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検索対象: ヤクザ式相手を制す最強の「怒り方」
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1. ヤクザ式相手を制す最強の「怒り方」

しか 「このバカ野郎 ! 先方の社長に直談判してでも契約を取り返してこい ! 」 怒り狂ったのである。 この営業マンはどうしたか。 彼が私に語ったところによると、翌朝、課長の出社を待ってこう報告したという。 「昨夜、直談判しに社長宅に行きましたが、帰宅は深夜になると奥様がインターフォンでお 戦っしゃいましたので、引き上げました。今夜、また行ってきます」 返「おまえ、まさか : : : 」 立ロ 本当に直談判に行くとは思っていなかった課長はそう言って青ざめ、絶句したそうだ。 る せ 営業マン氏は私にこう語ってからニャッと笑ってみせ、「行ったふりですが」と、つけく ら をわえた。 、よくやった」とねぎ 相そしてーー。これも、ここからがポイントだがーー課長は「もういい つらってから、この一件を上機嫌で部長に報告したのだという。 ム 「ウチの xx 君が、契約を取り返すんだと言って〇〇社の社長宅に直談判に行きましてねえ。 章 幸い社長は留守だったのでトラブルにはなりませんでしたが、ウチにはこのような熱い部下 第 がいるんですよ。その意気やよし、ということで誉めておきました」

2. ヤクザ式相手を制す最強の「怒り方」

ガンガン攻められ、店の外に連れ出されて金品をまき上げられることになる。 いや、双方に原因があるようなケースでは「すみません」ではなく、 ぶつかったときは 「失礼」 と言うのだ。 「てめえ、ぶつかっておいて、詫びの一言もねえのか」 ワルが″揚げ足〃を取るべく難クセをつけてくれば、 「私のほうからぶつかったつもりはありませんが、そうでないとおっしやるのなら誤解で と丁重に、もってまわった政治家的答弁で″揚げ足〃を取られないよう応対する。 「何ごちやごちや言ってやがる ! 」 とスゴむだろうが、彼らが手を出すことはまずない。手を出せばパクられることを知って いるからだ。彼らが手を出すとしたら、バカにされたりメンツをップされたときなど、カッ となるか引っ込みがっかなくなった場合に限られる。だから丁重に応対している限り、暴力 を振るうことはないと思っていい その上で、相手がしつこければ店長を呼び、 190

3. ヤクザ式相手を制す最強の「怒り方」

と言って唇を噛んだものだ。「いわす」というのは関西極道の言葉で「痛めつける」とい う意味だが、「屈服させる」といったニュアンスで使うこともある。大阪出身の co 君は、と きおり関西弁が混じるのだ。 君は兄イに関するウワサを流すことにしたー・ーーというのは、あとで当人から聞いた話 で、手始めに仲間の若い衆と一杯やりながらこう言ったのだという。 はぶ 「兄イ、羽振りがいいらしいな」 「そうは見えねえけどな」 「金融を始めたってウワサだせ」 「いいダンべ工 ( 金主 ) でも見つけたな」 「どうかな」 「いや、そうに違えねえ」 相手は断定したのである。 君の語りにはポイントが二つある。「ウワサだ」と、あくまで耳にしたウワサに過ぎな ほの いと仄めかしていることと、「いいダンべェでも見つけたな」という相手の推測に対して 「どうかな」と否定的に答えたことだ。

4. ヤクザ式相手を制す最強の「怒り方」

え湯を飲まされることになる。 部下は、理不尽な上司に耐えるしかないのか。 そんなことはない。 「この野郎 ! 」 と感情を爆発させるのではなくうまくコントロールし、冷静に怒ることによって上司に頭 術 戦を下げさせる方法があるのだ。これが真の倍返しである。 し これを得意とするのが、ウラ社会の面々だ。 返 立ロ こんな例はどうか る 「例の取り立て、どうなってるんだ。歳くってヤキがまわったんじゃないのか」 きんしゅ をヤクザの兄イが、金主の資産家にイヤ味を言われたときのことだ。実際、取り立てがうま 相くいっていないのだから、ヤキがまわったと言われても仕方がない。だが、いくら相手が金 っ主とはいえ、侮辱されつばなしで黙っていたのでは今後の力関係に影響してくる。 ム 兄イはドスのきいた巻き舌で、こう言った。 2 「ああ、歳を拾ったよ」 第 「居直るのか」

5. ヤクザ式相手を制す最強の「怒り方」

くやった」と自陣から評価され、対抗陣営からも「あいつ、なかなかやるじゃないか」と一 目置かれることになるからだ。 川淵三郎氏がリーグを発足させるために奔走していた当時のことだ。日本サッカー協会 の幹部たちが、 「サッカーのプロ化 ? ちょっと待て。景気も悪くなってきた。どこの企業がサッカーなん かにカネを出すんだ。時期尚早じゃないか」 「日本にはプロ野球がある。サッカーのプロ化で成功した例なんてない。前例がないことを やって失敗したらどうするんだ。誰が責任を取るんだ」 と反対したところ、川淵氏はこう反論した。 「時期尚早と言う人間は百年たっても時期尚早と言う。前例がないと言う人間は二百年たっ ても前例がないと言う。そもそも時期尚早と言う人間は、やる気がないということなんだ。 でも、私にはやる気がありませんとは情けなくて言えないから、時期尚早という言葉でごま かそうとする。前例がないと一言う人間は、私にはアイデアがないということなんだ。でも、 私にはアイデアがありませんとは恥ずかしくて一一一口えないから、前例がないという言葉で逃げ ようとする」 122

6. ヤクザ式相手を制す最強の「怒り方」

提言に対して、明確な反証があって却下するなら部下も納得する。だが、「前例がない」 あるいは「時期尚早」を理由にされたのではカチンとくる。 「前例がないからこそ、やる価値があります ! 」 と食いつけば、 「組織は冒険してはいかんのだ」 とか何とか屁理屈を言う。 「余計なことして失敗したら、俺の責任になるじゃないか」 と本音を口にすればまだしも、保身を屁理屈で言い繕うことに腹立たしさを覚えるのだ。 では、頭にきたらどうするか 「時代に乗り遅れますよ。なせならーー」 と、理屈で説得するのは間違い。 「なるほど、そうか」 と折れたのでは、上司は自分の無知を認めることになるからだ。 こういうときこそ変化球で怒りを表現してみる。つまり、相手をくすぐるのだ。たとえば 前出の中堅ヤクザ氏は十数年前、通販サイトの立ち上げに際して、親分にこう言った。 つくろ 120

7. ヤクザ式相手を制す最強の「怒り方」

イチャモンである。 の手法について客観的な意味での「正解」はない。正解があれば、すべての広告が成 果をあげるはずだが、そうはならないことを見てもわかるとおりだ。市場調査をし、知恵を ししるいるい しぼり、完璧なプランを練り上げたつもりでも結果は死屍累々。「正解」がないだけに、イ チャモンはつけ放題ということになる。 だからライバルは″吉良上野介〃のごとく、上から目線で非難し、挑発し、皮肉を言って から、こう迫ったのだ。 この企画が失敗したとき、責任は誰が取るんだ」 「能書きはいい 「私だ」という言質を取るべく迫ったのである。氏は怒りで顔を赤くしている。さて、 氏は、ここでどう言って切り返すべきか。 参考になるのはウラ社会で、これと似たような例がいくらでもある。足の引っ張り合いの 世界だけに、何か提案すれば、 「よっしや、わかった。そっちがケッ持っ ( 責任を取る ) いうことでええんやな」 こんな念押しをして言質を取ろうとする。 198

8. ヤクザ式相手を制す最強の「怒り方」

か、賛成とも反対ともっかないリアクションをしつつ、腹のなかでは「この野郎、カッコっ けやがって」と怒っていたーーとは、幹部会に出席した某氏の後日談である。 で、どうしたか。某氏は頭にきて、幹部にこう言ったそうだ。 「わかった。ウチからも″兵隊〃を預けるせ」 指揮は、言い出しつべのおまえが執るんだなーーと言外に迫ったのである。殺れば共同正 犯で、気の遠くなるような懲役が待っている。親分の前でカッコつけただけの co にそこまで の腹はない、と読んでのことだったそうだ。 「し、指揮はみんなでよく話し合って : : : 」 幹部がビビって逃げ腰になったところで、 「しかし」 と某氏が話の矛先を変える。 「殺るのは簡単だが、組と戦争になったときのことを考えて準備しておく必要がある。カ ネと″道具〃だな」 あくまでイケイケロ調だが、これは幹部に対する言外の″助け船〃。 「なるほど。いま組と戦争するのは得策じゃないかもしれんな」

9. ヤクザ式相手を制す最強の「怒り方」

「一つお願いがおますねんけど」 と頭を下げたのである。 「なんや」 「自分の骨、拾うてくれはりまっか ? 」 「当たり前や。心配せんでも、あとのことはわしが責任持って処理したる」 チャカ 「それ聞いて安心しました。自分は拳銃弾くのヘタやから、通行人にでも当たってもうたら 組にも兄貴にもえらい迷惑をかけることになってしまう。そのことだけが気がかりやったも んで」 このとき幹部氏の頬がピクリと動いたそうだ。 ( の一一一口うとおりや。流れ弾が通行人に当たるということもある。機動隊員にだって当たる かもしれん。そうなったら組もわしも終わりや ) といった考えが頭をめぐったのだろうーー・とは組員の推測である。 「せや、仲裁に動いとる組があるとか組長が言うとったな。しばらく待機や」 幹部は早ロでそう言ったそうだが、かくして組員は″お役御免〃になった次第。 サラリーマン社会も同様で、「拳銃をブッ放してこい」とは言わないまでも、失敗が目に オヤジ 164

10. ヤクザ式相手を制す最強の「怒り方」

まう。 だから末席のペ ーベーは要注意なのだ。 かって私はこのことを知らず、企画の素晴らしさをいかにアピールしてみせるかが「プレ ゼンカ」だと思っていた。 週刊誌記者の足を洗って編集企画会社を立ち上げた当初のこと。広告代理店を通じて某保 険会社のパンフレット製作を依頼され、プレゼンに臨んだ。広報課長以下、部下たちが ずらりと並ぶ席で、私はパンフレットの狙いなどをひととおり説明した。 すると、末席の若いペーベーが、 「表紙のモデル、ちょっと旧いんじゃない ? 」 顔をしかめてクレームをつけてきたのである。 ( この野郎 ! ) ムカッときた。 ( 予算をケチっておいて勝手なこと言うんじゃねえ ) そうタンカを切りたかった。 ちなみに役所や保険会社といった″お堅い組織″が起用するモデルは、の″朝ド ふる 184