第 7 章「生物」の常識 ミトコンドリアの働き 胃腸 脂質ブドウ糖 血液 レーザー蛍光顕微鏡で見た ミトコンドリア。中央の核の 周りを糸状に囲んでいる ( 太田成男・日本医大教授提供リ ァミノ酸 ァミノ酸 太田教授によると、 5 0 7 グラムのエネルギ 料が 材肪へ ーは 7 ・ 3 キロカロリーと の脂ア 胞 細 いう。あまった脂質や糖分 ギるノ ルす h ネ足ト質脂一は脂肪細胞にたまる。逆 工不ミ糖 たと っ質 に、エネルギーが不足した 余脂 時には脂肪が燃やされる しい面ばかりではない。 リ ~ ド ン ミトコンドリアの活動にと コ ト もなって電子が細胞の外に 漏れると、周りの酸素に取 り込まれて活性酸素ができ る な てしまう。活性酸素は老化 一や生活習慣病にかかわって 一いるとされる。 また、ミトコンドリア ATP
に弱い電流を流して「抵抗」を測り、それから正確な値を推定する「生体インピーダンス法」が 実用化されて、状況は一変、家庭向けの体重計でも、体脂肪を測り、体脂肪率を計算できるタイ プが普及してきた。タニタが開発し、 1994 年に発売したのが最初だ。 こうした体重計に乗ると、腑に落ちないことがある。風呂上がりやジョギングの後には、体重 が減っているのに、体脂肪率は逆に数ポイント上昇することだ。 ど、つしてだろ、つ ? 人間の体は脂肪組織 ( いわゆる体脂肪 ) と、それ以外の組織 ( 除脂肪組織 ) に分けられる。除 脂肪組織は、たんばく質や糖質、ミネラル、水分などから成る。水分などは運動で簡単に汗にな り、体重は減る。だが、体脂肪はなかなか変化しない。体脂肪率は、体脂肪量 + 体重 x 100 で 常求められるから、体脂肪が減らずに体重だけ少なくなれば、体脂肪率は上がってしまう。 日本体育大学の大野誠教授 ( 健康科学 ) は「体脂肪は 1 回の運動で減るものではない。運動で 体重が減ったと喜んでも、実は体脂肪は全然減っていない , と説明する 体人間の脂肪 1 キロは、約 7200 キロカロリーに相当する。フルマラソンでも消費するエネル 身 ギーはたったの 2400 キロカロリ 1 程度。計算上、体脂肪を 1 キロ減らすのに、マラソンを 3 章回も走らなければならない 第人類が飽食の時代になったのは、進化の歴史から見れば、ごく最近だ。もとは飢えに備えて、
生きるエネルギーをため込むようにできている。「筋肉が多いと、多くのエネルギーが必要。飢 えないようにするために使わない筋肉が減り、体脂肪は温存されるようにできている」と大野さ んはいう 体脂肪が多すぎると、なぜ健康によくないのか。理由がわかってきたのは割と最近だ。 川年ほど前、体脂肪からさまざまな生理活性物質が出ていることが明らかになった。それが血 圧を上げたり、血液をどろどろにしたり、インスリンの効き目を悪くさせたりする。高血圧や動 脈硬化、糖尿病に発展する恐れが出てくる。「ウエストがきつくなったらイエローカード」。体脂 肪警戒の合い言葉だ もっとも、体脂肪率が低ければよいのかというとそうではない。低いと、筋力や体温の低下を 招きやすいし、とくに女性の場合はホルモンバランスが崩れる危険がっきまとう。 国際的な基準はまだっくられていないが、男性なら「 55 0 、 2 % 」女性なら「 5 % 」にお さまっていれば、ひとます大丈夫なようだ。
刺胞動物・ シャンノヾン・ シャンプー 習慣性扁桃炎・ 充電式電池 寿命・ 準天頂衛星・・ ショウジョウノヾ、エ・ 除脂肪組織 瞬間接着剤 シリコーン シリコン シリコンゴム・ シリコン樹脂・ 視力・ 白身魚 真菌・ 真空・ 人工衛星・ 深視力・ 震度・ 侵略的外来種・ スイートスポット・ 彗星・ 垂直磁気記録方式・ 水平磁気記録方式・ スーパーコンヒューター スカラー型・ ・・・ 174 , 176 ・・・ 31 ・・・ 240 ・・・ 190 ・・・ 259 ・・・ 78 ・・・ 29 ・・・ 225 ・・・ 225 ・・・ 225 ・・・ 225 ・・ 129 ・・・ 27 ・・・ 63 ・・・ 258 ・・・ 120 ・・・ 43 ・・・ 98 ・・・ 34 ・・・ 126 ・・・ 89 ・・・ 56 ・・・ 265 ・・・ 296 ・・・ 295 ・・・ 294 ・・・ 294 ・・・ 228 ・・ 140 ・・・ 272 スパークリングワイン・・・・ 89 ス / ヾコン・ スペースシャ すべり・ 静止軌道・ 静止視力・ トル・ 生体インピーダンス法・・・・ 27 成長ホルモン・ 製鉄・ 静電気・ 生物多様性条約・ 全層雪崩・ ゼラチン・ 絶滅危惧種・ 接着剤・ 接触型・ セシウム時計・ 石炭・ 赤色筋・ 赤外線・ 全地球測位システム・ 体脂肪・ 速筋・ くた行 > ダーレー・アラビアン・・・ 253 体脂肪率・ 耐性菌・ 大蛇行・ 台風 タイフーン・ 太陽同期準回帰軌道・ たたら製鉄・ ・・・ 295 ・・・ 242 ・・・ 184 ・・・ 241 ・・・ 29 ・・・ 25 ・・・ 219 ・・・ 187 ・・・ 272 ・・・ 51 ・・・ 78 ・・・ 206 ・・・ 121 ・・・ 282 ・・・ 134 ・・・ 273 ・・・ 73 ・・・ 185 ・・・ 118 ・・・ 80 ・・・ 26 ・・・ 26 ・・・ 49 ・・・ 168 ・・・ 158 ・・・ 159 ・・・ 242 ・・・ 222 3 ノイ
体脂肪 ゲルハンス島の細胞から出るインスリンだけしかない。「人類の歴史はすっと飢餓との闘い。下 げる必要がなかったからではないかーと野田さん。余分な栄養をため込むなどということは、そ もそも生物の体にとっては想定外なのだろう。 インスリンが十分に出なくなったり、細胞が糖をうまく取り込めなくなったりすると血糖値が 高いままになる。これが糖尿病だ。 血糖値が高いと血管壁のたんばく質がブドウ糖とくつついて、じわじわと壁がもろくなる。こ れが脳卒中や心臓病を起こす。網膜の血管がだめになれば視力が下がり失明することもある。腎 臓の血管がやられれば、ついには人工透析が必要なことも。糖尿病が恐ろしいゆえんである 大や猫にも糖尿病が増えている。日本獣医生命科学大の左向敏紀助教授によると、引き金は妊 娠や肥満、ストレスなど。「人間と同じ。現代病です」。 1 キロ減らすにはマラソン 3 回分 肥満の度合いを知るには良い指標になる体脂肪率。従来はめんどうな方法しかなかったが、体 さこ、つとしのり
体動かす源、増えると血管もろく 血糖といえば糖尿病。知らない間に体をむしばむ悪者の印象があるが、そもそも私たちは糖が なければ生きられない。「血糖は体を動かしたり考えたりする大事なエネルギー源。車でいえば ガソリンのようなもの」と国立国際医療センタ 1 の野田光彦・臨床検査部長は話す。 糖の正体は主にブドウ糖。ごはんなどの炭水化物が唾液や腸で分解されてできる。ブドウ糖は 小腸で吸収されて肝臓経由で血流に乗り、全身の細胞に回る。食事をとると血液中のブドウ糖濃 度、つまり血糖値が高まるのはこのためだ。 ブドウ糖は砂糖に似て甘い。健康な人の血液中の糖濃度はモモの約 100 分の 1 という。 血液中のブドウ糖は、細胞に取り込まれた後、代謝 ( 主に酸化 ) され、エネルギーになる。 しかし、かなりの割合が肝臓や筋肉に、ブドウ糖がつながったグリコーゲンや脂肪としてため 込まれる。食事をしないと血糖値が下がり、ため込んだものがブドウ糖に戻され、血液中に供給 される。いわばグリコーゲンや脂肪は天引き貯金で、収入に応じて出し入れしている ー 3
第 1 章「身体・生命」の常識 血糖 ( ブドウ糖 ) の主な流れ 脳 つねにブドウ糖 、・が必要 脂肪組織 脂肪として一部 を蓄える 筋肉 グリコーゲンと して一部を お菓子類蓄える てる ブドウ糖が血流に乗っ ゲと蓄 て体中の細胞に回り、一肪を 臓ロ脂部 肝グや一 こはん いも類 めん類 炭水化物がロの中や腸で 分解され、ブドウ糖になる ↓ 小腸 ブドウ糖を 吸収 ブドウ糖 血糖が一定値より低くな るのはきわめて危険だ。大 脳のエネルギー代謝が維持 できないまでになると、さ まざまな精神症状が起き、 やがては意識がなくなる そのまま死にいたることも 少なくない。そんな状態に 陥らぬよう、グルカゴン、 成長ホルモン、コルチゾー ルなどの複数の血糖値を上 げるホルモンが用意されて ところが不思議なこと に、血糖値を下げる働きを すいぞう もっホルモンは膵臓のラン 0
まえがき 5 第 1 章「身体・生命」の常識厚 チンパンジーは < と O 血液型 4 ーーっ乙 心臓縮んだ時が「最高」、戻ると「最低」幻 血圧 血糖 体動かす源、増えると血管もろく 1 キロ減らすにはマラソン 3 ロ分 1 ー 4 体脂肪 目の分解能力。判断で補うと高めに四 1 ー 5 視力 幼児には重要な「免疫の最前線」 ー 6 扁桃 1 ー 7 親知らすー鼕あこ小さく生えるスペース足りない 1 ー 8 つむし 「毛流」の起・終点、馬の識別に利用田 ー 9 OZ< 白っぽい糸状 : : : 「見れば感動」町 カロリー制限や遺伝子操作で延びる ー寿命 体内の水素を画像化、異変キャッチの ー怩抗生物質ーー使うほど効かない細菌ふえてしまう <00c•o 種類、もっともお肌に怖いのは 紫外線 ー日焼け 強い紫外線は死に至る可能性も ー美白化粧品ーメラ一一ン抑制が最近の主流
が熱によって固まり、浮いている脂肪にくつついたものだ。ほっておくと、癖の強い味がするほ か、舌触りも悪くなる。せっせとお玉ですくい取るほかはない。お玉にこびりつくことか多いの で、そちらの清掃も忘れすに。 フランス料理では、肉からスープをとったりする際、泡立てた卵白を加えて沸騰させ、あくや 濁りを固まった卵白に封じ込めてしまう手法も使われる 鍋料理を仕切りたがる人を「鍋奉行」。あくをこまめにすくう人はこれより格下で、「あく代 官」と呼ばれる。 一方、野菜の場合は、種類によって含まれるあくの内容が違っている あく抜きが必要な野菜の代表格のタケノコのえぐみの主成分はホモゲンチジン酸などと考えら れている。米の研ぎ汁で煮るなどするとえぐみが抜ける ワラビに含まれるあくはプタキロシドという発がん物質で、重曹を入れてゆでるなどするとよ し A 」し、つ また、ゴボウは切ってしばらくすると切り口か黒ずんでくる。ゴボウに含まれるポリフェノー ル類が酸化されるためだ。酢水につけると黒ずみを抑えられる。これもあく抜きの一種だとい う。つけすぎると栄養分が抜けてしまうので、あく抜きをせずに調理することもある。 野菜茶業研究所の堀江秀樹さんは「あくを抜いた方が良い場合もあるが、ゆですぎたりすると
第 2 章「食品・栄養」の常識 赤身の魚と白身の魚 赤身魚 {J 色 ヒ。「「カス ~ 。キな。 白オ みかシど 嗅サラ 白カ丿マワ ~ : 一 るプのサ オ』。、、。 ~ シ八ど綣 ッワ ~ サな一 ( ーン 白身魚 " 代表マダイ 代表マグロ 、 , 乳酸 一脂質。 持久力 色筋はミオグロビンの働き により血液から酸素を取り 入れ、脂質を効率よく使っ てエネルギーを得て動く。 瞬酸素が供給されればずっと 動き続けられる。マグロが 長距離を泳げるのは赤色筋 か多いからだ。ただし、動 きを止めると、細胞に血が 回らなくなり死んでしまう よ、つな魚もいる 一方、白身魚の代表はマ ダイやヒラメなどの近海魚 だ。白色筋は酸素を使わず に筋肉中のグリコーゲンを 分解することでエネルギー乃