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検索対象: 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる
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1. 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる

アメリカとの産業上の不均衡 不均衡はドイツ支配にプラスに作用 ドイツ一人勝ちのシステム アメリカと「ドイツ帝国」の衝突 ウクライナは国家として存在していない ウクライナ問題の行方 アメリカによるユーラシア大陸コントロールの鍵ーーードイツと日本 今後二〇年に衝突の危機 アメリカの白人デモクラシー ドイツ専用のデモクラシー 力をもっと非合理的に行動するドイツ 平等と自由をめぐるドイツ・フランス・アメリカ 価値観のちがいが対立を招く ドイツのせいでロシア接近を阻まれた日本 政治指導者にサイエンス・フィクションを勧めたい

2. 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる

あれほど消極的で、一般に言われているのとは逆に、ウクライナのいくつかの部分を併合 することを望んでいない。 ロシアは西側による制裁を恐れていない。しかし、中部ウクライナで憎まれることを望 まない。現状ではウクライナの中心部分を成す人びとは、ロシアに対して警戒心を持って いるが、しかし、ロシア人には空間と時間をうまく活用する大きな歴史的能力があること を認めなくてはいけよ、。 ドイツ的ヨーロッパによる処遇を二年間受けた後、キエフの人びとは何を考えるだろう か。もしかすると彼らはモスクワの方を振り向こうとするかもしれない。 崩壊していくシ ステムは踏みとどまること力ない。 。 ~ 崩壊し続ける。 アメリカによるユーラシア大陸コントロールの鍵ーーードイツと日本 話をアメリカに戻しましよう。アメリカシステムはグローバルなパワーではあるけれ とも、ウクライナからは非常に遠くて、したがって、「西側システム」によるウクライナ の統合・崩壊から利益を引き出すことができませんね。

3. 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる

〔上田隆穂監訳、渡部典子訳、中央経済社、二〇一二年〕がそれです。この本が世界中を視 野に人れて研究したのは、特定のニッチに対して品質とテクノロジーで決定的な強みを持 ち、グローバリ ゼーションを利用して成功した中小企業です。 著者は、ゲルマン人の世界ーーードイツだけでなく、スイスのドイツ語圏、オーストリア、 スカンジナビアーーがこの種の企業を生み育てやすい土壌だと言っています。要するに、 この分析は経済のエスニックなビジョンを提示しているのです。著者は、これらの企業が 農村部に人り込んでいることや、その権威の構造に家族的・家父長的性格が見られること を強調しています。 サイモンの言っていることを信しるべきでしようか ? サイモンが描写している法則は絶対的なものではありません。類似の輸出中小企業の多 いゾーンは日本にも、ヴァンデ地方やローヌⅡアルプ地方など、フランスの二、三の地域 にもあります。サイモンが注目した現象は、ドイツのケースを超えて、地球規模で人類学 的分析の対象になるものです。 巧 6

4. 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる

話をしている。もしある国が工業と戦争に特化したら、それをきちんと考慮し、そしてど のようにしたらその経済的・技術的な特化とパワーの突出をコントロールできるのかを検 昏しなくてはならない。 アメリカによるヨーロッハ制御の鍵はドイツ と「ろで、先ほどの否認の一一つ目の国は ? る 耳それはアメリカだ。 をアメリカによる否認が表現されたのは、ドイツの擡頭の最初の段階、すなわち二〇〇三 大 年のイラク戦争のとき、シュレーダー、シラク、プーチンが連携したときだ。 ロアメリカの戦略家のうちには次のようにいう者がいたよ。「フランスを罰し、ドイツ ョ〔がしたこと〕は忘れ、ロシアは勘弁してやるべきだ」 (PunishFrance,forgetGermany, forgive Russia. ) と イ なせそうなのか ? なぜなら一九四五年の勝利の遺産、アメリカによるヨーロッパの制 御の鍵、それはドイツをコントロールすることだからだ。二〇〇一二年からのドイツの擡頭

5. 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる

日本の読者へ 1 ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る 2 ミ 4.8 自ら進んでドイツに隷属するようになったフランス スノーデンを保護して西洋における市民の自由を守ったロシア ロシア脅威論は西洋が病んでいる証 「新冷戦ではない アメリカと衝突しはじめたドイツ ヨーロッパの支配権を手にしたドイツ オランドは「ドイツ副首相」 ウクライナ問題の原因はロシアではなくドイツ ドイツの強さの源泉 アメリカによるヨーロッハ制御の鍵はドイツ ドイツ外交は不安定 , 。。ー歴史の教訓 アメリカ帝国の凋落 アメリカ「ドイツ帝国」

6. 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる

「テロリストファシスト」の戦争に対して冷静なプーチン ウクライナの暴走とヨーロッパの破産を止められるのは誰か ? 4 ューロを打ち砕くことができる唯一の国、フランス 2 ミ 4.6 パの接近 イラク戦争時のロシアとヨーロッ オバマ大統領による路線転換 極端に振れるドイツの対露外交 ウクライナ問題をめぐるドイツの強硬姿勢 ロシア嫌いの『ル・モンド』紙 西側メディアの非合理的な報道 ロシアの合理的な外交 アメリカは自分が何をしているかを理解していない アメリカから自立したドイツ 米露の協調こそ世界安定の鍵 真のプレーヤーは米・露・独のみ ロシアが好戦的になることはありえない アメリカなしにヨーロッパは安定しない

7. 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる

すると同時に冒険的になっています 中国はおそらく経済成長の瓦解と大きな危機の寸前にいます。ロシアは一つの大きな現 状維持勢力です。アメリカとロシアの新たなパートナーシップこそ、われわれ人類が「世 界的無秩序」の中に沈没するという、現実となる可能性が日々増大している事態を回避す るための鍵だろうと思います。 真のプレーヤーは米・露・独のみ これらの分析の中でフランスは完全にリングの外のようですね。 私の考えでは、フランスはウクライナ危機に過度に関与すべきでないと思います。自国 の歴史と地理から見て、フランスはもともとウクライナから遠いのです。 フランスが具体的に果たすことのできる唯一の役割はドイツ政府の右腕となることでし ようが、「カール大帝路線」は、ドイツ外交の新たな方向性が持っている不安定化への潜 在力を増大させてしまうだけです。 自立的なフランスのパワーという考えはここでは意味を成しません。ウクライナでの、 ロ - 8

8. 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる

というたけなのに、状況を見ているとほとんどまるで、住民の意思に反してクリミア半島 を力すくでウクライナにふたたび戻すために戦争をしに行かなければならないかのような、 途方もないドラマを見ているかのようです。なせ扱い方にこんな大きな差があるのでしょ その問い への答えの鍵はロシアにはないね。西洋の側にある。 西洋はたしかに世界で圧倒的に支配的だが、それと裏腹に今日、そのさまざまな部分に 耳おいて不安に駆られ、煩悶し、病んでいる。財政危機、所得の低迷ないし低下、経済格差 をの拡大、将来展望の不在、そして大陸ヨーロッパにおいては少子化など、いろいろな問題 大 がある 亠イデオロギーの側面から見ると、ロシア脅威論はますスケープゴート探しのように、も ョっといえば、西側で最小限の一体感を保っために必要な敵のでっち上げのように見える。 はもともと、ソ連に対抗して生まれた。ロシアというライバルなしでは済まないのだ。 イ もっとも、ロシアが西洋世界に対して二、三、「価値」の問題を投げかけていることは 事実だ。しかし『ル・モンド』紙が繰り出す反プーチンでロシア嫌いの愚言が示唆すると

9. 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる

成立してきたということが分かります。 世界的経済危機を通してわれわれの目に明らかになったことの一つは、ホワイトハウス がベルリンに対して強制力を発揮することができす、その結果、緊縮経済政策を放棄させ スる、ユーロの通貨政策を変更させる、そしてより広くいえば世界経済再活性化のための措 置に参加させる、といったことに成功しなかったという事実です。 フ 公言されにくい真実をすばり言いましよう。今日、アメリカはドイツに対するコントロ 国 の ールを失ってしまって、そのことが露見しないようにウクライナでドイツに追随している 唯 るのです。 き で と 米露の協調こそ世界安定の鍵 砕アメリカのパワーの後退は本当に憂慮されるほどになって来ています。イラク第二の都 打市モスルがジハード勢力〔「イスラーム国」の前身、——〕に奪われた後、ワシントン ロは衝撃から立ち直れていません。世界の安定性はしたがって、アメリカのパワーだけに依 ュ 存するわけにいかないのです ッパは不安定化し、硬直 ここで私は、意外だと思われそうな仮説を提一小します。ヨーロ 117

10. 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる

一三ロ が志向する『中華帝国』とでは、その内容も性格も大いに違う。しかし、重要なのは、地 域の中心部における『帝国』の建設にともなって、周辺の諸国家が深刻な影響を受けると う点では、ヨーロッパも東アジアも同じだということである。 ( 略 ) その意味では、現 ッパにおけるドイツのそれよりも英、仏、 在の日本がおかれている国際的な位置は、ヨーロ 伊といった諸国のそれと比定すべきであろう」 ( 『二十世紀をどう見るか』文春新書 ) トッド氏によれば、ドイツの擡頭は、アメリカ帝国の衰退と連動している。 「一九四五年の勝利の遺産、アメリカによるヨーロッパの制御の鍵、それはドイツをコン トロールすることだ ( 略 ) 。二〇〇三年からのドイツの擡頭を確認すること、それはアメ 5 三二頁 ) リカ帝国の崩壊の始めを確認することだった」 ( 三 こうした地政学的な変化は、ヨーロッパに限られない。アジアも同様だ。「アメリカシ ステムとは、ユーラシア大陸の二つの大きな産業国家、すなわち、日本とドイツをアメリ 力がコントロールすることだ」 ( 六一頁 ) とした上で、トッド氏は次のように言う。 「こんな体たらくのアメリカ、配下の国々がそれぞれの地域でおこなう冒険的行動をもは 好やコントロールできす、むしろ是認しなけれはならない立場のこのアメリカは、それ自体 編 として一つの問題となっている。 ( 略 ) アジアでは韓国が日本に対する恨み辛みのゆえに、 227