が、船外活動用の宇宙服だ。 「これだけで小さな『宇宙船』です」と、字宙航空研究開発機構の山方健士・有人宇宙技術部開 発員は説明する。 シャトル乗員が離着陸時に着るオレンジの宇宙服は、万一の場合に人体に必要な気圧の確保が 目的なのに対し、船外活動用は独立して行動できる機能が必要で、構造は複雑だ。字宙空間で目 立つよう白色をしている 重さは約 120 キロ。ほば、お相撲さん 1 人分だ。重力のある地上だったら、とても立っては いられない。そのうちキロ分を、大きなランドセルのような背中の生命維持装置が占める。酸 素タンク、呼気中の一一酸化炭素や水分を除く装置、電池などから成る。 飛行士が身一つで出る宇宙空間は、ほば真空で、日が当たると 120 度、地球の陰に入ると零 識下 150 度。シャトルなどの周回軌道では、この二つの状態が約菊分ごとに繰り返される。字宙 の線 ( 放射線 ) も飛び交う。 ひとえ こうした環境から飛行士を守る「服は、十二単どころか層構造。一番下に着る冷却下着 宙 「 ( 3 層 ) には延長メートルのチュープが巡り、冷却水が循環して、状況に応じて服内を適温に 章保つ。その上に気密層 ( 2 層 ) 、さらにその上に耐熱と、微小隕石や宇宙線からの保護層 ( 9 6 第層 ) が重なる。各層は断熱材やゴアテックス、ケプラーなどの化学素材でできている。 やまがたけんじ 3 2
食品素材科学研究領域長。デンプンの構造が崩れやすく、独特の「粘り気」につながるようだ。 うるちの胚乳が淡い半透明になっているのに対し、もちの胚乳は白く不透明なので肉眼的にも識 別できる 遺伝は、うるちか優性。もち米の稲でも、うるちの花粉がつくと、種子である米は、うるち米 になる。もち米にうるち米が混じると、ブップッした食感になってしまう。このため、田んばの 一画にもち米を植える栽培法が減り、もち米の特産地化 ( 佐賀県など ) が進んだ。戦後間もない ころには万ヘクタールあった栽培面積も、現在は 9 万ヘクタールほど。わが国の米全体からす れば、その生産高は 355 % に過ぎない。うるち同様、もち米にもコガネモチ、オトメモチ、新 はぶたえもち 羽二重糯など、数十の品種がある。もち米を原料にした清酒もっくられている 最近は、アミロース含量が、もち米と一般的なうるち米の中間である低アミロ 1 ス米 ( 半も ち ) の生産が増えている。もち米は蒸す必要があるが、半もちは、うるち米とまぜてふつうに炊 。このため、弁当やお握り用に需要が高まっている。 け、冷めても硬くなりにくい 「もちーの性質は、米の二大タイプであるジャポニカ ( 日本型 ) にも、インディカ ( インド型 ) にも見られる。米とともに三大穀物である小麦にもトウモロコシにも、さらに大麦やアワなど、 ィネ科の作物に広く見られる にもかかわらす、「もちの食文化を持っているのは、東南アジアや太平洋諸島などに限られま