若い世代 - みる会図書館


検索対象: 武器としての決断思考
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1. 武器としての決断思考

『学問のすすめ』は、いま、若い世代こそ読むべきだ さて、私がここで何を言いたいかというと、変化が激しい今の時代、これまでの価値観 や方法、人生のレールというものは、意味をなさなくなってきているということです 京大医学部生の話は、その顕著な一例にすぎません。 もうみなさんも実感されているように、右肩上がりの「幸福な時代」は過ぎ去りまし 良い大学、良い会社に入れば人生は安泰、みたいなことはもうないのです。 さらに断言すれば、これからの日本はもっともっと厳しい状況になっていきます 良い時代を経験して「逃げ切りーができる世代であれば、昔はよかったとただ嘆いてい ればいいのでしようが、これから社会に出る世代、もしくはこれから社会のメインステー ジに立っ世代にとってみれば、問題は深刻です。 では、どうすればいいのか ? ここで、リべラルア 1 ツの話に戻ります。 八間を自由にする学問がリべラルアーツだという話をしましたが、まさにいま、それが けんちょ 「武器としての教養」を身につけろ はじめに

2. 武器としての決断思考

リべラルとは本来「自由」を意味する言葉で、ア 1 ッとは「技術」のこと。すなわちリ べラルアーツとは、意訳すると「人間を自由にするための学問」なのです。 その起源は、古代ギリシャにまでさかのぼります。 当時の社会には奴隷制度があり、奴隷と非奴隷を分けるものとして、学問の重要性がさ けばれていました。かなり大ざっぱに言えば、学のない人間は奴隷として使われても仕方 とい一つことです % 奴隷などというと、幻世紀の日本で生活しているこの本の読者にはあまり関係のない話 のように思えますが、決してそんなことはありません。 禾は、いまだからこそ、リべラルアーツが必要だと強く感じています。 それも、未来の日本を支えていく代 5 代の若い世代にこそ必要なのです。 どうしてか ? ・ そのことを説明するために、ここで京都大学医学部生の話をしたいと思います。 ーセントが「起業論」を学ぶのか ? どうして京大医学部生のバ 私は京都大学で、「意思決定論」だけでなく、「起業論」の授業も受け持っています。 どれい

3. 武器としての決断思考

私は、ゲリラであるみなさんが優先的に身につけるべきは「意思決定の方法」だと考え ています。だから、京都大学でも学生に教えています。 決断するための思考法、と言ってもいいでしよう。 なぜその武器が必要か ? それは、若い世代は今後ありとあらゆるジャンルにおいて、自分で考え、自分で決めて いかなければならない場面が増えていくからです たとえば就職と、その後の人生について。 高度成長、安定成長の時代には、「大きな会社ーを入口として選べば、あとはエスカレー ター式に出口までたどりつくことができました。 新卒で大企業に入れば、川年後に係長、年後に課長、年後に部長で、歳で定年退 職ーーーといったように、ポジションも給料も出世コ 1 スも、ほぼ自動的に決まっていたの です ( もちろん多少の個人差、業界差はあります ) 。 ここで私が強調したいのは、みんなが同じような未来をイメージしながら生きていた、 とい一つことです - 。 会社がいきなり倒産するようなこともほとんどなかったので、基本的に「右肩上がり」

4. 武器としての決断思考

星海社新書ラインナップ 1 武器としての決断思考瀧本哲史 「答えがない時代」を 生き抜くための決断力 SHINSHO SEIKAISHA 324 人を選んだ、まったく新しい「世界史の教科書」。 なかから「こいつが主人公の小説を書きたい ! 」という基準で 歴史小説界の新しい才能・小前亮が、世界史に登場する人物の こう教えてほしかった ! 「世界史」は 3 世界史をつくった最強の三 00 人小前亮 用のカリスマ」海老原嗣生が、ビジネスの常識をぶった斬る。 と労力の無駄なのに、どうしてそれはなくならないのか ? 「雇 どうしてみんな、一生懸命働いているフリをするのか ? 時間 成果が出ない。なぜだ ! いつも・にしいのに 2 仕事をしたつもり海老原嗣生 世代に必要な、武器としての教養、シリーズ第 1 弾。 決定論」を新書 1 冊に凝縮。これからの日本を支えていく若い 教室から生徒があふれる京都大学の人気授業「瀧本哲史の意思

5. 武器としての決断思考

断」の部分をもう一度じっくり考えてみればいいのです。 世間では、プレない生き方がやたら賞賛されていますが、「プレないこと」自体に価値 はありません。 イチローがプレていなくて素晴らしいのは、スポーツの話だからです。ルールが変わら ない世界では、プレないことに価値もあるでしよう。でも、私たちが生きている社会では、 すぐにル 1 ルが変わるし、状況も刻一刻と変わっていきます。 「大富豪」で、革命が起きたのに同じようにカードを切っていては即死でしよう。 モバゲーで大成功をおさめた DeNA ( ディー・エメ・エー ) という会社は、もともとはネ ットオークションを行う会社でしたが、ヤフーが無料で「ヤフーオークション」を始めた ことで、あっという間に危機がおとずれました。 そこで、事業を携帯ゲームの方向にシフトしていったわけですが、べンチャー企業とい うのは、状況が変わったらすぐに戦略を変えないと倒産してしまいます。 不確実性の高いビジネスの世界で生き残っているべンチャー企業は、ほとんどのケース において、戦略をころころと変えているのです しようさん

6. 武器としての決断思考

書は ( 中略 ) いま、こうした実用性のない司はとりあえず後回しにして、一生懸命にやるべき に立っ実学である」 ( 引用『現代語訳学問のすすめ』齋藤孝訳 / ちくま新 『学問のすすめ』が刊行されたのは明治 5 年。新しい時代の幕開けに、明治人が持つべき メンタリティを説いたこの本は、 300 万部を超す日本史上最大のベストセラーとなりま したが ( 当時の人口は約 3000 万人 ) 、いま、すでに年以上が過ぎたこの平成の世にこ そ、そして、そんな時代に生きる若い世代にこそ、この福沢諭吉のメッセージは伝えてい かなければならないでしよう。 そう、まさにいま、実学が必要なのです。 医学部生が起業論を学ぶように、自分にとって必要な学問は何かと考え、探し、選び取 るーーそういった行為が、べーシックなものとならなければなりません 私の職業は「軍事顧問」 これからの日本を支えていく若い世代に「武器」を配ること。それが、いまの私の使命 はじめに「武器としての教養」を身につけろ

7. 武器としての決断思考

ご一読ください。日本にやってきている「本物の資本主義、と、そこで生き残ることができる人 材タイプについて、若い世代の目線でわかりやすく説明しています ) 。 では、どういった人材を目指すべきか ? 自分が作った決算書をもとに、「この部分のコストは下げられるはずです」「この商品を 売るのはやめたほうがいい。などと、ビジネスの判断に役立っ会計知識を提供できて、は じめて人材としての価値が出てきます。 でも、それだけではまだ不十分。 「こ一つしたほ一つがいしー 「こうすべきだ」といった提言・提案からもう一歩進んで、具体的 な行動に移すところまでいかなければなりません。 先日、ヘッドハンターとして活躍している知人が、以下のように話していました。 「いまの時代、英文会計ができる人材はいくらでもいる。そのなかでヘッドハントの対象 となるのは、たとえば海外支社は頑張っているのに、本社がだめで、もうこれ以上お金を 出せないといったときに、支社のバランスシートなどをもとに地元の銀行にかけあって、 お金の借り入れまでできるような人材だ」

8. 武器としての決断思考

これが、知識・判断・行動のすべてをセットでこなすことのできる、交換不可能な人材 の姿です この本を買って読むような、若くてやる気もあるみなさんには、ぜひここまでできるよ うになってほしいと私は強く思っています。 もちろん、さらに厳しさを増す今後の労働市場において生き残るため、ということが大 前提としてありますが、それだけではありません。これからの日本を形作っていくみなさ んひとりひとりがそういった人材になることで、間年後、年後に、その世代のカで大き く社会を変えてほしいのです。舵を切っていってほしい。 世の中を変えるためには、知識を持っているだけではダメです。もちろん、知識すら持 っていないのは論外。 日頃から、知識を判断、判断を行動につなげる意識を強く持ってください。 『マネジメント』を読んだ。だいたいの人はそこで終わります。わざわざ早起きして出社 前に勉強会に参加している自分に少し酔って、勉強したつもり、仕事をしたつもりになっ て、たまに赤線を引いた箇所を読み返すくらい。 そして、翌週になれば、今度は『戦略思考の教科書』のようなビジネス書を読んで、同 かじ ガイダンスなぜ「学ぶ」必要があるのか ?

9. 武器としての決断思考

はじめに「武器としての教養」を身につけろ 人間を自由にするための学問 3 ーセントが「起業論、を学ぶのか ? イ どうして京大医学部生の薊ヾ しま、若い世代こそ読むべきだ 7 『学問のすすめ』は、、 私の職業は「軍事顧問」 どんなことも自分で決めていく時代の「決断思考ー ディベ 1 トⅡ意思決定のための具体的な方法 ガイダンスなぜ「学ぶ」必要があるのか ? 「知識・判断・行動」の 3 つをつなげて考える エキスパートではなく、プロフェッショナルを目指せ 9 リペラルアーツ

10. 武器としての決断思考

だと一一一一早んるでしょ - フ この本は、ディベートの考え方をもとにした「決断思考ーについて、若い世代が「武器 としての教養ーとして身につけられるよう、授業形式を用いてなるべくわかりやすくまと めたものです ( ディベートの専門書ではないので、一般的なディベートのやり方とは少々異なり ます。もし本書をきっかけに、本格的なディベートに興味を持たれたなら、私が代表理事を務め る全日本ディベート連盟にコンタクトをとっていただけると嬉しいです ) 。 大学の授業を受けているような感じで、真剣に、そして気楽にページをめくっていって 武器は持っているだけでは意味がありません。使ってこそのもの。 教養も、座学ではなく、実践により磨かれます。 今後の人生で出会う大きな決断の場面で、ぜひこの本で学んだ思考法を応用してみてく きっと、教養の重要性を実感できるでしよう。 ざがく リペラルアーツ 「武器としての教養」を身につけろ はじめに