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検索対象: 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)
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1. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

脳が「やる気」を起こす魔法 ( もくじ 訳者のことばーー石浦章一 脳にもっと「いい仕事」をしてもらおう 運が「いい人」の脳と「悪い人」の脳 あなたの脳には「無限の可能性」が備わっています こうするだけで「成功回路」が自動的に動き出す 脳にはあなたを幸せへと導く「 3 人の神々」が住んでいます もっと「賢く生きる , ためのエンジン 本能と知能を隔てる「溝」 〇脳内の「神」 0 : ・原始脳 ( 生命力 ) ミス一アイック・クール

2. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

\ これこそ「コペルニクス的転回 . , 「脳は変わらないーという説の正しさを信じて疑わない脳科学者のあいだでは、心理学やス ピリチュアリティを軽んじる傾向が強くなりました。それも当然でしよう。心は脳が作るも ので、脳の仕組みは変化しないということは、どんなに努力しても心は変わらないし、それ どころか年齢と共に機能が衰えていくことになりますから。ヾ ーソナリティの変化や自己変 革や人間としての成長を目指す心理学やスピリチュアリティの入り込む余地などありません。 「心理学は死に絶えた」。著名な認知神経学者であり人気作家でもあるマイケル・・ガザニ ガでさえ、 1998 年にそう語っているほど。そんな昔のことではありません とにかくこの 100 年間というもの、脳は変化しないというのが科学界の通説でした。脳 の回路はトランプのもち札のようなもので、いったん与えられたものは、、 しやでも終生持ち 続けなければいけない。しかも脳細胞は死んでいくのだから、わたしたちは毎日すこしすっ 能力を失っていくわけですね。そんな脳の不変性という学説は、四世紀末にノーベル賞受賞 、ールによって確立され、ほ 者であり脳科学の父祖でもあるサンティアゴ・ラモン・イ・カノ ばすっと脳科学の基準として評価されてきました。

3. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

\ たった 2 週間で、あなたは思いのままの「別人 , に ! わたしたちに望みはないのでしようか ? ししえ。望みがないどころか、大いに期待でき ます。わたしたちは、ストレスやストレスか引き起こす問題から逃れることができるのです。 次章で詳しく説明しますが、脳 こ月脳マルスを手なすけ「新 皮質ーアポロにパワーを与えることは不可能ではありません。そして、態度を改めるだけで 置の・可躍ば・修正ざれ・をのです。脳には素晴らしい適応力があるわけで、これを脳科学では神 かそ 経の可塑性と呼んでいます。だから訓練を積み重ねれば、変化は思いのほか早くーー場合 によっては 2 、 3 週間でーーーー実現します。ストカ、 されば脳の構造に変化が生じ、 日吊、冫て 「感情脳」マルスに振り回されて幸せを奪われるのではなく、「感情脳」マルスのパワ 1 を うまく生かして豊かな人生を楽しめばよいのです。 本能的な恐れで満たされた感情脳の感情の泉に足を踏み入れたアポロは、そこから情熱や インスピレーション、愛情など、ポジテイプな感情を見事に進化させました。「新皮質ーア ポロと「感情脳」マルスが協力し合っていれば、わたしたちは未来への期待に胸躍らせて新

4. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

本能と知性を隔てる「溝」 神経界のドラゴン神「原始脳」は、グ引グ調修が・で最も古ぐて最もトざな存在 す。ほかの 2 人の神々は、このドラゴンを母体として進化を遂げました。原始脳あるいは爬 虫類脳と呼ばれることからもわかるように、心を持たず、脳幹の命令どおりほば無意識に活 動します。でも自分では心を持たない代わりに、体のいろいろな部位にとてつもなく賢い、い を授けてくれる存在でもあります。その心は生的かっ動物的で〔界と深く結びらいで います。わたしたちが的確な判断を下せるのは、原始脳のおかげなのです。 要するに、原始脳は善悪の感覚をつかさどる部位であり、さまざまな神話が教えてくれる ように生命の権化といってもよい存在なのです。 原始脳には心がありません。呼吸、心拍、消化など、生ぎるた・め・に欠・か・せ・な ' い・プ・江・ゼ、ス - を コントロー丿します。だから機能しなければ、わたしたちは死んでしまいます。原始脳は余 計なことを考えたり理解したり、感情を交えたりせずに、淡々と生命をサポ 1 トしていきま す。そこで必要なのは、本能や性欲や反射作用。動物から魚や昆虫にいたるまで、地球上の すべての生き物と共有している唯一の脳組織が、この原始脳なのです。

5. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

5 もしもあなたが、脳の構造は固定されていると考えていて、「心は脳を変えることができ ないと答えるなら、持って生まれた脳の中身は絶対に変えられないと信じているというこ とです。当時はほとんどの科学者たちがそう信じ、ダライ・ラマの質問には「ノー」と答え へ ていました。 旅 ーし 一度決められた脳の構造は絶対に変えられないし、そんな硬直的な脳が生き方も人格もあ 新 らかじめ設定している。この理論にしたがえば、あとから個性や性格を変えるのは不可能に 験 体 なります。たとえば、遺伝子にも社会環境にも愛情深い両親にも恵まれない子どもの脳では の て 恐れをつかさどる回路が幼少時に深く刻み込まれます。その結果、大人になってもすぐキレ め たりあきらめたりする傾向がおさまらず、生涯、ストレスに悩まされるというわけです。 いったん回路が完成すると、つらい過去から解放されることも、生き方や性格を変えるこ 回 ともできません。悪いのは自分ではなくて脳。小さい頃に親がくどくど心配し、がみがみ小 的 ス 言を繰り返し、いらいらした表情で接したから、不幸にもネガテイプ傾向の強い回路が脳に ニ出来上がり、それを生涯にわたって背負い込まなければいけないのです。強迫観念に取りつ べ かれるのも、ゆううつになるのも、すべては脳の回路のせい。治療なんてできません。お先 コ そ真っ暗です。実際、前の章で紹介したデ 1 タによれば、ほとんどの人がこの理論が正しさを れ信じていました。

6. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

しかし幸い、脳科学の世界はコペルニクス的転回を果たしました。一部の脳科学者たちが、 脳が常に変化し続けていることの決定的な証拠を発見したのです。 1912 年にはチャール ー、 19 4 9 年にはドナルド・ヘッ ズ・シェリングトン、 19 2 3 年にはカール・ラスキ へ プ、 19 8 5 年にはマイケル・マ 1 ゼニックといった研究者たちが、大人のサルに新しい芸 旅 を教えるのは可能だということを実演によって証明してみせました。脳の神経回路は経験に 新 応じて変化できるのです。脳は構造や回路を変化させながら皮質のさまざまな部位を作り変 験 体 え、新しい能力を強化できるというのです。 1996 年には、プリンストン大学のエリザベス・ の て グ 1 ルドが従来の定説を覆し、霊長類の脳は常に新しいニュ 1 ロンを創造し続けていること め はを証明しました。引き続き 1998 年には、イエ 1 テポリ大学のピ 1 タ 1 ・エリクソンが、「人 間の海馬は新しいニュ 1 ロンを生涯にわたって作り続ける」という事実を発見しました。っ 回 まり、脳はシステムを変化させたり強化したりするための材料を常に作り出していたのです。 的 ス ク なんと「想像するたけで」、脳は進化する ! コ そ 1990 年代の半ばまでには、畄は心からの指示にきちんと反応することが明らかにされ れ ました。命令を受けた脳は、田舎の小さな村のように停滞したニューロンの集団を活発な大

7. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

めてみました。実験中、被験者は薬を服用しません。その代わり、活動過多になっている脳 の部位を ( 放射断層撮影法 ) スキャンで見せられて、あなたは脳の回路がおかしいか ら病気になったのだと教えられます。そのうえでセラピーグループが結成され、強迫観念も 強い衝動も脳の機能に問題があるのだと納得できるようにサポートしました。 者は自分の強迫的な考えや興奮をできるかぎり冷静に観察したうえで、自分につぎのよ うな言葉で語りかけて誤解の解消に努めます。「これはわたしではない。わたしの脳が勝手 に強迫観念を作り出した。だから実体なんてありはしない。間違った回路から捨てられたご みも同然」 驚いたことに、病気は脳の異常にすぎないと考え直す訓練を始めて 1 週間もすると、患者 は病気に振り回されなくなりました。自分の意思で症状を改善できると信じられるように なったのです。そこでスキャンで脳の様子を確認してみると、態度を改めるだけで脳 の活動に変化が生じていることがわかりました。人の患者のうち肥人で、眼窩前頭皮質の 活動過多が実験当初よりも飛躍的におさまっていました。

8. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

す。原始脳が周囲の状況に常に注意を向けなければ生き残れないのです。 。も同時に目を向けらる点 動物の脳と違い、わたしたちの脳は外の世界にも内面の がユニ 1 クだと一一一口えるでしよう。原始脳が視覚や聴覚、嗅覚を通じて外の世界から集めた情 報が、脳の別の部分に送られて、適切な感情に変換されます。現在という瞬間についての情 ン ジ報を視覚や嗅覚、聴覚で感じとる部分と、それにふさわしい感情を決定する部分とが共存し のているわけです。そのうえで、知覚や感情についてのデ 1 タは脳のさらにべつの部分に送ら め れて、過去の情報や記憶、知識との調整という理性的な作業が行なわれます。感覚と感情と 理性が対立したり衝突したりせず、一連のプロセスがスムーズに進行するようになれば、 3 生 つの要素はきれいに調和して、共鳴し合うようになるでしよう。 賢 ところが大昔の先祖に比べ、 ' ・・現代人ば内面ど・外面の調整能力が袞えてしま・い・し・だ。だか AJ っ ら、人生に対する充実感が乏しくなってしまったのでしよう。現代に生きるわたしたちは内 も と な経験から学ばう 脳面への関心が強すぎるあまり、周 原 とする意欲が希薄になってしまいました。そのせいで、体が伝えるメッセージを正確に読み ① とり、適切な行動で応じることができないのです。ある意味、大昔の先祖たちのほうが、現 神 代人よりも優秀な脳を持っていたのかもしれません。 の 内 物理的に厳しい状況が脳科学的に「豊かな環境」の創造につながることは、研究によって 2

9. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

4 これが「原始脳」の底知れぬハワー 時代の「先」を読むのも、この「脳力」 自分の中にある「とてつもない創造力」 潜在能力を発揮するすべての土台ーーー前頭前皮質 「神秘的」と言うしかない " すごい能力すごい効果 新皮質に秘められた「途方もない。ハワー」 「やる気の素」をつくる大事な神様 なぜネズミがネコと戦うことができるのか 「思い込み」がネガティブ反応の大半の原因 〇脳内の「神」② : ・新皮質 ( 知カ ) 〇脳内の「神」 0 ・ : 感情脳 ( やる気 ) もと

10. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

運が「いい人 . の脳と「悪い人 . の脳 わたしたちの脳の進化は、自然界でも特別な出来事でした。その進化の速さは、ほかに類 を見ません。これほど多くの遺伝子にこれほど多くの突然変異が短期間に発生するとは、た だ、も、つ警 9 / 、ばかり・。 そんな脳のなかでも、最後に進化した部分が新皮質です。昆虫を主食にしていた原始人の 場合、脳全体に占める新皮質の割合はパ ーセント。それがいまでよ 0 ヾ ( 8 ノーセントを占める までに拡大し、そのおかげで人間は他の生き物と一線を画し、際立った存在になったのでした。 新皮質がいきなり拡大したおかげで、人間にはさまざまな知性が備わりました。そして、 今度は脳全体に回路を張り巡らせていきます。その結果として誕生したのが、創造力と社会 性に富み、豊かな感情にあふれる「心」でした。いまでは脳科学や心理学、精神医学の面か さつばっ ら心の謎が解明されつつあります。心のおかげで、私たち人間は、殺伐とした暮らしから解 放され、深い喜びを体験するようになり、ひいては意識を持つようになったのです。 ここでいう喜びとは、才能や知識、能力を存分に発揮したときに体験する喜びです。生ま 冫在能力を試行錯誤のすえに発見し、それを最大限に生かすときに感じる喜びと