積極的に行動するこ とで潜在能力が出る ~ 現代は潜在能力を引き出す妨げが多い ? ~ へんせいいしきじようたい 一般的に変性意識状態に入りにくいタイプは、何事においても 不活発な人である。身体を動かすのが嫌いで、休日は家でゴロゴロ しているだけの人は、どれほどよい環境か整っていたとしても変性 意識状態に入りにくい。また、人と交わるのを好まない人も、同じ ように変性意識状態に入りにくい。 たとえば、難しい問題に直面したときなどは、机の前であれこれ 考えていても解決しないことが多い。このようなときは、散歩をし たり運動をしたりして気分や環境を変えてみると、パッとひらめく せんざい ことがある。このひらめきこそが潜在能力の一種であり、運動など をすることにより、引き出すことができるのである。 人と交わることも、潜在能力を引き出すために有効な方法である。 特に、自分より能力の高い人と交わることで、その人の持っている 目に見えないエネルギーのようなものの影響を受け、そしてこれを 吸収することができる。そして、より多くの人と交わり、その人た ちの持つエネルギーのようなものを吸収すればするほど、自分には プラスになる。また、同じタイプの人だけではなく、タイプの異な る人と交われば、より高い効果かある。「異業種交流会」がもては やされるのも、このような「効果」に期待しているからだろう。 現代人は、交通機関やエレベータなどを利用し、自分の足で歩く ことが少なくなった。また、電話やインターネットなどの進化に伴 い、人と交わる機会が減った人も多い。これらは潜在能力を引き出 す妨げであり、もしも潜在能力を高めたいと思っているのならば、 「自らのカでなんとかする」ことを心がける必要があるだろう。 196 6 気をコントロールする
潜在能力を引き出す方法 気分転換は有効な方法のひとつ 家の中にこもっているより、 外に出て気分転換してみ ると、ひらめきが生じるこ とがある。 また、いろいろな人と交流 することで、その人たちの エネルギーを吸収できれ ば、眠っている潜在能力 を引き出すことにつながる。 あっそうだ ! 交通機関や通信設備に頼り切った生活は、潜在能力 を引き出すことの妨げとなるかもしれない。 197
気の研究は —行なわれているのか ~ いろいろな方面で研究が進む ~ 気に関する研究は数多く行なわれてきた。古くは東アジアを中心 に行なわれてきた気功法など、主に治療に関する研究で、気の研究 を通じて気の本質を確認し、それを生かすことができれば、医療の 専門家でなくても気の効力だけで病気やケガを治療することができ るのではないかというものである。この東洋医学に見られる治療法 しぜんちゅりよく は今もなお世界各国で行なわれている。さらに、人間の自然治癒カ たんれん ぜん の向上や精神的鍛錬のために行なわれている褝やヨーガなど東洋宗 しゅぎようほう 教の修行法についての理論的・実験的研究も重ねられている。 現在はこれらのほかに、超常現象や超能力と呼ばれる特異功能の 研究が盛んになっている。もちろんこの分野も古くから研究が行な われてきたが、 1970 年代に世界中で巻き起こった超能力ブームを 契機に世界中で行なわれるようになった。もっともそのきっかけと なったのは「インチキ超能力の解明」がメインであり、それを進め てゆくにつれ、従来までの常識や科学では証明できない事象がある ことがわかってきた。つまりどのようなものかは特定できないが、 なんらかのエネルギーとして作用するものがあることがわかってき たのである。そしてこの未知エネルギーの研究が気の研究における ひとつの分野として進められているのである。 気の研究でもっとも積極的に行なわれているのは、気の本質とは 何か、そしてどのような性格を持つものなのかということの解明で ある。これらがわからなければ気工ネルギーの存在が証明できたと カなり しても意味がない。雷のように存在自体は確認されていても、その 正体がわからなかったのと同じなのである。 40 「気」とは何か
気を使うとスーパーマンになれるのか 普通の人 全能力の 3 割を発揮 気功師 全能力の 7 割を発揮 テレビ番組や雑誌の記事などで、気を扱う気功師があ たかも超能力者やそれ以上の存在として取り上けられる とうし ことがある。確かに、気功師のなかには、透視やテレハ ねんどうりき シーなどの超感覚、スプーン曲けなどの念動力など、超 人的な能力を持つ人もいるが、気功師のすべてが超能力 者というわけではない。 たんれん しかし、鍛錬を積んだ気功師が、普通の人が持ってい ないようなすぐれた能力を持っているのも事実である。 人は、本来持っている能力のすべてを発揮できているの ではなく、通常は 3 ~ 4 割の能力しか使っていない。こ の割合を高めるために、気をコントロールするのである。 気をコントロールするという強い思い ( 願い ) を持ち、 気のコントロールができれは、常人から見れはスーパー マンのような高い能力を発揮できるかもしれない。 46
特異能力を 出しやすい人とは ~ 性格や環境が関係する ~ これまでに説明してきたことで、気をコントロールするために必 要な条件や環境は理解できたであろう。気をコントロールし、特異 へんせいいしきじようたい 能力を発揮するためには、変性意識状態を作り出すことが「カギ」 になり、これを作り出すためにしなければならないことも説明して きた。それでは、これらを行なうことで、だれもが特異能力を出せ るようになるのであろうか。 結論から言えば、すべての人が同じように特異能力を出せるわけ ではない。気功のような特異能力が出やすいタイプの人と、逆に出 にくいタイプの人がいるのである。特異能力が出やすいタイプの人 は、明るく前向きの考えができ、現代科学の理論では理解できない ような不思議な現象にも好奇心を持つような人たちである。 逆に、特異能力が出にくい人は、どんなことでも疑いを持ったり 否定的に見たりしがちな人で、気の存在や超能力という科学的に証 明されていないものは好まず、その存在を疑うタイプの人である。 このようなタイプの人は理性や知性を活発に働かせることが多いの で、脳波がアルファ波になりにくい。このため、変性意識状態を作 りにくいのである。 もちろん、現代科学の理論では解明できないような不思議な現象 に好奇心を持つような人たちのなかにも、特異能力を出せない人も いれば、逆に信じていないにもかかわらず、特異能力を出すことが できる人もいる。信じているにもかかわらず特異能力が出にくい人 たんれん は、鍛錬を積んだり変性意識状態に入りやすい環境を作ったりして、 特異能力を出すための努力をする必要があるのだ。 198 6 気をコントロールする
人間の脳の構造 右脳と左脳の関係 右脳の働きが重要 自律神経とはどのようなものか 脳波とは何か 気を発する人の脳波 変性意識状態とは 変性意識状態にはだれでもなれるのか ? 変性意識状態に入るための訓練 繰り返すことで変性意識状態を作り出す 特異能力とはどのようなものか 気と心の関係 周囲の環境に影響を受ける 気を出しやすい環境 自然と触れ合うと気を高められる 積極的に行動することで潜在能力が出る 特異能力を出しやすい人とは 気を集め放出する物質 ◎コラム気を感じとる方法 気の用語集 索引 参考文献 機能別の部品の組み合わせー 覚醒水準の差ー 「感性の機能」が求められる一 交感神経と副交感神経ー 気の発生に関係する脳波は一 アルファ波のコントロールー 意識と無意識の間の状態 無意識のコントロールー 理性や知性を眠らせる一 ある段階を超えるまで続ける一 非物理的な事象は解明されるのかー 心の状態は気に大きく影響する一 気が濃い場所と薄い場所ー 自分に合った条件を探す一 二酸化炭素には注意ー 現代は潜在能力を引き出す妨けが多い ? ー 性格や環境が関係する一 水晶の効果ー ーー 166 ー -168 ーー 170 ー 172 ーー 1 74 ーー 1 76 ーー 1 78 ーヨ 80 ー 182 - -184 ーー 186 ーー 188 ー 190 ーー 192 ーー 194 ー 196 ー 198 ー -200 ーー 202 ー 203 ーー 205 ーー 207
特異能力とは どのようなものか ~ 非物理的な事象は解明されるのか ~ 「気を出すことができる」とか「気を感じることができる」と言 うと、普通の人は「何か特別な能力を持った人ではないか」と思う たんれん だろう。しかし、ほとんどの人は、鍛錬を積むことで可能となる。 つまり、特別な能力ではないのだ。それでは、特別な力、特異能力 とは一体どのようなものなのだろうか。 特異能力という言葉自体は、「気の世界」以外でも使われている。 れいばい たとえば、宗教においては信仰の対象となる人 ( 教祖など ) や霊媒 師などが持つ、その世界での特別な能力のことを指す。これは「気 の世界」でも同じことで、気を用いて普通の人にはできないような 能力を「特異能力」と呼んでいるのである。 ねんどうりき 「気の世界」で言う特異能力には、 PK ( 念動力 ) や ESP ( 超感覚 的知覚 ) が知られている。 PK とは、物理的作用によらずに、精神 が物質や生物などに物理的な影響を与えることで、手を使わずに行 なうスプーン曲げなどがこれに当たる。また、 PK は PK-MT ( 動い ているものへの影響 ) 、 PK-ST ( 静止しているものへの影響 ) 、 PK- LT ( 生物への影響 ) の 3 つに分類される。 とうし ESP は、透視やテレバシー、予知などの特異能力の総称である。 通常の手段や推測によらずに、物事を知ったり、それに反応したり することで、「超感覚」と呼ばれることもある。 これらの特異能力は、そのすべてが科学的に解明されているわけ ではないが、実際の事象として認知されている。そして、気のエネ ルギーが強くなると、特異能力も強くなるという意見もあり、その 研究が進められているのである。 6 気をコントロールする 1 86
「物質に近い気」 とは何か ~ 超能力や気功、医学の治療など ~ 16 ページで説明したように、気には「精神に近い」ものと「物質 に近い」ものがある。前者は心身のコントロールに必要不可欠なも ので、内面的な働きをする。これに対して、後者はそれを発する人 の周りのものに働くもので、外面的な気と言える。物質に近い気と して知られているものには、スプーン曲げのような物質に強い作用 ねんどうりき を与えるカ ( 念動力 ) をはじめとする超能力がある。また、ピラミ ふしよく ッド型の建物内に置いた食物などは腐食の速度が遅くなり、外に置 いた食物に比べてより長い期間、新鮮な状態を保つことができたり、 またその中にいると集中力や気力が高まるなどの、「ピラミッドバ ワー」と呼ばれるものも広く知られている。これらもすべて解明さ れたわけではないが、自然界から集められる気の力やエネルギーと しての気が作用していると考えられている。また、東洋医学の治療 で用いられる気功も物質に近い気の一種である。 超能力やピラミッドパワーのような話は別にしても、気功につい てはその効果を信じ、そしてそれに頼る人は多い。事実、現在の投 しぜんちゅりよく 薬や外科手術に重きを置いた西洋医学の絶対論を脱し、自然治癒カ を引き出す東洋医学を見直そうとする動きがあるくらいである。 気功による治療は気功治療師と呼ばれる強い気を発する人が行な うもので、中国で古くから行なわれてきた治療法である。気功治療 師は患者の患部に手をかざし、手のひらから放出される気を用いて 治療をする。このとき放出される気は患部や患者の体内の気に作用 し、人間の持つ自然治癒力を高めることにより治療するものである。 これはエネルギーとしての物質的な気の持つ力と言えるのである。 「気」とは何か 30
「気」から「血」が 作られる ~ 気と血の生成・消費のシステム ~ 東洋医学では、「気」と「血」は非常に密接な関係にあり、「気」 がなくては「血」は存在しないと考えられている。「気」は生きて いくために必要なエネルギーであり、「血」はエネルギーを得るた とどこお めに必要な養分なのである。また、気の流れが滞ると、血液の流れ も滞ると考えられている。 せいび 東洋医学では、飲食物 ( 水 ) の中にある栄養物質を精微物質と 言い、これらが気を作るために必要なエネルギーであると考えられ ている。人は、飲食物を口から摂取し、それらを胃で消化して精微 物質として吸収し、精微物質を胃から気の生成場所である肺へと運 うんか んでいる。これら一連の作用を「運化作用」と呼んでいる。 精微物質は、運化作用によって外界の大気が充満している肺に送 で大気と混ぜ合わされて、人体の生命活動を推進するた られ、こ めに必要なエネルギーである気が作られる。また、肺で作られた気 は心 ( 心臓 ) へと運ばれ、この心で気が変化し、血が作られるので ある。そして、気は肺の力によって、血は肺の協力を得た心の作用 により、身体のすみずみに送り届けられていくのである。つまり、 気と血 ( 気血 ) の運搬の機能を、肺と心の作用に振り分けて考えて いるのである。 体内で作られた気血のうち、余った分は体内に蓄えられる。「気」 かん は腎 ( 腎臓 ) に「精」という形で貯蔵され、「血」は肝 ( 肝臓 ) に 蓄えられる。そして、気血の生成能力が何らかの原因で低下し、気 血が不足したときには、貯蔵してあるものを利用するのである。 4 気と経穴の関係 104
気の科学 図解雑学 エネルギーなのです。 「気」は完全に正体が明らかになっていない、無限の可能性を秘めた 科学、その他の分野で有効利川する試みも行なわれています。 また、「気」は自然界の至る所に存在しており、この「気」を集めて、医学、 を行なったり特異効能を発揮したりすることも可能なのです。 「気」をコントロールできれば、心身の健康を保ち、さらには、病気の治蹴 なものなのです。 ところが「気」はすべての人間の体内に流れている、生命活動に不可欠 のような存在とみなされていました。 「気」は長い間、特別な能力を持つ気功師たけが操ることのできる、魔法