全日本 ( 20 分持 ) では少し考えているとすぐ時間切れ負けが迫ってくるので、 早打ちも勝負のうちですが、 ( 40 分持 ) では時間を使うのも勝負のうち。 を右辺 A 打ち ( 迷ったら A 打ちは格言 ) すれば、黒は局面の主導権を握れた のでした ( ここで 1 分も考えて局面全体を見渡せば、右辺 A 打ちに目が行った 筈で、青木も後日それを認めています ) 。しかし、実戦では青木はノータイム でを左辺 B 打ち ( 一見好手に見える悪手 ) してしまい、以後はシェイマンの パワーのみが目立つ展開に。最後は痛烈な 3 連打を食ってしまいました。 一方、中島は昨日 ( 6 戦全勝 ) に続いてエンジン全開で出場。ノルウェー代 表がここ迄勝ち上って来たのは久しぶり ( 第 1 回決勝でノルウェーのチェス名 人トーマス・ヘイバーグが井上博と戦って以来のこと ) ですが、エンジン全開 の中島は、鎧袖一触でホグランドにストレート勝ち ! 1 局目 3 連打畿、 そして 2 局目は何と⑦・⑩ 4 連打を見事に決めた 1 本勝ち ! Ⅲ . 決勝 3 番勝負の内容と結果 ( 1999.10.30 、午後 ) 第 23 回世界オセロ選手権大会決勝の檜舞台に登場したのは、午前の準決勝に 勝った鉄腕・シェイマンと、調和の中島の東西の両横綱でした。シェイマンは 決勝進出 5 回目 ( 鬼神為則の 5 回と並んだ ) で、優勝 1 回の百戦錬磨のオセラ 。対する中島は、名人位 ( 史上最強のオセラーの稱号 ! ) を連覇した実績を 持っオセロ王国日本のエースで、初参加で初決勝進出。 或る事象の背後には、当事者の意志とは無関係な所で複雑な因果関係が潜ん でいるものです。シェイマンと中島は 10 月 30 日の午前の準決勝で当った筈で、 そうなったら多分中島が勝っていたでしよう。中島の大型工ンジンがフル回転 し出したのは 10 月 29 日の朝からで、当るべからざる勢いで唯 1 人全勝し、順位 も 7 位から一気にトップに躍進して予選通過、翌日 ( 10 月 30 日午前 ) もその勢 いで強豪ホグランド ( シェイマンではなかった ! ) 戦 3 番勝負も 1 本勝ち 2 連 勝でケリ。但し、早く終ってしまったので、午後 2 時迄昼食をはさんで 3 時間 近く待たされることになりました ! 一方、シェイマンは 3 番勝負をフルに戦い、特に後半 2 連勝して気勢大いに パワフル 右下は奇数ですから、偶数理論は X 打ちしてよいと教えていますが、大切な ・決勝第 1 局 ( 黒・シェイマン対中島 ) 、シェイマンの X 打ちのファインプレー 上り、鉄腕工ンジンフル回転の状態で決勝進出 ! パワフル 第 8 章群雄割拠の時代 ( 1992 ~ ] 999 ) 233
ンス人 ) が、日本語で「『オセロ大観 I 、Ⅱ』は全部読み、並べました」と 事もなげに言ったのには筆者もビックリ。世界チャンピオンの村上健氏が 「『オセロ大観 I 、Ⅱ』を全部読み並べるには、 2 年位かかるでしよう」と語っ たのを知っていたからです。 ☆ " 上位 4 人 " を目指し、 2 日で 1 3 局打つ予選リーグの激しい順位争い ! ( 参加国 15 ) 日本、イタリア、アメリカ、イギリス、フランス、イスラエル、 ベルギー、インドネシア、デンマーク、チェコ、オランダ、ノルウェー、オー ストラリア、マダガスカル、ロシア ( 以上、団体戦順位、日本が団体戦初優勝 ) ベスト 4 の推移 ( 選手 34 名の総合順位は各ラウンド毎にすぐ発表、 10.28 ~ 29 ) 順位第 1 局第 2 局第 3 局第 6 局第 7 局第 8 局第 9 局第 1 2 局第 1 3 局 青木青木青木青木中島 1 位柏原カスパールマルコーニマルコー 2 位マルコーニジュエムシルヴォラ中島シルヴォラホグランド中島中島シェイマン 3 位中島シルヴォラシェイマン青木ホグランドシェイマンホグランドシェイマン青木 4 位コルディー檀原青木シルヴォラシェイマン中島シェイマンホグランドホグランド ( 注 ) 予選最終順位 1 1 位 A. コルディー ( ベルギー ) 、 20 位 P. ジュエム ( フランス ) 、 9 位 A. シルヴ オラ ( イタリア ) 、 23 位柏原卓司 ( フランス ) 天下の世界の強豪相手に 14 才の少年チャンピオン青木和音が第 1 日目終了の 時点 ( 第 7 局 ) でトップに立った ! そこには 3 ヶ月前の少年チャンピオンか ら再度変身した 14 才の一流オセラー青木和音がありました。第 7 局では中島哲 也も破ったのです。 翌日も青木は快進撃、第 8 局でシルヴォラを破り、第 9 局ではシェイマンに も勝って依然としてトップでひた走り ! 「或は、ひょっとするとひょっとする かも知れませんね ( 14 才世界チャンピオンの新記録の実現 ) 」と控え室で土戸 啓三郎日本オセロ連盟専務理事は語りました。第 2 日目になってエンジン全開 になった中島は第 8 局シュライバーに勝ち、第 9 局ホグランドを破って 2 位に 躍進 ! 世界オセロ選手権大会の歴史の中で、初めて見る日本代表 2 人による 上位独占の出現です。この 2 人による上位独占は、第 9 、 10 、 11 、 12 局と続き ます。「明日は、きっと初の日本代表同士による決勝 3 番勝負になりますね。 そうなれば気楽です。どっちが勝ってもいい訳ですから」と土戸氏はにこやか にいいました。 228
" 中辺の横取り " 、 " X 打ち " 、・・☆打ち " は好手にも悪手にも化けるオセロの三 へんげ 大変化です。実戦 ( 1 図 ) は、シェイマンが形に惚れて打った中辺の横取り へんげ ですが、それが読みの裏づけのない変化なのを見破った中島の目はキラリと光 りました。しかし、調和の中島は血気の中島ではありません。変化をすぐ攻め ることはせず、ます自陣を固めるのが先と A 打ち ! この悠揚迫らぬ堂々た る打ち方は流石第十世名人の貫禄です。 2 図 ( 実戦 ) とⅢ図 ( 正解 ) とを比較してください。 2 図では白番、Ⅲ図で は黒番になっています。オセロではこの 1 手差が実は天地の差なのです。実戦 こから一気に黒有利に傾いて行きました。最後は、⑩と連打で決めて は、 黒の圧勝 ! 1 局目の大借りを全部返したうえで、なおおつりが出た大戦果で 0 ■決勝第 3 局 ( 黒・中島対シェイマン ) 、痛恨 ! 打たなかった ( 打てなかった ) X 打ち ! ! ついに勝負は第 3 局に持ち込まれました。この 1 局ですべてが決まる ( 引き 分けなら中島優勝 ) 。 2 局迄の石数に勝る中島に本局の石の選択権があり選ん だのは里 工ンジン全開の両雄の読み、勘は素晴しく双方一歩も引かず好手、妙手の応 酬で期待通りの大熱戦となり、形勢全く互角のまま終盤戦に突入 ( 原図Ⅲ ) 。 実戦はから猛攻・好防の見事なつばぜり合いを続けて原図Ⅲ、 ーこで打っ た黒 B が悪手 ( 6 石損、正解は右下 x 打ち ) で敗着。悪手は悪手を呼ぶといい ますが、続いて打ったの ( 22 石損、正解は左辺 A ) も大悪手で、白からの痛烈 な 3 連打⑩を食うハメになってしまいました。 調和の中島が何故 X 打ちを打たなかったのか ? オセロの X 打ちの謎は深 ー図 ( 正解 ) 打たなかった ( 打てな 決勝第 3 局 Ⅱ図 ( 正解手順 ) かった ) 幻の X 打ち ! 原図Ⅲは ? 黒 32 ー 32 白 〇〇〇〇〇 〇〇〇〇〇 〇〇〇〇・〇 〇〇〇〇・〇 〇・〇〇〇 〇・〇〇〇・・〇 ・〇 〇〇・〇・〇・〇 〇〇・〇・〇・〇 〇〇〇〇 〇〇〇〇・・〇〇 A 〇・〇・〇〇〇 〇〇〇 〇〇〇 〇 〇 235 群雄割拠の時代 ( 1 992 ~ 1999 ) 第 8 章
第 1 9 期オセロ名人戦 4 番勝負 ( 1998.4.5 、埼玉県加須市 ) 持時間各 30 分 1 2 52 12 3 31 33 黒 4 27 37 第 1 局 秒読みなし ! 名人 中島哲也 挑戦者 滝沢雅樹 【虎 2 】 43 21 黒 第 2 局 勝負 2 2 2 2 【虎 2 】 石計結果 153 判定勝 103 第 3 局 【虎 2 】 ⑩ 3 〇・⑥ ・① ( 2 ⑨① ⑩⑩⑩塾の 滝沢 21 ー 43 中島 ⑩@⑤④ 2 ⑧⑨ ⑨⑩⑩ 0 ◎①⑦新 ⑩① 6 〇・⑥囮 ( 的⑩④②⑨⑦ の⑩⑩⑩①靍 中島 52 ー 12 滝沢 ⑩⑩③◎⑩⑧⑨⑩ 0 ◎①⑦⑩ ⑩⑩ 3 〇・⑥① ⑦塾 ( 靍 ( ⑩ 滝沢 33 ー 31 中島 ⑩⑤◎⑨◎⑩@ 2 ⑨⑩ 0 ◎①回新 ■先行逃げ切りで、中島名人防衛成功 ! 「大勝負に名局なし」とよくいわれていますが、裏 を返せば、それだけ大勝負にはプレッシャーがかか っているということです。。オセロとは、好手を打 って勝つよりむしろ悪手を打って負けるゲームな り " という格言は生きています。 好局だった第 1 局を失って、背水の陣の心境で臨 んだ第 2 局では、巧みな打ち廻しで白 ( 滝沢 ) は優 勢を築いたのでした ( 次ページ、原図 ) 。原図から の正解手順を示しましたが白が勝っていました。 ☆第 2 局のこの局面 ( 原図 ) から突如事件が起った ! 第 4 局 【兎 1 】 囮⑩〇・④④ ⑩ 3 ・〇① ⑥②⑨⑧② 靍⑩① 2 の⑩ 中島 27 ー 37 滝沢 実戦では、原図 ( 次ページ ) の局面から、滝沢挑戦者 ( 白 ) は突然信じられ ない乱れ方をしました。実戦は 10 石損の敗着 ( 正解は白 (l) 、 6 石損 ( 正 解は a5 ) 、 16 石損 ( 正解は a3 ) 、 8 石損 ( 正解は a3 ) 、⑩ 2 石損 ( 正解は b7 ) 、⑩ 4 石損 ( 正解は b7 ) と、白は悪手を連発して 40 石の大差負け ! も 162
I . 決勝トーナメント全 8 局 ( 左の選手名が先番 ) 決勝第 1 局 俿 1 】 決勝第 2 局 【虎 2 】 決勝第 3 局 【虎 2 】 ⑩⑨ ( 砂 ⑦⑧ 3 ④①⑩ ⑦⑦・〇① 囮の⑩ 2 ⑩①⑩ シェイマン 47 ー 1 7 中島 準決勝第 1 局件 ( ョット避け ) 】 砂の⑦⑥蟹 囮⑩〇・①⑩ 6 ・〇①⑧⑩ ④ 3 ② シェイマン 22 ー 42 青木 ⑩⑤◎ 0 ◎⑩⑩ ⑨⑩①⑩⑩@ ⑩⑩ 3 ④⑩⑩④⑩ ⑩・〇①⑧⑩ 2 ⑨⑦⑩ 中島 54 ー 10 シェイマン 【虎 1 】 準決勝第 2 局 ⑧ 3 ④⑩ 2 ⑩ 塾⑩⑤〇・⑥ ⑩⑦・〇①蟹田 青木 1 1 ー 53 シェイマン ⑦⑩⑤◎ 0 ◎⑩@ ⑩⑩⑨⑩⑦⑩⑩⑩ 3 ④⑩①④ ⑩・〇①⑧ ⑩ 2 ⑨⑦囮 2 中島 1 8 ー 46 シェイマン 【虎 2 】 準決勝第 3 局 ( ⑩塾 3 ④⑩① ⑤〇・⑥⑩⑩ ⑩・〇①⑧⑦ 靍 2 ⑨⑦⑩の 青木 1 5 ー 49 シェイマン ⑨②⑤◎ 0 ◎⑩⑩ ⑩⑩ 2 ⑩⑦⑦ 【虎 2 】 準決勝第 1 局 3 ④⑩⑩囮① 6 〇・⑥⑩ ④塾② ) ⑨⑦④ 2 ホグランド 18 ー⑩中島 ⑩⑩⑩国⑩ 0 ◎①◎⑩ 【虎 9 】 準決勝第 2 局 ⑩⑩④ 塾 3 〇・⑥紐 ) の⑩ 2 ⑩⑧① 2 ⑨囮靍 ( ⑩ 中島ー 14 ホグランド ⑨⑦⑦⑩@⑩⑩ ⑨⑤ 0 ◎①⑩⑩ Ⅱ . 準決勝 3 番勝負の内容と結果 ( 1999.10.30 、午前 ) 青木は技量でも体力でもシェイマンに一歩も引けを取らすに善戦健闘、勝負 は第 3 局に持ち越されましたが、 232 こで青木の経験不足が出てしまいました。
☆鉄は熱いうちに打て ! 情勢の変化、苦難の道 ! 世界の祭典オリンピックとは、アマチュアの競技で、そこで与えられるのは 名誉であってお金ではありません。優勝者は世界一という名誉に満足し、その あかし 証となる金メダルも表面を金メッキしたものです。オリンピック発祥の地は古 代ギリシャです。現在オリンピックは、 4 年に 1 回、各国持回りで開催されて います。 オセロの発祥の地は日本。オセロのオリンピック・世界オセロ選手権大会は その第 1 回が日本で開催され、以後毎年世界各国持回りで開催されています。 つか " 鉄は熱いうちに打て ! " といいますが、絶好のチャンスを擱んだ実力者のみ つか が日本一、世界一になっています。逆に絶好のチャンスをみそこねた実力者 ( 準優勝者 ) に再び絶好のチャンス ( 決勝進出 ) が巡って来た例は何故か皆無 に近い。全日本 2 位の下原章憲、山下和秀、高崎禎夫、太田彰一、北島秀樹、 片山雄二・・・・・・等の名選手、世界 2 位の三村達也、谷口良一、世界 4 位の滝沢信 行等の全日本チャンピオン達の場合も同じ。 上記のように、村上健が全日本 2 位になったのが 1987 年。怪カ村上健が再度 全日本決勝の大舞台に登場したのが何と 9 年後の 1996 年 31 才の時です。その間 毎年名人戦や全日本選手権大会にも出場し続けましたが、目立った活躍もなく、 1 年、又 1 年と過ぎていきました。情勢は変化し、若手の台頭も著しく、社会 人としての仕事も忙しくなる一方という環境の中でも怪カ村上健はいつも全力 で戦ってきましたがよい結果はでません。全日本オセロ選手権では、前年 ( 1995 年夏 ) は神奈川代表、 31 才の橋本康訓に予選リーグで敗れ、前々年 ( 1994 年夏 ) も同様 ( 予選 B リーグで静岡代表の大学生・小塚勝彦三段に敗れ る ) 、前々々年 ( 1993 年夏 ) も同様 ( 予選 N リーグで初出場の関西代表の大学 。どんな社会でも、日本一、世界一になった者 院生・福井誠二に敗れる ) ・ ・オリンピック女子マラソン がそれを維持するのは大変なことです。シドニ で見事優勝した高橋尚子でさえ、次のアテネ・オリンピックの日本代表 3 人の 中に入れませんでした。まして、シドニーで高橋尚子と一緒に走った他の 2 人 の女子選手の名を覚えている人は殆どいないでしよう。村上健も第 2 位だけの 己録で終るのか ? 一三ロ 192
第 14 回全日本オセロ決勝 ☆第 1 4 回全日本決勝ー新星・為則初栄冠に輝く ! ( 1986.7.27 ) 【闘牛】 時代は確実に変わってきています。世界チャンピ オンの滝沢雅樹七段、名人位 3 連覇中の石井名人も 共に準々決勝で姿を消し、決勝初進出は 22 才 ( 片山 ) ⑩⑩ 2 ④囮 と 17 才 ( 為則 ) 、べテランと新鋭、年齢的には昨年 ・〇①⑥⑩ と同じ組み合わせとなりました。 ②④ 3 ②⑦⑩ 闘牛定石は 5 手目で早くもポックスを飛び出して 塾⑤⑧①⑩ 行く戦いの定石で、⑤で敢然と闘牛定石を選んだ黒 黒為則英司 ( 関西 ) 41 ( 為則 ) はそこから猛然と怒濤の寄り身、たちまち 白片山雄ニ ( 神奈川 ) 23 土俵際まで追いつめられた白は俵を伝いながら防戦 に努めましたがついに寄り切られました。 高校 2 年の新チャンピオンの誕生 ! そして、当然のように、為則は秋の世 界選手権で初優勝 ! 無差別の部入賞者 ( 21 ) 1 為則英司 ( 1 7 ) 5 石井健一 ( 21 ) 2 片山雄ニ ( 22 ) 6 滝沢雅樹 ( 21 ) 3 谷口良一 ( 19 ) 7 保坂明 ( 22 ) 4 大和久道夫 ( 31 ) 8 北島正人 片山雄ニ ( 左 ) と為則英司 ( 優勝 ) ☆第 1 5 回全日本決勝一石井七段 2 度目の優勝 午後の 16 人によるトーナメントに出場するには、午前 3 連勝 ( 16 の各リーグ 優勝 ) が条件。世界チャンピオン為則は新人・橋中宏明 ( 23 才、東京 ) に敗れ、 片山雄二も滝沢雅樹に敗れて、早くも失格という厳しさ。 結局、決勝に進出したのは、午後のトーナメントで、坂口和大 ( 19 才 ) 、滝 沢雅樹 ( 22 才 ) 、後藤昭彦 ( 18 才 ) という強豪を打ち負かした石井健一 ( 2 度 目 ) と、橋中宏明を大差 ( 50 ー 14 ) で破り、続いて亀本修 ( 20 才 ) 、谷田邦彦 ( 20 才 ) という若手大物を破った村上健 ( 22 才、大学 4 年、初進出 ) 。決勝とい う大舞台での初対決といっても石井は既にタイトル獲得 5 回の大べテラン、村 上はまだ無冠だがそれは過去のこと。現時点で日本最強のオセラーは誰かを決 めるのが全日本で、村上は、現役の世界チャンピオン・為則を破った橋本に 1 ⑦⑩⑦⑨⑩⑨ 第をー 128
打ちを敢行 ! これに対し安易に⑩と☆打ちし 決勝 1 番勝負 俿 2 】 a b c d e f g h たのが悪手 ( 2 石損、正解は b7 の x 打ち ) 、悪手 は悪手を呼ぶといいますが、初タイトルを目前に 2 ①⑩⑩⑦ した過度の緊張感からか、こから白の着手は乱 3 ④ 3 ④⑧ れました。も悪手 ( 6 石損、正解は e 1) 、続い 4 2 ⑩⑤〇・⑥ 5 ⑩・〇① て⑩も悪手 ( 5 石損、正解は e 1) でもう形勢は 6 ②②⑨⑦⑩ 1 石差。そして又々が悪手 ( 3 石損、正解は g 7 ⑩⑩①⑩① 2 の X 打ち ) で、さしもの白の好局も、ついにこ 8 ・⑩⑩⑩ 村上健 33 ー 3 1 中島哲也 こで逆転 ! ( この部分は「第 2 章」 35 ページで詳 述 ) 。 準決勝【牛 ( 快速船 ) 】 準決勝 【虎 2 】 準々決勝 【兎 1 】 蟹⑦⑥⑨の 3 ④①⑩囮の ⑩〇・⑩田 ⑩ 6 〇・⑥塾⑩ 2 ⑩⑩〇・④⑩ ⑩⑤・〇①⑧ ④・〇①⑧ 塾 3 ・〇① 塾①④ 3 ② ⑦ 2 ⑨⑦蟹 ②④⑥ 2 ⑨⑧ 村上健 48 ー 1 6 坂口和大 中島哲也 32 ー 32 金田繁 末國誠 27 ー 37 金田繁 黒・中島の引き分け勝ち ☆日本一易しい詰オセロ。問題 I ( 準決勝、中島哲也対金田繁 ) 問題準決勝、中島対金田 ) ( 正解手順 ) 黒 31 石ー白 33 石 白番次の 1 手は ? ①はブラボーの X 打ち ! 〇〇〇〇〇〇①〇 〇〇〇〇〇〇・〇 〇〇〇〇〇〇・ 〇〇〇〇〇〇・② 第 8 章群雄割拠の時代 ( ] 992 ~ 1999 ) 213 ◎ 000 ◎◎◎ 0 ◎ 0 ◎ 0 ◎◎ 0 ・ ◎ 0 ◎◎ 00 ◎◎ ◎◎ 0000 ◎◎ 000000 ◎◎
決勝第 1 局 ( 実戦 ) 中盤戦、シェイマンが放ったホ のはそのタイミングです。 原図ーは ? ワイトライン通しの X 打ち ! シェイマンの打った X 打 ちは、絶妙のタイミン グ ! 形勢は互角でこれ 〇〇・〇〇〇 〇〇・・〇〇 からはカ比べになりまし 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇・〇〇〇 。 ( 4 石損、 C 〇〇・・〇〇〇 〇〇・・〇・〇 なら引き分け ) 、 ( 2 〇〇〇〇〇 〇〇〇〇〇 〇〇〇〇 〇〇〇〇 石損、 C 1 なら 4 石リー ド ) 、そして⑩ ( 22 石損 の大悪手。正解は左下 X 打ち ) 、すかさすの ( プラックライン通しの絶好の X 打ち ! ) と打たれて白アウト ! 最後は⑦ ~ ⑩の黒の 4 連打が痛烈 ! ー決勝第 2 局 ( 黒・中島対シェイマン ) 、冲辺の横取り " を見て中島の目がキラリと光る ! 決勝第 2 局 1 図 ( 実戦 ) 中辺の横取り ! 中島 2 図 ( 実戦 ) 調和の中島の 原図Ⅱは ? の目がキラリと光った ! ! 悠然たる A 打ち ! 〇〇〇・〇 〇〇〇〇〇 Ⅱ図 ( 正解 ) 白壁を破らず、 Ⅲ図 ( 正解 ) そこで中辺の 横取り。形勢全く互角 黒も A 打ちして手待ち 00000000 ■■ 000000 00000000 ■ 0000000 ⑩ 000 ◎◎ 00 - 0000 ◎◎ 00 00000 ◎◎ 0 ■ 0000 ◎◎ 0 00000000 ■■■ 00000 00000000 00000000 ⑩ 000 ◎◎ 00 00000 ◎◎ 0 0000 ◎◎ 00 000 ◎◎◎ 00 000 ■ 0000 00 ◎ 00000 ■■■ 00000 8888 00000000 、 0000 ◎◎ 00 ・ 0 ◎ 000 ◎◎ 0 ・ 0 ◎ 0 ◎ 0 ◎ 0 ◎ 。■ 000 ◎◎ 00 」 000 ◎◎◎ 00 〇〇〇〇〇 ー図 ( 正解 ) まず A 打ち 〇・〇・〇〇 234
第 8 章 群雄割拠の時代 ( 1992 ~ 1999 ) 手塚博久 21 滝沢信行為則英司 17 デビッド・ 中島哲也 22 滝沢雅樹駒方真之 18 滝沢雅樹 手塚博久 21 末國誠 中島哲也 22 村上健 20 世紀最後の 8 年間 ( 群雄割拠の時代 ) のオセロチャンピオン一覧 西暦 1992 93 94 95 96 97 98 99 名人位決定戦 ( 期 ) 名人 全日本選手権大会 ( 回 ) チャンピオン 世界選手権大会 ( 回 ) チャンピオン 2 位 敗者 17 滝沢雅樹坂口和大 24 村上健 18 中島哲也滝沢雅樹 25 末國誠 19 中島哲也滝沢雅樹 26 村上健 2 位 13 手塚博久滝沢雅樹 20 坂口和大為則英司 16 マーク・タステ D. シェイマン 23 為則英司坂口和大 19 為則英司 末國誠 14 末國誠 15 末國誠 16 坂口和大末國誠 20 冨永健太中島哲也 27 冨永健太滝沢雅樹 23 デビッド・ ( フランス ) シェイマン 20 村上健 シェイマン ( イギリス ) E. カスパール ( フランス ) K. フェルドボーグ ( デンマーク ) D. シェイマン ( オランダ ) S. ニコレ ( フランス ) G. ブライトウゴレ ( イギリス ) E. カスパール ( フランス ) 中島哲也 ☆劇的な変化とその原因 の時代に入りました。そのきっかけを作ったのは、第 7 章の終りに述べました とにかく、上記一覧表のように、オセロ界は 1992 年から突如として群雄割拠 の解明は単純ではないのが一般的です。 ・・風が吹けば桶屋が儲かる " 式の複雑な因果関係があって、原因とその結果と へ。関ヶ原の戦→豊臣秀頼から徳川家康へ」等は明快ですが、現実にはそこに 「本能寺の変→織田信長から明智光秀へ。天王山の戦→明智光秀から羽柴秀吉 が、若い 2 人の大学生、手塚博久、金田繁でした。 第 8 章群雄割拠の時代 ( 1 992 ~ 1999 ) 143