若木未生 - みる会図書館


検索対象: イズミ幻戦記 4 烙都紅蓮編
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1. イズミ幻戦記 4 烙都紅蓮編

スツタチ文宿 好評発売中 若木未生 イフスト / 岡崎武士

2. イズミ幻戦記 4 烙都紅蓮編

若木未生 イズミ幻戦記 4 烙都紅蓮編 集英社スーバーファンタジー文庫

3. イズミ幻戦記 4 烙都紅蓮編

若木未生 イズミ幻戦記 4 烙都紅蓮編 集英社スーバーファンタジー文庫 ☆定価はカバーに表示してあります 円 96 年Ⅱ月田日第一刷発行 発行者 発行所 小島民雄 会社集英社 〒 101 ー東京都千代田区ーツ橋 2-5 ー 10 ( 3239 ) 5 2 6 3 ( 編集 ) 電話東京 ( 32 ) 6 3 9 3 ( 販 ( 32 ) 6 0 8 0 ( 制作 ) 印刷所ーーーー中央精版印刷株式会社 本書の一一部あるいは全部を無断て、複写複製することは、 落丁・乱丁の本はご面倒て、も小社制作部宛にお送りください。 法律朝忍められた場合を除き、著イ料の侵害となります。 ⑥ MIO WAKAGI 1996 / 04 ′イユ 3 ISBN4 ー 08 ー 613238 ー 9 C0193 送科はノ」寸上負担て、お取り替えいたします。 Printed in J apan

4. イズミ幻戦記 4 烙都紅蓮編

216 まだ終わらない、つづきがあるかぎり死ねない本気の物語があれば。 ( あと私には、素晴らしい音楽と美しい絵があれば : : : かな ) 自分ひとりの力は小さいけど、そういうものを信じていたいなと思います。 どうでもいいものだったら、書けない。本気じゃなくちやダメだよね。 おかざきたけし このたびも、岡崎武士氏にたいへんなご尽力をいただきました。ご自分のお仕事で本当にお 忙しいところに、今回もイラストをひきうけてくださり、ありがとうございます。どうにも嬉 しくて、うまい言葉になりませんが、深く感謝しております。ご迷惑をおかけして申し訳あり ません : ・ それから編集部の皆様と担当の菊池氏に、かさねがさね、お詫びと御礼を申しあげます。 雑誌連載のぶんを別にすると、一冊まるまる書きおろしの文庫を出すのが、じつは十三ヶ月 ぶりです。そうなってた理由はあって、この一年たくさん泣いたしダメにもなったけど、ほん とにいいかげんサポりすぎだよ。大切な読者の皆様を、お待たせしたのが、なによりつらくて 申し訳ないです。心を入れかえて・ハージョンアップして、ここから出直しです。 手にとってくださって、ありがとうございます。では、また次の本で。 一九九六年九月 若木未生

5. イズミ幻戦記 4 烙都紅蓮編

214 かなり、どきどきしながら書いています。 昔の苦労 ( : : : 苦労はろくに憶えてませんが、とにかくぎくしやく不器用にやってた。わけ のわからん勢いだけはあったのだが ) が嘘のように、ものすごく文章は書きやすくなって、正 直、今の若木未生の文章はイズミ幻戦記を書くためにあるそと自負したりもしています。 むしろ、書きやすさでずるずる流して書かないようにブレーキかけながら、つねに気合いが 入っているように、ちょっとでも半端なものを出さないように、エネルギー溜めて、肝に銘じ ながら書いてます。 どのキャラクターも、大好きで大事ですが、この 4 巻でいちばん大事にしたのはイズミちゃ んです。一目瞭然か。 イズミが変わってきていて、彼を書くたびに、すごくどきどきします。 最強無敵のイズミちゃんにも、ままならぬものはあるわけです。人の心とか。 ままならぬときに、その現実から目を逸らさずに、泣いても無駄でも誇りにかけて戦うの ーヒーローだよと思います。おそらくイズミも一歩ずつ、そこに近づいている が、真のスー んでしよう。 私の頭のなかでイズミにはなぜか、ひとりで涙を流しているイメージがあります。実際には そんなに泣いてないと思うんだけど : たくさん泣いて叫んで、強く、綺麗になってほしい。 いちもくりよっぜん

6. イズミ幻戦記 4 烙都紅蓮編

著者紹介 若木未生 ( わかぎみぉ ) 1968 年 12 月 2 日、埼玉県生まれ、都内在住。 射手座、 A 型。早稲田大学文学部中退。 1989 年、『 AGE 』で、第 13 回コバルト・ノベル大 賞佳作入選。仕事の能率アップを狙ってパ ソコンを新調。インターネットも O KO だ がしかし肝心のセッティングをする暇が作 れず、いつまでたっても新品のバリュース ターがダンポール箱から出てこない今日こ の頃。誰かー、かわりにパソコンラック組 んで一 ! ( バカ・・・・・・ ) スーパーファンタジー 文庫に『イズミ幻戦記 1 ~ 3 』、『イズミ幻戦 記外伝砂上の旋律』、コバルト文庫にくハ イスクール・オーラバスター〉シリーズと して『天使はうまく踊れない』セイレーン の聖母』『十字架の少女』『迷える羊に愛の手 を』炎獄のディアーナ ( 前編 ) ( 後編 ) 』『天 冥の剣 1 ~ 4 星を堕すもの ( 前編 ) ( 後編 ) 』 『アーケイディアふくグラスハート〉シリー ズとして『グラスハート』『薔薇とダイナマ イト』『ムーン・シャイン』、他に『エクサー ル騎士団 1 ~ 3 』『エクサール騎士団翠玉 の王』 rXAZSA ver. 1 ~ 2 』などが、また 単行本に「天使 / 来撃』がある。

7. イズミ幻戦記 4 烙都紅蓮編

212 ツリそれよ ツリお願い また次もマジにもっと面白いです。早く早く読んでえええ りテメ工がさっさと書きやがれ若木 ぜぜ、ぜえぜえ。いてもたってもいられんので そくざ ひきつづき 5 巻も即座に行きます。 4 巻は、大復活の、「だーいふ」くらいかな。 のこりの「ーっかーっリーを出すまでは、気がすまんのです。 しじよう そのへんまでしばし、おっきあいいただけましたら、至上の喜びにございます。 ええと今、私の膝の上で拓己とゆーでかい猫 ( 赤トラ。四歳。ま ) がころがって仕事の邪魔 ひまんたい をしています。重いよー。体重が八キロあるんだよ ! ( しかし肥満体ではない。なんっーか、 体格がいいの。変な猫 ) ショウゴ うちの猫に『拓己』と『省吾』っつー名前をつけたのは私ではなくて、奴らを拾って連れて きた友人 ( さしずめ如月 ) なんですが、名は体をあらわすってのは本当です。今回の原稿の修 羅椦中、世話ができないんで一一匹を動物病院に預けておいたら、獣医の先生が。 ぼ、つこ、つ、えん 「省吾 ( 黒シマ。四歳。ま ) ちゃんがまた持病の膀胱炎をおこしていまして、投薬してるんで すよ : : : 拓己ちゃんはいつもとても元気なんですけど」 「げつ。それはあのう、やはりストレスなんかも関係あるんでしようか ? 」 「ストレスがかかると免疫力が低下しますね。心当たりはありますか」 めんえきりよく タクミ ッ とうやく しゅ

8. イズミ幻戦記 4 烙都紅蓮編

まぎ れいほうふじ ーー霊峰〈富士〉の裾野に息づく天然の森林に紛れるようにして、その集落はある。 規模は中型だが、湧き水に恵まれた自然条件、優良な生活環境、バランスのとれた住民構 成、そして高い防衛力を見るならば、ムラとしては上級レベルと評価することができるはず おしの ムラの名を、〈忍野〉という。 編 ュウカ 皿「悠香先生 ! 」 烙森から切りだした木材で建てられた頑丈な小屋の、あけはなした扉にたどりつき、人影のな シカノョウコ い診察室にむけて鹿野葉子が声を投げかけた。日ざしの弱い午後のことである。 「女の子たちでおせんべい焼いたんで、配 0 てるんです。お味見してくださいね : : : あ」 勝手知ったる気安さで居間のほうに踏みこんだ葉子が、びつくりして立ち止まった。 ズ イ いるはずのない人物がいる。 たしか、予定では、師ファミリー 総勢十五名、そろって長期遠征の仕事にでかけている時期 0 - 」 0 すその ッカサ ムラ

9. イズミ幻戦記 4 烙都紅蓮編

そうではなく。 「それじや全然だめだ。僕がやってやらなきやだめなのか ? 本当にそれしかないのか卩」 この少年は、眼前にたちはだかる不動の現実というものに、おそらくは初めて、傷ついてい るのだ。それは若さである。 細い腕ひとつで世界をくつがえそうと夢見るのは、純粋さの特権だ。 いずれ少しずつ我が身の限界を悟り、未来をみる瞳の輝きを曇らせ、できることにしか己を 捧けられはしないのだと知ってゆく。 大人になるとはそういうことだ。 め ( この子は、ならねえかもしれないな ) 圧そんな予感が伝次を黙らせた。 時間の流れに錆びつき止まることなく、不変に、理想のままに少年でありつづけるのではな し力と・・ 記 幻「おまえさんほど強きゃあ、もっとうんとちゃんと、〈ジ = リア〉と戦争できるかもしれない ひきよ、つもの な。けど俺は兵隊よ。戦争屋よ。卑怯者にはなれん。ウチらのかわりに、そっちでだけやって くれとは言えぬ。それに俺などは、この田舎軍隊の俺のことが気に入っておる。せつかく 崩壊んときでも百死に一生を得たんじゃあ、これからわざわざ気に入らない俺になれはせん」 クライシス

10. イズミ幻戦記 4 烙都紅蓮編

双眼に、回避できぬ危機を知る色が走ったのをカスミは見逃さなかった。 ( 勝ちだッ ) おそ イズミを畏れさせた " ・ 「ヒットおおーーーツ 確実に、彼の胸の中心に、カスミは融解液を撃ちこんだ。強引に自らの〈念動〉で〈カ場〉 を破り、射ちぬいた ドオン ! と重苦しい打撃が、硬質な地面へとイズミをたたきつけた。 「ガッ、ふつ かたまり 地表に一度バウンドした肩をすぐさま無理やりにひきあげて、濁った血液の塊をイズミは喉 めの奥から吐き捨てる。首筋から胸にかけて、ふせぎきれなかった魔の霧が肉を溶かした。 紅立ちあがれない。 てのひら 胸をおさえた掌の下で、急速な〈再生〉は進むが、傷を負った範囲が広すぎる。 G 尸帯を回復しろ ) 記 幻溢れおちる汗と体液を前髪から振りはらい、イズミは我が身の機能に命じる。 ズまだ敗れてはいない。 イ ( 戻れリ ) ざわざわと冷気が全身を走る。震えだ。 ショック こ、つしつ