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検索対象: 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)
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1. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

ぎのように記しています。「意気地なしには良き人生を目指すことができない。潜在能力を 十分発揮するためには常に成長し、先へ進まなければいけないのだから。その資格があるの は勇敢な人のみ。人生の流れにすすんで身を投じることも必要だ」。ロジャ 1 ズは、良き人 生を静止状態とは考えていません。美徳や満足、解脱や幸せに到達するための条件ではあり ません。何かを実現した姿でもないし、そのために自分を調整することでもありません。ロ ジャ 1 ズの考える良き人生とは「プロセスであり静止状態ではない。方向であり目的地では 、 0 、ヾ、 心力自由に解き放たれ、どんな方向も選ぶ自由が与えられているときに、自分の意思 で選ぶ進路」なのです。 「十分に機能している人」にはこんな特徴がある ロジャーズは、十分に機能している人間についても説明しています。十分に機能している 人は、赤鉛筆で常にあら捜しされているような、息が詰まるような環境におしつぶされませ ん。自分を信じ、外の世界の評価にはこだわらず、自分の創造力や長所を頼りに行動します。 そしてありのままの自分をさらけ出し、あらゆる経験に対して心を開くことができます。 240

2. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

2 べきだ」 生 人 これに対し、カール・ロジャ 1 ズやアプラハム・マズロ 1 が提唱した心理学は、人間は信 な 頼できる存在だという前提に立っています。人間は生まれながらに自己修正能力を持ち、自 ち ら方向性を定めて前進できるという見解です。さらに、人間には完全な進歩を目指して行動 満 する傾向もあり、能力や才能、適正、長所を十分に花開かせるために努力を惜しまないとも ギ指摘しています。マズロ 1 はそれを自己実現の傾向と呼び、ロジャ 1 ズは形成的傾向と名 づけました。ロジャ 1 ズの主張はフロイトと正反対。「人間の行動はきわめて理性的であり、 工 自ら定めたゴールに向けて複雑な課題をきちんと秩序立ててこなしていくと語っています。 テ ン わたしたちの内面にはさまざまな要素が混在しますが、そのすべてが自分という人間を形 ポ の成する要素。それを正しい態度で正しい方向へと導いたとき、潜在能力は存分に発揮され、 その人にとっての良き人生が創造されるのです。 ク ク 幸せな人生とは「プロセス」 テ ス カール・ロジャ 1 ズは、自分の人生観とアリストテレスが唱えた良き人生を結びつけ、つ 239

3. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

2 心の声にすすんで耳を傾け、心のなかの状態を観察して感じとり、感じ取ったものを携え 生 人 て行動するようになれば、ありのままの自分になって潜在能力を発揮できるようになります そんなときには、何を感じても素直に受け入れられるでしよう。情熱や思いやりや畏怖だけ ちではありません。恐れや悲しみや失望だって受け入れられます。「人生とは川のようにたえ ず流れているもの。その現実を考えれば、自我やパーソナリティは経験から生まれるものだ ギ と言えるだろう。あらかじめ定められた自我があって、そこに経験を修正して当てはめてい ネ くわけではない とロジャ 1 ズは記しています。 工 な ▽ \ 自分の長所を「筋肉のように」鍛える テ ) ン では、十分に機能する人間になるにはどうすればよいでしようかまず、あら捜しする声 を静め、自分の長所に目を向けるようになりましよう。その長所を筋肉のように鍛えていく ク のです。わたしたちは短所ならいくらでも指摘できるのに、長所を見つけるのがじつにへた ク くそ。それは調査からも明らかです。 1960 年代にジョージアとユタの両大学で人間の潜 テ在能力についての研究を行ったハープ・オット 1 によると、人間には自分のポジテイプな面 を拒絶して才能や能力に対する見解を狭める傾向があり、長所を十分に生かすことができな 241

4. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

献するためには、弱点ではなく長所に気づかなければなりません。 やがて、自分でも驚くような「展開」が ! 人間は欠点だらけで罪深く、無力で価値がないという過去の見解から脱却しようとする試 みは、従来の殻を打ち破るのだから、荒れ狂う海のように大変な状況に巻き込まれるときも あるはす。そんなときは、勇敢に戦おうとします。そして必死でもがき続けているうちに、 やがてジレンマに陥るでしよう。ところがそこで、自分でも驚くような展開が訪れます。試 練を経たすえに、大変な状況で何よりも信頼できるもの、何よりも頼りになるものは、あり のままの自分にほかならないのだという悟りを開くのです。取り繕う必要はない、自分のあ りのままの姿を素直に見せれば十分。そうです、すべてを包み隠さず明らかにして自分を表 現できるようになれば、自分自身への理解も深まり、正しい方向に歩んでいけるのです。 人間は本来欠点だらけで信用できない存在だという考え方は、心理学の世界では百年ちか くも優勢でした。。 シークムント・フロイトは著書『文明への不満』でこう記しています。「わ れわれの心は穏やかに自己抑制されている組織ではない。むしろ近代国家にたとえられる。 だから快楽や破壊行為に飢えた群衆は、分別のある支配階級によって強制的に抑え込まれる 238

5. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

あなたの脳がやる気を起こすための基礎づくり くステップ 1 〉②掘り下げる : 目を閉じて、あなたがいちばん大きなストレスを感じた出来事を思 : い浮かべましよう。 ・それが発生したとき自分はどこにいたか思い出してください。細か 三いところまで鮮明に。いま進行中であるかのように想像します。 三つぎに自分のまわりを観察しましよう。あなたはいまどこにいますか。 : いまは朝ですか、それとも午後、いや夜ですか。 ストレスの強い状況には、自分以外の人間が関わっていましたか。 その場合は、顔をよく見てください。 : いまストレスの強い状況を思い浮かべているとき、あなたは何を考 : えていますか。 ・そんな自分の感情に注目しましよう。怒っていますか、恐がってい : ますか。それとも圧倒されていますか、あるいは憂鬱ですか。 いま体はどんな状態でしよう。鼓動が速くなっていますか。汗をか いていますか。体が震えていませんか。背中や首が痛くなっていま せんか。 ・自分がストレスに対してどんな感情を抱いているか鮮明になってくる : まで、ストレスの状態を持続します。 : さあ、ストレスの強い状況と真正面から向き合った結果、どんな気 ・持ちになリましたか。ポジティブですか、ネガティブですか。楽観 三的ですか、それとも悲観的ですか。 : もう十分だと思ったら、目を開けてゆっくり 2 、 3 回、深呼吸しましよう。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ] 26

6. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

あなたのストレスは、「思い込明が原因 ! ? くバート 1 〉 自分は何を恐れているのか ? ストレスを逆転させるための質問 「ストレスのもとを発見する」ための工クササイズで取り上げた状況 を思い浮かべます。 : もう一度、このストレスの強い状況に身を投じてください。再び経 ・験するのです。 ・つきに、次へーシにある「自分は何を恐れているのか」というタイ : トルのワークシートを開いてください。 ・自分にこう問いかけます。このストレスの強い状況で、自分は何を 恐れているのか。 ・答えが出たら、それを左側に書き込みます。ひとつの文やフレーズ ・でまとめてください。 : つぎに恐れていると記した項目について、それが実際に起きた場合 三に何が恐ろしいのかと自問します。たとえば、最初に「みんなが自 分をフェアに判断してくれないことが心配だ」と書いたのであれば、 三フェアに判断してくれなかったら何か心配なのかを考えるわけです。 三これもひとつの文やフレーズでまとめてください。 ・恐れていることを 5 つ書き出すか、これで十分だと思うまで、この 三プロセスを繰り返します。 1 2 3 4 5 6 7 . 恐れていること ① 3 4 5

7. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

\ 「安らぎ、を毎日体験する充実感・幸福感 いま再び、わたしたちは目覚めなければなりません。わたしたちは再び生き残るための岐 路に立たされています。だから再び叡智を結集し、窮地を脱しなければいけません。自分に 備わっている能力に気づき、それを十分に生かすことで世界を変えていかなければならない のです。何よりも大切なのは心の安らぎ。そして、わたしたちの脳には安らぎの神経回路が す きちゃんと存在するのです。 で も では、安らぎの回路を活性化するにはどうすればよいのでしよう。簡単です。安らぎを毎 で 何 日体験するだけ。些細な行動においても大きなプロジェクトにおいても、常に安らぎを心が れ けるのです。ガンジーの言葉をかりるなら「わたしたち自身が、世界に対して望む変化にな らなければいけないーのです。そのためには、恐れから解放されること。後ろを振り返るな るんて、やめましよう。あなたは時々刻々と新しい姿に生まれ変わっているのだから、いまと や いう瞬間を大切にするのです。仲間を無条件に受け入れ、思いやりを欠かさず、どんなとき 脳でもあやまちを許しましよう。自分の長所を認め、長所によって自分を成長させ、他人のな グ かの長所も認めるようになりましよう。自分のことばかり考えるのはやめて、将来の世代の ロ 工 25 1

8. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

残されている。これまでだってみんなから尊敬されてきたし、会社は昇進を考えている。そ れに十分なお金を稼いでいる」 こんなスト 1 リー が現状を反映しているかとたずねれば、いつでもイエスという答えが 返ってきます。そこで、恐いときやストレスを感じるとき、自分にはどちらのストーリ 1 の ほうを信じる傾向があるかたずねられた時点で、みんな「アハ ! 体験」に驚きます。なん と、選択肢は最初から決まっていたのです。不幸にも恐れをつかさどる回路が太くなってし まった脳が、 恐ろしいシナリオのほうを選んでいたのでした。そして最後に、こんな恐ろし い考えにとらわれなかったらいま自分はどうなっていると思うかたすねると、安らいだ心で ばら色の未来に向かってまい進しているはずだという答えが返ってきます。 園 楽 の ネガティブな考えはこうやって克服する ! 活 生 る あ 「自分は何を恐れているか」に気づくためのエクササイズは、恐れの背後にひそみながら、 のわたしたちの経験を決定したり潜在能力を限定したりしているネガテイプな思考や感情や認 目識のパタ 1 ンを明らかにすることが目的でした。つまり、このエクササイズは現実を浮き彫 風 りにするわけです。 台 1 45

9. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

ます。脳や心のすごい力を素直に信じられるようになった瞬間です。もう喜びで胸いつばい。 そのうち、自分に不可能はない、、 とんな夢も叶うと信じられるようにもなるでしよう。待ち きれす、すぐにでも可能性を試してみたくなるかもしれません。 この本は読者のみなさんが心の嵐を脱し、あなたの持つ「台風の目」に到達できるように サポ 1 トしていきます。嵐のなかでもがいていては、せつかくの力も発揮されません。穏や かな中心点に達してこそ、才能もパワーも花開くのです。 何か有意義なことを達成しようと奮闘しているうちに予想外の能力が発揮され、平凡な自 分がまるで天才になったような高揚感を味わうことが、誰にでも一度ぐらいはあるもの。最 初はきつい要求にプレッシャーを感じ、はたして自分に出来るのだろうかと疑心暗鬼だった のが、そんな心のなかの嵐を脱して「中心」に達しオ、豐、やらなければというプレッシャ 1 は解消し、高みを目指すチャレンジ精神へと変化します。こうなればしめたものです。努力 しなくても期待以上の成果が発揮されますから、あとは流れに身を委ねているだけで十分で す。邪念に惑わされず、仕事を正確にこなすことができます。 時間はまるで止まったようで、気分は爽快。目の前の作業に情熱を一心に傾けているのに エネルギーは奪われず、疲れも感じません。そのうち自分でも信じられないほどの熟達の域 に達するでしよう。こうなると、常に全体像を把握しながら目の前の作業に専念できます。

10. 脳が「やる気」を起こす魔法(ミスティック・クール)

集めて処理したうえで、川の幅や深さや速度など、見えない部分について推理します。そう してひととおりのデータを得ると、今度はそこに川の一般的な情報を加え、自分の運動能力 で十分だろうか、無事に渡れる確率はどの程度だろうか、すべったり落ちたりしないだろう かと考えていきます。それから川を渡る方法についての映像やモデルを頭のなかで創造し、 それを過去の経験の記憶と比較します。 その際、各検討項目にはそれぞれ専用のニューロンが存在します。関係するニュ 1 ロンが ひととおりの検討作業を終えて川を渡る決断が下されると、最後に新皮質は体に指令を発し、 頭に思い描かれたモデルを実現させるのです。 - 思考や感情や推理か関わっているのです。 を渡るというような些細な決断でも、新皮質は膨大な計算をあっという間にこなします。わ たしたちにはとても太刀打ちできません。そして実際に川を渡っているときも、新皮質は活 動をやめません。無事に向こう岸までたどり着けるよう、身体と感覚の微妙な調整作業に余 念がありません。 こうした新皮質のはたらきは、知的なプロセスにおいも同じです。自分は何を達成した いのか、おおよその計画やモデルを田 5 い描いた、つえで、記憶をたよりに予測をたてたり、現 在と過去を結びつけて未来を予言したりして、それを達成するための作業を一歩すっ進めて