自律神経のバランスを 整えると、鼻の症状が和らぐ。 適度な運動と睡眠が大切 、えいきよう およ 鼻の症状には自律神経が影響を及ばしています。 自律神経は、体のバランスを整える神経で、車でいうとアクセルに相当する交感神 経と、プレ 1 キに相当する副交感神経の二つがあります。 体が活発に活動していて、興奮している時は、交感神経が活発になっています。逆 すいみんちゅう に気分を落ち着かせて食事をしている時や、睡眠中には副交感神経が活発になってい ます。 この二つの神経が、バランスよく働くことで体の調子が整えられるのですが、一方 か過剰になると、いろいろな症状が出てくるのです。 かじよう しようじよう しようじよう
コーナー 花粉症・アレルギー性鼻炎について、 具体的な質問にお答えします 鼻血が出た時の、正しい対処を教えてください 2 リンゴを食べると、ロが腫れてしまいます 3 日本食には、腸内細菌を整え、 アレルギーを予防する力がある。 バランスのよい食生活を 4 タバコは鼻炎を悪化させる 煙は鼻の粘膜を荒らし、ニコチンは血行を悪くする 109 106 101
もくじ 4 章日常生活のアドバイス こうすれば、アレルギー性鼻炎になりにくくなる 1 ロ呼吸をしている人は、鼻や喉に 何らかの問題があることが多い 2 自律神経のバランスを整えると、鼻の症状が和らぐ。 適度な連動と睡眠が大切 《コラム》ペットボトルで鼻づまりが解消 8 新たな治療法に注目ー 自宅でできる「舌下免疫療法」。 痛みもなく、副作用も少ない 9 手術で、鼻づまりを治す 薬を続けても改善しない時の選択 手術の種類と、その特徴、効果 97 95 4
日本食には、腸内細菌を整え、 アレルギーを予防する力がある。 バランスのよい食生活を 昔の日本人はアレルギ 1 になる人が少なかったのですが、現代はアレルギーになる おうべいか 人が増えてきています。その原因の一つと考えられているのが、食生活の欧米化です。 もともと日本人は、野菜や穀物が中心で、たんばく質は魚が中心でした。しかし、 おうべいか 食生活の欧米化によって、肉類や卵などを多く摂取するようになり、たんばく質や脂 肪を取り過ぎたことで、アレルギ 1 になりやすくなっているといわれています。 なぜそのよ、つなことになるのでしよ、つか 実は、私たちの腸の中には、腸内細菌がたくさんすんでいます。その数は五百兆 5 千兆個といわれています。実は私たちの出す便の約半分は、腸内細菌やその死骸であ ちょうないさいきん せっしゅ ちょうないさいきん
鼻の中にも、自律神経があります。 副交感神経が活発になると、鼻粘膜の毛細血管が広がって、鼻の粘膜がむくみます。 ぶんびつりよう そして鼻水の分泌量も多くなり、くしやみも出るようになります。 逆に交感神経が活発になると、鼻の通りはよくなります。 ねむ ぐっすり気持ちよく眠っている時にはよだれが多く出て、人前に出て緊張している かわ 時にはロが渇くことを考えれば、イメージかわきやすいと思います。 この自律神経のバランスを整えることで、鼻の症状を和らげることができます。 適度な運動は自律神経の働きを高める効果があるので、お勧めです。また、ストレ にぶ スをためると、自律神経の働きが鈍ってしまい、アレルギー物質に過敏になりがちな ので、ストレス発散のためにも運動や睡眠が大事です。 びねんまく すいみん しようじよう ねんまく かびん きんちょう
腸内細菌の中で、善玉菌といわれている代表格が「乳酸菌」です。ョ 1 グルトや漬 ふく にゆうさんきん せっしゅ かふんしようしよう け物などに多く含まれています。以前の調査では、乳酸菌を摂取することで花粉症症 おこな えきがくちょうさ 状が改善しやすくなったという報告がありますし、我々が行った疫学調査でも、乳酸 菌を常に摂取している人は、アレルギーが改善しやすかったという結果が出ました。 にゆうさんきん てんちゃ ふく ここでは乳酸菌について述べましたが、それ以外にも、緑茶、甜茶、赤ワインに含 かふんしよう まれるポリフェノ 1 ルが花粉症やアレルギ 1 に効果があるという報告もあります ( カ テキン、ルチン、イソフラボンなどのフラボノイドもポリフェノ 1 ルの一つです ) 。 およ ただここで注意していただきたいのは、「過ぎたるはなお及ばざるがごとし、とい うことです。これらの食べ物が本当に効果があるのかは、まだ科学的に完全に証明さ れているわけではありませんし、効果があるからといって、そればかりを食べ過ぎる と、逆に体の害になる場合もあります。 何事もバランスが大事です。日本食を中心とした、バ ランスのよい食生活がいちば んです。 じよう きん もの ちょうないさいきん せっしゅ ぜんだまきん にゆうさんきん にゆうさん 100
章 -4 るといわれています。 ちょうないさいきん 、えいきよう 腸内細菌は、私たちの体の中にすみつきながら、私たちの体によい影響を及ばして いっそう います。もし腸の中から細菌を一掃してしまったら、大変なことになるのです。 腸内細菌の働きは、まだよく分かっていないことも多いのですが、病原菌の増殖を 抑え感染を防いだり、有害物質や発がん物質を分解したり、食物の消化を助けたり、 ホルモンやビタミンを作り出したりするなど、さまざまな働きがあるといわれていま す。 めんえきりよく 腸内細菌はまた、免疫力をコントロールしているともいわれています。腸内細菌が めんえきりよく はんのう 乱れると、適切な免疫力を獲得できず、異常な反応 ( アレルギ 1 反応 ) が起きてしま うのです。 はっこうしよくひん 日本食は、野菜や穀物が中心で食物繊維が多く、また味噌や納豆などの発酵食品も 多くあります。これらの食材は、腸内細菌を整えて、うまく働くようにすることがで せっしゅ きるので、日本食をバランスよく摂取することで、アレルギーを予防することができ るのです。 おさ ちょうないさいきん ちょうないさいきん さいきん しよくもっせんい ちょうないさいきん はんのう びようげんきんぞうしよく ちょうないさいきん およ