181 なまけもの 「さあ、油川さん、しつかり追いこみましようぜ ! 」 じちょ、つ などと声をかけられると、みじめな自嘲の笑いをうかべ、くちびるをゆがめて人ごみのなか にすごすごと消えるのであった。 駅前広場では、連日、狂乱が発生していた。ここでは各党各派の候補者の運動員たちがノボ リや。フラカードを林立させ、拡声器やメガフォンでロぐちに怒号していた。 , 彼らは広場に充満 きよう し、歩道にあふれ、車道にはみだし、電車がつくたびにありとあらゆる声で絶叫した。その叫 喚は疲れた群集にむかって殺到し、体内をとおりぬけて、空へ巨大なこだまをひびかせた。こ だまは、ある瞬間、星雲状態で静止したかと思うと、つぎの瞬間にはくずれて無数の声と人名 と哀願に分散した。油川の名をさけぶことに堀内ははけしい抵抗を感じたが、自分の声の限界 をさぐろうとしてひと声発してみると、それはたちまち日光と埃りのなかに霧散してあとかた もなくなった。一口 唯ひとりとして自分のさけぶ名前を信じていないのに、誰ひとりとして他人よ り高く叫ばない者がない。その狂騒は金属の破片を充満した、巨大な桶をゆすぶりたてるのに 似ていた。刺激と、ただそれへの反応だけで、人びとはさけび、汗を流し、わめきたてている のだ。堀内はこの群集のなかでつきとばされたり、もまれたり、耳もとで絶叫されたりしてい るうちに、油川や後藤を忘れ、ふたたび漏斗型の穴が自分の内部によみがえってくるのをじっ と眺めるばかりだった。ほかのどの場所でも見られないほど濃密な人間の気配があるにもかか わらず、堀内は厚い殻をかぶらされているような気がした。その非現実感を彼はどうしてもや ぶることができなかった。 かん おけ
令の到着を待ち、通達袋をあけると、ものうげに読んでから隣室の男にわたし、肘掛椅子にも どって爪をみがく。書類、署名、伝一一 = ロ。ただそれがあるばかりだ。寝室に入って枕に頭をおと すとき、彼は薄暗がりのなかにおびただしい人間がしがみついた階段と三角錐をかいま見るだ ろう。首都の大臣から県長、郡長、市長におよぶまで、私たちの支配者はことごとくひとりの 彼らは命令をつたえ、その命令の原因をなす衝動を感 男の無数の影のひとつにすぎないのだ。 , ずることも理解することもなく書類に署名し、支配せずに、管理する。無数の枝にわかれた透 明な溝のなかで彼らはたったり、すわったり、排泄したりすることしかゆるされないのである。 皇帝はこうして地方的英雄の出現する危機をのそいてしまうと、万世一系を宣言した。これ ひょうばう まで、各国歴代の王の名前は彼らがそれそれ標榜する道徳をとって固有名詞としていたのだが、 今後、私たちは、どのようにかりそめの人格の想像も皇帝の呼名からひきおこすことができな くなった。帝位は個性で呼ばれない。それは一家族内の順列である。あらゆる官庁をつらぬい て束ねる透明な系は法律によって自動運動をおこない、衝動は上から下へ流れ、帝位を犯すこ とはぜったい不可能なのだ。私たちは聖家族の首長を一世、始皇帝と呼ぶことになった。彼が 死ねば帝位は遺言によってその十六人の子供のひとりにったえられ、二世皇帝と呼ばれること になるだろう。皇帝の視線は右に左にさまよい、寝殿は増築されてとどまることを知らないの である。精液が彼の体から流れれば流れるほど嗣子の選択の可能性は増す。私たちはなんの発 言権ももたないが、しかしそれは明日の空が晴れか曇りかというよりはいくらかましな期待の こういん 材料にはなる。人びとは皇帝の荒淫、乱交をのそむべきである。 はいせつ ひじかけいす まくら
杯の水のそのひとしずくにすぎないようなものであるとするなら : ・ 驚異は建物の数ばかりではなかった。私たちにとってまったく新しい体制がつくられたのだ。 これまで大陸の全土はいくつかの国にわかれ、各国の王はそれそれの地方に領主を封じて支配 にあたらせていたのだが、これは大円のなかの無数の同心円というよりは、諸侯のカの充実と 恣意によって中心のばらばらになった無数の円を散在し、おたがいに衝突、格闘させる結果と なってしまった。いくつかの国を苦闘の末に併合してひとつの大国を出現させても、王たちは この伝統と習慣にしたが 0 て縁戚者や功労者に領土を分割してあたえるために、つね岳者 や内乱がたえなかった。皇帝はこの危険をさけるために幕僚や将軍をすべて給料生活者に仕立 ててしま 0 たのである。金の竜の乱舞する何百枚という絹のカーテンの花びらのにまどろむ ひとりの精液にみちた男は、同時に馬車の馭者から総理大臣にまでおよぶ官吏全員の任免権を もち、これまた何百本と数知れぬ系統線いっさいの集合点によこたわることとなったのだ。放 かんよう 射線は壁の迷路を右にまがり、左に走って、部屋から部屋、廊下から廊下へとぬけて咸陽の町 にでると、川をわたり、峡谷をくぐって大陸全土の町々の城壁とその内部にしのびこむ。位の 記上下を問わず、官吏は皇帝の名によって、ある日、とっぜん馬車にのって、長い、苦しい旅に 亡出発しなければならない。 これまでの各地の支配者、諸侯や領主や将軍たちは、それそれの領 流 土の地図を手や足のうえに感じていた。しかし、新体制によれば、馬車の乗客は、あるタ方、 3 まったく見知らぬ駅でおりるのだ。彼はテーブルにむかって書類のうえにかがみこむが、食後 の軽いざわめきをもっ生温かい耳たぶのうしろにはいつもひとりの男がたつのである。彼は伝 ぎよしゃ
はよちょち歩きのころから出会った無数の死のひとつにすぎなかった。彼はおびただしい苦痛 を発散しながら衰弱し、しぼんで、死んでいったが、そのことで私はなにもかえられることが よ、つこ 0 父は殺されたのであゑ理由は不明だ。広場の全町民の面前で虐殺された服屋一家は苦痛の はるかかなたにお・ほろげな星のマークをもっていたが、父の場合はなにもなかった。ある秋の 午後、母が台所でを炊き、私がべッドにねころんで本を読んでいるとき、戸外で叫声が聞こ えた。家から走りでてみると、道のまんなかに父がたおれ、渋茶がころがり、五、六人の 武装した兵士が声高に笑いながら日光のなかをたち去ろうとしていた。私と母の足音を聞いて、 血まみれの手斧をさげたひとりが眼にもとまらぬすばやい身ごなしでふりかえったが、私たち こうしよ、つ を見ると、すぐ姿勢をゆるめ、聞きとれぬ南方語で哄笑しながら仲間のあとを追っていった。 のうしよ、フ 私がかけつけると、父は頭部を強打されてうめいていた。薄桃色の脳漿が耳のうえにこ・ほれる ほどの裂傷であった。母は笑声に似た叫声をたてて父の体にとびついた。 私は肩に淡い秋の日光を感じながら・ほんやりとたたずんだ。市場通りにはいつもの人ごみが 記あったが、人びとは私の視線をうけるとまぶたをおとすか、そっ。ほをむくかした。もちろん異 亡 国の兵士の背にむかって糾弾の声をあげるものはひとりもなかった。私の不幸は人びとの足の 流 うごきをすこしゆるめ、眼の暗度をすこし増し、ぎこちない沈黙をあたえたにすぎなかった。 それだけだ。ただそれたけだ。死は、もう、劇ではないのだ。父はそこにいた。兵士は斧をも っていた。だから殺されたのだ。父の頭髪は薄かった。灰色の珠は日光のなかに薄い皮を張り、 ておの きゅうだん おの
173 なまけもの われた。そこにはさまざまなスローガンや人名を書いたビラにまじって、ほとんど床から天井 まで、壁いつばいになるまでギッシリ、五十銭紙幣や十銭貨が貼りつめてあったのだ。壁は手 垢とに埋もれていた。それを眺めて・ほんやりしている堀内の腹を沢田は肘でついた。 「この金、なんのおまじないや知ってるか ? 堀内が答えに窮していると、沢田は顔をちかづけ、耳もとで、 「トーセン、ゴトーセン、御当選やちゅうわけや。かしよるやないか ! 」 鼻にをよせて沢田は笑 0 た。 しばらく待 0 ていると、二階からひとりの男がおりてきた。彼は夏にもかかわらず羽絣、 をつけ、土間におりると、ゴム裏の駄をはいた。顔色がわるく、頬やくちびるにはほとんど まゆ 血色がなかった。薄い眉、こけた頬、赤ちやけた髪。ひげのない、黄いろい皮膚をしている。 しろたび 埃りひとつない白足袋や、筋の正しい袴などを見ると潔癖らしいことはわかるが、全体として はなんとなくみすぼらしく、砂埃りをかぶったような印象を消すことができなかった。 男は足音ひとったてずに二人のほうへやってきた。そのやわらかい身ごなしに堀内は猫を感 じさせられた。沢田は堀内をうながしてその男のまえへつれていった。 「この男もひとったのみます。学もあるし、筆も弁もたっ奴です。ちょっと、いま、困っと りますんで : : : 」 男はルをしがみながら沢田の言葉にうなずき、小さな眼をうごかして堀内をちら 0 と眺めた。 沢田がくどくどと説明をならべるのを男はだまって聞き、話がおわると、かきとった爪を舌の
局の医者。長城はいたるところにあるのだ。この方式によらないで人びとを支配することはで きないのである。彼はつぎからつぎへと大量の夫役人をつくりだし、系を無数に割って配分す るよりほかに方法がないのだ。始皇帝打倒は人びとにさまざまなひびきを起させ、この圧制下 にあって衝動を制したり、高めたりするだろうが、そのあとにくるもののことを考えあわせれ くらやみ ば、なお、あの暗闇の走者と大差ない程度の、距離のみじかすぎる目標である。その目標は私 にもハッキリ見えているのだ。これにちかづくことはきわめて肉体的であり、容易なのだ。し かし、そこにちかづこうとする努力は本質においてついに一揆にすぎないのではないだろうか。 しかもつぎにどんな男を部屋に入れてやり、支持してやっても、ついに長城の消えることがな いものとすれば、私たちのやることはつねに一揆のくりかえしにすぎないのだろうか。あるい は、それとも、すでに意味はその一揆のくりかえしそのものにしかないのたろうか。考えられ るかぎりの道は、いまの私には、ひとっしかない。誰ひとりとしてなんのためかわからず、ど きようど ばうだい こをめざしているのかもわからない、 この厖大な徒労からまぬがれるには、ただひとつ、匈奴 さつりくしゃ となるよりほかに私は知らないのだ。彼らが額に殺戮者のいれずみをもっ私を入れてくれるか 記 どうかはやってみるよりほかにわかりようのないことた。おそらく彼らが黄土地帯へ侵入すれ 亡ば、人びとは壁とドアをひらくよりほかに方法を知らないだろう。彼らの異様に暗く烈な、 流 方向は知らないがしかし奔放な速度にみちたカは黄土地帯の奥深くまでつきささって肉をふる わせるにちがいない。 , 彼らこそは長城を必要としない唯一の種族である。私は彼らが脂肪ゆた しようふ かな娼婦のような地帯に住みついていつまで政府をもたずその力をふるいつづけられるか知ら いっき
抵抗感とそれを克服するよろこび、それはどんなひっ掻き傷のひとつにも行為が硬い、不動の 絽形のもとに皮膚の外にのこり、いつでも手でたしかめられる快感なのだ。その短切な物質との 関係を回復するよりほかに道があるだろうか。 しかし、不況は冬以来、深刻をきわめていた。どこへいっても堀内は素材と出会うことはで きなかった。電柱やガラス戸の求人ビラはことごとく期限ぎれのものであった。安定所の中庭 彼らは夏の陽にあぶられてものうげに汗ばみ、尿の匂いのする土 には失業者が充満していた。 , にしやがみこんでいた。 , 彼らは・ほろをまとって、うなだれ、おたがい肌を接してゆるやかに息 づいていた。それはひとりひとりの人間の群れというよりは、むしろなにか不潔な粘液のよど み、形を失ってとけあった肉のかたまりにすぎなかった。ひとりの土工らしい男が舌うちして 土から体をおこし、その強烈な筋肉で堀内をおどろかしたが、彼のやったことといえばパン売 / ンを手 ペパンを五円で半分だけちぎって買うばかりであった。。、 りの老婆から一個十円のコッ にすると男はふたたび土に沈みこんだ。彼はほんのかすかな動作でもはっきり一一頭筋がうかが えるほど敏感な筋肉につつまれていたが、だらしなくしやがみこんでパンを口に運ぶ姿勢はそ のみごとさをうらぎってあまりあるものがあった。堀内は自分の薄い肩に絶望を感じて中庭か ら去った。 油川のための群集は彼にとって素材ではあり得なかった。メガフォンやビラや哀願の言葉は 道具ではあり得なかった。そんなものはいくら使っても、道具に固有の、あのつよく快い限界 が感じられないのだ。立会演説会の失敗以来はことに汚辱が神経を疲れさせるばかりである。 にお
270 田舎町の城壁にたったひとつの意味をあたえていた、あの、すべての価値に先行して私たちを 夜のなかに発散拡張させる共同作業の感覚が、この北方の長城にはまったく失われているのだ。 ばうだい ここでは人びとは厖大な拡大力のなかでの点であり、あくまでも点にとどまり、ついに結合し かいり て円をつくることのない、ただの肉片にすぎないのだ。私たちは砂漠と黄土と乖離感覚を相手 に息もたえだえな苦闘をつづけたあけくにやっとのことで築きあげた城壁の内側をいつのまに 侵入したのか匈奴の戦士が日光を浴びてゆうゆうと馬を走らせてゆく光景を目撃して深い疑い 彼らにむかってなぜ国境を主張する必要があるのだろう。彼らこそは私 の衝動におそわれた。 , たちの硬直して手のつけられぬ衰弱におちこんだ文明への新鮮な衝撃力なのではあるまいか・ : 荒野では飢えと危機が慢性化した。このことについて私たちはとくに自分の立場の苦しさを 誇示しようとは思わない。動員令が発布されて以来、事情は大陸のあらゆる町や村でもおなじ ことたし、さらにそれに加えて重労働ということについてなら、首都の道路や宮殿のうえを這 いまわっていた、おびただしい労働者の魚のような眼を思えば、なにもいえなくなる。私たち はふたたび孤独や絶望について誰ひとりとして特権のもてなくなった時代にいるのだ。時代は かって過去のどんな日にもなかったような力にみちている。始皇帝は彼以前のどんな王や将軍 も思いっかなかった制度を発明して力を全土から吸収することに成功した。宮殿、軍用道路、 夜の大歓送会などに私たちはそれをみとめる。これほど私たちがカにみちていようとは誰も夢 カそれにもかかわらず、人びとはそれほど力にみちているにもか 想できないことであった。 : 、
242 まなざしを投けた。重い顎とたくましい後頭部を彼はもっていたが、がつくりおとしたその厚 彼よ両手をうしろに組むと指揮棒をぶらぶらさせなが い肩からは無智と孤独が発散していた。 , を ら右に五歩ほど歩き、ゆっくりもどってきて左へ十歩ほどゆき、日光を楽しむ散歩者でもなく、 人を待つ人間のようでもなく、女や男の泣声、叫声、頭のぶつかる音や肉の鳴る音、あわただ 彼の無関心さはいたるとこ しい荷車のひびきや家畜の悲鳴などのなかをだまって往き来した。 , ろに見いだされた。はじめに綱をもって走った兵士は市場通りに綱を張りわたしてしまうと、 あとは城壁にもたれてだらりと腕をたらしたまま仲間たちの運動をぼんやり眺めているだけで、 追われた町民が綱をくぐって左地区へ入ろうとするのを見ても眉ひとつうごかさなかったし、 右地区のなかを走りまわる兵士たちも右に左に走っているように見えながらよく注意すればひ とりひとりはきわめてせまい活動面積しかもっていないことがわかった。はじめに彼らは十メ ートルおきぐらいにわかれてたったので、狩りこみをはじめてもその間隔内でしか活動しない のだ。 , 彼らは自分の領域内にいる町民には無な精力を消費したが、他人の受持区域の人間に はほとんど関心をしめそうとしなかった。追う人間より追われる人間の数のほうがはるかに多 いからカを分散させないように、という計算からかもしれない。しかし、あきらかに彼らの狂 暴さは粘着力をもっていなかった。な・せなら、ほとんど右地区の人間が逮捕されたなかで二、 = 一人のものだけはたくみに兵士それぞれの領域線上だけを縫「て走 0 たために左地区へ 逃げこむことに成功したからだ。兵士は領域線まで追いつめても相手が他人の受持地区のなか へとびこむのを見とどけるとそれ以上積極的に追おうとしなかった。そのため領域線を走る人
に消化されていた。太郎は・ほくから暗示を受けた瞬間にこの人物と風景をみたはずだ。彼はま っすぐ松並木のあるお堀端にむかって歩いていき、虚栄心のつよい権力者がだまされて裸で闊 歩するあとをつけていったのた。 , ・ - 彼の血管は男の像でふくれ、頭のなかには熱い第があり、 体内の新鮮な圧力を手から流すのに彼はもどかしくていらいらした。そのときほど彼が壁や母 親から遠くはなれて独走している瞬間はこれまでにかってなかっただろう。彼は父親を無視し、 母親を忘れ、松と堀とすっ裸の殿様をためっすがめつ描きあげ、つぎに中古ライターを発見し た瞬間、その努力のいっさいを黙殺してしまったのだ。大丈夫だ。もう大丈夫だ。彼はやって しようちゅ、フ ゆける。どれほど出血しても彼はもう無人の邸や両親とたたかえる。・ほくは焼酎を紅茶茶碗に みたすと、越中フンドシの殿様に目礼して一気にあおり、夜ふけのべッドのうえでひとり腹を こうしよ、フ かかえて哄笑した。 それからしばらくたったある日、・ほくは大田氏の秘書から電話をもらった。児童画コンクー ルの審査会があるからでてこいというのである。ぼくは太郎の画を新聞紙に包んで会場の公会 こ 様堂へでかけた。入口で案内を請うと二階の大ホールにつれてゆかれた。日光のよく射す大広間 王 には会議用のテー。フルがいくつもならべられ、何人もの男がおびただしい数の画のなかを歩き の 裸まわっていた。テー・フルのひとつずつに童話の主題を書いた紙が貼られ、作品が山積されてい た。応募作を主題別にわけてそれそれ何点かずつ入選を選・ほうということらしい。各テーブル に二人、三人と審査員がついて作品を選んでいた。落選した作品は床や壁にところきらわず積 かっ