
第一部インド仏教史 教理の発展と確立などに顕著な諸活動もみられるとはいえ、ついに一二〇三年に、仏教最後の 拠点のヴィクラマシラー大寺が、イスラ 1 ム軍により、何の痕跡も残さないまでに徹底的に破 壊されて、その幕を閉じる。それまでの約九百年間を、後期仏教という。 以下、この順序にインド仏教史の概略をたどり、なかでも仏教の成立および大乗仏教の登場 に重点を置く。なお、それらの諸思想は、つぎの第二部に論ずる。
仏教思想史について 本書の第一部に記した時代区分にもとづいて、インド仏教の思想史を以下に述べる。そのさ 、初期仏教はそのまま扱い、中期仏教をさらに部派仏教と初期大乗仏教とに二分し、そのあ とに中期・後期大乗と一括して、合わせて四つに分割したうえで記してゆく。 格別に強調するまでもなく、四章に区分するとはいえ、それらの全体は仏教思想として統括 され、仏教思想史として一貫している。 たとえば初期仏教にとりあげる諸項目、こころ、苦、無常、無我、中道、四諦その他が、初 期仏教のみに問われるというようなことは決してあり得ず、それらは全仏教においてたえず根 本となり最重要視された。あるいはまた、部派仏教の個所に記す業 ( カルマ ) や、初期大乗仏教 に論ずる空などについても、まったく変わらない。 ゆいしき によらいぞうぶっしよう さらには中期大乗の如来蔵 ( 仏性 ) や唯識のような、それまでの術語にはなく、内容も新機軸 であるかにみえる説も、本書のその個所に詳述するとおり、初期仏教、部派、初期大乗の諸思 想を継承して、それの展開のうえに、斬新な術語などによりつつ理論化されたことは明白とい ってよ、 ′」う
ウルズ中国の歴史上・中・下貝塚茂樹 世界史概観上・下 長谷部・阿部訳 世界史 貝塚茂樹 孔子 世界の歩み上・下林健太郎 絵で見るフランス革命多木浩二 諸子百家 貝塚茂樹 インド文明の曙辻直四郎 吉川幸次郎 略奪の海カリプ増田義郎 漢の武帝 ツ。、とは何か増田四郎 金達寿 朝鮮 ス。ハルタとアテネ太田秀通 インカ帝国 泉靖一 十字軍 橋ロ倫介 ヒンドウー教と アメ人民の歴史上、下 小林・雪山訳 森島恒雄リカ 荒松雄魔女狩り イスラム教 ソプ ルアメリカ黒人の歴史本田創造 コロンプス 増田義郎フランス革命上・下 小場瀬・渡辺訳 よイギリスとアジア加藤祐三フランス革命小史河野健二 ベスト大流行 新 村上陽一郎フランス革命期のセレプリヤ。ワ 西本昭治訳 女たち コンスタンティ 渡辺金一 ノープル千年 ナポレオン 井上幸治 フットボールの社会史忍足欣・四郎ロシア革命運動の曙荒畑寒村 レ ヒ 島晋治レーニンとロシャ革命 中国近現代史 岡 稔訳 丸山松幸 ドイッチャ 安藤正士 ロシア革命五十年 山西英一訳 文化大革命と現代中国太田勝洪 辻康吾 第二次世界大戦前夜笹本駿二 インドとイギリス 吉岡昭彦 ラティモア 平野義太郎監修 中 国 歴史とは何か 修訳 カ 清水幾太郎訳 (G) ( 1989. 8 )
フロローグ ①「仏教」という語②仏教史の概略③仏 教の前史④仏教の特質 第一部インド仏教史・ はじめに 第一章初期仏教 : ①仏教の成立②初期の教団③アショ 1 カ 王④初期仏教の資料 第一一章中期仏教 : ①部派仏教②アビダルマ③大乗仏教運動 ④大乗仏教の登場 第三章後期仏教 : ①大乗仏教の中期と後期②密教 は 1 ) がさ 14 12 Ⅳ
プロログ れ き じよ 書もやがては聖典に加えられて、その数も量もきわめて厖大となる。このうち、インド仏教の 伝統が十三世紀はじめに消滅したために、原典の失われたものは多数に及ぶが、それに代わる 大量の翻訳仏典が現在に残り、それは他の諸宗教を圧倒する。 たえず現実をみつめ、ことに現実のさまざまな苦悩 釈尊においてそうであったように、 に対応する教えが多種多彩に説かれた。本来、現実そのものが多様である以上、教説の展開も たいきせつばうおうびようよやく ヴァラエティに富み、このことをその当初から、対機説法、応病与薬、人をみて法を説く、 万四千の法門などという。したがって、仏教には教条的なドグマは存在せず、異説排除の考え もきわめて薄い。逆にいえば、仏教の教理そのもの、仏教のありかたは揺れやすく、それの一 義的な定義は困難であり、むしろ不可能に近い ④右の情況は、仏教内部に数多くの論争を生じ、仏教思想史は一面で仏教論争史とも解さ れるが、また他方に、ときにはあい反するほどに多様な諸教説の共存を許し認めるという思想 史が形づくられて、今日にいたる。かって異端審問をはじめ、暴力行使などの跡は、たまたま あっ 政治にまきこまれたごく少数の例外を除けば、仏教にはまったくない。 また他の諸宗教との軋 一轢や闘争もまれで、しばしば種々のシンクレティズム ( 諸教混淆 ) を生む。 釈尊と大乗諸仏とに対する敬慕や崇拝・帰依は、心情においては共通しているものの、 いっそう多岐となる。 形式や内容はかなり異なり、密教を加えると、 こんこう
第一一部インド仏教の思想史 サーンチーの仏塔
ーリ文献ではアビを「優れた、過ぎた」を意味すると 究」をあらわして、対法と訳される。 して、アビダンマを「優れた法」と解する。 ーリ上座部には、紀元前二五〇 ~ 前五〇年ごろの約二百年間に、『カターヴァットウ』 ( 論 ノ 事 ) をふくむ七つの論が成立し、この七論が論蔵 ( アビダンマ・ビタカ ) とされ、その他の註釈書 や研究書などは、すべて蔵外と扱われる。 ろんじよ ほっちろん 有部 ( 説一切有部の略 ) でも、『発智論』のほか六種の足論と呼ばれる論書がつくられ、一般に はちけん 「六足発智」と称する。これらは前一世紀ごろまでに成立した。なかでも『発智論』 ( 異訳『八腱 かたえんにし ろんじ どろん 度論』 ) は、大論師カ 1 ティャ 1 ャニープトラ ( 迦多衍尼子 ) の著で、その広汎な内容が有部の教学 しんろん の基本を示すところから、身論と称する。これらの七論は漢訳が揃う。それらのサンスクリノ ト語のわずかな断片が中央アジアから発見され、ドイツに校訂出版がある。 以上のほか、論蔵には加えられない註釈書や解釈書、また論書も多数つくられた。 ーリ文献では、二世紀のウ。ハティッサのあと、五世紀に南インドからスリランカに渡来し ぶっとん 長期間滞在したブッダゴ 1 サ ( 仏音 ) が、三蔵のほば全部に詳細で厖大な註釈書をつくり、また しようじようどうろん 独自に名著『ヴィスッディマッガ』 ( 清浄道論 ) を著わした。かれの解釈が上座部教理の標準と して、現在もたえず引用される。 ハーリ語には、スリランカ史を伝える『ディー。ハヴァンサ』 ( 島史 ) と『マハ 1 ヴァンサ』 ( 大史 ) うぶ 0 、 ノ ノ そくろん
次 第二部インド仏教の思想史・ : 仏教思想史について 第一章初期仏教 : ①基本的立場②こころ③苦④無常⑤ 無我⑥三法印⑦中道⑧四諦八正道⑨ 法⑩十二因縁 ( 縁起説 ) ⑩ニルヴァーナ ⑩慈悲 第一一章部派仏教 ①法②業③時間論 第三章初期大乗仏教 ①大乗の諸仏②大乗の諸菩薩③初期大乗 ールジュナ 経典④ナ 1 ガ 第四章中期・後期大乗仏教・ ①如来蔵 ( 仏性 ) ②唯識③如来蔵思想と唯 識説との統合④仏身論⑤密教⑥中観派 ⑦瑜伽行派⑧仏教論理学と認識論 169 65 58 131