例えば、指数関数の乙推移 を考えましよう。 0 単位階段関数をかけない 場合は、この点線の部分 の関数も残ります。 てだけ平行移動させる。 図 6 - 2 t 推移 この推移則の証明には、だ三ー「という変数変換を 行います。この変数変換によって、積分範囲は、ゼロから ー「からに変わります。 だったものが、 e “は定数なので積分の外に出せます。 ー St 積分範囲を「一「から 0 まで」と「 0 からまで」に分 7 / 4 けると、
第 6 章ラブラス変換 / ラ ( の。→ + / g ( の。→ ■推移則 も成り立ちます。 同様に となります。 7 / 3 図 6 ー 2 のように関数をそのまま平行移動させるためです。 を意味します。単位階段関数をかけるのは、「すれたとき りますが、が時間を表す場合は、時間「だけ遅れること e-st をかけたものになります。ここで「は正 ( > 0 ) にと してラブラス変換すると、 s 関数 F (s) に、指数関数 ラブラス変換に関するものです。 / を「 ( タウ ) だけすら というもので、関数 / ①と単位階段関数″ ( / ) の積の まず、 t 推移則というのは、 と s 推移則があります。 に、変数をすらしたときの関係です。推移則には推移則 それは、推移則で、フーリエ変換の性質にもあったよう この線形性に加えて、もう 1 つ重要な関係があります。
階段状の関数 1 ガウシアン 階段関数 1 デルタ関数 高さは無限に高く、 幅は無限に狭い。 ただし、積分する と面積は 1 。 4 図 4 - 1 0 デルタ関数と階段関数の関係 ( 4 ー 8 ) 数の微分です。この高さ 1 の直角の関数を ( 単位 ) 階段関 ではなくて、図 4 ー 10 の右上の図のような角が直角の階段関 かど です。ただしデルタ関数は角がまるい階段状の関数の微分 732 数と呼びます。 となっています。デルタ関数との関係を式で書くと 1 ェ > 〃 0 工 < 〃 この関数は日を使って表して
/ は ) の、ある場所は = ののサンプルをとる ( 試料を採 取する ) ような働きをするわけです。 こでは階段関数との関係でデルタ関数の説明を始めま したが、 ( 4 一 8 ) 式と ( 4-9 ) 式がデルタ関数の定義です。 このデルタ関数は従来の関数とは異なる性質を持っている ので超関数と呼ばれています。 なお、少し考えると、デルタ関数にはェを変数として öは一の = ö ( - + の ( 4 ー 10 ) という性質があることがわかります。この式では = 4 のとき、両辺ともカッコの中はゼロになるので、左辺の表 記でも、右辺の表記でも、ェ = 〃に位置するデルタ関数を 表しています。 ・テルタ関数のフーリエ変換 このデルタ関数のフーリエ変換を求めてみましょ る方もいると思いますが、意外に簡単です。 う。いったいどうやって求めるのだろうと、少し心配にな 1 1 まず、デルタ関数のフーリエ変換の式は、次式の左辺で す。 きます。 ノ 34 2 2 / ö(x—a)e-tkXdx= こで、左辺の積分に注目すると、この積分は ( 4 ー 9 ) 式 ( 4 ー 11 ) の / は ) に e ー・れを代入したものと同じであることに気づ よって、 ( 4 ー 11 ) 式の右辺が導けます。というわ
第 6 章ラブラス変換 換を表します。指数関数の肩に乗っている s は複素数で す。積分範囲は、フーリエ変換が、一から十であっ たのに対して、ゼロから十までです ( 本書では触れま せんが、一から十まで積分をとる両側ラブラス変換 もあります ) 。ラブラス変換をする前の元の関数 / ①を おもて 表関数 ( または、関数 ) と呼び、変換後の関数 F ( s ) を 裏関数 ( または、 s 関数 ) と呼びます。 ラブラス変換で用いる関数の中で、簡単でかつ重要なも のをこれから 5 つほど求めてみましよう。 1 つ目は、 / ① = 1 です。関数が 1 とは何だろう ? と 疑問に感じると思いますが、ラブラス変換では、積分がゼ 口から始まるので、これは図 67 のように時間ゼロで 1 に なり、その後はずっと 1 のままの単位階段関数を表します。 この階段関数は、例えば電気回路では、時間ゼロで突然 一定の電圧をかけるときなどに使います。時間ゼロで電源 のスイッチを入れたとして、そのときの回路の応答がどう 階段関数 うら 1 0 図 6 - 1 時間一 単位階段関数 16 /
第 7 章 聞 RC Cvo となります。 ラブラス変換を用いた演算子法 聞 RC s 十 1 これで、 Q (s) が求まったので、 を施します。 〆の = 望ー 1 [ Q ( s ) ] = 望ー RC これにラブラス逆変換 Cvo 1 RC s 十 s 十 RC 1 Cvo 1 0 ー 1 Cvo RC s 十 1 第 1 項は階段関数″ ( のの裏関数で、第 2 項は、指数関 数の裏関数なので、表 6-1 にしたがって変換すると、 ( の = C 聞″ ( の一 C 聞 e ー = Cvo ″ ( の一 e が得られます。これは、先ほどの ( 7 ー 4 ) 式の結果と同し です。部分分数展開はこのようなときに利用できます。 7 9 /
さくいん 【数字】 【あ行】 1 階微分 44 アップルトン 208 2 の周期性 35 アーベノレ 99 3 次方程式 55 アポガドロ 99 アレクサンダー 12 アンく一ノレ 99 【アルファベット , ギリシャ文字】 裏関数 167 AM 波 工カチェリーナ二世 118 72 C-b and 124 工コーノレ・ノノレマノレ 14 CT スキャン 工コール・ポリテクニク 152 14 , 49 D 層 エジプト 208 12 エネルギーの分解能 208 123 FI 層 208 工ノレミ 158 F2 層 演算子法 208 187 オイラー FWHM 106 , 115 , 119 58 , 69 オイラーの公式 MRI 152 58 , 69 RC 時定数 表関数 193 167 RL 直列回路 201 s 関数 167 s 推移則 173 ー関数 階段関数 167 ー推移則 ガウシアン 173 X 線 CT ガウシアンのフーリエ逆変換 152 ö関数 131 112 ガウシアンのフーリエ変換 112 ガウス 128 ガウス型関数 106 【か行】 132 , 167 106 228
第 4 章代表的な関数のフーリエ変換 新しい数学の概念が、数学者だけによってもたらされる ートンが力学を構築する際に微分・ 積分を生み出したように、物理学が数学の発展を促すこと とは限りません。 ■テルタ関数 131 ルタ関数が存在します。面積は 1 なので積分で書くと、 にします。つまり、カッコの中がゼロになるェ座標にデ ェ = 4 のところにあるデルタ関数をöは一ので表すこと がっきます。ェ = 0 に位置するデルタ関数を 6 は ) と書き、 高さには、先ほど述べたように面積が 1 であるという制限 無限に細く、高さは無限に高いとします。また、この幅と 面積が 1 です。ただし、図 4 ー 10 の右下の図のように、幅は デルタ関数も、このガウシアンのような柱状の関数で、 あるとします。 なっているとします。また、このガウシアンの面積は 1 で この関数の微分はその下の図のようにガウシアンに まるくなっていて、直角にはなっていないものとします。 段状の関数を考えてみましよう。ただし、この階段の角は デルタ関数を理解するために図 4 ー田の左上図のような階 デルタ関数を見てみましよう。 「デルタ ( 関数」です。本節では、奇妙でおもしろい 者デイラックが、新しい関数を考え出しました。それが まりました。量子力学の創設に関わったイギリスの物理学 物理学の世界では、 20 世紀になって量子力学の発展が始 究者も多数存在しました。 ェ、ガウスのように、数学と物理学の両方に取り組んだ研 が歴史上には度々ありました。また、オイラーやフーリ
となります。 この s 推移則は極めて便利です。表 6-1 の階段関数と指 数関数を比べてみると、この s 推移側が成り立っている ことがわかります。階段関数″① = 1 に指数関数 eat を かけて ( つまり、 eat を ) ラブラス変換すると、裏関数は 1 が 1 になっています。また、三角関数 sin と 減衰振動 eat sin の間にもこの関係が成り立っている ことがわかります。裏関数は、 7 / 6 平行に、虚数のマイナス無限大 ( 住ー / ) から、プラス という条件が付きます。積分範囲は、複素平面上で虚軸と ろどころが少し違います。こで、 / が正である 0 > 0 ) という形です。一見、ラブラス変換に似ていますが、とこ うか。式で書くと、 このラブラス逆変換は、どういう形をしているのでしょ ると 1 になり、一をラブラス逆変換するとになります。 の通りラブラス変換の逆なので、一をラブラス逆変換す に、ラブラス逆変換があります。ラブラス逆変換はその名 ラブラス変換には、フーリエ変換に逆変換があったよう ーラブラス逆変換 るということです。 けば、指数関数と減衰振動の裏関数は s 推移則から導け になっています。階段関数と三角関数の裏関数を覚えてお s2 十の (s ーの 2 + の 2
第 4 章代表的な関数のフーリエ変換 は ) = öは ) です。 このデルタ関数は、他にもおもしろい性質を持っていま す。ある関数 / は ) にデルタ関数をかけて積分してみま しよう。積分範囲は住からまでで、デルタ関数はこの 間のェ = 〃にあるとします ( 住 < < 。部分積分を用い ると 日は一の市 となります。階段関数はェ < でゼロなので、右辺の第 1 項はェ = の値だけが残ります。また、第 2 項では同 しく階段関数の性質により、積分範囲が「住から日まで」 から「〃からまで」に変わります。よって、 みは ) となります。まとめると、 ff(x)ö(x—a)dx=f(a) ( 。く。 < ( 4 ー 9 ) が得られます。つまり、デルタ関数がある場所は = の での関数 / は ) の値 / ( のが求まります。あたかも関数 133