体 - みる会図書館


検索対象: 今さら聞けない科学の常識
301件見つかりました。

1. 今さら聞けない科学の常識

に弱い電流を流して「抵抗」を測り、それから正確な値を推定する「生体インピーダンス法」が 実用化されて、状況は一変、家庭向けの体重計でも、体脂肪を測り、体脂肪率を計算できるタイ プが普及してきた。タニタが開発し、 1994 年に発売したのが最初だ。 こうした体重計に乗ると、腑に落ちないことがある。風呂上がりやジョギングの後には、体重 が減っているのに、体脂肪率は逆に数ポイント上昇することだ。 ど、つしてだろ、つ ? 人間の体は脂肪組織 ( いわゆる体脂肪 ) と、それ以外の組織 ( 除脂肪組織 ) に分けられる。除 脂肪組織は、たんばく質や糖質、ミネラル、水分などから成る。水分などは運動で簡単に汗にな り、体重は減る。だが、体脂肪はなかなか変化しない。体脂肪率は、体脂肪量 + 体重 x 100 で 常求められるから、体脂肪が減らずに体重だけ少なくなれば、体脂肪率は上がってしまう。 日本体育大学の大野誠教授 ( 健康科学 ) は「体脂肪は 1 回の運動で減るものではない。運動で 体重が減ったと喜んでも、実は体脂肪は全然減っていない , と説明する 体人間の脂肪 1 キロは、約 7200 キロカロリーに相当する。フルマラソンでも消費するエネル 身 ギーはたったの 2400 キロカロリ 1 程度。計算上、体脂肪を 1 キロ減らすのに、マラソンを 3 章回も走らなければならない 第人類が飽食の時代になったのは、進化の歴史から見れば、ごく最近だ。もとは飢えに備えて、

2. 今さら聞けない科学の常識

生きるエネルギーをため込むようにできている。「筋肉が多いと、多くのエネルギーが必要。飢 えないようにするために使わない筋肉が減り、体脂肪は温存されるようにできている」と大野さ んはいう 体脂肪が多すぎると、なぜ健康によくないのか。理由がわかってきたのは割と最近だ。 川年ほど前、体脂肪からさまざまな生理活性物質が出ていることが明らかになった。それが血 圧を上げたり、血液をどろどろにしたり、インスリンの効き目を悪くさせたりする。高血圧や動 脈硬化、糖尿病に発展する恐れが出てくる。「ウエストがきつくなったらイエローカード」。体脂 肪警戒の合い言葉だ もっとも、体脂肪率が低ければよいのかというとそうではない。低いと、筋力や体温の低下を 招きやすいし、とくに女性の場合はホルモンバランスが崩れる危険がっきまとう。 国際的な基準はまだっくられていないが、男性なら「 55 0 、 2 % 」女性なら「 5 % 」にお さまっていれば、ひとます大丈夫なようだ。

3. 今さら聞けない科学の常識

体脂肪 ゲルハンス島の細胞から出るインスリンだけしかない。「人類の歴史はすっと飢餓との闘い。下 げる必要がなかったからではないかーと野田さん。余分な栄養をため込むなどということは、そ もそも生物の体にとっては想定外なのだろう。 インスリンが十分に出なくなったり、細胞が糖をうまく取り込めなくなったりすると血糖値が 高いままになる。これが糖尿病だ。 血糖値が高いと血管壁のたんばく質がブドウ糖とくつついて、じわじわと壁がもろくなる。こ れが脳卒中や心臓病を起こす。網膜の血管がだめになれば視力が下がり失明することもある。腎 臓の血管がやられれば、ついには人工透析が必要なことも。糖尿病が恐ろしいゆえんである 大や猫にも糖尿病が増えている。日本獣医生命科学大の左向敏紀助教授によると、引き金は妊 娠や肥満、ストレスなど。「人間と同じ。現代病です」。 1 キロ減らすにはマラソン 3 回分 肥満の度合いを知るには良い指標になる体脂肪率。従来はめんどうな方法しかなかったが、体 さこ、つとしのり

4. 今さら聞けない科学の常識

体内の水素を画像化、異変キャッチ — ( 磁気共鳴断層撮影〕マグネティック・レゾナンス・イメ 1 ジング ) は、病院の検査で おなじみになった。これまでの方法では発見が難しかった小さながんや大出血につながりかねな けっしゅ い血腫が、この装置の普及によって見つけ出せるようになってきた。 台の上に横たわり、ドーナッ形の穴の中に身を置くと、強力な磁場に包まれる。同時に、検査 したい体の部分に電磁波をあてる。すると、人体を輪切りにした画像が映し出される。 狭いすき間に体を入れて撮影する点では >•< 線 ( コンピューター断層撮影法 ) と似ている が、しくみはまったく違う。 oe の場合、体を透過した >< 線をもとに画像ができる。は体 内の水素原子に磁場の中で電磁波をあて、「核磁気共鳴ー ()* 〕ニュ 1 クリア・マグネティッ ク・レゾナンス ) という現象を起こし、その信号をもとに画像をつくる。検査中、磁場をつくる ひばく コイルの騒音が大きいが、放射線による被曝はない。 せきすい 画像では、共鳴を起こした水素原子を含む水分が白っほく写る。骨に囲まれた脳や脊髄

5. 今さら聞けない科学の常識

4 c こ口 ク・電子 ′ O イレンジ 常事光 よ設 0 X ・レントゲン 3um 遠赤外線 産業分野で主に 利用される領域材 m ー遠赤外線を利用した商品 基準を満たしたもの には、認定マークが ついているよ ! 遠赤外線協会 認定 2.5um 。、電気こたっ , ・ 塹三一 遠赤外線はこたつやオ 1 プンなどのほかに下着にも 利用されている。遠赤下着 は、遠赤外線を出しやすい セラミックの微粒子を繊維 に練り込んだり、コ 1 ティ ングしたりして作られる 人の体が出す熱を肌着のセ ラミックか吸収し、その熱 を再び遠赤外線領域の電磁 油波として放出する。肌着と 体の間で熱のキャッチボ 1 ルが行われてだんだん温ま る仕組み。この場合のエネ ルギー源は自分自身の体の 電気ストーブ ガスグリル ノ 0 /

6. 今さら聞けない科学の常識

第 8 章「げ」の常識 HDD の小型化と記録密度向上の歴史 ( 日立 GST の資料から作製 ) 大型コンピューター ( ギガビット / 平方 24 14 ディスクの大きさ 8 O Q イチ 体 み磁 ル込ド イきッ 2.5 ; ン 度 録 巧 浦 55 年 65 読み取り ヘッド N ~ S N S S 水平磁気記録方式垂直磁気記録方式 コイル 書き込み ヘッド 磁性体 読み取り ヘッド を 0 年分 ) の製品もある。 1 ・ 8 インチや 1 インチの 超小型ディスクは携帯電話 やビデオカメラなどに使わ れ、「 2 0 0 5 年は、家電 用が全体の % 。まだ増え るー ( 矢野経済研究所の忌 部佳史研究員 ) 。 ホ材は、 3 ・ 5 インチは アルミニウム、それより小 さなものは主に強化ガラス で、表面に磁性体が塗って ある。 z 極 (-•o 極、 z 極極 と順番に並んでおり、これ を変化させて、並び方が逆 転していると 1 、そのまま

7. 今さら聞けない科学の常識

体動かす源、増えると血管もろく 血糖といえば糖尿病。知らない間に体をむしばむ悪者の印象があるが、そもそも私たちは糖が なければ生きられない。「血糖は体を動かしたり考えたりする大事なエネルギー源。車でいえば ガソリンのようなもの」と国立国際医療センタ 1 の野田光彦・臨床検査部長は話す。 糖の正体は主にブドウ糖。ごはんなどの炭水化物が唾液や腸で分解されてできる。ブドウ糖は 小腸で吸収されて肝臓経由で血流に乗り、全身の細胞に回る。食事をとると血液中のブドウ糖濃 度、つまり血糖値が高まるのはこのためだ。 ブドウ糖は砂糖に似て甘い。健康な人の血液中の糖濃度はモモの約 100 分の 1 という。 血液中のブドウ糖は、細胞に取り込まれた後、代謝 ( 主に酸化 ) され、エネルギーになる。 しかし、かなりの割合が肝臓や筋肉に、ブドウ糖がつながったグリコーゲンや脂肪としてため 込まれる。食事をしないと血糖値が下がり、ため込んだものがブドウ糖に戻され、血液中に供給 される。いわばグリコーゲンや脂肪は天引き貯金で、収入に応じて出し入れしている ー 3

8. 今さら聞けない科学の常識

のは第 0 第与 群体 褐虫藻 触手 ( プランクトンをつかまえる ),s 造礁サンゴの特徴は、体 かっちゅうそう 内に「褐虫藻」という直径 0 ・ 01 ミリほどの単細胞 の藻類が共生していること だ。触手で捕まえたプラン クトンなども食べるが、褐 虫藻が光合成でつくった養 分をもら 0 て生きている 一方、褐虫藻は、サンゴの 消阿 老廃物を養分にしている 糸を供 「褐虫藻は、サンゴの食料 はいせつ 生産と排泄物処理を同時に 行ってくれる存在ーと本川 達雄・東エ大教授はいう。 ところが近年、サンゴか ら褐虫藻が抜けて白っほく 骨格

9. 今さら聞けない科学の常識

震源遠いほど減少、 5 、 7 で被害 マグニチュードと異なり、震度というのは、ある場所における揺れの強さを示す。日本では、 気象庁震度階級というわが国独自の基準が使われている。米国や韓国では改正メルカリ震度階 級、ヨーロッパ各国ではヨーロッパ震度階級 ( co ) 、ロシアやインドでは震度階級と いういずれも肥階級の震度が使われるなど、各国まちまちで、統一した国際基準はない。 気象庁の震度は、明治時代に、微震、弱震、強震、烈震の 4 段階区分で始まったが、戦後すぐ に震度 0 から 7 までの 8 階級になった。揺れが強くなるほど数字が大きくなる。震度 0 の揺れは 体に感じられないほどかすか。それ以上になると体に感じる「有感地震」となる。おおよそ震度 5 から被害が出始める 1996 年から震度 5 と震度 6 は、さらに「強と「弱」に分けられ、階級が川段階になっ もともとは、「規模 , 「膨大 , 「事の重要性、といった意味の英語の一般名詞星の光度、等級 なども英語では「マグニチュード」という

10. 今さら聞けない科学の常識

体内に藻共生、動物なのに光合成 沖縄県・慶良間諸島の海が 2005 年、日本のサンゴ礁で初のラムサール条約登録地になっ サンゴ礁をつくるのは、温暖で浅い海を好む「造礁サンゴ」。主に深海に生えていて磨くと美 しく輝く「宝石サンゴーとは別のグループだ。 サンゴはかって、植物だと考えられていた。実際には刺胞動物で、イソギンチャクのような姿 識の「ポリプ , が硬い骨格を共有し、樹木状やテープル状の「群体、を形づくっている。ポリプが の無性生殖で自分の分身を増やし、群体は大きくなる。 夜の海で、サンゴから小さな粒が一斉に放出される現象が「サンゴの産卵としてよく紹介さ らん たまご 生 れる。しかし、その粒は、大半の種では「卵」ではなく、精子と卵が一緒に入ったカプセルだ。 章カプセルが海中で割れ、別の個体の精子と卵が受精する。生まれた幼生は変身し、新たなポリプ 7 第となる。 2