気で麻酔をかける ますい 気功麻酔とは しようしや 麻酔薬を使わすに、気を照射 することによって患者に麻酔 をかけるというもの。 ノ / けいけつ 患者の経穴に気を照射するこ とで、エンドルフィンという脳内 ぶんびつ 物質が分泌される。これは、痛 みをやわらげる働きを持っため、 麻酔が可能となる。 気功麻酔の例 気功麻酔のメリット ・副作用がない ・術後の回復が早い ・手術中意識ははっき りしている こうじようせんしゅようてきしゆっ ・甲状腺腫瘍摘出 ・デ状腺肥大切除 ・舌ガン切除 ・胃切除
遠赤外線はものを 暖めるものなのか ? ~ さまざまな効用を持つ ~ せきがいせん 赤外線はいくつかに分類することができるが、もっとも多く使用 きんせきがいせん えんせきがいせん されている分類は、近赤外線そして遠赤外線の 2 分類である。 マイクロメートルでんじは かしこうせん 遠赤外線は波長が 3 ~ 1000 m の電磁波で、可視光線より電波 に近い波長を持ち、赤外線のなかでも可視光線より遠いところにあ るところからこの名がつけられた。遠赤外線のなかでも特に波長が 3 ~ 254m のものは、物質に当たると吸収され、物質の分子や結晶 を振動させて暖めることができる。この効果が衣料品などで紹介さ れている遠赤外線の効果のひとつなのだ。 実際に製品化され、使われているものの多くは、電気ごたつやセ ラミックヒーター、そして衣料品や寝具に見られるように、暖める、 または保温を目的としたものである。このほかでは、遠赤外線は高 い清浄能力を持ち、ガス・ほこりなどを出さずに加熱することがで とそう きるので、半導体製造や製紙、塗装面をクリーンで均一に乾燥させ る必要がある場合に用いられている。 しようしや 医療の場面では、赤外線サウナや赤外線照射治療に利用し、人 体温熱効果や代謝促進、生理活性化などのために用いられている。 これは遠赤外線の持つ効果のひとつが、人体に対してプラスの影響 を与えていることを証明していると言えよう。 また、人間は常に遠赤外線を放出しており、そのおかげで体温を 維持している。普通の人間は、ほば一定の強さの遠赤外線を放出す るが、訓練を積んだ気功師などは、放出する遠赤外線の強さをコン トロールすることができるのである。この人間の放出する遠赤外線 と気には深い関係があると思われ、この研究も進められている。 60 2 気は電磁波の一種 ? はんどうたい
回転して伝播する性質 ~ 「円偏波」の電波とは ~ でんじは 気と電磁波の間には、いくつかの共通点がある。このなかでもっ とも興味深いのは、電磁波 ( 電波 ) のなかには気と同じように回転 でんばん しながら伝搬する性質を持つものがあるということである。この回 えんへんば 転しながら伝搬する電波を円偏波と言う。 「回転しながら伝搬している電波は特殊なものではないか」と、 思う人もいるだろう。しかし、実際には我々のきわめて身近な部分 はんそうは で使われているもので、たとえば衛星放送の搬送波 ( 放送用の電波 ) として使われているのも円偏波の電波なのである。 円偏波の電波とは、主に衛星通信や衛星放送に使われている技術 で、微弱な電波でもその到達距離がきわめて長いのが特徴である。 しゅうはすう しかし、円偏波に使用する電波の周波数は高く、雨や雪などによっ て吸収されたり、また拡散・屈折し、目的地まで届かないこともあ る。また、 AM や FM ラジオの放送に使われる比較的低い周波数帯の 電波と異なりまっすぐに伝搬する性質を持っており、伝送路 ( 大気 中など電波が進む道 ) に建物などの障害物がある場合は、そこで途 切れてしまうことになる。また、回転の方向は右回り、そして左回 りのいずれも使うことができる。 これらの特徴や性質の多くが、気のエネルギーの伝搬と共通点を 持っている。気のエネルギーの大部分は回転しながら伝搬するし、 湿度や霧など水の影響を大きく受ける。また、たとえ微弱なエネル ギー量でも長距離の伝搬が可能な点もよく似ていると言える。ただ し、気は、回転の方向と、回転の半径が拡大する傾向があるか、ま たは縮小する傾向があるかによって、性質が異なるとされる。 70 2 気は電磁波の一種 ?
気功麻酔は 可能なのか ~ 麻酔薬を使わずに手術を行なう ~ 気功麻酔とは、麻酔薬を使わずに、気功医師が患者に気を注ぐこ とにより、患者の痛みを止めてしまうものである。これは、すべて の治療で効果があるわけではないが、 1980 年 5 月に中国の上海第 こうじようせんしゅようてきしゆっ 八人民病院での甲状腺腫瘍の摘出手術において、世界ではじめて 気功麻酔が用いられ、その手術は成功したのである。 はり 気功麻酔が行なわれる以前にも、中国医学会は鍼麻酔を成功させ けいけつ ている。鍼麻酔とは、患者の体表にある特定の経穴に鍼を打ち、そ の刺激が経絡を通じて脳に伝達され、脳内物質 ( 工ンドルフィン ) ふんびつ の分泌を促すことで、麻酔効果が得られるものである。 これに対して気功麻酔は、麻酔薬や鍼麻酔を用いず、気功医師か しようしや 患者の経穴に気を照射することにより、鍼麻酔をしたときと同じ ように脳内物質の分泌を促し、麻酔薬と同様の麻酔効果を得るもの である。 気功麻酔と鍼麻酔の基本的原理はほば同じであるが、鍼麻酔が経 穴に対する物理的刺激であるのに対し、気功麻酔の場合は、気功医 師の持つ一種の生命エネルギーや生命情報である「気」を照射する ことにより、脳内物質の分泌を促しているのである。 気功麻酔の特徴は、術後に副作用が出ることがなく、また回復が 早いことにある。これは、気功医師の生体工ネルギーが大きく関係 していると考えられている。また、麻酔薬などの化学物質を使わな いので、被術者の生体工ネルギーに与えるダメージが小さいと考え られている。しかしながら、気功麻酔はまだ研究途上であり、いっ そうの研究が求められているのである。 160 ますい 5 気で病気は治るのか けいらく
気は感じる ことができる ~ カリスマは感じとりやすい力強い気を発する ~ 人は特別な場合を除いて、自分以外の人や生き物などから発せら れる気を常に受けており、それによって少なからず影響を受けてい る。この気のなかには、常に受けているものの、その存在にまった く気がつかないものもあれば、ごく短い間だけであるにもかかわら ず、その存在を強く感じるものもある。 たとえば、多くの人が出入りしている部屋でも、特に強い気を放 っている人が入ってくれば、その人の気配を無条件で感じることが ある。その人の持つ気の性質はあまり関係なく、よい意味でも悪い 意味でも力強い気を発している人の気は感知されやすいと言える。 つまり、強い気であればその質は関係なく、感じることができるの である。これは「カリスマ的存在」と呼ばれる人や宗教などの指導 者など、特に人を引きつける力を持っている人たちに多く見られる 現象である。 人が感じることができる気は、なにも強いものばかりではない。 すべての人が同じように感じることができるというものではない が、お互いの発している気の質が同じ種類のものであれば、たとえ それがどんなに微弱なものだとしても、感じとることができる場合 がある。これは「気が合う」「波長が合う」などと呼ばれるもので、 だれもが一度は経験したことがあるだろう。 性質が異なる微弱な気でも感じとることは可能だ。これをするた めに人は心を落ち着かせ、周囲の気を探ろうとする。このことを 「気配を探る」と言う。そしてより多くの気を感じるためには、そ たんれんしゅぎよう のための鍛錬や修行をする必要があるのである。 3 気は人体にどう影響するのか 80
赤外線とは何か ? 2 気は電磁波の一種 ? ~ 本来は目に見えないもの ~ せきがいせん 赤外線と聞くと、電気ごたつを思い出す人がいるに違いない。あ の赤味がかった暖かい光を見て「赤外線は赤く見えるものだ」と、 そう思っている人もいるだろう。しかし、実際の赤外線は人間の目 では見ることができない波長の光である。 かしこうせん 人間の目で見ることができる光 ( 可視光線と言う ) の波長は 400 ナノメートル ~ 800 n m であり、この範囲以外の光は見ることができない。また、 可視光線は虹に見られるように 7 色に分解することができ、波長の だいだい 短いほうから紫・藍・青・緑・黄・橙・赤となっている。赤よりも しがいせん 波長が長いものを赤外線、そして紫より波長が短いものを紫外線と 呼んでいる。つまり、赤外線も紫外線も人間の目で見ることができ る光の範囲外であり、電気ごたつで見られるような赤味がかった光 に見えることはない。赤い光は人間が見て暖かさを感じる色であり、 この光の演出効果でより暖かさを増しているのである。 でんじは 赤外線は、数ある電磁波のなかでも人間に対してよい影響を与え るもののひとつであり、電気ごたつのような家電製品だけでなく、 衣料品など多くの製品に使われている言わば「プラス効果のある電 磁波」である。電気ごたつやセラミックヒーターのように目で確認 えんせきがいせん できる効果を持つものや、遠赤外線を使った衣料品や調理器具など、 目で見ることはできないものの、実際にはその効果が解明されてい るものもある。 気のなかにも同じように、目に見ることはできないが、「よい働 きをする気」 ( 16 ページ参照 ) があり、赤外線と同じように研究が 進められている。 58
鍼灸による治療とは ~ 経穴や経絡に刺激を与える ~ 我々日本人にとって、漢方薬と並んでなじみのある東洋医療は鍼 きゅう 灸治療であろう。日本国内で鍼灸治療を行なうためには、厚生労 働省の行なう「はり師」「きゅう師」の国家試験を受験し、免許を 得る必要がある。つまり、鍼灸治療の効用は厚生労働省も認める治 療法と言えよう。 それでは、鍼灸治療にはどのような効用があるのだろうか。 鍼灸治療の守備範囲は意外と広い。神経痛や腰痛、頭痛といった 痛みの治療から、食欲減退や疲労回復など日常起こりうるもの、そ して冷え性や肩こりといっただれにでも経験があるものへの効用ま でよく知られている。さらに、運動機能が衰えた身体の機能回復を 促す手段として、交通事故などによる機能障害のリハビリの一環と しても行なわれているのである。もちろん、鍼灸治療は万能ではな い。このため、鍼灸治療を受けたからといって、確実に症状が解消 かんわ されたり緩和されるというわけではない。東洋医療は人間の持つ自 ぜんちゅりよく 然治癒力を高め、結果として症状を快方に導くためのものである。 はりきゅう けいけつ 実際の治療では、鍼や灸を用いて経穴 ( ッポ ) や経絡に刺激を与 えることにより気を流し、患部の治療を行なう。身体中にある経穴 は、それぞれが身体の各機能や内臓などの器官と密接な関わり合い があり、適切な方法で刺激を与えることで治療ができる。そして、 この経穴に適切な刺激を与える方法として、あるときは鍼を、そし てまたあるときは灸を用いる。つまり、経穴や症状によって使い分 けているのである。そしてこの治療に必要なのは、体内の気を制御 して、症状を改善しようという思いを持っことであろう。 148 5 気で病気は治るのか けいらく
気を使うとスーパーマンになれるのか 普通の人 全能力の 3 割を発揮 気功師 全能力の 7 割を発揮 テレビ番組や雑誌の記事などで、気を扱う気功師があ たかも超能力者やそれ以上の存在として取り上けられる とうし ことがある。確かに、気功師のなかには、透視やテレハ ねんどうりき シーなどの超感覚、スプーン曲けなどの念動力など、超 人的な能力を持つ人もいるが、気功師のすべてが超能力 者というわけではない。 たんれん しかし、鍛錬を積んだ気功師が、普通の人が持ってい ないようなすぐれた能力を持っているのも事実である。 人は、本来持っている能力のすべてを発揮できているの ではなく、通常は 3 ~ 4 割の能力しか使っていない。こ の割合を高めるために、気をコントロールするのである。 気をコントロールするという強い思い ( 願い ) を持ち、 気のコントロールができれは、常人から見れはスーパー マンのような高い能力を発揮できるかもしれない。 46
病気と気にはどのよ うな関係があるのか ~ 病気になるとマイナスの気を発しやすい ~ 「病は気から」ということわざが示すように、気と病気の間には 少なからず関わりあいがある。病気と気の関係には、病気になった ことで気が変化する場合と、気が変化したことによって病気になる 場合の 2 種類がある。前者はウイルスや病原菌の感染による場合が 多く、「風邪をひいたために弱気になった」などがこれにあたる。 これに対して後者は、「弱気になった」や「悪いことばかり考えて しまう」などが原因となり、健康な人でも知らずに体調を崩すこと である。つまり、何らかの影響により心身のバランスを崩すことに よって、自ら病気を呼び寄せているようなものである。 それでは、病気になった場合、気には実際にどのような変化があ るのだろうか。 病気の種類によって身体や気の変イヒは異なるが、ほとんどの場合 は積極的に何かをやろうとする気力や活力がなくなる。また、病気 になったという現実を前にすると、人はどうしても物事を後ろ向き に考えるようになる。このような状態では強い気を発することはで きないし、また自分や周囲の人にとってプラスの働きをする気を発 することは、まずできないだろう。むしろ周囲の人に暗く重苦しい 雰囲気を与えるマイナスの気を発してしまうことになりかねない。 しかしこれらのことは、気の持ち方を変えることで、病気に立ち 向かうことができることも意味している。大した病気でないにもか かわらず弱気になっていれば、いつまでもよくならないかもしれな い。逆に「この程度の風邪なら大丈夫」と思っていれば、治るのも 早いこともあるだろう。まさに「病は気から」なのである。 ィー 92
気の強さ、質は 人によって異なる ~ 気の性質は後天的な要素の影響が大きい ~ 気の強さや質は、その人の体格や性別などの肉体的な要因だけで 決まるものではない。たとえば、どんなに体格がよく、見た目には 気が強そうな人も、実は弱々しい気やマイナスの気しかない場合も ある。もちろん、この逆に一見ひ弱そうに見える人でも、その内な る部分は常に輝きを持っており、だれよりも強い気の持ち主である ことも少なからずある。つまり、生い立ちや現在置かれている状態、 その人の持つ意思などによって決まるものであり、体格の影響はそ れほど大きくない。 ただし、人並みはずれた体格の持ち主は、ほかの人から見ればカ 強く見えることがある。このようなときは、本人がたとえ弱々しい 気しか持っていなくても、周囲から受ける気の影響で力強い気に変 わることもある。 このように、気の強さや質は後天的な要素の影響が大きいもので あると言える。もちろん、先天的なものがまったく影響しないわけ ではないが、むしろその人が歩んできた人生の影響を強く受けると いうことである。そして人によって生きる環境や条件が異なる以上、 まれ 同じ性質の気や同じ強さの気を持つ人はきわめて稀である。 いちらんせいそうせいじ このことを示す例として、一卵性取生児が取り上げられることが 多い。ー卵性双生児は、生まれてから自らの意思で行動し、生活を することができるようになるまで、その気の強さや質が似たものに なる傾向がある。これは、生まれた直後はもちろん、親元から独立 して自らの意思で生きていくまでの間、一卵性双生児はほぼ同じ環 境で成長し、同じような周囲の環境の影響を受けるためである。 3 気は人体にどう影響するのか