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検索対象: 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)
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1. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

気法。 る一 = あなたの人生が、この瞬間から変わります ! を す 東京大学教授 あなたの脳が本来持っ 「すばらしいパワー」 生活のすべてが「ベストの方向」へ急転回しますー 脳の中には、それぞれが大切な役割を持つ「原始脳」・「新皮質」・「感情脳」という 三つの部位があります。これらを使いこなすことによって 安らぎの人生を切り開く力を手に入れることができます。 本書では、このカのことを「ミス一ック・クール」と呼びます。 〇あなたの人生が変わる ! 「ミスティック・クール」 4 つの特徴とは : 第一に、夢中になることができる、つまり集中力がつくということ。 第ニは、驚異の「コントロール」カがつくこと。 第三は、「人間関係」が驚くほどうまくいくということ。 第四は、ポジティブな「エネルギー」に満ちた快適な人生を送ること。 自分の中に組込まれている「新しい脳」の可能性を存分に活かすことで、 あなたの人生は大きく変わるのです。 BN978-4-7816-0244-8 C0030 \ 1400E ◎著者略歴 ドン・ジョセフ・コ、一ィー Don 」 osephGoewey 元スタンフォード大学心理学科リード・エグゼクティフ 「最悪の状況を脱するためのアプローチ」を開発する世 界的組織「アティテューディナル・匕ーリング」の元ティ レクターで、人間のパフォーマンスに関する研究機関 プロアティテュードの責任者。講演活動で世界各地を飛 び回り、常に高い評価を得るコーチ。 プロアティテュードでは、ストレスを解消して潜在能力 をフルに生かせばピーク状態の / ヾフォーマンスは実現 するという前提に立ち、その角度からの職場改善に取 り組んでいる。 人間の潜在能力および / ヾフォーマンスの分野での研究 は三十年以上におよび、人間性心理学の創立者カール・ R ・ロジャーズ博士との共同研究もある。 ◎訳者略歴 石浦章ー いしうらしよういち 東京大学大学院総合文化研究科教授。理学博士。 1950 年、石川県生まれ。東京大学教養学部基礎科学科 卒業、東京大学理学系大学院修了。国立精神・神経セン ター神経研究所、東京大学分子細胞生物研究所を経て 現職。専門は分子認知科学。難病の解明をライフワーク に、遺伝性神経疾患の分子細胞生物研究をおこなって いる。著書に、「新版脳内物質が心をつくる」「遺伝子 が明かす脳と心のからくり」「生命に仕組まれた遺伝子 のいたずら』 ( 以上、羊土社 ) 、自 Q 遺伝子』 ( 丸善 ) 、「「頭のよ さ」は遺伝子で決まる ! ? 」 (PHP 新書 ) 、「脳学」 ( 講談社 ) 、「 30 日で夢をかなえる脳』 ( 幻冬舎 ) 、「いつまでも「老いない 脳」をつくる IO の生活習慣』「「脳をうまく働かせる人」 の習慣カ』 ( 以上、ワック ) などがある。 9784781602448 定価 ( 本体 1400 円 + 税 ) ィースト・プレス 1920050014008 ミスティック・クール ー 0 ー響 0 が目覚めるー ミスティック・クール Mystic 〔 ool 〔 06 ス ドン・ジョセフ・コーイー 東京大学教授石浦章一訳 ィースト・プレス

2. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

ドを思い描いてポジテイプに行動すれば、ニュ 1 ロンはそんな気持ちに応える形で変化して いくのです。 ポジティブ回路をつくる「瞑想 . 法 ダライ・ラマ世は脳科学者に従来の教義から脱却し、心と脳の結びつきについての考え を改めてもらおうとしましたが、もうひとつ目的を持っていました。健全な心が健全な脳を 作り出し、そんな脳がいつまでも豊かな感情や知性や精神にあふれ、幸せな人生が実現する ためにはどうすればよいかそのプロセスを心理学とスピリチュアリティと脳科学の分野で 協力し合って解明したいと考えたのです。 そこでダライ・ラマは感情神経学の権威であるリチャード・デビッドソンと協力して、不 思議な脳の世界を覗くための窓を開こうとしました。ダライ・ラマは瞑想から、デビッドソ ンは研究室での実験からアプローチするわけです。 デビッドソンはウイスコンシン大学の教授であり、アメリカ芸術科学アカデミーのフェ ロ 1 でもある人物。前頭前皮質の活動状況がどんな気持ちを反映しているのか確認する研究 のパイオニア的存在です。そして長年の研究によって、前頭前皮質の左半分が右半分よりも 1 00

3. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

しかし幸い、脳科学の世界はコペルニクス的転回を果たしました。一部の脳科学者たちが、 脳が常に変化し続けていることの決定的な証拠を発見したのです。 1912 年にはチャール ー、 19 4 9 年にはドナルド・ヘッ ズ・シェリングトン、 19 2 3 年にはカール・ラスキ へ プ、 19 8 5 年にはマイケル・マ 1 ゼニックといった研究者たちが、大人のサルに新しい芸 旅 を教えるのは可能だということを実演によって証明してみせました。脳の神経回路は経験に 新 応じて変化できるのです。脳は構造や回路を変化させながら皮質のさまざまな部位を作り変 験 体 え、新しい能力を強化できるというのです。 1996 年には、プリンストン大学のエリザベス・ の て グ 1 ルドが従来の定説を覆し、霊長類の脳は常に新しいニュ 1 ロンを創造し続けていること め はを証明しました。引き続き 1998 年には、イエ 1 テポリ大学のピ 1 タ 1 ・エリクソンが、「人 間の海馬は新しいニュ 1 ロンを生涯にわたって作り続ける」という事実を発見しました。っ 回 まり、脳はシステムを変化させたり強化したりするための材料を常に作り出していたのです。 的 ス ク なんと「想像するたけで」、脳は進化する ! コ そ 1990 年代の半ばまでには、畄は心からの指示にきちんと反応することが明らかにされ れ ました。命令を受けた脳は、田舎の小さな村のように停滞したニューロンの集団を活発な大

4. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

都市へと作り変えるのです。この能力は脳科学で「神経の可塑性」と呼ばれています。この メカニズムのおかげで、手先がだんだん器用になったサルはバナナの房を狭い場所から取り 出せるようになるわけです。ピアノを弾くような高度な技術だって、頭のなかで想像するだ けで習得できます。 19 。 o. ニ 0 年、 ード大学の脳科学者アルヴァロ・パスクアル・レオ 1 ネは、この事実 を実験で証明してみせました。実験ではまず、被験者に 5 日間、毎日 2 時間ずつピアノを練 習してもらいました。毎日練習後、指の細やかな動きをつかさどる運動皮質を測定したとこ ろ、 5 日目の終わりには運動皮質が周囲の領域を侵害するほど拡大していました。これと同 時に、べつのグループにはピアノを練習するときの指の動きを頭のなかで想像してもらいま した。実際に指は動かさず、動きを想像しながら簡単な曲を何回も練習してもらったのです。 その結果、驚くような事実が判明しました。頭のなかでピアノを練習するだけでも、実際 にピアノを弾いた被験者と同じように運動皮質が拡大していたのです。「頭のなかで訓練す るだけでも、脳は同じように変化する」ことをパスクアル・レオ 1 ネは発見したのでした。 精神的な病気に苦しむ人も、神経の可塑性をうまく利用すれば心の安らぎを回復するのは 不可能ではありません。態度を根本的に改めるだけで脳の神経回路に変化が生じ、強迫神経 症 (OOQ ) や慢性的なうつ病に悩んでいる人の日常経験に変化が訪れるのです。

5. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

あなたの脳が持つ「すばらしいパワー」 あくまでも当人の心の持ちょうが重要なのである 私は、「ミスティック・ク 1 ル」を厳密な意味で科学の対象にするためには、本書で引用 されているダライ・ラマⅡ世が行っているような、脳の画像解析を利用しての瞑想の効果判定、 などと同等な検証をするべきだと思うし、また検証の価値もあると思う。経験が脳の構造を 変え、心の持ち方が神経回路を変えることを証明するのは実は非常に難しいことだが、同時 に、取り組むべきテーマでもあることは確かだ 科学者はこのように心を科学で解明する努力を続けるべきだろう。そして一方では「ミス ティック・ク 1 ルのような考え方が広まることが、一般の人たちの脳に対する関心の高ま りを助長させ、ひいては脳科学の進歩につながるのではないだろうか

6. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

\ これこそ「コペルニクス的転回 . , 「脳は変わらないーという説の正しさを信じて疑わない脳科学者のあいだでは、心理学やス ピリチュアリティを軽んじる傾向が強くなりました。それも当然でしよう。心は脳が作るも ので、脳の仕組みは変化しないということは、どんなに努力しても心は変わらないし、それ どころか年齢と共に機能が衰えていくことになりますから。ヾ ーソナリティの変化や自己変 革や人間としての成長を目指す心理学やスピリチュアリティの入り込む余地などありません。 「心理学は死に絶えた」。著名な認知神経学者であり人気作家でもあるマイケル・・ガザニ ガでさえ、 1998 年にそう語っているほど。そんな昔のことではありません とにかくこの 100 年間というもの、脳は変化しないというのが科学界の通説でした。脳 の回路はトランプのもち札のようなもので、いったん与えられたものは、、 しやでも終生持ち 続けなければいけない。しかも脳細胞は死んでいくのだから、わたしたちは毎日すこしすっ 能力を失っていくわけですね。そんな脳の不変性という学説は、四世紀末にノーベル賞受賞 、ールによって確立され、ほ 者であり脳科学の父祖でもあるサンティアゴ・ラモン・イ・カノ ばすっと脳科学の基準として評価されてきました。

7. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

運が「いい人 . の脳と「悪い人 . の脳 わたしたちの脳の進化は、自然界でも特別な出来事でした。その進化の速さは、ほかに類 を見ません。これほど多くの遺伝子にこれほど多くの突然変異が短期間に発生するとは、た だ、も、つ警 9 / 、ばかり・。 そんな脳のなかでも、最後に進化した部分が新皮質です。昆虫を主食にしていた原始人の 場合、脳全体に占める新皮質の割合はパ ーセント。それがいまでよ 0 ヾ ( 8 ノーセントを占める までに拡大し、そのおかげで人間は他の生き物と一線を画し、際立った存在になったのでした。 新皮質がいきなり拡大したおかげで、人間にはさまざまな知性が備わりました。そして、 今度は脳全体に回路を張り巡らせていきます。その結果として誕生したのが、創造力と社会 性に富み、豊かな感情にあふれる「心」でした。いまでは脳科学や心理学、精神医学の面か さつばっ ら心の謎が解明されつつあります。心のおかげで、私たち人間は、殺伐とした暮らしから解 放され、深い喜びを体験するようになり、ひいては意識を持つようになったのです。 ここでいう喜びとは、才能や知識、能力を存分に発揮したときに体験する喜びです。生ま 冫在能力を試行錯誤のすえに発見し、それを最大限に生かすときに感じる喜びと

8. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

対人関係の特効薬 ! 「ミラーニューロン」 周囲との結びつきにとって最も大切な神経ネットワ 1 クが、ミラ 1 ニューロン。この神経 細胞は 19 9 6 年、イタリアにあるパルマ大学のジアコ 1 モ・リゾラッティが脳科学者のチ 1 ま ムとマカクザルの実験に取り組んでいるときに発見されました。 ど サルがピーナツツをつかむとき、前頭葉の細胞の一部でニューロンが発火する様子がス がキャンで確認されました。ところが不思議なことに、ピーナツツをつかもうとする様子を眺 係 めていたべつのサルにも、同じようにニュ 1 ロンが発火している部分があったのです。つま 関 人 り、 2 匹目のサルの神経細胞は、一匹目のサルの行動を鏡に映し出されるイメ 1 ジのように 模倣したわけです。さらに研究は続けられ、模倣機能を持っニューロンの存在が確認されま した。リゾラッティはそれをミラ 1 ニュ 1 ロンと命名しました。 ク 人間のミラーニュ 1 ロンはサルよりも複雑で、人間関係の形成にも関わっていると言われ ク ます。ミラーニュ 1 ロンの活動メカニズムのおかげで、わたしたちは他人の心を読み取り共 テ感できるのだとも言えるでしよ、つ。「ミラーニュ 1 ロンは、他人と同じよ、つに考えるふりを しなさいとわたしたちに忠告している、と 0 9--Ä医学部のマルコ・ラコボーニは語ってい 2 1 5

9. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

族がやる気を与えてくれる力になる人もいれば、仕事によって力を与えられる人もいる。こ れが事実だとすれば、私たちはこの世界に生きていくためには、「脳にやる気を感じさせる しかない」のである。 自分の中に組み込まれている「新しい脳」の可能性 である、という も、つ一つ重要なことは、みい・い・お当・一」・をが・作のすー「当人の 考え方である。実はストレスの原因は嫌な上司や隣人などの客観的に近くにあるものではな へき 本人の内面で発生するもの、という考えは、ストレスに苦しむ人たちにとって青天の霹 靂であろう。なぜなら、こんなに苦しんでいることが、すべて自分が原因なのだから。しか し、もし考え方を変えることによって霧か晴れるようにこころの濁点が消え去るなら、それ もいいのではないだろうか ミラーニューロンの話など、最新の脳科学の知見が取り入れられており、 本書の中には、 その意味でも通常の自己啓発書と一線を画すものである。しかし著者は研究者ではないので、 残念ながら、ミスティック・ク 1 ルに関する科学的な裏づけはほとんどない。最終的には、 れき

10. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

ダライ・ラマ世の、世界でいちばん大切な「質問」 1987 年、ノ 1 ベル平和賞の受賞者であり、チベット仏教の精神的指導者であるダライ・ ラマ世は、一流の研究者たちと協力して、「精神と生命研究所」を設立しました。この研 究機関は、現代科学を信奉する研究者と瞑想の伝統を持っ宗教家とのあいだの対話を促進し、 お互いが実りある研究成果を得ることを目的としています。 最初の頃、対話集会でダライ・ラマ世が脳科学者たちにかならすといっていいほどたず ねる質問がありました。 「心は脳を変えることができるだろうか 何度も繰り返し、そうたずねたのです。たしかにこれは非常に大切な質問です。もし、「変 えられない」のならば、脳はわたしたちの人生経験を決定する究極のメカニズムだというこ とを意味します。そして、生まれ持った脳の神経回路の配列しだいで、人生は決定されるこ とになり、わたしたちが幸せになったり成長したり、成功したりする可能性は限定されてし ま、つというわけです。 この説は、ほんとうに正しいのでしようか