ハニカムダンパー 57 阪神・淡路大震災 32 , 36 , 44 ヒートボンプ 164 非常用エレベーター 185 非常用発電機 177 避雷設備 190 ビルエネルギー管理システム 194 ビル ( 風 / 風害 ) 66 , 69 フアジー制御 161 風圧力 65 風洞実験 71 複層ガラス 169 物進方式 137 フラットスラブ 23 , 219 プレース 30 , 57 , 122 , 130 プレキャスト工法 215 プレキャストコンクリ 104 プレキャスト・プレストレス トコンクリート造 135 フロアクライミング方式 142 , 144 , 151 平成 7 年兵庫県南部地震 32 曲げモーメント 83 マストクライミング方式 141 , 144 , 152 マリオン 89 無目 89 免震構造 49 , 51 メンテナンス 192 もつばら物 108 山 ( 崩し / 積み ) 100 山留め 117 油圧式エレベーター 154 床板 124 ユニット化工法 126 揚重 96 , 103 養生期間 98 容積地区制 42 ・ら行 ライフサイクルコスト 200 落雷 190 ラーメン架構 88 , 217 194 , 変電設備 176 防煙垂壁 181 防災センター 192 方立 89 ポックス柱 77 ポテンシャルエネルギ ・ま・や行 マグニチュード 36 間配り 106 幻 0 ー論 40 ランニングコスト 215 リサイクル 106 , 108 リデュース 106 , 107 リニアモーター式 エレベーター 155 リニューアル 199 リフト 105 リュース 106 , 107 レベル ( 1 / 2 ) 暴風 64 ロープ式エレベーター 154 ロジスティックス 105
①下部昇降フレームがマストに固定された状態で、上部昇降フ レームのロックピンを抜く。 ②油圧シリンダーを伸ばして上部昇降フレームごとクレーン本 体部分を押し上げる。 ③油圧シリンダーが伸びたところで、今度は上部昇降フレーム からマストにロックピンを入れる。 ④油圧シリンダーを少し縮めることで荷重の支持点を上部昇降 フレームに移す。 ⑤下部昇降フレームのピンを抜く。 ⑥油圧シリンダーを縮めて下部昇降フレームを引き上げ、⑦次 の孔位置でピンを入れて固定する。 この昇降装置によって、クレーン全体をフロアクライミング させる手順は次のとおりである ( 図 7 ー 4 ) 。 ①クレーン本体を、マストにそって少し降ろし、建設中の最上 階に預けていったん固定する。 ②べースのアンカーポルトをはずすと、べースとマストはク レーン本体から吊り下げられるような格好となる。ここで昇 降装置を使ってべースごとマストを引き上げる。 ③べースを、次に設置する数フロア上まで引き上げたら躯体に 固定する。このとき、マストはクレーン本体を突き抜けて上 に伸びている状態である。 ④べースを固定したマストにそって、クレーン本体をマスト最 頂部まで上昇させ固定する。 クライミングは、通常 1 カ月弱に 1 回程度の頻度で行われる。 作業は 1 日で終わってしまうことが多いため、クレーン本体を マストが突き抜けた状態のタワークレーンを見かける機会は珍 7 イ
◎広がるフロアクライミング方式 フロアクライミング方式では、べースに一定の長さのマスト を設置し、べースごと順次上の階に載せ換えていく。自ら構築 したビルを自分で登っていくように見える。 日本では、一般に鉄筋コンクリート (RC) 造の超高層住宅 ではマストクライミング方式、鉄骨 (S) 造の事務所ビルには フロアクライミング方式が採用されてきた。 RC 造では、建物頂上部のコンクリートが十分に乾いて強度 を発現するまでクライミングができないことや、 RC の梁にタ ワークレーンを設置するための躯体補強がむずかしい。そのた め、マストを建物にそって地上から建てるマストクライミング 方式が長年とられてきたのである。 しかし最近は、すでに強度発現した下層階を頼りにクライミ ングできる機種や、摩擦力でタワークレーンを柱に直接設置す る工法などの開発により、 RC 造でも大型クレーンのフロアク ライミングが普通に行われるようになってきた。 ◎フロアクライミングの手順 フロアクライミング方式では、クレーン本体に取り付けられ た昇降装置により、マストを固定してクレーン本体を昇降させ たり、逆にクレーン本体を固定してマストを昇降させたりして、 尺取り虫の要領でクレーンを持ち上げていく。 昇降装置は上部昇降フレーム、下部昇降フレーム、これらを つなぐ油圧シリンダーで構成されている。いずれの昇降フレー ムにもマストに固定するための油圧式ロックピンが備えられ、 以下の手順を繰り返すことでクレーン本体やマストを昇降させ ることができる ( 図 7 ー 3 ) 。 ノイイ
④この手順を繰り返してクレーンを小さくしていき、最後は もっとも小さな解体用特殊クレーンになる。 ⑤最後の解体用特殊クレーンは手作業で解体し、竣工したビル のエレベーターに載せて地上まで降ろす。 建物の外にマストがあるマストクライミング方式のタワーク レーンは、解体方法が少し異なる ( 図 7 ー 7 ) 。 クレーン本体は、クライミングのときとは逆に、マスト 1 本 分下降したら、上に突き出たマストをはずして吊り降ろすとい う手順を繰り返し、地上近くまで自力で降りてくる ( 逆クライ ミング ) 。最後に地上にある別のクレーンで解体する。 いずれにしても 1 つのクレーンは 3 ~ 4 日から長くても 10 日ほどで解体してしまうので、いつの間にか巨大なクレーンが 消えているため、不思議に思われるかもしれない。 ②上に突き出たマストを 自分で地上に降ろす ①クレーン本体下降 図 7 ー 7 タワークレーンの解体方法 ( マストクライミングの場合 ) ノ 52
③ ④ ーム 5 ⑥ ⑦ ⑨ ⑩ ② ①フックプロック ②ジプ ③ガイサポート ④巻上装置 ⑤起伏装置 ⑥運転室 ① ⑦旋回フレーム ⑧上部昇降フレ ⑨下部昇降フレーム ⑩マスト ⑩べース 図 7 ー 1 タワークレーンの構造 「フロアクライミング方式」がある ( 図 7 ー 2 ) 。 ノイ 2 ライミング方式である。 題点がある。それを解決するために考え出されたのがフロアク 壁にマストを支えるつなぎ材の孔を残してしまうことなどの問 くのは、超高層ビルの建設では非経済的であること、建物の外 グ方式が使われてきた。しかしマストをひたすら継ぎ足してい 霞が関ビル以前の高層ビルのクレーンは、マストクライミン レーン本体をクライミングさせていく ( 写真 7 ー 2 ) 。 て上に継ぎ足し、そのマストにそって、後述する昇降装置でク マストクライミングは、 4 ~ 6m のマストを自分で吊り揚げ
一 . よ韜唯 第 7 章超高層ビル建設の立役者タワークレーン マストを 継ぎ足し ていく べース を上階 に載せ 替えて いく マスト (a) マストクライミング方式 (b) フロアクライミング方式 図 7 ー 2 タワークレーンのクライミング方式 写真 7 ー 2 マストクライミング式 タワークレーン ノイ 3
第 7 章超高層ビル建設の立役者タワークレーン その後、油圧式クライミング装置が開発され、 KDDI ビル ( 1974 年 ) では吊り能力が 400tm に向上した。そして NEC 本社ビ ル ( 1990 年 ) や東京都本庁舎 ( 1991 年 ) では吊り能力 900tm となった ( 写真 7-1 ) 。そのタワークレーンの直径 2.4m のマス トには、エレベーターまで備わっていた。 さらに横浜のランドマークタワー ( 1993 年 ) や六本木ヒル ズ ( 2003 年 ) でのタワークレーンの吊り能力は 1500tm で、 霞が関ビルのクレーンのじつに 7.5 倍にもなる。 六本木ヒルズは、霞が関ビルの工期 ( 33 カ月 ) と比較して 床面積、階数ともに約 2 倍、したがって揚重量は 4 倍になるが、 工期はほば同じ 34 カ月だった。規模が大きくなっても工期が 初期の超高層ビルとほとんど変わっていない理由は、タワーク レーンの能力向上によるところが大きいのである。 ◎タワークレーンのしくみ タワークレーンは、地上またはビルの途中階にべースを固定 したマストの最頂部に、クレーン本体が固定されている。 クレーン本体後部に巻き上げ用と起伏用のウインチが装備さ れ、ワイヤーロープでジプの起伏と吊り荷の巻き上げを行う。 荷物を吊り揚げるときにジプ先端に下向きのカカ功日わるため、 クレーン全体のバランスを保つように、後部に重いものを配置 する構造となっている ( 次ページ図 7 ー 1 ) 。 タワークレーンはビルの建設が進むのに合わせて、クレーン 本体部分 ( 旋回する部分より上 ) を順次、上の階へ持ち上げて いく必要がある。これをクライミングという。 クライミングの方法には、建物にそってマストを設置して順 次上に継ぎ足してクレーンを昇らせる「マストクライミング方 式」と、尺取り虫のようにクレーン自体を上に迫り上げていく 7 イノ
第 7 章超高層ビル建設の立役者タワークレーン グ〃ノ をト クて定 ッれ固 ロ - 人に ッ ガイドローラ 上部昇降 フレーム 油圧シリンダー 下部昇降 フレーム マスト ①ロックピンを抜く ↑ 。②シリンダーを 伸ばして本体 を押し上げる ④シリンダーを 少し縮めて下 部フレームへ の荷重をなく す ⑤ロック ピンを ン入る ピをれ ⑦ ↑ 、・⑥下部昇降 フレーム を引き上 げる 図 7 ー 3 タワークレーンの昇降方法 ノイ 5
地震時の躯体とクレーンの揺れを グレーの線で示す。 図 7 ー 5 地震動による躯体 とクレーンの挙動解析例 しかし近年、建物とクレーンのバランス関係によっては、地震 時の共振などが原因で、クレーンが予想外の複雑な挙動を示す ことが分かってきた。 建物は工事が進むとともに質量も高さも増すため、振動特性 が変化する。タワークレーンも、設置位置や壁つなぎ位置が変 化していくため、多くのケースで検討が必要になる。 現在では、工事中の建物とタワークレーンの設置状況に応じ て、手軽に精度よく地震時の状態を評価できるシステムが開発 され、施工ステップごとに建物の揺れを考慮したタワークレー ンの挙動を評価し、状況を事前に詳しく把握できるようになっ た ( 図 7 ー 5 ) 。 近年では、新しい設計手法や高強度の鋼材によってクレーン 本体の軽量化が進み、基本的な耐震性が向上している。さらに、 マストの壁つなぎ部分で地震力を吸収する耐震機構の開発など も進められており、振り子式の制震装置を搭載したタワーク わ 0
第 1 1 章超高層マンション められている。この法律に基づき、各住宅の所有者が集まって マンション建物を管理・運営することになる。 その結果初期投資 ( イニシャルコスト ) だけでなく維持管理 費 ( ランニングコスト ) も厳しく制約される。そのため超高層 マンションでも、コストパフォーマンスにすぐれる鉄筋コンク リート造が採用され、またセントラル熱源や空調ではなく、戸 別に管理し運営できる設備で建設されているのである。 ◎スリムな超高層マンション かっての超高層マンションには、比較的ズングリしたプロ ポーションの建物が多かった。しかしここ数年、ずいぶんスレ ンダーになってきていることにお気づきだろうか。 40 ~ 50 階 超えとなり、さらに、かまほこ板のように極端に細長く平らで、 しかも高さが 150m 以上を超える建物まで出現している。 こうしたプロポーションが可能になった背景には、地震や風 による揺れを低減する対策など、鉄筋コンクリート造の超高層 建築についてのさまざまな技術開発の結果がある。 ◎ P ( a 工法のメリット これらの技術開発に合わせ、建物を造る工法も進化してきた。 とくにプレキャスト工法 ( PCa 工法 ) の進歩は、鉄筋コンクリー ト造のメリットをより高めているといってよいだろう。 一般に鉄筋コンクリート造の建物は現場で鉄筋を組み立て、 型枠を造ってコンクリートを流し込む。しかし超高層建築のよ うに繰り返しが多く、決まった形の鉄筋コンクリート部材を大 量に造るなら、現場ではなくエ場で大量生産し、現場に運んだ ほうが生産性がよい。これが PCa 工法である。 PCa 工法では、現場ではプラモデルを造るように、部材を 刀 5