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検索対象: 高校数学でわかるフーリエ変換
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1. 高校数学でわかるフーリエ変換

第 1 章フーリエ級数 あって、これは、「 1 階微分が、区分的に連続な関数」を 表します。 区分的になめらかな関数 = 1 階微分が区分的に連続な関数 です。例えば、図 1 ー 9 の上図は、その 1 階微分 ( = 傾き ) も発散していないことがわかります。したがって、「区分 的になめらかな関数」であることがわかります。一方、図 ト田の関数は 4 = 国というもので、これは区分的に連 続な関数ですが、ェ = 0 では、 1 階微分 ( = 傾き ) が士無 限大に発散しています。したがって、「区分的になめらか な関数」ではありません。「区分的になめらかな連続関数 であれば、フーリエ級数に展開できる」ことを頭の中に入 れておきましよう。 なお、図 1 ー 9 の上図のような関数をフーリエ級数に展開 区間 4 坙ェわで、区分的に連続だが、区分的になめ らかでない関数とは ? 1 階微分が 土に発散 どこかで 1 階微分が無限大に発散する関数は、「区分的になめ らかな関数」とは呼ばない。 図 1 - 1 0 「区分的になめらかな関数」ではないもの

2. 高校数学でわかるフーリエ変換

■フーリエ級数からフーリエ変換へ フーリエ級数は周期的に変化する関数を、同しく周期的 に変化するサイン波で表すものです。しかし、物理学で は、周期的関数ではない単一のパルスをサイン波などで展 開する必要が生しる場合もあります。例えば、 こまでの 知識でフーリエ展開を適用できたのは、図 37 の上図のよ うな周期的な関数でした。 一方、単一のパルスとは、図 3 ー 1 の下図 ( 単一方形パル ス ) のようなものです。 この周期的関数ではない単一のパルスもフーリエ級数に フーリエ級数で展開できるのは、周期的な関数のみ 周期 2 / ー 4 / ー 3 / ー 2 / 0.5 0 ー 0.5 2 / 3 / 4 / では、単一のパルスを展開したい場合、どうすればよいか ? 2 ル 図 3 - 1 84 ー 4 / ー 3 / ー 2 / O. 5 ー 0.5 2 / 3 / 4 / 周期的な方形波 ( 上図 ) と、単一の方形波バルス ( 下図 )

3. 高校数学でわかるフーリエ変換

区間 4 坙ェ坙わで区分的に連続な関数 不連続点 ( 点線 ) 不連続点では、フーリエ級数は、 上下の真ん中の点に収束する。 区間〃坙ェ坙わで区分的に連続ではない関数とは ? ーに発散 どこかで無限大に発散する関数は、「区分的に連続な関数」 とは呼ばない。 図 1 - 9 区分的に連続な関数とは ある関数は、「区分的に連続な関数」と呼ぶことはできま せん。また、無限大に発散する部分があるので、「積分可 能ではない」ということになります。 さて、次に「なめらかな関数」がどのような関数である か見てみましよう。ある関数が、 / は ) で表されるとしま みは ) が、連続な関数であると す。この関数の 1 階微分 き、 これをなめらかな関数と表現します。 なめらかな関数 = 1 階微分が連続な関数 です。また、「区分的になめらかな関数」という表現も 44

4. 高校数学でわかるフーリエ変換

第 3 章フーリエ変換への拡張 展開できれば、応用範囲は飛躍的に広がるでしよう。 単一のパルスに使える方法を、フーリエ変換と呼びます。 フーリエ級数の利点は、周期的な関数をサインとコサイン の足し算で表せることでしたが、フーリエ変換では、「周 期的ではない関数」まで対象が広がるのです。さっそく、 このフーリエ級数からフーリエ変換への拡張に取り組みま ■フーリエ級数の係数を求める ます、図 3 ー 1 の上図の周期的な方形波 / は ) のフーリエ 級数を求めてみましよう。これは、高さ 1 で幅 / 、周期 2 / の方形波です。この複素形式のフーリエ級数の係数のは ( 2-8 ) 式より、 Cn ー Cn 1 2 / 1 2 / ¯t S1n です。図 3-1 の上図の方形波 / は ) は偶関数なので、上式 では奇関数である sin との積は積分するとゼロにな ります。よって、コサインの項しか残らないので 1 2 / 2 となります。またここで、 の範囲で / は ) = 1 であり、それ以外の範囲では / は ) = 0 なので、積分の

5. 高校数学でわかるフーリエ変換

おわりに がどれほど精密で正しそうに見えても、自然現象を描写で きなければ無意味になります。フーリエたちは、物理学者 的な感覚で新しい数学を生み出したと言えるのかもしれま せん。その数学的な厳密さは、後の数学者たちが補強しな ければなりませんでしたが、厳密性に一部寛容であること が、大胆さと進歩を生んだとも解釈できます。 本書の執筆の過程で、筆者は数学者たちの歴史に目を通 してみました。驚いたのは、早くから才能を現している場 合が多いことです。十代の後半には偉大な能力の片鱗を見 せ始めている例が少なくありません。これは数学が物理学 と違って、自然現象と格闘する必要がなく、頭脳が生み出 す論理のみを追究すればよいためかもしれません。あるい は、この時代の数学が後の時代ほどは多くの専門的知識の 積み上げを必要としなかったのかもしれません。 本書を手に取った高校生か中学生の読者の中で、はんの 1 日か 2 日でこの「おわりに」にまでたどり着いた人がい るとしたら、あなたの中には、フーリエやガロアのような 偉大な才能が眠っているのかもしれません。 そして、さらにもしかすると、ナポレオンの才能も眠っ ているのかもしれません。士官学校教官による 16 歳のナポ レオンへの評価を記しておきましよう。 「慎重で勤勉、あらゆる種類の娯楽以上に勉学を好み、良 書に親しみ、抽象科学に強い関心を寄せる・・・・・・。物静かで 孤独を好み、気紛れで横柄、極度に利己的な傾向あり。寡 黙だが、反論は精力的に行い、返答は当意即妙、非常に自 2

6. 高校数学でわかるフーリエ変換

第 7 章ラブラス変換を用いた演算子法 TsF(S) 1 となるので ( 付録参照 ) 、 1 す。この等比級数の和は、 なら発散するので、 e- < 1 の場合を考えることにしま となります。ここでカッコの中は等比級数です。 e-Ts > 1 =F(s) + e-TSF(s) + e-2TSF(s) + e-3TSF(s) + ・ となります。こで推移則を使うと 2 月 変換を自在に駆使されることを期待しています。 本書を卒業するみなさんが、科学のさまざまな分野で、両 ためのしつかりした踏み台になってくれることでしよう。 た、さらに高度な数学を学ぶ必要がある方には次の飛躍の これらの知識がみなさんを助けてくれることでしよう。ま 識を身に付けました。今後、ラブラス変換を使う場合には、 さてこれで読者のみなさんはラブラス変換の中核的な知 躍的に広がったことになります。 にも対応できます。これでラブラス変換の応用の場は、飛 で、図 7 ー 9 のような周期的に変動する電圧がかかった場合 となります。これを使えば、周期的な波にも対応できるの

7. 高校数学でわかるフーリエ変換

んだん小さくなっていく波、すなわち減衰する波です。振 動する波の代表はサイン波で、図 2 ー 2 のように S lll 〃工 で表されます ( コサインでも振動する波を表せます ) 。 例えば、音の波がコンクリートの壁を伝わる場合を考え では、もう 1 つの減衰する波とはどのような波でしようか。 空間的に振動する波 ( sin 砒 : サイン波 ) 0.5 ーわ工 空間的に減衰する波 0 0.5 : 指数関数 ) 空間的に振動しながら減衰する波 ( sin 砒 指数関数 ) O. 5 0 図 2 - 2 距離ェ 距離ェ : サイン波 x 距離 振動する波、減衰する波、減衰振動の波

8. 高校数学でわかるフーリエ変換

さくいん ガウス関数 ガウス平面 カエサル 拡散現象 角振動数 傾き 過渡応答 カルダーノの解法 カノレノー ガロア 奇関数 極座標 虚軸 虚数 虚部 偶関数 区分的になめらか 157 56 12 153 66 45 190 55 28 158 18 , 26 56 56 54 , 61 104 18 , 26 , 104 座標 時間 周波数推移則 周期的ではない関数 シャンポリオン 時分割多重伝送 実部 実軸 自然対数 指数関数 シーサー 時間に依存する方程式 時間に依存しない方程式 時間推移則 時間軸上の FWHM 66 66 122 144 80 80 12 102 108 56 104 125 49 85 144 42 44 43 23 127 161 207 207 55 62 103 16 128 16 周波数スペクトルの FWHM 122 シュレディンガー方程式 65 , 80 区分的になめらかな関数 区分的に連続 クロネッカーのデルタ サイン 最大の通信容量 【さ行】 コサイン 減衰を表す関数 減衰する波 現実の数 ケネリー・ヘビサイド層 ケネリー 群論 群速度分散 象形文字 初期値 振動しつづける波 振幅 振幅変調波 推移則 数の概念 スペクトル 正規 正規直交系 石英ガラス 積分可能 積分のフーリエ変換 線形性 絶対値 29 181 61 66 118 143 56 113 27 27 , 81 113 43 149 56 142 , 172 229

9. 高校数学でわかるフーリエ変換

となります。あとは、左辺に / (s) が来るように式を変形 し、部分分数展開した後でラブラス逆変換を施せば電流の 過渡応答が求められます。 ーさらなる発展 ( 2 ) ー一周期波のラブラス変換 ラブラス変換で取り扱える波は単一のパルスだけではあ りません。例えば、図 7 ー 9 のような周期的な波も取り扱え ます。しかも、意外に簡単なのです。 方法は一推移則を使います。 1 周期の関数を / ( のとし ます。すると、周期 T すっすれた波は、それぞれ というふうに表せ ます。したがって、この周期的な波は、 と表せます。このラブラス変換は、線形性から / ⑦ f(t-T) / ( ト 2T ) / ( ト 3 乃 0 5 0 1 0 4 T 3 2 T ア 図 7 - 9 周期的な波 幻 0

10. 高校数学でわかるフーリエ変換

第 7 章ラブラス変換を用いた演算子法 信を実証したところ、当時の日本人は極めて強い関心を示 したそうです。日本で最初の電信は東京 ~ 横浜間に架設さ れ、 1869 年 ( 明治 2 年 ) から稼働を始めました。 1871 年に はデンマークの通信会社が敷設した海底ケープルによっ て、長崎 ~ 上海間と、長崎 ~ ウラジオストク間がつながり ました。ヨーロッパとアメリカ間の海底ケープルは 1858 年 に敷設されていたので、これで日本は世界中の電信回線と つながりました。 電信は世界中をかけめぐるようになったものの、その学 問的基礎となる電磁気学はまだ完成していませんでした。 1873 年にマクスウェルによる電磁気学についての論文が出 ると、ヘビサイドはそれに夢中になりました。 ヘビサイドは、当時の電磁気学を単にマスターするだけ にとどまらす、さらに発展させました。電磁気学の記述に べクトルを導入したこと、電気回路を取り扱う際に複素数 を導入したこと、同軸ケープルを発明しその電磁波の伝わ り方を解析したことなど、多数の業績をあげています。特 に同軸ケープルは、遠くまで電気信号を送るためには極め て重要です ( 拙著『高校数学でわかるマクスウェル方程 式』 181 ページ ) ヘビサイドが電気回路を取り扱う際に導入したもう 1 つ の新規な方法が、この後説明する演算子法と呼ばれる方法 で、これは微積分方程式を簡単に解く方法でした。ヘビサ イドはこの手法を便宜的な方法として考案したので、当初 は数学的な根拠はあいまいでした。このため、ヘビサイド の解き方は、「簡単だが、なぜ解けるのかは数学的にはよ 18 /