キミ - みる会図書館


検索対象: キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録
190件見つかりました。

1. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

148 飯もつけて〃って言わなくっちゃな」 せりふ まるで緊張感のない台詞をつぶやきながら、剣は窓の下の植え込みまでの距離を目で測る。 すき せえの、と、いざ飛び降りようとするところに、うしろからわざわざ隙を突くような竹千代の 見送りが聞こえてきた。 「ねえねえ、如月。篁くんとは、ほんとうのところ、どうなんだい ? 」 「へ ? 」 「だって、如月は、そもそも彼のことを追いかけて青桃院に転校してきたんだろう ? このご ろはキミたち、いつもいっしょだし : ・・僕には、キミたちが、その : ・ : 相思相愛のカップルみ たいに見えるんだけど」 「へ ? 」 「だからね、如月。ほんとうは、どうなんだい ? も : : もしかして、キミと篁くん、キスく らいはもう : : : あっ、それより先まですすんじゃったとか ? 」 「えっ ? えっ ? あっ : : : うわあああああっ ! 」 竹千代の台詞に足もとをすくわれ、重力に従って、どさつ、とまたしても植え込みめがけて 突っ込んだ。 かば そろそろ突っ込み方もうまくなったぜと、剣は箱を庇いながらいまいましく吐き捨てて、 「くそ っ ! ど、せ、オレは、朱雀のヤローにキスされてたぜっ ! おまけに、こない

2. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

148 飯もつけて〃って言わなくっちゃな」 せりふ まるで緊張感のない台詞をつぶやきながら、剣は窓の下の植え込みまでの距離を目で測る。 すき せえの、と、いざ飛び降りようとするところに、うしろからわざわざ隙を突くような竹千代の 見送りが聞こえてきた。 「ねえねえ、如月。篁くんとは、ほんとうのところ、どうなんだい ? 」 「へ ? 「だって、如月は、そもそも彼のことを追いかけて青桃院に転校してきたんだろう ? このご ろはキミたち、いつもいっしょだし : : ・僕には、キミたちが、その : : : 相思相愛のカップルみ たいに見えるんだけど」 「へ ? : もしかして、キミと篁くん、キスく 「だからね、如月。ほんとうは、どうなんだい ? も : らいはもう : : : あっ、それより先まですすんじゃったとか ? 」 「えっ ? えっ ? あっ : : : うわあああああっ ! 」 竹千代の台詞に足もとをすくわれ、重力に従って、どさつ、とまたしても植え込みめがけて 突っ込んだ。 かば そろそろ突っ込み方もうまくなったぜと、剣は箱を庇いながらいまいましく吐き捨てて、 「くそ っ ! ど、せ、オレは、朱雀のヤローにキスされてたぜっ ! おまけに、こない

3. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

, さらに顔色を悪くした御霊寺が、目を閉じ、印を結んだあげくに、くびを何度も横に振って いる。 そんなことにはおかまいなしの伊集院は、楽しげにあたりをぐるりと見まわして、 「それはそうと、新委員たちの礼服は出来上がったのかい ? 服が間に合わなくては、みすぼ らしいことにな ? てしまうよ ? 彼ら、かわいらしい一年生たちの晴れ姿を、ぜひともキミと 肩を並べて仲良く眺めたいと思っていてね」 「心配はいらない。青桃院出人りの優秀な仕立屋たちが、徹夜で縫い上げてくれるそうだ。タ 方にはそろって届けられると聞いている。今夜、消灯時間を見計らって、執行部メン・ハーが各 部屋のドアのまえに配ってまわる予定だ」 「ふふふ。では、徴力ながら僕も手伝いを」 こざいく いたずら ・「いや、いい ! どんな小細工や悪戯をされるか知れたものでは : : : もとい、キミはすべてを 我々にまかせて、ゆったりと構えていてくれたまえ。来賓たちも、青桃会副会長であるキミ の、う : : う : : : 美しい正礼装を、さぞかし楽しみにしていることだろう。伊集院」 せりふ 馬上の伊集院に向かって心にもない台詞を述べた御霊寺は、無理をして作り笑いまで浮かべ ようとしたあげくに失敗する。 愛馬の上で、ふふつ、と意味ありげに微笑んだ伊集院が、剣たちをふり返ってすばやい投げ キスだ。

4. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

かはどーでもよくって、とにかくあいっと仲良くすんので精一杯なんだよね」 「えつ、朱雀 ? 朱雀って、もしかして一年の篁くん ? キミといっしょに風紀委員に指名さ ふんいき れた ? 恐れ多くも躑躅先輩と同室の ? 雰囲気怖くてだれもマトモに声かけられないってい う、あの ? 」 「そ。愛想は全然ねーけど、いっしょに遊ぶとおもしろいやつでさ。ケンカなんかすると、す んごく気持ちいいの。なあなあ、おまえもいっぺん、いっしょにどう ? 鹿ヶ谷」 やばんげせん 「ケっ : : : ケンカ ? そんな野蛮で下賤なこと、とてもじゃないけど僕はつ」 「ここだけの話だけどさ。オレ、朱雀と勝負できるんなら、トカゲ先輩の変態趣味にも、ちょ こっとだけならっき合ったってかまわないって思うんだよね。ほら、いっしょに風紀委員やっ てたら、嫌でも顔つき合わせるだろ。朱雀のやっと」 「 : : : ということは、キミ、あくまでもやめるつもりはないんだね。風紀委員」 ごりようじ 「でもまあ、御霊寺生徒会長と、もういっぺんキスしろって言われたら、あっさりやめちゃう かもな、」 「たとえば、身に危険が迫ったりしたら ? 」 「あはは。危険っていったら、この学校じたい相当危険な感じだしな、」 「キミ、きっともう呪われてると思うんだよね。僕が思うに」 「そ、そ、。転校早々、霊能会長とトカゲ副会長に出くわしたときから、すでに呪われてる感

5. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

かはどーでもよくって、とにかくあいっと仲良くすんので精一杯なんだよね」 「えつ、朱雀 ? 朱雀って、もしかして一年の篁くん ? キミといっしょに風紀委員に指名さ ふんいき れた ? 恐れ多くも躑躅先輩と同室の ? 雰囲気怖くてだれもマトモに声かけられないってい う、あの ? 」 「そ。愛想は全然ねーけど、いっしょに遊ぶとおもしろいやつでさ。ケンカなんかすると、す んごく気持ちいいの。なあなあ、おまえもいっぺん、いっしょにどう ? 鹿ヶ谷ー やばんげせん 「ケっ : : : ケンカ ? そんな野蛮で下賤なこと、とてもじゃないけど僕はつ」 「ここだけの話だけどさ。オレ、朱雀と勝負できるんなら、トカゲ先輩の変態趣味にも、ちょ こっとだけならっき合ったってかまわないって思うんだよね。ほら、いっしょに風紀委員やっ てたら、嫌でも顔つき合わせるだろ。朱雀のやっと」 「 : : : ということは、キミ、あくまでもやめるつもりはないんだね。風紀委員」 ごりようじ 「でもまあ、御霊寺生徒会長と、もういっぺんキスしろって言われたら、あっさりやめちゃう か、も学な・、・ 「たとえば、身に危険が迫ったりしたら ? 」 「あはは。危険っていったら、この学校じたい相当危険な感じだしな、」 「キミ、きっともう呪われてると思うんだよね。僕が思うに」 「そ、そ、。転校早々、霊能会長とトカゲ副会長に出くわしたときから、すでに呪われてる感

6. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

さらに顔色を悪くした御霊寺が、目を閉じ、印を結んだあげくに、くびを何度も横に振って いる。 そんなことにはおかまいなしの伊集院は、楽しげにあたりをぐるりと見まわして、 「それはそうと、新委員たちの礼服は出来上がったのかい ? 服が間に合わなくては、みすぼ らしいことにな ? てしまうよ ? 彼ら、かわいらしい一年生たちの晴れ姿を、ぜひともキミと 肩を並べて仲良く眺めたいと思っていてね」 「心配はいらない。青桃院出人りの優秀な仕立屋たちが、徹夜で縫い上げてくれるそうだ。タ 方にはそろって届けられると聞いている。今夜、消灯時間を見計らって、執行部メン・ハーが各 部屋のドアのまえに配ってまわる予定だ」 「ふふふ。では、微力ながら僕も手伝いを」 こざいく いたずら ' 「いや、いい ! どんな小細工や悪戯をされるか知れたものでは : : : もとい、キミはすべてを 我々にまかせて、ゆったりと構えていてくれたまえ。来賓たちも、青桃会副会長であるキ、、、 : う : : : 美しい正礼装を、さぞかし楽しみにしていることだろう。伊集院」 せりふ 馬上の伊集院に向かって心にもない台詞を述べた御霊寺は、無理をして作り笑いまで浮かべ ようとしたあげくに失敗する。 愛馬の上で、ふふつ、と意味ありげに徴笑んだ伊集院が、剣たちをふり返ってすばやい投げ キスだ。

7. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

さらに顔色を悪くした御霊寺が、目を閉じ、印を結んだあげくに、くびを何度も横に振って いる。 そんなことにはおかまいなしの伊集院は、楽しげにあたりをぐるりと見まわして、 「それはそうと、新委員たちの礼服は出来上がったのかい ? 服が間に合わなくては、みすぼ らしいことにな ? てしまうよ ? 彼ら、かわいらしい一年生たちの晴れ姿を、ぜひともキミと 肩を並べて仲良く眺めたいと思っていてね」 「心配はいらない。青桃院出入りの優秀な仕立屋たちが、徹夜で縫い上げてくれるそうだ。タ 方にはそろって届けられると聞いている。今夜、消灯時間を見計らって、執行部メン・ハーが各 部屋のドアのまえに配ってまわる予定だ」 「ふふふ。では、徴力ながら僕も手伝いを」 こざいく いたずら ・「いや、いい ! どんな小細工や悪戯をされるか知れたものでは : : : もとい、キミはすべてを 我々にまかせて、ゆったりと構えていてくれたまえ。来賓たちも、青桃会副会長であるキ、、、 の、う : : う : : : 美しい正礼装を、さぞかし楽しみにしていることだろう。伊集院」 せりふ 馬上の伊集院に向かって心にもない台詞を述べた御霊寺は、無理をして作り笑いまで浮かべ ようとしたあげくに失敗する。 愛馬の上で、ふふつ、と意味ありげに徴笑んだ伊集院が、剣たちをふり返ってすばやい投げ キスだ。 ほほえ

8. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

たったいまべッドから抜け出したばかりと見えて、つやつやと光るシルクのナイトウェアと いうしどけない姿で、剣の間近まで寄ってくる。 せつぶん 「さあ、気つけに接吻をくれるかい ? どうも僕は低血圧で、朝はそれがないと」 「接吻っ ? 接吻って、もしかしてキスのことっ ? そ、そんなもんより、先輩、通販カタロ かんぼう きた グで血圧上げる漢方の酒とか、健康器具とか頼んでカラダ鍛えたらっ ? 」 がんやく 「ふふつ。そういうお酒も、動悸息切れに効くという丸薬も、青竹踏みも、腹筋養成器具も、 すぐ 飛んでる気分で歩行運動ができるという優れもののマシンも、近ごろは毎日ひととおり起き抜 けに試しているけれど、さつばり駄目なんだよ」 「ト、トカゲ先輩、その寝巻き、まえが全開っ それだけ試せる時点ですでに低血圧ではないのでは、と呆れつつ、剣はドアノブをつかんで すばやく扉を押し開ける。 美貌の伊集院躑躅が、腕を広げて、まっすぐ目のまえまで迫ってきた。 「ねえ、如月くん。キミは名誉ある風紀委員新一年生、そして、僕は泣く子も黙る風紀委員 長。ということは、キミはすでに僕のモノであるも同然。さあ、嫌々をせずにおとなしく、こ とりこ の身の毛もよだつほどの美貌の虜になってしまいたまえよ」 「悪いけど、先輩。オレ、店の予約があるから。じゃ ! 」 きびす くるり、と踵を返して、うしろも見ずに、ばたん、と遠慮なくドアを閉めた。 どうき あき

9. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

たったいまべッドから抜け出したばかりと見えて、つやつやと光るシルクのナイトウェアと いうしどけない姿で、剣の間近まで寄ってくる。 せつぶん 「さあ、気つけに接吻をくれるかい ? どうも僕は低血圧で、朝はそれがないと」 「接吻っ ? 接吻って、もしかしてキスのことっ ? そ、そんなもんより、先輩、通販カタロ きた かんぼう グで血圧上げる漢方の酒とか、健康器具とか頼んでカラダ鍛えたらっ ? 」 どうき がんやく 「ふふつ。そういうお酒も、動悸息切れに効くという丸薬も、青竹踏みも、腹筋養成器具も、 すぐ 飛んでる気分で歩行運動ができるという優れもののマシンも、近ごろは毎日ひととおり起き抜 けに試しているけれど、さつばり駄目なんだよ」 「ト、トカゲ先輩、その寝巻き、まえが全開つ」 あき それだけ試せる時点ですでに低血圧ではないのでは、と呆れつつ、剣はドアノブをつかんで すばやく扉を押し開ける。 美貌の伊集院躑躅が、腕を広げて、まっすぐ目のまえまで迫ってきた。 「ねえ、如月くん。キミは名誉ある風紀委員新一年生、そして、僕は泣く子も黙る風紀委員 長。ということは、キミはすでに僕のモノであるも同然。さあ、嫌々をせずにおとなしく、こ とりこ の身の毛もよだつほどの美貌の虜になってしまいたまえよ」 「悪いけど、先輩。オレ、店の予約があるから。じゃ ! 」 きびす くるり、と踵を返して、うしろも見ずに、ばたん、と遠慮なくドアを閉めた。

10. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

144 「 : : : そりゃあ、あるだろ 「え、わかんねー。なんでなんで ? ・ : 言っただろ。オレのとこにもラブレターが来たんだって」 「それがどーして、くつつく理由になるんだ ? 」 ねら 「鹿ヶ谷が狙ってんのは、オレとおまえのスクープなんだよ。おおかた " 風紀委員なのに不純 な交遊〃ってタイトルでもつけて、おまえを委員から降ろそうとしてるんだろ。お熱いラブレ ターで呼び出しといて、決定的瞬間ってやつを押さえるつもりなんだって」 「あ、なるほどな。だから今夜までは、オレとおまえで仲良くくつついてみせるわけね。で も、なあんかムズムズしちゃうよなあ。おまえに肩なんか、ギュッ、てされると」 「 : : : 笑って見つめ合えだと、鹿ヶ谷が」 「ええっと。み、見つめ合うって、こうか ? うわ、オレ、噴き出しちゃいそう」 「 : : : そうそう。もうちょい顔近づけろって、鹿ヶ谷が」 「わっ、危ねえ ! オレたち、キスしそ、だぞっ」 「 : : : 予行演習しとけって、鹿ヶ谷がー 真顔の朱雀を相手にして、慣れない芝居に必死の剣である。 カメラを構える鹿ヶ谷が、にこにこ笑いながら、 「キミたちって、ほんとに仲がいいんだなあ」